Cisco IOS IP アドレッシング サービス コンフィギュ レーション ガイド
DMVPN ネットワークにおける NHRP の ショートカット スイッチング拡張
DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張
発行日;2012/02/03 | 英語版ドキュメント(2011/09/19 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 5MB) | フィードバック

目次

DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張

この章の構成

NHRP のショートカット スイッチングの機能拡張の制限

NHRP のショートカット スイッチングの機能改善についての情報

DMVPN ネットワークでの NHRP の概要

NHRP ショートカット スイッチングの機能拡張の利点

NHRP マッピングと隣接の上書き

NHRP パージ要求と応答

NHRP のショートカット スイッチングの設定方法

インターフェイスでの NHRP ショートカット スイッチングのイネーブル化

NHRP リダイレクトの設定

NHRP リダイレクト メッセージ形式

NHRP のショートカット スイッチング機能拡張のコンフィギュレーションの例

NHRP ショートカット スイッチングと NHRP リダイレクトの設定:例

その他の関連資料

関連資料

規格

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

コマンド リファレンス

DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張の機能情報

DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張

Dynamic Multipoint VPN(DMVPN; ダイナミック マルチポイント VPN)ネットワークにあるルータは Next Hop Resolution Protocol(NHRP)を使用して、他のルータのアドレス、および NonBroadcast MultiAccess(NBMA; 非ブロードキャスト マルチアクセス)の DMVPN に接続されているこれらのルータの背後のネットワーク アドレスを検出します。NHRP のショートカット スイッチングの機能拡張により、ハブの障害、信頼性の低下、複雑なコンフィギュレーションなど、NBMA ネットワークの問題を緩和する Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)に似たプロトコルが提供されます。NHRP を使用すると、NBMA ネットワークに接続されているシステムは、ネットワークの一部である他のシステムの NBMA アドレスをダイナミックに学習し、トラフィックに中間ホップを使用せずにこれらのシステムが直接通信できるようになります。

この章で紹介する機能情報の入手方法

ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。この章に記載されている特定の機能に関する説明へのリンク、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張の機能情報」を参照してください。

プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポート情報の入手方法

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージの各サポート情報を検索できます。 http://www.cisco.com/go/fn にある Cisco Feature Navigator にアクセスしてください。アクセスには、Cisco.com のアカウントが必要です。アカウントを持っていないか、ユーザ名またはパスワードが不明な場合は、ログイン ダイアログボックスの [Cancel] をクリックし、表示される指示に従ってください。

NHRP のショートカット スイッチングの機能拡張の制限

この機能には、次の制限があります。

現在、DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張機能は、Cisco 870 シリーズ、Cisco 1600 シリーズ、Cisco 1700 シリーズ、Cisco 1800 シリーズ、Cisco 2600 シリーズ、Cisco 2800 シリーズ、Cisco 3600 シリーズ、Cisco 3700 シリーズ、Cisco 3800 シリーズ、Cisco 7200 シリーズ、Cisco 7301 ルータだけで利用可能です。特に、Catalyst 6500 シリーズまたは Cisco 7600 シリーズのルータでは利用できません。

DMVPN がパーシャル フルメッシュ コンフィギュレーションで設定されている場合は、この機能を使用しないでください。つまり、他のスポークの IP アドレスになる IP ネクストホップがそのルータに設定されている場合、この機能は不要であるため、設定する必要はありません。フルメッシュ コンフィギュレーションでは、他のスポークになるネクストホップが指定された包括的なルーティング テーブルを持つスポークが入力されます。

NHRP のショートカット スイッチングの機能改善についての情報

DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張機能を設定するには、次の概念を理解する必要があります。

「DMVPN ネットワークでの NHRP の概要」

「NHRP ショートカット スイッチングの機能拡張の利点」

「NHRP マッピングと隣接の上書き」

「NHRP パージ要求と応答」

DMVPN ネットワークでの NHRP の概要

以前の DMVPN の実装では、ハブは NHRP を使用して、スポークの実際の(公に到達可能な)IP アドレスのデータベースを保持します。DMVPN ネットワークのスポークは、定期的な NHRP 登録パケットを使用して、実際の IP アドレスをハブに登録します。スポークに、もう一方のスポークの背後にある宛先へのトラフィックがある場合、このスポークは NHRP 解決要求を使用して、ハブ上の NHRP データベースに対し、宛先スポークの NBMA アドレスをクエリーします。NHRP はその解決要求プロセスを使用して、スポーク間の直接トンネルを構築します。

