IP アプリケーション サービス コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS XE Release 3SG
WCCP バージョン 2
WCCP バージョン 2
発行日;2013/06/17   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

WCCP バージョン 2

Web Cache Communication Protocol(WCCP)はシスコが開発したコンテンツルーティング テクノロジーです。IP パケットを代行受信し、IP パケットに指定されている宛先とは別の宛先にそのパケットをリダイレクトします。 パケットは、インターネット上にある宛先の Web サーバから、クライアントのローカルのコンテンツ エンジンにリダイレクトされるのが一般的です。 WCCP の展開シナリオによっては、Web サーバからクライアント方向でもトラフィックをリダイレクトする必要があります。 WCCP を使用すると、コンテンツ エンジンをネットワーク インフラストラクチャに統合できます。

Cisco IOS Release 12.1 以降では、WCCP バージョン 1(WCCPv1)またはバージョン 2(WCCPv2)を使用できます。

このマニュアルの作業では、ネットワークにコンテンツ エンジンが設定済みであることを前提にしています。 Cisco Content Engine および WCCP に関連するハードウェアおよびネットワークの計画の固有の情報については、次の URL にある Cisco Content Engine のマニュアルを参照してください。

http:/​/​www.cisco.com/​univercd/​cc/​td/​doc/​product/​webscale/​content/​index.htm

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の警告および機能情報については、『Bug Search Tool』およびご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

WCCP バージョン 2 の前提条件

  • インターネットに接続されたインターフェイス上で IP を設定する必要があります。また、別のインターフェイスをコンテンツ エンジンに接続する必要があります。
  • コンテンツ エンジンに接続するインターフェイスは、ファスト イーサネット インターフェイスまたはギガビット イーサネット インターフェイスにする必要があります。
  • 次のハードウェア機能は、PFC4 が搭載された Catalyst 6500 シリーズ スイッチでのみサポートされます。
    • ハードウェアでの WCCP 総称ルーティング カプセル化(GRE)の非カプセル化
    • ハードウェアでの WCCP 出力マスクの割り当て
    • ハードウェアでの WCCP 除外機能

WCCP バージョン 2 の制約事項

一般

次の制約事項が WCCPv2 に適用されます。

  • WCCP は、IPv4 ネットワークだけで動作します。
  • シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにすると、WCCP によってネットワーク アドレス変換(NAT)がバイパスされます。

WCCPv2

  • WCCP は、IPv4 ネットワークだけで動作します。
  • マルチキャスト クラスタにサービスを提供するルータには、存続可能時間(TTL)値を 15 以下に設定する必要があります。
  • サービス グループは、最大 32 個のコンテンツ エンジンおよび 32 個のルータで構成できます。
  • クラスタのすべてのコンテンツ エンジンは、クラスタにサービスを提供するすべてのルータと通信できるように設定する必要があります。
  • マルチキャスト アドレスは、224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の範囲にする必要があります。

Cisco Catalyst 4500 シリーズ スイッチ

  • 同じクライアント インターフェイスで同時に最大 8 個のサービス グループがサポートされます。
  • レイヤ 2(L2)のリライト フォワーディング方式はサポートされますが、総称ルーティング カプセル化(GRE)はサポートされません。
  • コンテンツ エンジンに L2 を直接接続する必要があります。1 つまたは複数ホップ離れたレイヤ 3(L3)接続はサポートされません。
  • Ternary Content Addressable Memory(TCAM)フレンドリ マスクベースの割り当てはサポートされますが、ハッシュ バケットベースの方式はサポートされません。
  • クライアント インターフェイス上の WCCP に関するリダイレクト アクセス コントロール リスト(ACL)はサポートされません。
  • インターフェイス上の受信トラフィックのリダイレクションはサポートされますが、発信トラフィックのリダイレクションはサポートされません。
  • TCAM の空きがなくなると、トラフィックはリダイレクトされず、通常どおりに転送されます。
  • WCCP バージョン 2 規格では、最大 256 個のマスクをサポートします。 ただし、Catalyst 4500 シリーズ スイッチは、単一のマスクへのマスク割り当てテーブルだけをサポートします。

Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチ

次の制約事項が Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチに適用されます。

  • ポリシー フィーチャ カード 2(PFC2)の場合、Cisco IOS Release 12.2(17d)SXB 以降のリリースは WCCP をサポートします。
  • PFC3 の場合、Cisco IOS Release 12.2(18)SXD1 以降のリリースは WCCP をサポートします。
  • PFC4 の場合、Cisco IOS Release 12.2(50)SY 以降のリリースは WCCP をサポートします。また、ハードウェアでの WCCP GRE の非カプセル化、WCCP マスク割り当て、WCCP 除外機能のサポートが導入されます。
  • WCCP レイヤ 2 PFC リダイレクション機能を使用するには、『Transparent Caching』マニュアルの説明に従って Catalyst 6500 シリーズ スイッチで WCCP を設定し、キャッシュ エンジンで加速 WCCP を設定します。
  • Cisco Application and Content Networking System(ACNS)ソフトウェア リリース 4.2.2 よりも後のリリースは、WCCP レイヤ 2 ポリシー フィーチャ カード(PFC)のリダイレクション ハードウェア アクセラレーションをサポートします。
  • マスク割り当てに設定されているコンテンツ エンジンが、割り当て方式としてハッシュが選択されているファームに参加しようとする場合、キャッシュ エンジンの割り当て方式が既存のファームの方式と一致しない限り、ファームに参加できません。
  • サービス グループのフォワーディング方式が WCCP レイヤ 2 PFC リダイレクションの場合、show ip wccp service-number コマンド出力のパケット カウンタには、パケット カウントではなく、フロー カウントが表示されます。

Catalyst 6500 シリーズ スイッチおよび Cisco 7600 シリーズ ルータのアクセス コントロール リスト

WCCP がマスク割り当てを使用している場合、リダイレクト リストはアプライアンスのマスク情報にマージされ、その結果としてマージされた ACL は、Catalyst 6500 シリーズ スイッチまたは Cisco 7600 シリーズ ルータ ハードウェアに渡されます。 リダイレクト リストのプロトコルが IP であるか、サービス グループ プロトコルと完全に一致する場合、その許可 ACL または拒否 ACL のエントリだけが、アプライアンスのマスク情報にマージされます。

次の制約事項がリダイレクト リスト ACL に適用されます。

  • ACL は IPV4 簡易または拡張 ACL にする必要があります。
  • 個々の発信元または宛先のポート番号だけを指定できます。ポート範囲は指定できません。
  • 個々の発信元または宛先のポート番号のほかに、唯一の有効なマッチング条件は、dscp または tos です。
  • fragmentstime-rangeoptions キーワードや、TCP フラグは使用できません。

リダイレクト ACL がこれらの制約事項を満たさない場合、次のエラー メッセージがログに記録されます。

WCCP-3-BADACE: Service <service group>, invalid access-list entry (seq:<sequence>, reason:<reason>)

WCCP はパケットのリダイレクトを継続しますが、アクセス リストが調整されるまで、ソフトウェアでリダイレクションが実行されます(NetFlow スイッチング)。

WCCP バージョン 2 について

WCCPv2 の概要

WCCP は、Cisco Content Engine(または WCCP を実行する他のコンテンツ エンジン)を使用して、ネットワークの Web トラフィック パターンをローカライズします。それによって、ローカルでコンテンツ要求を実行できます。 トラフィックのローカライズによって伝送コストを引き下げ、ダウンロード時間を短縮できます。

WCCP によって、 ルーティング プラットフォームは、透過的にコンテンツ要求をリダイレクトできるようになります。 トランスペアレント リダイレクションの大きな利点は、Web プロキシを使用するためのブラウザの設定が不要ということです。 ユーザはターゲット URL を使用してコンテンツを要求できます。また、ユーザの要求はコンテンツ エンジンに自動的にリダイレクトされます。 この場合の「透過的」とは、エンド ユーザが要求したファイル(Web ページなど)が、元々指定していたサーバからではなく、コンテンツ エンジンから送信されることをそのユーザが意識しないという意味です。

コンテンツ エンジンでは、要求の受信時に、独自のローカル キャッシュからサービスを提供しようとします。 要求した情報が存在しない場合、コンテンツ エンジンから独自の要求が元のターゲット サーバに発行され、必要な情報が取得されます。 コンテンツ エンジンは、要求された情報を取得すると、要求クライアントに転送し、将来の要求に対応するためにキャッシュします。そのため、ダウンロードのパフォーマンスが大きく向上し、送信コストが大幅に削減されます。

