ハイ アベイラビリティ コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE リリース 3E
NSF-OSPF の設定
NSF-OSPF の設定

NSF-OSPF の設定

このモジュールでは、スイッチオーバー後にユーザがネットワークを使用できない時間を最小限に抑えられるよう、シスコ ソフトウェアでノンストップ フォワーディング(NSF)を設定する方法について説明します。 NSF の主な目的は、ルート プロセッサ(RP)のスイッチオーバー後に、引き続き IP パケットを転送することです。 NSF は、ルーティング用の Open Shortest Path First(OSPF)プロトコルでサポートされます。 NSF 互換のソフトウェアを実行するデバイスは NSF 認識デバイス、NSF をサポートするように設定されているデバイスは NSF 対応デバイスと呼ばれます。 NSF 対応デバイスは、NSF 認識または NSF 対応ネイバー デバイスから得たルーティング情報を再構築できます。

機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよびソフトウェア リリースの Bug Search Tool およびリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator には、www.cisco.com/​go/​cfn からアクセスします。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

NSF-OSPF の前提条件

ノンストップ フォワーディング(NSF)Open Shortest Path First(OSPF)では、ネットワーク セグメントにあるすべてのネットワーキング デバイスが NSF 認識である必要があります。

NSF-OSPF の制約事項

  • Open Shortest Path First(OSPF)構成では、ノンストップ フォワーディング(NSF)機能はデフォルトでイネーブルになっていません。

  • 仮想リンクの NSF OSPF はサポートされていません。

  • シャム リンクの NSF OSPF はサポートされていません。

  • NSF OSPF は、IPv4 トラフィックの NSF およびステートフル スイッチオーバー(SSO)のみをサポートします。

  • OSPFv3 は、NSF/SSO ではサポートされていません。 NSF/SSO では、OSPFv2 のみがサポートされています。

  • NSF 対応デバイスが特定のネットワーク セグメントで NSF 非認識ネイバーを検出すると、そのセグメントで NSF 機能をディセーブルにします。 NSF 対応または NSF 認識デバイスで完全に構成された他のネットワーク セグメントに対しては、引き続き NSF 機能を提供します。

  • NSF 認識と NSF 対応の両方のデバイスを確認する厳格なリンク ステート アドバタイズメント(LSA)を設定することはできますが、 LSA の設定はデバイスがヘルパー モードの場合のみ有効です。

NSF-OSPF について

NSF-OSPF の動作

Cisco Nonstop Forwarding(NSF)向けに Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング プロトコルが拡張され、ステートフル スイッチオーバー(SSO)のハイ アベイラビリティ(HA)機能がサポートされるようになりました。 OSPF NSF 対応デバイスでルート プロセッサ(RP)のスイッチオーバーを実行するには、その前にネイバー関係をリセットすることなく、ネットワーク内の使用可能な OSPF ネイバーを認識する必要があります。また、ネットワークのリンク ステート データベースの内容も取得する必要があります。 NSF 対応デバイスは、ネイバーの NSF 認識デバイスに OSPF NSF 信号を送信することで、受信側デバイスに対し、送信側デバイスとのネイバー関係をリセットしないように通知します。 NSF 対応デバイスは、ネットワーク内の他のデバイスから受信した信号を使用して、ネイバー リストを再作成します。

NSF 対応デバイスは、ネイバー リストにあるすべての NSF 認識ネイバーとデータベースを同期します。 すべてのネイバーがルーティング情報を交換した後、NSF 対応デバイスはルーティング情報を使用して失効したルートを削除し、ルーティング情報ベース(RIB)を更新し、転送情報ベース(FIB)を新しい転送情報で更新します。 その後、OSPF プロトコルは完全に収束されます。

シスコは、RFC 3623 よりも前に、独自仕様の Cisco NSF を導入していました。 RFC 3623 Graceful OSPF Restart 機能は、マルチベンダー ネットワークでの OSPF プロセス対応の IETF NSF をサポートしています。 Cisco NSF と IETF NSF の実装で動作が共通する NSF デバイス モードは、次のとおりです。

  • 再起動モード:このモードでは、RP スイッチオーバーのために、OSPF デバイスがノンストップ フォワーディングの回復を実行します。

  • ヘルパー モード:NSF 認識モードとも呼ばれます。 このモードでは、ネイバー デバイスが再起動ステートで NSF の回復を支援します。

厳密なリンク ステート アドバタイズメント(LSA)チェック機能を使用すると、ヘルパー デバイスは、グレースフル リスタート プロセス中にフラッディングの原因となる変更された LSA を検出した場合に、グレースフル リスタート プロセスを終了することができます。 厳密な LSA チェックは、デフォルトでディセーブルになっています。 LSA に対して、再起動デバイスにフラッディングされるような変更がある場合に、厳密な LSA チェックをイネーブルにします。

