Cisco IOS SIP コンフィギュレーション ガイド
SIP 機能の確認とトラブルシューティング
SIP 機能の確認とトラブルシューティング
発行日;2012/02/01 | 英語版ドキュメント(2011/04/13 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 7MB) | フィードバック

目次

SIP 機能の確認とトラブルシューティング

この章の構成

基本的なトラブルシューティングの手順

show コマンドの使用

debug コマンドの使用

その他の参考資料

SIP 機能の確認とトラブルシューティング

この章では、Cisco Session Initiation Protocol(SIP; セッション開始プロトコル)機能の確認とトラブルシューティングを行う方法について説明します。

基本的なトラブルシューティングの手順

シスコ ルータには、インターネットワークのモニタリングおよびトラブルシューティングに役立つさまざまな統合コマンドが用意されています。

show コマンドは、インストール動作と通常のネットワーク動作を監視し、問題領域を切り分ける際に役立ちます。

debug コマンドは、プロトコルおよび設定の問題を分離する際に役立ちます。

ping コマンドは、ネットワーク上のデバイス間の接続を確認する際に役立ちます。

trace コマンドは、パケットが宛先に到達するまでのルートを決定する方法を提供します。

この章では、 show コマンドと debug コマンドの使用について説明します。


) 適度なトラフィック負荷の下では、debug コマンドは大量の出力をもたらします。したがって、通常は、まず show コマンドを使用し、次に debug コマンドを慎重に使用することを推奨します。


一般には、次の手順に従ってください。

1. Voice over IP(VoIP)が機能しているかどうかを確認します。

2. 音声コールを行うことができるかどうかを確認します。

3. SIP でサポートされるコードが使用されていることを確認します。コーデックのサポートは、プラットフォームごとに異なります。特定のプラットフォームで使用できるコーデックを確認するには、 codec ? コマンドを使用します。

4. 障害を切り分けて再現します。

5. show コマンドと debug コマンド、コンフィギュレーション ファイル、およびプロトコル アナライザを使用して関連情報を収集します。

6. プロトコル トレースや内部 debug コマンド出力では、障害の最初の兆候を識別します。

7. 原因をコンフィギュレーション ファイルで探します。


) ダイヤルピア、ディジット変換、IP 接続などの基本機能に影響を与える一般的な問題のトラブルシューティングは、この章の範囲外です。追加のトラブルシューティング ヘルプへのリンクについては、「その他の参考資料」を参照してください。


show コマンドの使用

SIP ゲートウェイのステータスおよび設定を確認するには、必要に応じて次の手順を実行します(コマンドは、アルファベット順に示しています)。

手順の概要

1. show sip service

2. show sip-ua register status

3. show sip-ua statistics

4. show sip-ua status

5. show sip-ua timers

手順の詳細


ステップ 1 show sip service

このコマンドを使用して、SIP ゲートウェイ上の SIP コール サービスのステータスを表示します。

次の出力例は、SIP コール サービスがイネーブルになっていることを示します。

Router# show sip service
 
SIP Service is up
 

次の出力例は、 shutdown コマンドで SIP コール サービスがシャットダウンされたことを示します。

Router# show sip service
 
SIP service is shut globally
under 'voice service voip'
 

次の出力例は、 call service stop コマンドで SIP コール サービスがシャットダウンされたことを示します。

Router# show sip service
 
SIP service is shut
under 'voice service voip', 'sip' submode
 

次の出力例は、 shutdown forced コマンドで SIP コール サービスがシャットダウンされたことを示します。

Router# show sip service
 
SIP service is forced shut globally
under 'voice service voip'
 

次の出力例は、 call service stop forced コマンドで SIP コール サービスがシャットダウンされたことを示します。

Router# show sip service
 
SIP service is forced shut
under 'voice service voip', 'sip' submode
 

ステップ 2 show sip-ua register status

このコマンドを使用して、SIP ゲートウェイが外部のプライマリ SIP レジストラに登録した E.164 番号のステータスを表示します。

Router# show sip-ua register status
 
Line peer expires(sec) registered
4001 20001 596 no
4002 20002 596 no
5100 1 596 no
9998 2 596 no
 

