Cisco IOS XR セッション ボーダー コントローラ コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS XR Software Release 3.5
SBC トランスコーディングの実装
SBC トランスコーディングの実装
発行日;2013/09/18 | 英語版ドキュメント(2013/05/14 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 6MB) | フィードバック

目次

SBC トランスコーディングの実装

内容

トランスコーディングの実装の前提条件

トランスコーディングに関する情報

トランスコーディングの実装方法

トランスコーディングを実装するための設定例

次の作業

その他の関連資料

関連資料

標準

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

関連コマンドのまとめ

SBC トランスコーディングの実装

トランスコーディングは、あるコーデックを使用して符号化されたメディア ストリームを、別のコーデックを使用して符号化されたメディア ストリームに変換する処理です。たとえば、Pulse Code Modulation U-law(PCMU)として符号化されたメディア ストリームを G.726-32 として符号化されたメディア ストリームに変換します。

トランスコーディングを設定する主な理由は、外付けのメディア トランスコーディング デバイスを自動的に検出できない場合に、これらのデバイスの機能を設定するためです。トランスコーダの機能であるインバンドの自動検出は、現在サポートされていません。したがって、現行のすべてのリモート トランスコーディング デバイスへの接続はすべて、設定する際にこの手順を実行する必要があります。


) 前述の理由が当てはまらない場合は、トランスコーディングの設定をすべて省略できます。


トランスコーディングを設定済みであるかどうかにかかわらず、メディア ゲートウェイは接続が許可されます。設定エラーを回避できるように、Signaling Border Element(SBE)は、Data Border Element(DBE)ではなく、かつトランスコーディングが設定されていないメディア ゲートウェイからインバウンド接続を受信した場合、警告をログに記録します。


) この章で使用するコマンドの詳細な説明については、『Cisco IOS XR Session Border Controller Command Reference』を参照してください。この章で言及する他のコマンドについては、コマンド リファレンス マスター インデックス(オンライン検索)を使用して、該当するマニュアルを参照してください。


SBC トランスコーディング実装の機能履歴

 

リリース
変更内容

リリース 3.3.0

この機能は、Cisco XR 12000 シリーズ ルータで導入されました。

リリース 3.4.0

変更なし。

リリース 3.5.0

変更なし。

リリース 3.5.1

変更なし。

トランスコーディングの実装の前提条件

SBC トランスコーディングを実装するには、次の前提条件を満たす必要があります。

使用される SBC コマンドの適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。ユーザ グループおよびタスク ID の詳細については、『 Cisco IOS XR System Security Configuration Guide 』の「 Configuring AAA Services on Cisco IOS XR Software 」モジュールを参照してください。

SBC ソフトウェアのパッケージ インストレーション エンベロープ(PIE)をインストールしてアクティブにする必要があります。

PIE のインストールに関する詳細については、『 Cisco IOS XR Getting Started Guide 』の「 Upgrading and Managing Cisco IOS XR Software 」モジュールを参照してください。

単純なコールの作成に必要な SBE および DBE のすべての設定が、すでに完了済みである必要があります。トランスコーディングの設定は、これらの設定の後に行います。

トランスコーディングに関する情報

トランスコーディングは、あるコーデックを使用して符号化されたメディア ストリームを、別のコーデックを使用して符号化されたメディア ストリームに変換する処理です。たとえば、PCMU として符号化されたメディア ストリームを G.726-32 として符号化されたメディア ストリームに変換します。

トランスコーディングには専用の Digital Signal Processor(DSP; デジタル信号プロセッサ)ハードウェアが必要ですが、SBC 自体には用意されていません。Cisco MGX 8880 デバイスを 1 台使用して、1 つまたは複数の SBC にトランスコーディング機能を提供できます。

SBC は、コールに対するトランスコーダ サービスの提供が Call Admission Control(CAC; コール アドミッション制御)ポリシー設定によって禁止されない限り、これらのコーデック間でトランスコーディングを必要とするコールでトランスコーディング デバイスを自動的に使用させます。トランスコーディングの必要なコールがセットアップされた場合、SBE は次の段階に沿って進みます。

