IPv6 アドレッシングおよび基本的な接続のコンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S
ICMP for IPv6
ICMP for IPv6
発行日;2013/06/17   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

ICMP for IPv6

ICMP for IPv6 は、IPv4 の ICMP と同じ働きをします。 ICMP for IPv6 は、ICMP 宛先到達不能メッセージなどのエラー メッセージと、ICMP エコー要求および応答メッセージなどの情報メッセージを生成します。

機能情報の確認

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ICMP for IPv6 について

ICMP for IPv6

IPv6 のインターネット制御メッセージ プロトコル(ICMP)の機能は、IPv4 の ICMP と同じです。 ICMP は、ICMP 宛先到達不能メッセージなどのエラー メッセージと、ICMP エコー要求および応答メッセージなどの情報メッセージを生成します。 また、ICMP for IPv6 パケットは、IPv6 ネイバー探索プロセス、パス MTU ディスカバリ、および Multicast Listener Discovery(MLD)プロトコル for IPv6 で使用されます。 MLD は、直接接続されているリンク上のマルチキャスト リスナー(特定のマルチキャスト アドレスを宛先としたマルチキャスト パケットを受信するために使用するノード)を検出するために IPv6 デバイスで使用されます。 MLD は、バージョン 2 の Internet Group Management Protocol(IGMP)for IPv4 をベースとしています。

基本 IPv6 パケット ヘッダーの次ヘッダー フィールドの値 58 は、IPv6 ICMP パケットを示します。 ICMP for IPv6 パケットは、すべての拡張ヘッダーに続いて IPv6 パケットの末尾に配置される点でトランスポートレイヤ パケットに似ています。 IPv6 ICMP パケット内の ICMPv6 タイプ フィールドと ICMPv6 コード フィールドは、ICMP メッセージ タイプなどの IPv6 ICMP パケットの詳細を示します。 チェックサム フィールドの値は、(送信側で計算し、受信側がチェックすることにより)IPv6 ICMP パケットと IPv6 疑似ヘッダーのフィールドから抽出されます。 ICMPv6 データ フィールドには、IP パケット処理に関連するエラー情報または診断情報が含まれます。 次の図に、IPv6 ICMP パケット ヘッダー形式を示します。

図 1. IPv6 ICMP パケット ヘッダーの形式

IPv6 ネイバー送信要求メッセージ

ICMP パケット ヘッダーのタイプ フィールドの値 135 は、ネイバー送信要求メッセージを示します。 ネイバー送信要求メッセージは、ノードが同じローカル リンク上の別のノードのリンク層アドレスを判断する必要がある場合にローカル リンクに送信されます(次の図を参照)。 ノードが別のノードのリンク層アドレスを判断する必要がある場合、ネイバー請求メッセージ内の送信元アドレスは、ネイバー請求メッセージを送信するノードの IPv6 アドレスです。 ネイバー送信要求メッセージ内の宛先アドレスは、宛先ノードの IPv6 アドレスに対応する送信要求ノード マルチキャスト アドレスです。 ネイバー送信要求メッセージには、送信元ノードのリンク層アドレスも含まれます。

図 2. IPv6 ネイバー探索 - ネイバー送信要求メッセージ

ネイバー送信要求メッセージを受信した後に、宛先ノードは、ICMP パケット ヘッダーのタイプ フィールドに値 136 を含むネイバー アドバタイズメント メッセージをローカル リンクに送信することで応答します。 ネイバー アドバタイズメント メッセージの送信元アドレスは、ネイバー アドバタイズメント メッセージを送信するノードの IPv6 アドレス(具体的には、ノード インターフェイスの IPv6 アドレス)です。 ネイバー アドバタイズメント メッセージ内の宛先アドレスは、ネイバー送信要求メッセージを送信したノードの IPv6 アドレスです。 ネイバー アドバタイズメント メッセージのデータ部分には、ネイバー アドバタイズメント メッセージを送信するノードのリンク層アドレスが含まれます。

送信元ノードがネイバー アドバタイズメントを受信すると、送信元ノードと宛先ノードが通信できるようになります。

ネイバー送信要求メッセージは、ネイバーのリンク層アドレスが識別された後に、ネイバーの到達可能性の確認にも使用されます。 あるノードがネイバーの到達可能性を検証する場合、ネイバー送信要求メッセージ内の宛先アドレスはネイバーのユニキャスト アドレスです。

ネイバー アドバタイズメント メッセージは、ローカル リンク上のノードのリンク層アドレスが変更されたときにも送信されます。 そのような変更があった場合、ネイバー アドバタイズメントの宛先アドレスは全ノード マルチキャスト アドレスになります。

ネイバー送信要求メッセージは、ネイバーのリンク層アドレスが識別された後に、ネイバーの到達可能性の確認にも使用されます。 ネイバー到達不能検出では、ネイバーの障害またはネイバーへの転送パスの障害が識別されます。この検出は、ホストとネイバー ノード(ホストまたはデバイス)間のすべてのパスで使用されます。 ネイバー到達不能検出は、ユニキャスト パケットだけが送信されるネイバーに対して実行され、マルチキャスト パケットが送信されるネイバーに対しては実行されません。

