IP マルチキャスト:IGMP コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S
Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定
Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定
発行日;2013/06/14   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の設定

Router-Port Group Management Protocol(RGMP)は、スイッチド ネットワークで IP マルチキャストを制限するシスコのプロトコルです。 RGMP は、ルータがスイッチ(またはレイヤ 2 スイッチとして動作しているネットワーキング デバイス)に対して、そのルータがトラフィックを受信または転送するマルチキャスト グループを伝送できるようにする、レイヤ 2 プロトコルです。 RGMP は、RGMP 対応ルータのインターフェイスに接続されている、RGMP 対応スイッチのポートで、マルチキャスト トラフィックを制限します。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよびソフトウェア リリースの Bug Search Tool およびリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

RGMP の前提条件

RGMP をイネーブルにする前に、次の機能がルータでイネーブルになっていることを確認してください。

  • IP ルーティング
  • IP マルチキャスト
  • スパース モード、スパース-デンス モード、Source Specific Mode、または双方向モードの PIM

ルータが双方向グループに含まれている場合、指定フォワーダ(DF)として動作しないインターフェイス上でだけ RGMP をイネーブルにしてください。 DF として動作するインターフェイス上で RGMP をイネーブルにすると、インターフェイスはランデブー ポイント(RP)に双方向共有ツリーの上に向かうマルチキャスト パケットを転送しません。

スイッチで、次の機能をイネーブルにしておく必要があります。

  • IP マルチキャスト
  • IGMP スヌーピング

(注)  


RGMP スイッチ設定作業とコマンド情報については、Catalyst スイッチのソフトウェア マニュアルを参照してください。


RGMP について

IP マルチキャスト ルーティングの概要

ソフトウェアでは、IP マルチキャスト ルーティングを実装するため、次のプロトコルがサポートされています。

  • インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)は、ホストがメンバになっているマルチキャスト グループを追跡するために LAN 上のホストと LAN 上のルータ間で使用されます。
  • プロトコル独立マルチキャスト(PIM)は、相互に転送されるマルチキャスト パケット、および直接接続されている LAN に転送されるマルチキャスト パケットを追跡するためにルータ間で使用されます。
  • Cisco グループ管理プロトコル(CGMP)は、IGMP によって実行される作業と同様の作業を実行するために、Catalyst スイッチに接続されたルータ上で使用されるプロトコルです。
  • RGMP は、IP マルチキャスト トラフィックを制限するために、Catalyst スイッチまたはレイヤ 2 スイッチとして機能するネットワーキング デバイスに接続されたルータ上で使用されるプロトコルです。 具体的には、ルータがスイッチに対して、そのルータがトラフィックを受信または転送する IP マルチキャスト グループを伝達できるようにします。

次の図に、これらのプロトコルが IP マルチキャスト環境内のどの部分で動作するかを示します。

図 1. IP マルチキャスト ルーティング プロトコル


(注)  


CGMP と RGMP は、同じスイッチド ネットワークで相互運用できません。 RGMP がスイッチまたはルータ インターフェイスでイネーブルになると、CGMP はそのスイッチまたはルータ インターフェイスで自動的にディセーブルになります。CGMP がスイッチまたはルータ インターフェイスでイネーブルになると、RGMP がそのスイッチまたはルータ インターフェイスで自動的にディセーブルになります。


RGMP の概要

RGMP は、ルータがスイッチに対して、そのルータがトラフィックを受信または転送する IP マルチキャスト グループを伝達できるようにします。 RGMP は、PIM スパース モード(PIM-SM)またはスパース-デンス モードで稼働するスイッチド イーサネット バックボーン ネットワーク向けに設計されています。


(注)  


スイッチド ネットワークの RGMP 対応スイッチおよびルータのインターフェイスは、マルチキャスト トラフィックを受信する、直接接続されたマルチキャスト対応ホストをサポートします。 スイッチド ネットワークの RGMP 対応スイッチおよびルータのインターフェイスは、マルチキャスト トラフィックを送信する、直接接続されたマルチキャスト対応ホストをサポートしません。 マルチキャスト対応ホストには、PC、ワーク ステーション、またはルータで動作するマルチキャスト アプリケーションなどがあります。


