ワイヤレス / モビリティ : Cisco IOS と NX-OS ソフトウェア

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装
発行日;2012/01/21 | 英語版ドキュメント(2011/09/26 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装

機能情報の検索

マニュアルの内容

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装に関する情報

IPv6 における SPD - 概要

SPD ステート チェック

SPD モード

SPD ヘッドルーム

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装方法

SPD プロセス入力キューの構成

SPD モードの構成

SPD ヘッドルームの構成

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装の構成例

SPD プロセス入力キューの構成:例

参考資料

関連資料

規格

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

IPv6 における選択的パケット廃棄を実装するための機能情報

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装

 

 

 

このマニュアルでは、IPv6 の Selective Packet Discard(SPD; 選択的パケット廃棄)機能について説明します。IPv6 の SPD 機能は、ルート プロセッサ(RP)にあるプロセス レベル入力キューを管理します。SPD では、プロセス レベル キューに輻輳が発生している間、ルーティング プロトコル パケットや、その他の重要なトラフィック制御レイヤ 2 キープアライブが優先されます。

機能情報の検索

最新の機能情報および警告については、ご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能に関する情報を検索したり、各機能がサポートされているリリースに関するリストを参照したりするには、「IPv6 における選択的パケット廃棄を実装するための機能情報」を参照してください。

プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS XE ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装に関する情報

IPv6 で SPD を構成するには、次の概念を理解する必要があります。

「IPv6 における SPD - 概要」

IPv6 における SPD - 概要

SPD メカニズムは、RP にあるプロセス レベル入力キューを管理します。SPD では、プロセス レベル キューに輻輳が発生している間、ルーティング プロトコル パケットや、その他の重要なトラフィック制御レイヤ 2 キープアライブが優先されます。

SPD ステート チェック

RP 上の IPv6 プロセス入力キューでは、SPD ステート チェックが行われます。IP precedence 値が 7 であるなどの高優先順位のパケットは SPD の対象にはならず、決してドロップされることはありません。しかし、それ以外のパケットは、IPv6 パケット入力キューの長さと SPD ステートに応じてドロップされる可能性があります。SPD ステートの種類は次のとおりです。

Normal:プロセス入力キューの長さは、SPD の最小しきい値未満です。

Random drop:プロセス入力キューの長さは、SPD の最小しきい値と最大しきい値の間です。

Max:プロセス入力キューの長さは、SPD 最大しきい値と同じです。

プロセス入力キューのサイズにより、SPD ステートが normal(ドロップなし)、random drop、max のいずれになるかが決まります。プロセス入力キューの長さが SPD の最小しきい値未満のとき、SPD は何も実行せず、ノーマル ステートになります。ノーマル ステートでは、ドロップされるパケットはありません。入力キューの長さが最大しきい値に達すると、SPD は max ステートになり、通常のプライオリティのパケットは廃棄されます。入力キューの長さが最小しきい値と最大しきい値の間のとき、SPD は random drop ステートになり、通常のパケットはドロップされることがあります。

SPD モード

none(デフォルト)、aggressive drop、および OSPF の 3 つの IPv6 SPD モードがサポートされています。aggressive drop モードでは、IPv6 が random drop ステートのとき、フォーマットに誤りのあるパケットはドロップされます。OSPF モードでは、OSPF パケットが SPD プライオリティで処理されるメカニズムが提供されます。

SPD ヘッドルーム

SPD では、通常の IPv6 パケットの処理に変化はありません。ただし、SPD では IPv6 precedence フィールドによってルーティング プロトコル パケットを認識するため、ルーティング プロトコルには高いプライオリティが与えられます。したがって、IPv6 precedence が 7 に設定されていると、そのパケットにはプライオリティが与えられます。

SPD では、precedence が 7 である IPv6 パケットを優先させるために、Cisco IOS ソフトウェアが IPv6 パケットをプロセス レベル入力キューに入れる際、通常の入力キュー制限を超えてキューに入れることが許可されます。通常の制限を超えて許可されるパケットの数を SPD ヘッドルームと呼びます。SPD ヘッドルームのデフォルトは 100 です。これは、入力保持キューの長さが 175(入力キューのデフォルト サイズ + SPD ヘッドルーム サイズ)未満であれば、優先順位の高いパケットがドロップされることはないということを意味します。

Interior Gateway Protocols(IGP; 内部ゲートウェイ プロトコル)とリンクの安定性は微妙で重要なので、これらのパケットには最も高いプライオリティと、デフォルトで 10 パケットの追加 SPD ヘッドルームが与えられます。これらのパケットは、入力保持キューの長さが 185(入力キューのデフォルト サイズ + SPD ヘッドルーム サイズ + SPD 拡張ヘッドルーム)未満であれば、ドロップされることはありません。

Connectionless Network Service Intermediate System-to-Intermediate System(CLNS IS-IS)パケット、PPP パケット、および High-Level Data Link Control(HDLC; ハイレベル データリンク コントロー)キープアライブのような非 IPv6 パケットは、レイヤ 3 でなくレイヤ 2 であるために通常のプライオリティとして扱われます。さらに、レイヤ 3 以上で動作する IGP には、通常の IPv6 パケットよりも高いプライオリティが与えられますが、これは Border Gateway Protocol(BGP; ボーダ ゲートウェイ プロトコル)パケットと同じプライオリティです。したがって、BGP 輻輳中または BGP アクティビティが非常に活発な間は、IGP の Hello パケットや KeepAlive パケットがドロップされ、それによって IGP 隣接が失敗することがあります。

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装方法

次のタスクで、IPv6 で SPD を構成して確認する方法について説明します。

「SPD プロセス入力キューの構成」(必須)