ネイバーは、(以前にネイバーに送信されたパケットが受信され、処理されたことを示す)肯定確認応答がネイバーから返された場合に、到達可能と見なされます。 到達可能であるという確認は、接続が動作中(宛先に到達中)であることを示す上位層プロトコル(TCP など)からの情報や、ネイバー送信要求メッセージに対するネイバー アドバタイズメント メッセージを受信することで行われます。 パケットがピアに到達している場合、それらのパケットは送信元のネクストホップ ネイバーにも到達しています。 したがって、転送の進行により、ネクストホップ ネイバーが到達可能であることも確認されます。

ローカル リンク上にない宛先の場合、転送の進行は、ファーストホップ デバイスが到達可能であることを暗に意味します。 上位層プロトコルからの確認応答がない場合、ノードは、ユニキャスト ネイバー送信要求メッセージを使用してネイバーを探し、転送パスがまだ機能していることを確認します。

ネイバーから返信された請求ネイバー アドバタイズメント メッセージは、転送パスがまだ機能しているという肯定確認応答です(請求フラグが値 1 に設定されたネイバー アドバタイズメント メッセージは、ネイバー請求メッセージへの返信としてだけ送信されます)。 非送信要求メッセージでは、送信元ノードから宛先ノードへの一方向パスだけが確認されます。送信要求ネイバー アドバタイズメント メッセージは、両方向のパスが機能していることを示します。


(注)  


送信要求フラグが値 0 に設定されたネイバー アドバタイズメント メッセージは、転送パスがまだ機能していることを示す肯定確認応答とは見なされません。


ネイバー送信要求メッセージは、ユニキャスト IPv6 アドレスがインターフェイスに割り当てられる前にそのアドレスが一意であることを確認するために、ステートレス自動設定プロセスでも使用されます。 新規のリンクローカル IPv6 アドレスに対しては、アドレスがインターフェイスに割り当てられる前に、最初に重複アドレス検出が実行されます(重複アドレス検出の実行中、新規アドレスは一時的な状態のままです)。 具体的には、ノードは未指定の送信元アドレスと一時的なリンクローカル アドレスをメッセージの本文に含むネイバー送信要求メッセージを送信します。 そのアドレスが別のノードですでに使用されている場合、ノードは一時的なリンクローカル アドレスを含むネイバー アドバタイズメント メッセージを返します。 別のノードが同じアドレスの一意性を同時に検証している場合は、そのノードもネイバー送信要求メッセージを返します。 ネイバー送信要求メッセージの返信としてネイバー アドバタイズメント メッセージが受信されず、同じ一時アドレスの検証を試行している他のノードからのネイバー送信要求メッセージも受信されない場合、最初のネイバー送信要求メッセージを送信したノードは、一時的なリンクローカル アドレスを一意であると見なし、そのアドレスをインターフェイスに割り当てます。

リンク上のすべての IPv6 ユニキャスト アドレス(グローバルまたはリンクローカル)が一意であることを検証する必要がありますが、リンクローカル アドレスの一意性が確認されるまでは、リンクローカル アドレスに関連付けられている他の IPv6 アドレスに対して重複アドレス検出は実行されません。 シスコ ソフトウェアでの重複アドレス検出のシスコ実装では、64 ビット インターフェイス識別子から生成されるエニーキャスト アドレスまたはグローバル アドレスの一意性は確認されません。

IPv6 ルータ アドバタイズメント メッセージ

ルータ アドバタイズメント(RA)メッセージは、ICMP パケット ヘッダーのタイプ フィールドが値 134 であり、IPv6 ルータの設定済みの各インターフェイスへ定期的に送信されます。 ステートレス自動設定が正しく機能するには、RA メッセージでアドバタイズされたプレフィックス長が常に 64 ビットである必要があります。

RA メッセージは、全ノード マルチキャスト アドレスに送信されます(次の図を参照)。

図 3. IPv6 ネイバー探索 -- RA メッセージ

通常、RA メッセージには次の情報が含まれます。

  • ローカル リンク上のノードがその IPv6 アドレスの自動設定に使用できる 1 つ以上のオンリンク IPv6 プレフィックス
  • アドバタイズメントに含まれる各プレフィックスのライフタイム情報
  • 完成可能な自動設定のタイプ(ステートレスまたはステートフル)を示すフラグのセット
  • デフォルト ルータ情報(アドバタイズメントを送信しているルータをデフォルト ルータとして使用する必要があるかどうか、また使用する必要がある場合はルータをデフォルト ルータとして使用する必要のある秒単位での時間)
  • ホストが発信するパケットで使用する必要のあるホップ リミットや MTU など、ホストに関する詳細情報