NSF-OSPF の設定方法

NSF-OSPF の設定

次のいずれか 1 つだけの作業を実行します。

Cisco NSF-OSPF の設定

手順の概要

    1.    enable

    2.    configure terminal

    3.    router ospf process-id [vrf vpn-name]

    4.    nsf cisco [enforce global]

    5.    nsf cisco helper [disable]

    6.    nsf ietf helper [disable | strict-lsa-checking]

    7.    end

    8.    show ip ospf nsf


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 enable


    例:
    Device> enable
     

    特権 EXEC モードをイネーブルにします。

    • パスワードを入力します(要求された場合)。

     
    ステップ 2 configure terminal


    例:
    Device# configure terminal
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3 router ospf process-id [vrf vpn-name]


    例:
    Device(config)# router ospf 12 
     

    Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング プロセスをイネーブルにし、ルータでコンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 4 nsf cisco [enforce global]


    例:
    Device(config-router)# nsf cisco 
     

    Cisco Nonstop Forwarding(NSF)再起動モードをイネーブルにします。

    • NSF ヘルパー モードでのみ動作するデバイスでは、このコマンドは不要です。

     
    ステップ 5 nsf cisco helper [disable]


    例:
    Device(config-router)# nsf cisco helper
     

    Cisco NSF ヘルパー サポートをイネーブルにします。

    • このコマンドは Cisco NSF ヘルパー モードをイネーブルにする方法を表示します。

     
    ステップ 6 nsf ietf helper [disable | strict-lsa-checking]


    例:
    Device(config-router)# nsf ietf helper disable
     

    (任意)NSF 認識デバイスで、IETF NSF ヘルパー モードをディセーブルします。

     
    ステップ 7 end


    例:
    Device(config-router)# end
     

    特権 EXEC モードに戻ります。

     
    ステップ 8 show ip ospf nsf


    例:
    Device# show ip ospf nsf
     

    OSPF NSF ステート情報を表示します。

     

    IETF NSF-OSPF の設定

    手順の概要

      1.    enable

      2.    configure terminal

      3.    router ospf process-id [vrf vpn-name]

      4.    nsf ietf [restart-interval seconds]

      5.    nsf ietf helper [disable | strict-lsa-checking]

      6.    nsf cisco helper disable

      7.    end

      8.    show ip ospf nsf


    手順の詳細
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 enable


      例:
      Device> enable
       

      特権 EXEC モードをイネーブルにします。

      • パスワードを入力します(要求された場合)。

       
      ステップ 2 configure terminal


      例:
      Device# configure terminal
       

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 3 router ospf process-id [vrf vpn-name]


      例:
      Device(config)# router ospf 12 
       

      Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング プロセスをイネーブルにし、ルータでコンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 4 nsf ietf [restart-interval seconds]


      例:
      Device(config-router)# nsf ietf restart-interval 180
       

      IETF ノンストップ フォワーディング(NSF)再起動モードをイネーブルにします。

      • ヘルパー モードでのみ動作するデバイスでは、このコマンドは不要です。

       
      ステップ 5 nsf ietf helper [disable | strict-lsa-checking]


      例:
      Device(config-router)# nsf ietf helper strict-lsa-checking
       

      (任意)ヘルパー モードで動作するネイバー デバイスで、IETF NSF ヘルパー モードを設定します。

       
      ステップ 6 nsf cisco helper disable


      例:
      Device(config-router)# nsf cisco helper disable
       

      (任意)NSF 認識デバイスで、Cisco NSF ヘルパー モードをディセーブルします。

       
      ステップ 7 end


      例:
      Device(config-router)# end
       

      特権 EXEC モードに戻ります。

       
      ステップ 8 show ip ospf nsf


      例:
      Device# show ip ospf nsf
       

      OSPF NSF ステート情報を表示します。

       

      NSF-OSPF の確認

      手順の概要

        1.    enable

        2.    show ip ospf

        3.    show ip ospf neighbor [detail]


      手順の詳細
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1 enable


        例:
        Device> enable
         

        特権 EXEC モードをイネーブルにします。

        • パスワードを入力します(要求された場合)。

         
        ステップ 2 show ip ospf


        例:
        Device# show ip ospf
         

        Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング プロセスの一般的な情報を表示します。

         
        ステップ 3 show ip ospf neighbor [detail]