ただし、DMVPN ネットワークの実装を拡大する(スポークの数を増やす)には、いくつかの問題がありました。

スポークが NHRP 解決要求を送信したことを認識して、スポーク間トンネルを構築するには、そのスポークのルーティング テーブルにリモート ネットワーク(リモート スポークの背後)へのルートが設定されており、リモート スポークのトンネル IP アドレスの IP ネクストホップが指定されている必要があります。ルーティング テーブルに各ルートを設定するということは、スポークが 1000 台ある DMVPN ネットワークの場合、各スポーク ルータには少なくとも各リモート スポーク用に 1 つずつ 1000 のルートが必要になることを意味します。また、ルーティング テーブルに各ルートを設定するということは、このルーティング情報の配信を助けるハブ ルータでは、1,000,000 に相当するルートを処理する必要があることも意味します。このハブは各スポークから少なくとも 1 つのルートを受信します。また、このハブはこれらすべてのルートを他のスポークすべてにアドバタイズする必要があります。つまり、1000 のルートが 1000 台のスポークにアドバタイズされると、1,000,000 ルートの処理に相当します。このサイズのルーティング テーブルをサポートすると、ハブとルーティング プロトコルの処理に大きな負荷がかかることがあります。

Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング プロトコルを使用する場合、OSPF はブロードキャスト ネットワーク モードを使用するように設定されている必要があります。ブロードキャスト ネットワーク モードを使用すると、DMVPN ネットワークのハブの数が 2 台に制限されます。OSPF ブロードキャスト ネットワークには Designated Router(DR; 代表ルータ)と Backup Designated Router(BDR; バックアップ代表ルータ)が必要であり、各スポークは DR と BDR の両方に接続する必要があるため、ハブは 2 台しか使用できません。OSPF を使用する場合、このコンフィギュレーションでは DMVPN ネットワークのハブを事実上 2 台に制限します。

ハブの IP ネクストホップを指定したデフォルト ルートの 0.0.0.0/0 だけをアドバタイズできる On-Demand Routing(ODR; オンデマンド ルーティング)などの他のルーティング プロトコルを使用する場合、この実装ではスポーク間トンネルをサポートできませんでした。

DMVPN ネットワークのサイズを拡大するには、複数のハブを使用し、それぞれのハブでスポークのサブセットを処理します。たとえば、2000 台のスポークを処理するには、4 台のハブを使用し、それぞれのハブで 500 台のスポークを処理します。DMVPN の実装では、それぞれの NHRP Next Hop Server(NHS; ネクストホップ サーバ)として「デイジーチェーン」接続されたハブに依存していました。デイジーチェーン接続されたハブの場合、1 台のハブに障害が発生するとチェーンが切れる、1 台のハブの障害を回避するために複数のデイジーチェーンを設定すると複雑になる、ハブのチェーンが大きくなると、スポーク間トンネルの構築の応答時間が遅延する、などの制限がありました。

DMVPN の実装では、1 台のハブ スポーク レイヤしか許可していませんでした。同じ DMVPN ネットワーク内で、ハブは他のハブのスポークになることはできませんでした。領域ハブを中央のハブのスポークにするなど、複雑な DMVPN ネットワークを構築できませんでした。以前の実装で同様の設計を構築するには、領域ハブに接続するスポークを持つ領域 DMVPN ネットワークを別にセットアップし、DMVPN ネットワークの外部や異なる DMVPN ネットワークと領域ハブを相互接続する必要がありました。この設計で領域スポークは、同じ領域(同じ DMVPN ネットワーク)にあるスポークへのスポーク間トンネルしか構築できず、別の領域(異なる DMVPN ネットワーク)にあるスポークへのスポーク間トンネルは構築できませんでした。

以前の DMVPN 実装では、データ パケットは、スポーク間トンネルが確立されるまで、デイジーチェーンの各ホップでプロセス スイッチングされていました。データ パケットのプロセス スイッチングにより、不当な遅延が生じることがありました。

NHRP ショートカット スイッチングの機能拡張の利点

DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張機能により、以前の NHRP モデルによりスケーラブルな選択肢を利用できます。

シスコが開発した NHRP ショートカット スイッチング モデルの機能拡張を使用すると、よりスケーラブルな DMVPN 実装を実現できます。このモデルは、以前の DMVPN 実装と比較して次の利点があります。

ルーティング プロトコルの更新をハブからスポークに集約できます。スポークは、その他すべてのスポークの背後にあるネットワーク用として、リモート スポークのトンネル IP アドレスの IP ネクストホップが指定されている個別のルートを持つ必要がなくなりました。スポークは、ハブのトンネル IP アドレスの IP ネクストホップが指定されているルートを集約して使用しても、引き続きスポーク間トンネルを構築することができます。そのため、ハブ ルータで実行されているルーティング プロトコルの負荷を軽減することができます。スポークの背後のネットワークを少数のルートまたは 1 つのルートに集約すると、ハブ ルーティング プロトコルは、個別のスポーク ルートすべてではなく、少数または 1 つの集約ルートを各スポークにアドバタイズすればよいため、負荷を軽減することができます。たとえば、1000 台のスポークとスポークごとに 1 台のルータがある場合、ハブは 1000 のルートを受信しますが、各スポークには 1 つの集約ルートだけをアドバタイズすればよいため(1 台のスポークごとに 1000 のアドバタイズメントに相当)、以前の DMVPN の実装のように、1,000,000 のアドバタイズを処理する必要はありません。