発信側エンドポイントからの初回シグナリング要求を受信します。これをトリガーとして、SBE は着信 DBE および発信 DBE 上でコールの初期セットアップを実行します。次に、SBE は要求をコール先のエンドポイントに転送します。

着信側エンドポイントから初回要求に受け入れ可能なコーデックがないことを示す応答を受信します。これをトリガーとして、SBE はトランスコーダをコールに組み込みます。このコールは、着信 DBE と発信 DBE の間のメディア パス上に組み込まれます。新規要求が着信側エンドポイントに送信され、トランスコーダによって生成された新しいコーデック タイプが示されます。

ここで、SBE は、着信側エンドポイントで受け入れ可能なコーデックを見つけるまで、トランスコーダでサポートされるコーデックのリストに沿って繰り返し行うことが必要になる場合もあります。これを完了すると、コールが接続されメディアの転送が開始されます。

図 16 には、トランスコーダがネットワーク上に配置されている状態で、トランスコーディングが実行されたコールのメディアが取得したパスを示します。

図 16 トランスコーディング設定

 


図 16 では 2 つの DBE を示していますが、トランスコーディングは 1 つの DBE でも実現できます。DBE が 1 つの場合、メディアは DBE を 2 回流れます。1 回めは送信側エンドポイントからトランスコーダへ向かう途中に、2 回めはそのメディアがトランスコーダから受信側エンドポイントに流れるときです。


SBC がトランスコーダをプログラムするには、トランスコーダを登録する必要があります。トランスコーディング デバイスは、H.248 メディア ゲートウェイとして動作するため、接続先の SBE または SBC の IP アドレスおよびポートを使用して設定する必要があります。SBE または SBC は、H.248 メディア ゲートウェイ コントローラとして動作します。(設定方法については、トランスコーダ デバイスのマニュアルを参照してください。Cisco MGX 8880 のマニュアルの場合は、 http://www.cisco.com/en/US/products/hw/gatecont/ps3869/products_configuration_guide_book09186a0080535937.html にアクセスしてください)。

また、SBE には次の固有の設定が必要です。

sbe control address ipv4 コマンドおよび sbe control address h248 port コマンドを使用して、H.248 コントロール アドレスおよびポートを設定する必要があります。デフォルトで SBE はポート 2944 上に存在します。これは、トランスコーダが接続する必要のあるアドレスおよびポートのことです。

sbe media-gateway ipv4 コマンドを使用して、明示的なメディア ゲートウェイを設定する必要があります。明示的なメディア ゲートウェイは、トランスコーダでどのコーデック間の変換が可能かを SBC で把握するために、定義済みのサポート対象コーデックのリストを用意する必要があり、さらにトランスコーダとして識別する必要があります( sbe media-gateway ipv4 codecs コマンドおよび sbe media-gateway ipv4 transcoder コマンドを使用)。

トランスコーダが正しく SBE に登録されているかどうかを確認するには、 show services sbc sbe media-gateway-associations コマンドを使用します。正しく登録されていれば、トランスコーダが既知のメディア ゲートウェイのリストに、アクティブなアソシエーションとともに表示されるばずです。

トランスコーディングの実装方法

この設定領域では、ユーザは、SBE での管理を必要とすることもあるリモート メディア ゲートウェイのリストの設定を提供します。トランスコーディングが不要な場合、これは必須ではありません。

トランスコーディングを設定する主な理由は、外付けのメディア トランスコーディング デバイスを自動的に検出できない場合に、これらのデバイスの機能を設定するためです。トランスコーダの機能であるインバンドの自動検出は、現在サポートされていません。したがって、現行のすべてのリモート トランスコーディング デバイスへの接続はすべて、設定する際にこの手順を実行する必要があります。


) 前述の理由が当てはまらない場合は、トランスコーディングの設定を省略できます。


デフォルトでは、トランスコーディングを設定済みであるかどうかにかかわらず、メディア ゲートウェイは接続が許可されます。設定エラーを回避できるように、SBE は、DBE ではなく、かつトランスコーディングが設定されていないメディア ゲートウェイからインバウンド接続を受信した場合、警告をログに記録します。