WCCP により、一連のコンテント エンジン(コンテント エンジン クラスタと呼ぶ)が 1 つまたは複数のルータにコンテンツを提供できます。 ネットワーク管理者は、このようなクラスタ処理機能によって容易にコンテンツ エンジンを拡張し、高いトラフィック負荷を管理できます。 シスコ クラスタ処理テクノロジーを使用すると、各クラスタ メンバを同時に実行できるため、リニア スケーラビリティが実現します。 クラスタ処理コンテンツ エンジンによって、キャッシュ ソリューションのスケーラビリティ、冗長性、および可用性が大幅に改善されます。 最大 32 個のコンテンツ エンジンをクラスタ処理し、目的の容量まで拡張できます。

WCCP バージョン 2 のいくつかの機能が強化され、次のように WCCP プロトコルに機能が追加されました。

  • 複数のルータがコンテンツ エンジン クラスタにサービスを提供できます。
  • 多様な UDP および TCP トラフィックなど、HTTP(TCP ポート 80 トラフィック)以外のトラフィックをリダイレクトできます。
  • パスワードと HMAC MD5 規格を使用して、サービス グループの一部になるルータとコンテンツ エンジンを制御できる、オプションの認証機能があります。
  • 機能していないコンテンツ エンジンから返送された要求を判断できるパケットのチェック機能があります。
  • 個々のコンテンツ エンジンの負荷を調整して、空きリソースを効率的に使用できるようになります。さらに、クライアントに対して高い Quality Of Service(QoS)を確保できます。

WCCPv2 の設定

複数のルータが WCCPv2 を使用して 1 つのコンテンツ エンジン クラスタにサービスを提供できます。 WCCPv1 では、1 つのルータだけがコンテンツ要求をクラスタにリダイレクトできます。 次の図に、複数のルータを使用する設定例を示します。

図 1. WCCPv2 を使用した Cisco コンテンツ エンジン ネットワーク構成

クラスタ、および同じサービスを実行しているクラスタに接続するルータ内のコンテンツ エンジンのサブセットは、サービス グループと呼ばれます。 使用できるサービスには、TCP および UDP リダイレクションなどがあります。

WCCPv1 では、単一ルータのアドレスを使用して、コンテンツ エンジンが設定されました。 WCCPv2 の場合、各コンテンツ エンジンがサービス グループ内のすべてのルータを認識する必要があります。 サービス グループ内のすべてのルータのアドレスを指定するには、次のいずれかの方法を選択する必要があります。

  • ユニキャスト:グループ内の各ルータのルータ アドレス リストを、各コンテンツ エンジンで設定します。 この場合、グループ内の各ルータのアドレスは、設定時に各コンテンツ エンジンについて明示的に指定する必要があります。
  • マルチキャスト:単一のマルチキャスト アドレスを各コンテンツ エンジンで設定します。 マルチキャスト アドレス方式の場合、コンテンツ エンジンは、サービス グループのすべてのルータに提供するシングル アドレス通知を送信します。 たとえば、コンテンツ エンジンは、パケットを常にマルチキャスト アドレス 224.0.0.100 に送信するように示すことができます。それによって、マルチキャスト パケットは、WCCP を使用してリッスンしているグループ用に設定されたサービス グループ内のすべてのルータに送信されます(詳細については、ip wccp group-listen または ipv6 wccp group-listen インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを参照してください)。

マルチキャスト オプションの場合に必要な操作は、各コンテンツ エンジンで単一のアドレスを指定することだけなので、設定が容易です。 このオプションを使用して、サービス グループからルータを動的に追加および削除できます。毎回、異なるアドレス リストを使用してコンテンツ エンジンを再設定する必要はありません。

次の一連のイベントで、WCCPv2 設定の動作の詳細について説明します。

  1. 各コンテンツ エンジンは、ルータ リストを使用して設定します。
  2. 各コンテンツ エンジンはプレゼンスと、通信の確立に使用されたすべてのルータ リストをアナウンスします。 ルータは、グループ内のコンテンツ エンジンのビュー(リスト)で応答します。
  3. そのビューがクラスタ内のすべてのコンテンツ エンジンで一貫している場合、1 つのコンテンツ エンジンをリードとして指定し、ルータがパケットのリダイレクト時に展開する必要があるポリシーを設定します。