RA は、ルータ送信要求メッセージへの返信としても送信されます。 ICMP パケット ヘッダーのタイプ フィールドの値が 133 であるルータ送信要求メッセージは、システム始動時にホストによって送信されるため、ホストは次のスケジュールされた RA メッセージを待機することなくすぐに自動設定できます。 ルータ送信要求メッセージが通常システム起動時にホストによって送信される(ホストにユニキャスト アドレスが設定されていない)場合、ルータ送信要求メッセージの送信元アドレスは、通常は未指定の IPv6 アドレス(0:0:0:0:0:0:0:0)です。 ホストに設定済みのユニキャスト アドレスがある場合、ルータ送信要求メッセージを送信するインターフェイスのユニキャスト アドレスが、メッセージ内の送信元アドレスとして使用されます。 ルータ送信要求メッセージの宛先アドレスは、スコープがリンクである全ルータ マルチキャスト アドレスです。 RA がルータ送信要求への返信として送信される場合、RA メッセージ内の宛先アドレスは、ルータ送信要求メッセージの送信元のユニキャスト アドレスです。

次の RA メッセージ パラメータを設定できます。

  • RA メッセージが定期的に送信される時間の間隔
  • (特定のリンク上のすべてのノードで使用される)デフォルト ルータとしてのルータの実用性を示す「ルータ ライフタイム」値
  • 特定のリンクで使用されているネットワーク プレフィックス
  • (特定のリンクで)ネイバー送信要求メッセージが再送信される時間の間隔
  • ノードによってネイバーが到達可能である(特定のリンク上のすべてのノードで使用できる)と見なされるまでの時間

設定されたパラメータはインターフェイスに固有です。 RA メッセージ(デフォルト値を含む)の送信は、ipv6 unicast-routing コマンドの設定時に FDDI インターフェイスで自動的にイネーブルになります。 その他のインターフェイス タイプの場合は、no ipv6 nd ra suppress コマンドを使用して、RA メッセージの送信を手動で設定する必要があります。 個々のインターフェイスで、ipv6 nd ra suppress コマンドを使用して、RA メッセージの送信をディセーブルにできます。

トラフィック エンジニアリングのデフォルト ルータ プリファレンス

ホストは、ルータ アドバタイズメント(RA)をリスニングすることでデフォルト デバイスを検出し、選択します。 通常のデフォルト デバイス選択メカニズムは、トラフィック エンジニアリングが必要な場合など、特定のケースでは次善のメカニズムです。 たとえば、リンク上の 2 台のデバイスが、同等だが等しくはないコストのルーティングを提供している場合や、ポリシーによってデバイスの一方を優先することが指示されている場合があります。 次に例をいくつか示します。

  • 異なるプレフィックス セットへルーティングする複数のデバイス:リダイレクト(宛先に対して最適でないデバイスによって送信される)は、ホストが任意のデバイスを選択でき、システムが機能することを意味します。 ただし、トラフィック パターンが、デバイスの 1 つを選択することによって、リダイレクト数が大きく削減されることを意味する場合があります。
  • 新しいデバイスの誤った展開:新しいデバイスを完全に設定する前に展開すると、ホストによって新しいデバイスがデフォルト デバイスとして採用され、トラフィックが消える可能性があります。 ネットワーク管理者は、一部のデバイスが他のデバイスよりも優先されることを指定できます。
  • マルチホーム環境:複数の物理リンクと IPv6 トランスポートでのトンネリングの使用により、マルチホーム環境はより一般的になる可能性があります。 一部のデバイスは、6-to-4 プレフィックスにだけルーティングするか、企業イントラネットにだけルーティングするため、完全なデフォルト ルーティングを提供しないことがあります。 このような状況は、単一リンク上でだけ機能するリダイレクトでは解決できません。

デフォルト ルータ プリファレンス(DRP)機能は、基本的なプリファレンス メトリック(低、中、高)をデフォルト デバイスに提供します。 デフォルト デバイスの DRP は、RA メッセージ内の未使用ビットで通知されます。 この拡張は、デバイス(DRP ビットの設定)とホスト(DRP ビットの解釈)の両方に対して下位互換性があります。 これらのビットは、DRP 拡張を実装しないホストでは無視されます。 同様に、DRP 拡張を実装しないデバイスによって送信される値は、DRP 拡張を実装するホストによって「中」のプリファレンスが指定されたものと解釈されます。 DRP は手動で設定する必要があります。

IPv6 ネイバー探索マルチキャスト抑制のその他の関連資料

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

IPv6 のアドレッシングと接続

『IPv6 Configuration Guide』

Cisco IOS コマンド

『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』

IPv6 コマンド

『Cisco IOS IPv6 Command Reference』

Cisco IOS IPv6 機能

『Cisco IOS IPv6 Feature Mapping』

MIB

MIB

MIB のリンク

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http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs

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ICMP for IPv6 の機能情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

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表 1 ICMP for IPv6 の機能情報

機能名

リリース

機能情報

IPv6: ICMPv6

12.0(22)S

12.2(2)T

12.2(14)S

12.2(17a)SX1

12.2(25)SG

12.2(28)SB

12.2(33)SRA

12.2(2)T

15.3(1)S

Cisco IOS XE Release 2.1

IPv6 の ICMP は、IPv4 の ICMP と同様の働きをします。 ICMP は、ICMP 宛先到達不能メッセージなどのエラー メッセージと、ICMP エコー要求および応答メッセージなどの情報メッセージを生成します。

追加または変更されたコマンドはありません。