トランスコーディング実装の基本的な手順は、次のとおりです。

1. SBC で H.248 メディア ゲートウェイ コントローラの IP アドレス、ポート、および転送プロトコルを設定します。メディア ゲートウェイ コントローラがすでに設定されている場合、この手順は必須ではありません。

2. メディア ゲートウェイの IP アドレスを設定します。

3. トランスコーディング対象のコーデックを設定します(たとえば、G.711 ulaw と G.729A 間)。

4. メディア ゲートウェイをトランスコーダとして指定します。

5. SBE をアクティブにします。

このタスクは、SBC のトランスコーディングを実装します。

設定が完了すると、SBC は、 transcode-deny コマンドを使用して、コールに対するトランスコーダ サービスの提供がコール アドミッション制御(CAC)ポリシー設定によって禁止されない限り、コーデック間でトランスコーディングを必要とするコールでトランスコーディング デバイスを自動的に使用させます(「SBC ポリシーの実装」の章の「コール アドミッション制御ポリシー セットおよび CAC テーブルの設定」セクションを参照)。

手順の概要

1. configure

2. sbc service-name

3. service-location preferred-active node-id preferred-standby node-id

4. sbe

5. control address h248 ipv4 ipv4_IP_address

6. control address h248 port port-number

7. control address h248 transport [ transport-type ]

8. media-gateway ipv4 IPv4_IP_address

9. codecs codec-list

10. transcoder

11. exit

12. commit

13. activate

14. show

15. end

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

configure

 

RP/0/0/CPU0:router# configure

グローバル コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。

ステップ 2

sbc service-name

 

RP/0/0/CPU0:router(config)# sbc mysbc

SBC サービスのモードを開始します。

service-name 引数を使用して、サービスの名前を定義します。

ステップ 3

service-location preferred active node-id [ preferred standby node-id ]

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc)# preferred-active 0/2/CPU0 preferred-standby 0/4/CPU0

サービス カードが SBC 機能をプライマリとして、およびオプションでセカンダリ ロケーションとして実行できるようにします。

ステップ 4

sbe

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc)# sbe

SBC サービス内で SBE エンティティのモードを開始します。

ステップ 5

control address h248 ipv4 ipv4_IP_address

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe)# control address h248 ipv4 88.88.133.21

メディア ゲートウェイ コントローラとして動作する際、指定した IPv4 H.248 制御アドレスを使用するように SBE を設定します。

ステップ 6

control address h248 port port-number

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe)# control address h248 port 2944

メディア ゲートウェイ コントローラとして動作する際、H.248 通信に指定したポートを使用するように SBE を設定します。

デフォルトの H.248 ポートは、ポート 2944 です。(デフォルト ポートを使用する場合は、このステップを省略できます)。

ステップ 7

control address h248 transport [ transport-type ]

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe)# control address h248 transport udp

メディア ゲートウェイ コントローラとして動作する際、H.248 通信に指定したトランスポートを使用するように SBE を設定します。

transport-type 引数の有効な値は次のとおりです。

udp

tcp

ステップ 8

media-gateway ipv4 IPv4_IP_address

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe)# media-gateway ipv4 10.0.0.1

SBE でのメディア ゲートウェイの設定に使用するモードを開始します。

ステップ 9

codecs codec-list

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe-mg)# codecs “m=audio 6000 RTP/AVPR 4,a=rtpmap:0 PCMU/8000”

メディア ゲートウェイでサポートされるコーデックを設定します。

codec-list 引数は、サポートされる各コーデックをカンマで区切って、引用符で囲んだリストです。

ステップ 10

transcoder

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe-mg)# transcoder

メディア ゲートウェイをトランスコーダのサポートを指定して設定します。

ステップ 11

exit

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe-mg)# exit

sbe コマンド モード レベルを終了します。

ステップ 12

commit

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe)# commit

設定変更を保存します。実行コンフィギュレーション ファイルに変更を保存し、コンフィギュレーション セッションを継続するには、 commit コマンドを使用します。