DMVPN スポーク間ネットワークの拡張に対し、ハブのスタティック デイジーチェーンに代わるより良い方法を提供します。この方法でも引き続きハブを相互接続する必要はありますが、デイジーチェーン形式に制限されることはありません。ルーティング テーブルは、ハブ間のデータ パケットと NHRP 制御パケットの転送に使用されます。ルーティング テーブルにより、要求パケットと応答パケットがすべてのハブ ルータを通過するのではなく、適切なハブにパケットが転送されるため、効率が向上します。

2 台を超えるハブで OSPF をルーティング プロトコルとして使用して、DMVPN スポーク間ネットワークを拡張できます。スポークは、(以前のようにリモート スポーク ルータではなく)ハブ ルータに設定されている IP ネクストホップが指定されているルートを使用できるため、ブロードキャスト ネットワーク モードではなく、ポイントマルチポイント ネットワーク モードを使用するように OSPF を設定できます。ポイントマルチポイント ネットワーク モードを使用するように OSPF を設定すると、DMVPN ネットワークでは 2 台のハブしか使用できなかった原因である DR および BDR が不要になります。OSPF を使用する場合でも、DMVPN ネットワークは引き続き単一の OSPF 領域にある必要がありますが、OSPF エリアにルートを集約することはできないため、各スポークはすべて個別のルートを保持します。

ODR などのルーティング プロトコルを使用しても、引き続きダイナミックなスポーク間トンネルを構築できます。

階層化された(複数のレベルのある)、より複雑なツリーベースの DMVPN ネットワーク トポロジを使用できます。ツリーベースのトポロジを使用すると、中央のハブのスポークである領域ハブを持つ DMVPN ネットワークを構築できます。このアーキテクチャを使用すると、領域ハブは領域スポークのデータと NHRP の制御トラフィックを処理できるとともに、スポークが同じ領域にいるかどうかにかかわらず、DMVPN ネットワーク内の任意のスポーク間でスポーク間トンネルを構築することもできます。

スポーク間トンネルが確立されるまで、データ パケットを、ルーティングされたパスに沿ってスイッチングされる Cisco Express Forwarding(CEF)にすることができます。

NHRP マッピングと隣接の上書き

NHRP ショートカット スイッチングは、CEF 出力機能スイッチング パス機能の一機能として搭載されるようになりました。NHRP はマッピング テーブルで、Multipoint Generic Routing Encapsulation(mGRE; マルチポイント総称ルーティング カプセル化)インターフェイスに転送される各データ パケットのルックアップを実行して、データ パケットの宛先 IP アドレスのエントリを見つけます。エントリが見つかったら、NHRP は Forwarding Information Base/Adjacency(FIB/ADJ)ルックアップ 中に CEF によって決定された隣接を上書きします。このルックアップ プロセス は、データ パケットがルーティング テーブル ステートのとおりにハブに転送されるのではなく、スポーク間直接トンネルでデータ パケットがリダイレクトされる方法です。

NHRP マッピング テーブルに一致するエントリがない場合、データ パケットはルーティング テーブルからの IP ネクストホップ(隣接)に転送されます。これは通常ハブ ルータです。このパケットがハブで受信され、データ パケットが同じトンネル インターフェイスで受信および転送されたことが検出されると、ハブ ルータは NHRP はリダイレクト メッセージを前のトンネル ホップ(スポーク ルータ)に送信します。スポーク ルータが NHRP リダイレクトを受信すると、スポーク ルータは NHRP リダイレクト メッセージをトリガーする、データ パケットの宛先 IP アドレスの NHRP 解決要求を送信します。NHRP 解決要求と応答メッセージにより、通信しているホストの背後にある 2 台のスポーク間でスポーク間トンネルが構築されます。スポーク間トンネルが構築されると、NHRP マッピング エントリが作成され、スポーク間トンネルを介してデータ パケットをリダイレクトします。何らかの理由によりスポーク間トンネルが構築できない場合、データ パケットはハブを介して転送され続けます。

各 NHRP マッピング エントリに対し、NHRP は CEF 隣接エントリへの参照を保持します。CEF 出力機能の処理中、この隣接は FIB 隣接を上書きします。図 1 に、ショートカット スイッチングの NHRP マッピング テーブルの例を示します。


) スポーク間トンネルを介してパケットがリダイレクトされているかどうかを確認するには、NHRP マッピング テーブルを調べる必要があります。ルーティング テーブルと CEF FIB テーブルには、まだ元の IP ネクストホップ アドレスが表示されます。