HTTP 以外のサービスの WCCPv2 サポート

WCCPv2 では、さまざまな UDP および TCP トラフィックを含め、HTTP(TCP ポート 80 トラフィック)以外のトラフィックのリダイレクションが可能です。 WCCPv1 では、HTTP(TCP ポート 80)トラフィックだけのリダイレクションをサポートしています。 WCCPv2 では他のポート宛てのパケットをリダイレクトできます。たとえば、プロキシ Web キャッシュ処理、ファイル転送プロトコル(FTP)キャッシング、FTP プロキシの処理、80 以外のポートの Web キャッシング、Real Audio、ビデオ アプリケーション、およびテレフォニー アプリケーションに使用されるポートなどです。

各種の利用可能なサービスに対応するために、WCCPv2 は複数のサービス グループという概念を導入しました。 サービス情報は、ダイナミック サービス識別番号(98 など)または事前定義したサービス キーワード(web-cache など)を使用して、WCCP コンフィギュレーション コマンドで指定します。 この情報は、サービス グループ メンバーが同じサービスを使用または提供していることを確認するために使用されます。

サービス グループのコンテンツ エンジンは、プロトコル(TCP または UDP)によってリダイレクトされるトラフィックと、最大 8 個の発信元ポートまたは宛先ポートを指定します。 各サービス グループにはプライオリティ ステータスが割り当てられます。 ダイナミック サービスのプライオリティは、コンテンツ エンジンによって割り当てられます。 プライオリティ値の範囲は、0 ~ 255 です(0 が最も低いプライオリティ)。 事前定義した Web キャッシュ サービスには、240 のプライオリティが割り当てられています。

複数ルータの WCCPv2 サポート

WCCPv2 では、複数のルータをキャッシュ エンジンのクラスタに追加できます。 サービス グループの複数のルータを使用すると、冗長構成、インターフェイスのアグリゲーション、およびリダイレクションの負荷分散が可能になります。 WCCPv2 は、サービス グループごとに最大 32 個のルータをサポートします。 各サービス グループの確立および保守は独立して行われます。

WCCPv2 での MD5 セキュリティ

WCCPv2 には、パスワードとハッシュ メッセージ認証コード - メッセージ ダイジェスト(HMAC MD5)規格を使用して、サービス グループの一部になるルータとコンテンツ エンジンを制御できる、オプションの認証機能があります。 共有シークレット MD5 ワンタイム認証(ip wccp [password [0 | 7] password] グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して設定)を使用すれば、傍受、検査、およびリプレイからメッセージを保護することができます。

WCCPv2 での Web キャッシュ パケットのリターン

コンテンツ エンジンが、エラーまたは過負荷のために、キャッシュした要求オブジェクトを提供できない場合、コンテンツ エンジンは、元々指定されていた宛先サーバに前方転送するように、要求をルータに返送します。 WCCPv2 には、機能していないコンテンツ エンジンから返送された要求を判断できるパケットのチェック機能があります。 ルータはこの情報を使用して、(要求をコンテンツ エンジン クラスタに再送信しようとするのではなく)要求を元の宛先サーバに転送できます。 このプロセスのエラー処理はクライアントに意識されません。

コンテンツ エンジンがパケットを拒否し、パケット返送機能を開始する場合、一般的に次のような理由があります。

  • コンテンツ エンジンが過負荷になり、パケットを処理する余裕がなくなった場合
  • コンテンツ エンジンが、パケットのキャッシング機能が低下する特定の条件についてフィルタリングしている場合(たとえば、IP 認証が有効になった場合)

WCCPv2 での負荷分散

WCCPv2 を使用すると、個々のコンテンツ エンジンに割り当てる負荷を調整して、空きリソースを効率的に使用できるようになります。さらに、クライアントに対して高い Quality Of Service(QoS)を確保できます。 WCCPv2 を使用すると、指定したコンテンツ エンジンが特定のコンテンツ エンジン上の負荷を調整し、クラスタ内のコンテンツ エンジン全体で負荷を分散できます。 WCCPv2 では負荷分散を実行するために、次の 3 つの方法を使用します。