ステップ 3 show sip-ua statistics

このコマンドを使用して、コール リダイレクションがディセーブルになっているかどうかを含む、応答、トラフィック、およびリトライの SIP 統計情報を表示します。

次の出力例は、4 つの登録が送信されたことを示します。

Router# show sip-ua statistics
 
SIP Response Statistics (Inbound/Outbound)
Informational:
Trying 0/0, Ringing 0/0,
Forwarded 0/0, Queued 0/0,
SessionProgress 0/0
Success:
OkInvite 0/0, OkBye 0/0,
OkCancel 0/0, OkOptions 0/0,
OkPrack 0/0, OkPreconditionMet 0/0,
OkSubscribe 0/0, OkNOTIFY 0/0,
OkInfo 0/0, 202Accepted 0/0
OkRegister 12/49
Redirection (Inbound only except for MovedTemp(Inbound/Outbound)) :
MultipleChoice 0, MovedPermanently 0,
MovedTemporarily 0/0, UseProxy 0,
AlternateService 0
Client Error:
BadRequest 0/0, Unauthorized 0/0,
PaymentRequired 0/0, Forbidden 0/0,
NotFound 0/0, MethodNotAllowed 0/0,
NotAcceptable 0/0, ProxyAuthReqd 0/0,
ReqTimeout 0/0, Conflict 0/0, Gone 0/0,
ReqEntityTooLarge 0/0, ReqURITooLarge 0/0,
UnsupportedMediaType 0/0, BadExtension 0/0,
TempNotAvailable 0/0, CallLegNonExistent 0/0,
LoopDetected 0/0, TooManyHops 0/0,
AddrIncomplete 0/0, Ambiguous 0/0,
BusyHere 0/0, RequestCancel 0/0,
NotAcceptableMedia 0/0, BadEvent 0/0,
SETooSmall 0/0
Server Error:
InternalError 0/0, NotImplemented 0/0,
BadGateway 0/0, ServiceUnavail 0/0,
GatewayTimeout 0/0, BadSipVer 0/0,
PreCondFailure 0/0
Global Failure:
BusyEverywhere 0/0, Decline 0/0,
NotExistAnywhere 0/0, NotAcceptable 0/0
Miscellaneous counters:
RedirectRspMappedToClientErr 0
 
SIP Total Traffic Statistics (Inbound/Outbound)
Invite 0/0, Ack 0/0, Bye 0/0,
Cancel 0/0, Options 0/0,
Prack 0/0, Comet 0/0,
Subscribe 0/0, NOTIFY 0/0,
Refer 0/0, Info 0/0
Register 49/16
 
Retry Statistics
Invite 0, Bye 0, Cancel 0, Response 0,
Prack 0, Comet 0, Reliable1xx 0, NOTIFY 0
Register 4
 
SDP application statistics:
Parses: 0, Builds 0
Invalid token order: 0, Invalid param: 0
Not SDP desc: 0, No resource: 0
Last time SIP Statistics were cleared: <never>
 

次の出力例は、RedirectResponseMappedToClientError ステータス メッセージを示します。増分された番号は、3 xx 応答が 4 xx として処理されることを示します。コール リダイレクションがイネーブルになっている場合(デフォルト)、RedirectResponseMappedToClientError ステータス メッセージは増分されません。

Router# show sip-ua statistics
 
SIP Response Statistics (Inbound/Outbound)
Informational:
Trying 0/0, Ringing 0/0,
Forwarded 0/0, Queued 0/0,
SessionProgress 0/0
Success:
OkInvite 0/0, OkBye 0/0,
OkCancel 0/0, OkOptions 0/0,
OkPrack 0/0, OkPreconditionMet 0/0,
OKSubscribe 0/0, OkNotify 0/0,
202Accepted 0/0
Redirection (Inbound only):
MultipleChoice 0, MovedPermanently 0,
MovedTemporarily 0, UseProxy 0,
AlternateService 0
Client Error:
BadRequest 0/0, Unauthorized 0/0,
PaymentRequired 0/0, Forbidden 0/0,
NotFound 0/0, MethodNotAllowed 0/0,
NotAcceptable 0/0, ProxyAuthReqd 0/0,
ReqTimeout 0/0, Conflict 0/0, Gone 0/0,
ReqEntityTooLarge 0/0, ReqURITooLarge 0/0,
UnsupportedMediaType 0/0, BadExtension 0/0,
TempNotAvailable 0/0, CallLegNonExistent 0/0,
LoopDetected 0/0, TooManyHops 0/0,
AddrIncomplete 0/0, Ambiguous 0/0,
BusyHere 0/0, RequestCancel 0/0
NotAcceptableMedia 0/0, BadEvent 0/0
Server Error:
InternalError 0/0, NotImplemented 0/0,
BadGateway 0/0, ServiceUnavail 0/0,
GatewayTimeout 0/0, BadSipVer 0/0,
PreCondFailure 0/0
Global Failure:
BusyEverywhere 0/0, Decline 0/0,
NotExistAnywhere 0/0, NotAcceptable 0/0
Miscellaneous counters:
RedirectResponseMappedToClientError 1,
SIP Total Traffic Statistics (Inbound/Outbound)
Invite 0/0, Ack 0/0, Bye 0/0,
Cancel 0/0, Options 0/0,
Prack 0/0, Comet 0/0,
Subscribe 0/0, Notify 0/0,
Refer 0/0
 