図は、スパース モードの PIM、RGMP および IGMP スヌーピングを実行するスイッチド イーサネット バックボーン ネットワークを示します。

図 2. スイッチド ネットワークの RGMP

この図では、2 個の異なるマルチキャスト グループ(グループ A のソースとグループ B のソース)が、同じスイッチド ネットワークにトラフィックを送信します。 RGMP がない場合、ソース A からのトラフィックが、スイッチ A からスイッチ B に、次にルータ B とルータ D に、不必要にフラッディングされます。 また、ソース B からのトラフィックが、スイッチ B からスイッチ A に、次にルータ A とルータ C に、不必要にフラッディングされます。 このネットワークのすべてのルータおよびスイッチで RGMP がイネーブルの場合、ソース A からのトラフィックはルータ B およびルータ D にはフラッディングされません。 また、ソース B からのトラフィックはルータ A とルータ C にフラッディングされません。 どちらのソースからのトラフィックも、スイッチ A とスイッチ B の間のリンクにフラッディングされます。 RGMP によって、接続されているルータがある、他の RGMP 対応スイッチへのリンクでのトラフィックは、制限されないため、このリンクを介したフラッディングは、発生し続けます。

スイッチド ネットワークで不要なマルチキャスト トラフィックを制限することによって、RGMP では、ネットワークの他のすべてのマルチキャスト トラフィックで使用可能な帯域幅が増え、ルータの処理リソースが節約されます。

次の図に、RGMP 対応ルータと RGMP 対応スイッチの間で送信される RGMP メッセージを示します。

図 3. RGMP メッセージ

ルータはスイッチに、PIM hello(または、PIM バージョン 1 が設定されている場合は PIM クエリー メッセージ)と RGMP hello メッセージを同時に送信します。 PIM hello メッセージは、隣接する PIM ルータを探すために使用されます。 RGMP hello メッセージは、スイッチが RGMP hello メッセージを受信したインターフェイスで、すべてのマルチキャスト トラフィックを制限するように、スイッチに指示します。


(注)  


RGMP メッセージは、ルータからスイッチに IP マルチキャスト トラフィックを送信するためにインターネット割り当て番号局(IANA)によって予約されているローカル リンク マルチキャスト アドレスである、マルチキャスト アドレス 224.0.0.25 に送信されます。 RGMP がルータとスイッチの両方でイネーブルになっていない場合、スイッチは自動的に、PIM ハロー メッセージを受信したインターフェイスからすべてのマルチキャスト トラフィックを転送します。


ルータが特定のマルチキャスト グループのトラフィックを受信する場合は、スイッチに RGMP join <G> メッセージを送信します(G はマルチキャスト グループ アドレス)。 RGMP join メッセージは、グループ <G> のマルチキャスト トラフィックを、RGMP hello メッセージを受信したインターフェイスから転送するように、スイッチに指示します。


(注)  


ルータによって、マルチキャスト グループに対するトラフィックがスイッチド ネットワークに転送されるのみの場合でも、ルータによって、マルチキャスト グループに対する RGMP join <G> メッセージがスイッチに送信されます。 特定のマルチキャスト グループに加入することによって、ルータでは、別のルータによって、マルチキャスト グループに対するトラフィックが同じスイッチド ネットワークにも転送されるかどうかを特定できます。 2 台のルータが同じスイッチド ネットワークに特定のマルチキャスト グループ宛てのトラフィックを転送すると、この 2 台のルータは PIM アサート メカニズムを使用して、どちらのルータがネットワークへのマルチキャスト トラフィックの転送を継続するかを決定します。


ルータが特定のマルチキャスト グループのトラフィックの受信を停止する場合は、スイッチに RGMP leave <G> メッセージを送信します。 RGMP leave メッセージによって、PIM hello メッセージと RGMP hello メッセージを受信したスイッチからのポートでマルチキャスト トラフィックの転送を停止するよう、スイッチに指示が出されます。