  • ホット スポット処理:個々のハッシュ バケットをすべてのコンテンツ エンジンに分散できます。 WCCPv2 以前では、1 つのハッシュ バケットの情報を転送できるのは、1 つのコンテンツ エンジンに対してだけでした。
  • ロード バランシング:過負荷のコンテンツ エンジンから、空き容量がある他のメンバに負荷を移行するように、コンテンツ エンジンに割り当てるハッシュ バケット セットを調整できます。
  • 負荷制限:コンテンツ エンジンの容量を超えないように、ルータが負荷を選択してリダイレクトできるようにします。

これらのハッシュ処理パラメータを使用すると、コンテンツ エンジンの過負荷を防ぎ、障害が発生する可能性を軽減します。

WCCP のトラブルシューティングのヒント

WCCP をイネーブルにすると、CPU の使用率が非常に高くなる場合があります。 WCCP カウンタを使用すると、直接ルータでバイパス トラフィックを確認できます。また、その原因が WCCP のイネーブル化による CPU の使用率の高さにあるかどうかを示すことができます。 場合によっては 10 % のバイパス トラフィックが標準で、他の状況では 10 % が高いこともあります。 ただし、25% を超える数値の場合、Web キャッシュの状況をより詳しく調査する必要があります。

バイパス トラフィックのレベルが高いことをカウンタが示している場合、次の手順は、コンテンツ エンジンのバイパス カウンタを確認し、コンテンツ エンジンがトラフィックのバイパスを選択した理由を判定します。 さらに詳細に調査するには、コンテンツ エンジン コンソールにログインし、CLI を使用します。 カウンタを使用すると、バイパスするトラフィックの割合を決定できます。

特定のサービス用にルータで保持される IPv6 Web Cache Communication Protocol(WCCP)統計情報(カウント)を削除するには、clear ipv6 wccp コマンドを使用できます。

特定のサービス用にルータで保持されるすべての(IPv4 および IPv6)Web Cache Communication Protocol(WCCP)統計情報(カウント)を削除するには、clear wccp コマンドを使用できます。

IPv6 Web Cache Communication Protocol(WCCP)グローバル統計情報(カウント)を表示するには、show ipv6 wccp コマンドを使用できます。

すべての(IPv4 および IPv6)Web Cache Communication Protocol(WCCP)グローバル統計情報(カウント)を表示するには、show wccp コマンドを使用できます。

WCCP バージョン 2 の設定方法

WCCP の設定

WCCP を設定するには、次の作業を実行します。

ip wccp{web-cache | service-number} グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して WCCP サービスを設定しない限り、ルータ上で WCCP はディセーブルです。 ip wccp 形式のコマンドを最初に使用することによって、WCCP はイネーブルになります。 デフォルトでは WCCPv2 がサービスに使用されますが、代わりに WCCPv1 機能を使用することもできます。 WCCP の実行バージョンをバージョン 2 からバージョン 1 に変更するには、または最初の変更後に WCCPv2 に戻すには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip wccp version コマンドを使用します。

WCCPv1 で許可されていない機能の場合は、エラー プロンプトが画面に表示されます。 たとえば、ルータ上で WCCPv1 が動作している場合にダイナミック サービスを設定しようとすると、「WCCP V1 only supports the web-cache service」というメッセージが表示されます。show ip wccp EXEC コマンドを使用すると、ルータ上で動作している WCCP プロトコルのバージョン番号が表示されます。

ip wccp web-cache password コマンドを使用して、サービス グループのルータおよびコンテンツ エンジンのパスワードを設定します。 MD5 パスワード セキュリティの場合、サービス グループのパスワードを使用して、サービス グループに参加させる各ルータおよびコンテンツ エンジンを設定する必要があります。 パスワードの長さは、8 文字以下である必要があります。 サービス グループの各コンテンツ エンジンまたはルータは、WCCP メッセージ ヘッダーの検証後すぐに、受信した WCCP パケットのセキュリティ コンポーネントを認証します。 認証に失敗したパケットは廃棄されます。

手順の概要

    1.    enable

    2.    configure terminal

    3.    ip wccp version {1 | 2}

    4.    ip wccp [vrf vrf-name] {web-cache | service-number} [group-address multicast-address] [redirect-list access-list] [group-list access-list] [password password [0 | 7] ]