Retry Statistics
Invite 0, Bye 0, Cancel 0, Response 0,
Prack 0, Comet 0, Reliable1xx 0, Notify 0
 
SDP application statistics:
Parses: 0, Builds 0
Invalid token order: 0, Invalid param: 0
Not SDP desc: 0, No resource: 0
 

ステップ 4 show sip-ua status

このコマンドを使用して、コール リダイレクションがイネーブルになっているか、ディセーブルになっているかを含む、SIP User-Agent(UA; ユーザ エージェント)のステータスを表示します。

Router# show sip-ua status
 
SIP User Agent Status
SIP User Agent for UDP : ENABLED
SIP User Agent for TCP : ENABLED
SIP User Agent bind status(signaling): DISABLED
SIP User Agent bind status(media): DISABLED
SIP max-forwards : 6
SIP DNS SRV version: 1 (rfc 2052)
Redirection (3xx) message handling: ENABLED
 

ステップ 5 show sip-ua timers

このコマンドを使用して、SIP ユーザ エージェント(UA)タイマーの現在の設定を表示します。

次の出力例は、登録要求が送信されるまでの待機時間( timers register コマンドで設定された値)を示します。

Router# show sip-ua timers
 
SIP UA Timer Values (millisecs)
trying 500, expires 180000, connect 500, disconnect 500
comet 500, prack 500, rel1xx 500, notify 500
refer 500, register 500
 


 

debug コマンドの使用


) コマンドは、アルファベット順に示しています。


debug aaa authentication コマンドを使用して、Authentication, Authorization, and Accounting(AAA; 認証、認可、アカウンティング)ログイン関連の高レベル診断を表示します。

debug asnl events コマンドを使用して、SIP 加入サーバが稼動していることを確認します。たとえば、クライアントがサーバとの通信に失敗した場合は、出力に保留中のメッセージが表示されます。

debug call fallback ファミリのコマンドを使用して、VoIP コールのフォールバックの詳細を表示します。

debug cch323 ファミリのコマンドを使用して、H.323 サブシステム内のさまざまなコンポーネントのデバッグ出力を表示します。

debug ccsip ファミリのコマンドは、方向アトリビュート設定、ポートやネットワーク アドレス変換トレースの表示など、一般的な SIP のデバッグに使用します。次のコマンドのいずれかを使用します。

debug ccsip all: すべての SIP 関連のデバッグをイネーブルにします。

debug ccsip calls :すべての SIP Service-Provider Interface(SPI; サービス プロバイダー インターフェイス)コールのトレースをイネーブルにします。

debug ccsip error :SIP SPI エラーのトレースをイネーブルにします。

debug ccsip events :すべての SIP SPI イベントのトレースをイネーブルにします。

debug ccsip info :一般的な SIP SPI 情報のトレース(コール リダイレクションがディセーブルであるかどうかの確認を含む)をイネーブルにします。

debug ccsip media :SIP メディア ストリームのトレースをイネーブルにします。

debug ccsip messages :SIP User-Agent Client(UAC; ユーザ エージェント クライアント)とアクセス サーバ間で交換されるメッセージのトレースなど、すべての SIP SPI メッセージ トレースをイネーブルにします。

debug ccsip preauth :SIP コールの認証、認可、アカウンティング(AAA)事前認証の診断レポートをイネーブルにします。

debug ccsip states :すべての SIP SPI ステート トレースのトレースをイネーブルにします。

debug ccsip transport :SIP 転送ハンドラおよび Transmission Control Protocol(TCP)または User Datagram Protocol(UDP; ユーザ データグラム プロトコル)プロセスのトレースをイネーブルにします。

debug isdn q931 コマンドを使用して、ローカル ルータ(ユーザ側)とネットワークの間の ISDN ネットワーク接続(レイヤ 3)のコールのセットアップおよびティアダウンに関する情報を表示します。