(注)  


RGMP 対応ルータは、ルータが特定のマルチキャスト グループのどのソースからもトラフィックを受信または転送しなくなるまで、RGMP leave <G> メッセージを送信できません(複数のソースが特定のマルチキャスト グループに存在する場合)。


ルータはルータ上で RGMP がディセーブルにされると、スイッチに RGMP bye メッセージを送信します。 スイッチのポート上で PIM hello メッセージを受信し続ける限り、RGMP bye メッセージによって、PIM hello メッセージと RGMP hello メッセージを受信したスイッチからのポート上のすべての IP マルチキャスト トラフィックをルータに転送するよう、スイッチに指示が出されます。

RGMP の設定方法

RGMP のイネーブル化

RGMP をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モード開始時に、ネットワーク内のすべてのルータで次のコマンドを使用します。


(注)  


CGMP と RGMP は、同じスイッチド ネットワークで相互運用できません。 RGMP がスイッチまたはルータ インターフェイスでイネーブルになると、CGMP はそのスイッチまたはルータ インターフェイスで自動的にディセーブルになります。CGMP がスイッチまたはルータ インターフェイスでイネーブルになると、RGMP がそのスイッチまたはルータ インターフェイスで自動的にディセーブルになります。


手順の概要

    1.    interface type number

    2.    ip rgmp


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 interface type number
     

    RGMP を設定するルータ インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 2 ip rgmp
     

    指定されたインターフェイス上で RGMP をイネーブルにします。

     
    次の作業

    RGMP を設定する方法の例については、「RGMP_Configuration_Example」の項を参照してください。

    RGMP 設定の確認

    RGMP が正しいインターフェイスでイネーブルになっていることを確認するには、show ip igmp interface コマンドを使用します。

    Router> show ip igmp interface
    gigabitethernet1/0 is up, line protocol is up
      Internet address is 10.0.0.0/24
        IGMP is enabled on interface
      Current IGMP version is 2
        RGMP is enabled
      IGMP query interval is 60 seconds
      IGMP querier timeout is 120 seconds
      IGMP max query response time is 10 seconds
      Last member query response interval is 1000 ms
      Inbound IGMP access group is not set
      IGMP activity: 1 joins, 0 leaves
      Multicast routing is enabled on interface
      Multicast TTL threshold is 0
      Multicast designated router (DR) is 10.0.0.0 (this system)
      IGMP querying router is 10.0.0.0 (this system)
      Multicast groups joined (number of users):
          224.0.1.40(1) 

    (注)  


    インターフェイス上で RGMP がイネーブルになっていない場合、そのインターフェイスの show ip igmp interface コマンド出力で、RGMP の情報が表示されません。


    RGMP のモニタリングおよびメンテナンス

    RGMP デバッグをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。

    コマンド

    目的

    Router# debug ip rgmp

    RGMP 対応ルータによって送信されたデバッグ メッセージを記録します。

    引数なしでコマンドを使用すると、ルータに設定されているすべてのマルチキャスト グループの RGMP Join <G> および RGMP Leave <G> メッセージが記録されます。 引数を指定してコマンドを使用すると、指定したグループの RGMP join <G> および RGMP leave <G> メッセージが記録されます。

    次の図に、ルータが RGMP join <G> および RGMP leave <G> メッセージを RGMP 対応スイッチに送信したときに RGMP 対応ルータで記録されるデバッグ メッセージを示します。

    図 4. RGMP デバッグ メッセージ

    RGMP の設定例

    RGMP の設定例

    この項では、図に示すルータおよびスイッチの設定を示す RGMP の設定例を示します。

    図 5. RGMP の設定例

    ルータ A の設定

       ip routing
       ip multicast-routing distributed
       interface gigabitethernet 1/0/0
         ip address 10.0.0.1 255.0.0.0
         ip pim sparse-dense-mode
         no shutdown
       interface gigabitethernet 1/1/0
         ip address 10.1.0.1 255.0.0.0
         ip pim sparse-dense-mode
         ip rgmp
         no shutdown