    5.    interface type number

    6.    ip wccp [vrf vrf-name] {web-cache | service-number} redirect {in | out}

    7.    exit

    8.    interface type number

    9.    ip wccp redirect exclude in


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 enable


    例:
    Router> enable
     

    特権 EXEC モードをイネーブルにします。

    • パスワードを入力します(要求された場合)。
     
    ステップ 2 configure terminal


    例:
    Router# configure terminal
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3 ip wccp version {1 | 2}


    例:
    Router(config)# ip wccp version 2
     

    ルータに設定する WCCP のバージョンを指定します。

    • WCCPv2 がデフォルトの実行バージョンです。
     
    ステップ 4 ip wccp [vrf vrf-name] {web-cache | service-number} [group-address multicast-address] [redirect-list access-list] [group-list access-list] [password password [0 | 7] ]


    例:
    Router(config)# ip wccp web-cache password password1
     

    ルータでイネーブルにする Web キャッシュまたはダイナミック サービスを指定し、サービス グループに関連付ける VRF 名を指定し、サービス グループに使用される IP マルチキャスト アドレスを指定し、使用するアクセス リストを指定し、MD5 認証を使用するかどうかを指定し、WCCP サービスをイネーブルにします。

     
    ステップ 5 interface type number


    例:
    Router(config)# interface ethernet0/0
     

    Web キャッシュ サービスを実行するインターフェイス番号を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 6 ip wccp [vrf vrf-name] {web-cache | service-number} redirect {in | out}


    例:
    Router(config-if)# ip wccp web-cache redirect in
     

    WCCP を使用して、発信インターフェイスまたは受信インターフェイスでパケットのリダイレクションをイネーブルにします。

    • out および in キーワード オプションの指定に従って、発信インターフェイスまたは受信インターフェイスのリダイレクションを指定できます。
     
    ステップ 7 exit


    例:
    Router(config-if)# exit
     

    インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。

     
    ステップ 8 interface type number


    例:
    Router(config)# interface GigabitEthernet 0/2/0
     

    リダイレクトからトラフィックを除外するインターフェイス番号を対象として、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 9 ip wccp redirect exclude in


    例:
    Router(config-if)# ip wccp redirect exclude in
     

    (任意)指定したインターフェイスのトラフィックをリダイレクションから除外します。

     

    WCCP 設定の確認およびモニタリング

    手順の概要

      1.    enable

      2.    show ip wccp [vrf vrf-name] [web-cache |service-number] [detail view]

      3.    show ip interface

      4.    more system:running-config


    手順の詳細
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 enable


      例:
      Router> enable
       

      特権 EXEC モードをイネーブルにします。

      • パスワードを入力します(要求された場合)。
       
      ステップ 2 show ip wccp [vrf vrf-name] [web-cache |service-number] [detail view]


      例:
      Router# show ip wccp 24 detail
       

      WCCP に関連するグローバル情報を表示します。たとえば、実行されているプロトコル バージョン、ルータ サービス グループのコンテンツ エンジンの数、ルータに接続できるコンテンツ エンジン グループ、使用するアクセス リストなどです。

      • vrf vrf-name:(任意)サービス グループに関連付けられている仮想ルーティングおよび転送(VRF)インスタンス。
      • service-number:(任意)コンテンツ エンジンで制御される Web キャッシュ サービス グループのダイナミック番号。 範囲は 0 ~ 99 です。 Cisco Content Engine を使用する Web キャッシュの場合、逆プロキシ サービスは 99 の値で示されます。
      • web-cache:(任意)Web キャッシュ サービスの統計情報。
      • detail:(任意)検出済み、または検出されていない特定のサービス グループまたは Web キャッシュの他のメンバ。
      • view:(任意)ルータまたはすべての Web キャッシュに関する情報。
       
      ステップ 3 show ip interface


      例:
      Router# show ip interface
       

      たとえば、「Web Cache Redirect is enabled / disabled」など、すべての ip wccp redirection コマンドがインターフェイスに設定されているかどうかに関するステータスを表示します。

       
      ステップ 4 more system:running-config


      例:
      Router# more system:running-config
       

      (任意)実行されているコンフィギュレーション ファイルのコンテンツを表示します(show running-config コマンドと同じです)。

       