debug kpml コマンドを使用して、KeyPad Markup Language(KPML)パーサーおよびビルダ エラーのデバッグ トレースをイネーブルにします。

debug radius コマンドを使用して、Remote Access Dial-In User Service(RADIUS)アトリビュートのデバッグ トレースをイネーブルにします。

debug rpms-proc preauth コマンドを使用して、H.323 コール、SIP コール、または H.323 コールと SIP コールの両方の Resource Policy Management System(RPMS; リソース ポリシー管理システム)プロセスで、デバッグ トレースをイネーブルにします。

debug rtr trace コマンドを使用して、Service Assurance Agent(SAA; サービス保証エージェント)操作の実行をトレースします。

次に示す debug voip ファミリのコマンドを使用します。

debug voip ccapi protoheaders 発信側と着信側のゲートウェイ間で送信されたメッセージを表示します。着信側ゲートウェイがヘッダーを受信していない場合は、発信側ゲートウェイで header-passing コマンドがイネーブルになっていることを確認します。

debug voip ivr script: Toolkit command language(Tcl; ツールキット コマンド言語)スクリプトの実行中に発生した可能性があるエラーを表示します。

debug voip rtp session named-event 101 コーデック タイプ g726r16 または g726r24 を使用している場合に、Dual Tone MultiFrequency(DTMF)リレー デバッグにとって重要な情報を表示します。失敗によるメッセージとすべてのコールでコンソール画面がフラッディングしないように、引数 101 をコマンドに付加してください。

これらのコマンドの一部の出力例を次に示します。

「debug ccsip events コマンドの出力例」

「debug ccsip info コマンドの出力例」

debug ccsip events コマンドの出力例

この例は、Proxy-Authorization ヘッダーがどのようにデコード済みのユーザ名およびパスワードに分解されているのかを示します。

Router# debug ccsip events
 
CCSIP SPI: SIP Call Events tracing is enabled
 
21:03:21: sippmh_parse_proxy_auth: Challenge is 'Basic'.
21:03:21: sippmh_parse_proxy_auth: Base64 user-pass string is 'MTIzNDU2Nzg5MDEyMzQ1Njou'.
21:03:21: sip_process_proxy_auth: Decoded user-pass string is '1234567890123456:.'.
21:03:21: sip_process_proxy_auth: Username is '1234567890123456'.
21:03:21: sip_process_proxy_auth: Pass is '.'.
21:03:21: sipSPIAddBillingInfoToCcb: sipCallId for billing records =
10872472-173611CC-81E9C73D-F836C2B6@172.18.192.19421:03:21: ****Adding to UAS Request table

debug ccsip info コマンドの出力例

この例は、コール リダイレクションがディセーブルであることを示すデバッグ出力の部分だけを示します。コール リダイレクションがイネーブルの場合(デフォルト)、デバッグ行の変更はありません。

Router# debug ccsip info
 
00:20:32: HandleUdpSocketReads :Msg enqueued for SPI with IPaddr: 172.18.207.10
:5060
00:20:32: CCSIP-SPI-CONTROL: act_sentinvite_new_message
00:20:32: CCSIP-SPI-CONTROL: sipSPICheckResponse
00:20:32: sip_stats_status_code
00:20:32: ccsip_get_code_class: !!Call Redirection feature is disabled on the GW
00:20:32: ccsip_map_call_redirect_responses: !!Mapping 302 response to 480
00:20:32: Roundtrip delay 4 milliseconds for method INVITE

その他の参考資料

SIP 機能のロードマップ:Cisco Feature Navigator にアクセスする手順について説明します。また、Cisco IOS リリース別に、そのリリースの SIP 機能を示して説明します。

Cisco IOS Debug Command Reference 』(リリース 12.3T)( http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios123/123tcr/123dbr/index.htm

Cisco IOS Voice Troubleshooting and Monitoring Guide 』( http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios123/123cgcr/vvfax_c/voipt_c/

Cisco IOS Voice, Video, and Fax Configuration Guide 』(リリース 12.2)( http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/fvvfax_c/index.htm

Cisco テクニカル サポート( http://www.cisco.com/en/US/support/index.html

Troubleshooting and Debugging VoIP Call Basics 』( http://www.cisco.com/warp/public/788/voip/voip_debugcalls.html

VoIP Debug Commands 』( http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/access/acs_mod/1700/1750/1750voip/debug.htm