「SPD モードの構成」(任意)

「SPD ヘッドルームの構成」(任意)

SPD プロセス入力キューの構成

IPv6 での SPD 機能は、デフォルトで有効になっています。このタスクでは、IPv6 SPD プロセス入力キュー内のパケット数の最小値と最大値を構成する方法を説明します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. ipv6 spd queue max-threshold value

4. ipv6 spd queue min-threshold value

5. exit

6. show ipv6 spd

詳細手順

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ipv6 spd queue max-threshold value

 
Router(config)# ipv6 spd queue max-threshold 60000

SPD プロセス入力キュー内のパケット数の最大値を構成します。

ステップ 4

ipv6 spd queue min-threshold value

 
Router(config)# ipv6 spd queue max-threshold 4094

IPv6 SPD プロセス入力キュー内のパケット数の最小値を構成します。

ステップ 5

exit

 

Router(config)# exit

ルータを特権 EXEC モードに戻します。

ステップ 6

show ipv6 spd

 

Router# show ipv6 spd

IPv6 SPD の構成を表示します。

SPD モードの構成

デフォルトで構成されている IPv6 SPD モードはありません。しかし、ルータを、指定された IPv6 SPD ステートになったときに特定のモードを使用するように、または特定のパケットを優先するように構成したい場合があります。このタスクでは、SPD モードの構成方法を説明します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. ipv6 spd mode { aggressive | ospf }

詳細手順

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ipv6 spd mode { aggressive | ospf }

 

Router(config)# ipv6 spd mode aggressive

IPv6 SPD モードを構成します。

SPD ヘッドルームの構成

このタスクでは、SPD ヘッドルームおよび SPD 拡張ヘッドルームの構成方法を説明します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. spd headroom value

4. spd extended size

5. exit

6. show ipv6 spd

詳細手順

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spd headroom size
 

Router(config)# spd headroom 200

SPD ヘッドルームを構成します。

ステップ 4

spd extended size
 

Router(config)# spd extended 11

拡張 SPD ヘッドルームを構成します。

ステップ 5

exit

 

Router(config)# exit

ルータを特権 EXEC モードに戻します。

ステップ 6

show ipv6 spd

 

Router# show ipv6 spd

IPv6 SPD の構成を表示します。

IPv6 における選択的パケット廃棄の実装の構成例

ここでは、次の SPD の設定例について説明します。

「SPD プロセス入力キューの構成:例」

SPD プロセス入力キューの構成:例

次に、SPD プロセス入力キューを構成する例を示します。最大プロセス入力キューしきい値は 60,000 で、SPD ステートは normal です。ヘッドルームおよび拡張ヘッドルームの値は、デフォルトです。

Router# ipv6 spd queue max-threshold 5000
Router# show ipv6 spd
 
Current mode: normal
Queue max threshold: 60000, Headroom: 100, Extended Headroom: 10
IPv6 packet queue: 0

参考資料

ここでは、IPv6 における選択的パケット廃棄機能の実装に関する参考資料について説明します。

関連資料

関連項目
資料のタイトル

IPv6 サポート機能のリスト

『Cisco IOS XE IPv6 Configuration Guide』(「 Start Here: Cisco IOS Software Release Specifics for IPv6 Features 」より参照可能)

IPv6 コマンド:完全なコマンド構文、コマンド モード、デフォルト、使用上のガイドライン、例

『Cisco IOS IPv6 Command Reference』

Cisco IOS マスター コマンドのリスト(全リリース)

『Cisco IOS Master Command List, All Releases』

規格

規格
タイトル

この機能による新規または変更された規格のサポートはありません。また、この機能による既存の規格サポートに変更はありません。

MIB

MIB
MIB リンク

この機能では新しい MIB または変更された MIB はサポートされていません。また、既存の MIB に対するサポートに変更はありません。

選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE ソフトウェア リリース、およびフィーチャ セットの MIB の場所を検索しダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC
タイトル

RFC 2474

Definition of the Differentiated Services Field (DS Field) in the IPv4 and IPv6 Headers

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。

以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。

テクニカル サポートを受ける

ソフトウェアをダウンロードする

セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける

ツールおよびリソースへアクセスする

Product Alert の受信登録

Field Notice の受信登録

Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索

Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する

トレーニング リソースへアクセスする

TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する

この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

http://www.cisco.com/en/US/support/index.html

IPv6 における選択的パケット廃棄を実装するための機能情報

表 1 に、このモジュールで説明した機能をリストし、特定の設定情報へのリンクを示します。

このマニュアルで示されていない、このテクノロジーにおける技術に関する情報については、『 Start Here: Cisco IOS XE Software Release Specifics for IPv6 Features 』を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すると、特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートする Cisco IOS XE のソフトウェア イメージを判別できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。


表 1 に、特定の Cisco IOS XE ソフトウェア リリース群で特定の機能をサポートする Cisco IOS XE ソフトウェア リリースだけを示します。特に明記されていない限り、Cisco IOS XE ソフトウェア リリース群の後続のリリースでもこの機能をサポートします。


 

表 1 IPv6 における選択的パケット廃棄を実装するための機能情報

機能名
リリース
機能情報

IPv6 選択的パケット廃棄

Cisco IOS XE リリース 2.6

SPD メカニズムは、RP にあるプロセス レベル入力キューを管理します。SPD では、プロセス レベル キューに輻輳が発生している間、ルーティング プロトコル パケットや、その他の重要なトラフィック制御レイヤ 2 キープアライブが優先されます。

次のコマンドが追加または変更されています: ipv6 spd mode ipv6 spd queue max-threshold ipv6 spd queue min-threshold show ipv6 spd spd extended spd headroom