      WCCP バージョン 2 の設定例

      例:ルータ上での WCCP バージョンの変更

      次に、WCCP バージョンをデフォルトの WCCPv2 から WCCPv1 に変更し、WCCPv1 で Web キャッシュ サービスをイネーブルにする例を示します。

      Router# show ip wccp 
      
      % WCCP version 2 is not enabled
      Router# configure terminal
       
      Router(config)# ip wccp version 1
       
      Router(config)# end 
      Router# show ip wccp 
      
      % WCCP version 1 is not enabled
      Router# configure terminal
       
      Router(config)# ip wccp web-cache 
      Router(config)# end 
      Router# show ip wccp 
      
      Global WCCP information:
          Router information:
              Router Identifier:                   10.4.9.8
              Protocol Version:                    1.0
      .
      .
      .

      例:一般的な WCCPv2 セッションの設定

      Router# configure terminal
      Router(config)# ip wccp web-cache group-address 224.1.1.100 password password1 
      Router(config)# ip wccp source-interface GigabitEthernet 0/1/0
      Router(config)# ip wccp check services all 
       Configures a check of all WCCP services.
      Router(config)# interface GigabitEthernet 0/1/0 
      Router(config-if)# ip wccp web-cache redirect in
      Router(config-if)# exit
      Router(config)# interface GigabitEthernet 0/2/0
      Router(config-if)# ip wccp redirect exclude in
      Router(config-if)# exit
      

      その他の関連資料

      関連資料

      関連項目

      マニュアル タイトル

      Cisco IOS コマンド

      『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』

      QoS コマンド:コマンド構文の詳細、コマンド モード、コマンド履歴、デフォルト設定、使用上のガイドライン、および例

      『Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference』

      ポリシー マップのインターフェイスへの適用に関する MQC および情報

      『Applying QoS Features Using the MQC』モジュール

      パケット分類に使用できる追加の一致基準

      『Classifying Network Traffic』モジュール

      ネットワーク トラフィックのマーキング

      『Marking Network Traffic』モジュール

      標準

      標準

      タイトル

      新しい規格または変更された規格はサポートされていません。また、既存の規格に対するサポートに変更はありません。

      --

      MIB

      MIB

      MIB のリンク

      • CISCO-CLASS-BASED-QOS-CAPABILITY-MIB
      • CISCO-CLASS-BASED-QOS-MIB

      選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE ソフトウェア リリース、およびフィーチャ セットの MIB の場所を検索しダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

      http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs

      RFC

      RFC

      タイトル

      新しい RFC または変更された RFC はサポートされていません。また、既存の RFC に対するサポートに変更はありません。

      --

      シスコのテクニカル サポート

      説明

      リンク

      シスコのサポートおよびドキュメンテーション Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュアル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リソースを提供しています。 これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。 この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

      http:/​/​www.cisco.com/​cisco/​web/​support/​index.html

      WCCP バージョン 2 の機能情報

      次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

      プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

      表 1 WCCP バージョン 2 の機能情報

      機能名

      リリース

      機能情報

      WCCP バージョン 2

      Cisco IOS XE Release 2.2

      Cisco IOS XE Release 3.3SG

      WCCP バージョン 2 のいくつかの機能が強化され、次のように WCCP プロトコルに機能が追加されました。

      • 複数のルータがコンテンツ エンジン クラスタにサービスを提供できます。
      • 多様な UDP および TCP トラフィックなど、HTTP(TCP ポート 80 トラフィック)以外のトラフィックをリダイレクトできます。
      • パスワードと HMAC MD5 規格を使用して、サービス グループの一部になるルータとコンテンツ エンジンを制御できる、オプションの認証機能があります。
      • 機能していないコンテンツ エンジンから返送された要求を判断できるパケットのチェック機能があります。
      • 個々のコンテンツ エンジンの負荷を調整して、空きリソースを効率的に使用できるようになります。さらに、クライアントに対して高い Quality Of Service(QoS)を確保できます。

      clear ip wccpip wccpip wccp group-listenip wccp redirectip wccp redirect exclude inip wccp versionshow ip wccp の各コマンドが、この機能で導入または変更されました。