    ルータ B の設定

       ip routing
       ip multicast-routing distributed
       interface gigabitethernet 1/0/0
         ip address 10.2.0.1 255.0.0.0
         ip pim sparse-dense-mode
         no shutdown
       interface gigabitethernet 1/1/0
         ip address 10.3.0.1 255.0.0.0
         ip pim sparse-dense-mode
         ip rgmp
         no shutdown

    ルータ C の設定

       ip routing
       ip multicast-routing distributed
       interface gigabitethernet 1/0/0
         ip address 10.4.0.1 255.0.0.0
         ip pim sparse-dense-mode
         no shutdown
       interface gigabitethernet 1/1/0
         ip address 10.5.0.1 255.0.0.0
         ip pim sparse-dense-mode
         ip rgmp
         no shutdown

    ルータ D の設定

       ip routing
       ip multicast-routing distributed
       interface gigabitethernet 1/0/0
         ip address 10.6.0.1 255.0.0.0
         ip pim sparse-dense-mode
         no shutdown
       interface gigabitethernet 1/1/0
         ip address 10.7.0.1 255.0.0.0
         ip pim sparse-dense-mode
         ip rgmp
         no shutdown

    スイッチ A の設定

       Switch> (enable) set igmp enable
       Switch> (enable) set rgmp enable

    スイッチ B の設定

       Switch> (enable) set igmp enable
       Switch> (enable) set rgmp enable

    その他の関連資料

    ここでは、RGMP の関連資料について説明します。

    関連資料

    関連項目

    マニュアル タイトル

    PIM-SM と SSM の概念と設定例

    「Configuring Basic IP Multicast」モジュール

    IP マルチキャスト コマンド:コマンド構文の詳細、コマンド モード、デフォルト設定、コマンド履歴、使用に関する注意事項、および例

    『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』

    標準

    標準

    タイトル

    この機能でサポートされる新規の標準または変更された標準はありません。また、既存の標準のサポートは変更されていません。

    --

    MIB

    MIB

    MIB のリンク

    なし

    選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE Release、およびフィーチャ セットの MIB を検索してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

    http:/​/​www.cisco.com/​go/​mibs

    RFC

    RFC

    タイトル

    この機能がサポートする新しい RFC または変更された RFC はありません。また、この機能は既存の規格に対するサポートに影響を及ぼしません。

    --

    シスコのテクニカル サポート

    説明

    リンク

    シスコのサポート Web サイトでは、シスコの製品やテクノロジーに関するトラブルシューティングにお役立ていただけるように、マニュアルやツールをはじめとする豊富なオンライン リソースを提供しています。

    お使いの製品のセキュリティ情報や技術情報を入手するために、Cisco Notification Service(Field Notice からアクセス)、Cisco Technical Services Newsletter、Really Simple Syndication(RSS)フィードなどの各種サービスに加入できます。

    シスコのサポート Web サイトのツールにアクセスする際は、Cisco.com のユーザ ID およびパスワードが必要です。

    http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​support/​index.html

    Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報

    次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

    プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/​go/​cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

    表 1 Router-Port Group Management Protocol(RGMP)の機能情報

    機能名

    リリース

    機能情報

    Router-Port Group Management Protocol

    Cisco IOS XE Release 2.1

    Router-Port Group Management Protocol(RGMP)は、スイッチド ネットワークで IP マルチキャストを制限するシスコのプロトコルです。 RGMP は、ルータがスイッチ(またはレイヤ 2 スイッチとして動作しているネットワーキング デバイス)に対して、そのルータがトラフィックを受信または転送するマルチキャスト グループを伝送できるようにする、レイヤ 2 プロトコルです。 RGMP は、RGMP 対応ルータのインターフェイスに接続されている RGMP 対応スイッチのポートで、マルチキャスト トラフィックを制限します。