        例:
        Device# show ip ospf neighbor detail
         

        OSPF のネイバー情報をインターフェイス単位で表示します。

         

        NSF-OSPF のモニタリング

        手順の概要

          1.    enable

          2.    debug ospf nsf [detail]


        手順の詳細
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1 enable


          例:
          Device> enable
           

          特権 EXEC モードをイネーブルにします。

          • パスワードを入力します(要求された場合)。

           
          ステップ 2 debug ospf nsf [detail]


          例:
          Device# debug ospf nsf detail
           

          Open Shortest Path First(OSPF)Cisco Nonstop Forwarding(NSF)コマンドに関連するデバッグ メッセージを表示します。

           

          NSF-OSPF の設定例

          例:Cisco NSF-OSPF の設定

          次の例では、ルータ コンフィギュレーション モードで Cisco Nonstop Forwarding(NSF)ヘルパー サポートをイネーブルにする方法を示します。

          Device> enable
          Device# configure terminal
          Device(config)# router ospf 400
          Device(config-router)# nsf cisco helper
          Device(config-router)# nsf ietf helper disable
          Device(config-router)# end
          

          次の show ip ospf nsf コマンドの出力例は、NSF が Open Shortest Path First(OSPF)プロセス 400 でイネーブルされていることを示しています。 NSF 互換のソフトウェアが動作しているデバイス上では、NSF ヘルパー モードがデフォルトでイネーブルになっています。 このコンフィギュレーションでは、IETF ヘルパー モードがプロセス 400 でディセーブルになっています。

          Device> show ip ospf nsf
           
          Routing Process "ospf 400"
          Non-Stop Forwarding enabled
          IETF NSF helper support disabled
          Cisco NSF helper support enabled
            OSPF restart state is NO_RESTART 
            Handle 2162698, Router ID 192.168.2.155, checkpoint Router ID 0.0.0.0
            Config wait timer interval 10, timer not running
            Dbase wait timer interval 120, timer not running

          例:IETF NSF-OSPF の設定

          次の例では、ルータ コンフィギュレーション モードで IETF ノンストップ フォワーディング(NSF)ヘルパー サポートをイネーブルにする方法を示します。
          Device> enable
          Device# configure terminal
          Device(config)# router ospf 500
          Device(config-router)# nsf ietf helper strict-lsa-checking
          Device(config-router)# nsf cisco helper disable
          Device(config-router)# end

          次の show ip ospf nsf コマンドの出力例は、NSF が Open Shortest Path First(OSPF)プロセス 500 でイネーブルされていることを示しています。 NSF 互換のソフトウェアが動作しているデバイス上では、NSF ヘルパー モードがデフォルトでイネーブルになっています。 このコンフィギュレーションでは、Cisco ヘルパー モードがディセーブルになっています。

          Device> show ip ospf nsf
           
          Routing Process "ospf 500"
          Non-Stop Forwarding enabled
          IETF NSF helper support enabled
          Cisco NSF helper support disabled
            OSPF restart state is NO_RESTART 
            Handle 1786466333, Router ID 10.1.1.1, checkpoint Router ID 0.0.0.0
            Config wait timer interval 10, timer not running
            Dbase wait timer interval 120, timer not running

          NSF-OSPF の設定に関する追加情報

          標準および RFC

          標準/RFC

          Title

          RFC 3623

          『Graceful OSPF Restart』

          テクニカル サポート

          説明

          Link

          ★枠で囲まれた Technical Assistance の場合★右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。 この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

          http:/​/​www.cisco.com/​cisco/​web/​support/​index.html

          NSF-OSPF の設定に関する機能情報

          次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

          プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator には、www.cisco.com/​go/​cfn からアクセスします。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。

          表 1 NSF-OSPF の設定に関する機能情報

          機能名

          リリース

          機能情報

          NSF 認識–OSPF

          Cisco IOS XE Release 3.2SE

          ノンストップ フォワーディング(NSF)認識-Open Shortest Path First(OSPF)により、顧客宅内機器(CPE)デバイスをアップストリーム デバイスの NSF 回復プロセスに含めることができます。

          次のコマンドが導入または変更されました。debug ospf nsfnsf(OSPF)nsf cisconsf ietfshow ip ospf neighborshow ip ospf nsf

          NSF–OSPF(RFC 3623 OSPF グレースフル リスタート)

          Cisco IOS XE Release 3.2SE

          シスコ ソフトウェアで NSF-OSPFv2 機能が導入されました。 この機能は、RFC 3623 で規定されている IETF 標準のグレースフル リスタート機能を使用しています。

          次のコマンドが導入または変更されました。nsf cisconsf ietfnsf(OSPF)