ステップ 13

activate

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe)# activate

SBE アドレス設定がすべて正常にコミットされると、SBC サービスが開始されます。

ステップ 14

show

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe)# show

現在の設定情報を表示します。

ステップ 15

end

 

RP/0/0/CPU0:router(config-sbc-sbe)# end

コンフィギュレーション セッションを終了します。

トランスコーディングを実装するための設定例

ここでは、SBE 上でトランスコーディングを設定する例を示します。

sbc ABC
service-location preferred-active 0/3/CPU0
sbe
control address h248 ipv4 88.88.133.2
control address h248 port 2944
control address h248 transport udp
media-gateway ipv4 200.200.201.101
codecs m=audio 1234 RTP/AVP 0 18,a=rtpmap:0 PCMU/8000,a=rtpmap:18 G729/8000
transcoder
exit
commmit
activate
 

次の作業

SBC トランスコーディングを設定したら、QoS(マーキング)を設定できます。QoS を設定するには、「SBC QoS の実装(マーキング)」モジュールを参照してください。

その他の関連資料

ここでは、SBC トランスコーディングの実装に関する関連資料について説明します。

関連資料

 

関連項目
マニュアル タイトル

Cisco IOS XR マスター コマンド リファレンス

『Cisco IOS XR Master Commands List』

Cisco IOS XR SBC インターフェイス コンフィギュレーション コマンド

『Cisco IOS XR Session Border Controller Command Reference』

Cisco IOS XR ソフトウェアを使用するルータを初回に起動し設定するための情報

『Cisco IOS XR Getting Started Guide』

Cisco IOS XR コマンド モード

『Cisco IOS XR Command Mode Reference』

Cisco MGX 8880 マニュアル

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/gatecont/ps3869/index.html

標準

標準
タイトル

この機能でサポートされる新規の標準または変更された標準はありません。また、既存の標準のサポートは変更されていません。

--

MIB

 

MIB
MIB のリンク

--

Cisco IOS XR ソフトウェアを使用して MIB の場所を特定してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用して、[Cisco Access Products] メニューからプラットフォームを選択します。

http://cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml

RFC

 

RFC
タイトル

この機能によりサポートされた新規 RFC または改訂 RFC はありません。またこの機能による既存 RFC のサポートに変更はありません。

--

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

シスコのテクニカル サポート Web サイトでは、製品、テクノロジー、ソリューション、技術的なヒント、およびツールへのリンクなどの、数千ページに及ぶ技術情報が検索可能です。Cisco.com に登録済みのユーザは、このページから詳細情報にアクセスできます。

http://www.cisco.com/en/US/support/index.html

関連コマンドのまとめ

ここでは、Cisco XR 12000 シリーズ ルータ上でのトランスコーディングの設定に関連するコマンドの一覧をアルファベット順に示します。コマンドの詳細については、『 Cisco IOS XR Session Border Controller Command Reference 』を参照してください。

 

コマンド
目的

codecs codec-list

メディア ゲートウェイでサポートされるコーデックを設定します。

control address h248 ipv4 ipv4_IP_address

メディア ゲートウェイ コントローラとして動作する際、指定した IPv4 H.248 制御アドレスを使用するように SBE を設定します。

control address h248 port port-number

メディア ゲートウェイ コントローラとして動作する際、H.248 通信に指定したポートを使用するように SBE を設定します。

control address h248 transport [ transport-type ]

メディア ゲートウェイ コントローラとして動作する際、H.248 通信に指定したトランスポートを使用するように SBE を設定します。

media-gateway ipv4 IPv4_IP_address

SBE でのメディア ゲートウェイの設定に使用するモードを開始します。

service-location preferred-active node-id preferred-standby node-id

サービス カードが SBC 機能をプライマリとして、およびオプションでセカンダリ ロケーションとして実行できるようにします。

show services sbc sbc-name sbe media-gateways

SBE 上のゲートウェイ コンフィギュレーションと接続ステータスをリストします。

transcoder

メディア ゲートウェイをトランスコーダのサポートを指定して設定します。