図 1 NHRP ショートカット スイッチング マッピング テーブル

図 1 で、パケットの流れは次のとおりです。

1. スポーク A 転送テーブルで N2 をルックアップし、ネクストホップおよび隣接として TH1 を提示します。

2. スポーク A の出力機能パスの NHRP は、マッピング テーブルでルックアップを実行し、N2 にホストのエントリを見つけられません。

3. 手順 2 で決定されたとおり、データ パケットがハブ 1(H1)に転送されます。

4. 手順 2 および 3 に従って、H1 はデータ パケットをスポーク B に転送します。また、出力機能パスの NHRP は、着信(Tunnel0 など)と発信(Tunnel0)のインターフェイスを、同じ DMVPN ネットワークの一部であると判断し、データ パケットを受信したトンネル(スポーク A)に NHRP リダイレクト トラフィック通知を送信します。NHRP リダイレクト メッセージには、元の IP アドレスとデータ パケットの最初の 8 バイトが含まれます。

5. スポーク B では、ネットワーク N2 の元のホストにデータ パケットが転送されます。

6. スポーク A は H1 から NHRP リダイレクト トラフィック通知メッセージを受信します。

7. スポーク A はそのリダイレクト メッセージを処理し、(リダイレクト メッセージに含まれている)データ パケットの宛先 IP アドレス(N2 のホスト)の NHRP 解決要求をトリガーします。NHRP 対象リスト コンフィギュレーション チェックを通過した場合にだけ、NHRP は解決をトリガーします。

8. NHRP 解決要求は、スポーク A、ハブ 1、スポーク B というパスを取ります。NHRP 解決は、スポーク B に到達するまで、宛先に向かってルーティングされたパスに従います。

9. スポーク B の宛先 IP アドレス(N2 のホスト)のルーティング ルックアップで、スポーク B が DMVPN ネットワークの終点であることが見つかります。

10. スポーク B はスポーク A に必要な任意の IPsec トンネルを構築し、そのトンネルで NHRP 解決応答を直接スポーク A に送信します。スポーク B の応答には、N2 のホストへの応答だけでなく、N2 のプレフィクス情報が含まれています。つまり、スポーク B は、ホスト B だけでなく、N2 ネットワーク全体がスポーク B から到達可能であることを示します。スポーク B は N2 のローカル キャッシュ エントリと、ネットワーク N2 について応答した要求者のリストを作成します。

11. スポーク A は応答を受信し、N2 のマッピングをマッピング テーブルに登録します。ネットワーク N2 の任意のホストに対する今後パケットは、スポーク B に直接転送されます。

NHRP パージ要求と応答

NHRP ハブが解決要求に応答すると、ローカル NHRP マッピング エントリが作成されます。ローカル マッピング エントリは、NHRP が応答を送信したネットワーク エントリです。ローカル マッピング エントリは、要求者のリストを保持します。ネットワーク エントリがルーティング テーブルで変更されたり削除されたりすると、そのイベントは NHRP に通知されます。NHRP はネットワークのローカル キャッシュ エントリを見つけ、以前に応答したネットワークが変更されたというパージ要求を要求者に送信します。パージ メッセージの受信者は、対応する NHRP マッピング エントリをテーブルから削除し、パージ メッセージが正常に処理されたことを示すパージ応答を送信します。

NHRP のショートカット スイッチングの設定方法

ここでは、次の各手順について説明します。

「インターフェイスでの NHRP ショートカット スイッチングのイネーブル化」(P.7)(必須)

「NHRP リダイレクトの設定」(P.8)(必須)


ip nhrp shortcutip nhrp redirect が設定されていない場合、DMVPN ネットワークはこの機能がなかったときのように機能します。


インターフェイスでの NHRP ショートカット スイッチングのイネーブル化

ルータのインターフェイスで NHRP のショートカット スイッチングをイネーブルにするには、次の手順を実行します。


) この機能を使用する場合、すべての DMVPN ノードで ip nhrp redirect コマンドを設定することを推奨します。このコンフィギュレーションは、データ トラフィックがスポーク間、ハブ、スポークというパスを取る場合に便利です。


手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. interface type number

4. ip nhrp shortcut

5. end

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface type number

 

Router(config)# interface Tunnel0

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

ip nhrp shortcut

 

Router(config-if) # ip nhrp shortcut

インターフェイスで NHRP ショートカット スイッチングをイネーブルにします。

ステップ 5

end

 

Router(config-if) # end

コンフィギュレーション セッションを終了します。

NHRP リダイレクトの設定

NHRP は、NHRP リダイレクト トラフィック通知メッセージを受信すると、ショートカット パスの解決要求を送信します。データ パケットが同じ DMVPN ネットワーク内(入出力が同じトンネル インターフェイス)で転送される場合、NHRP リダイレクト トラフィック通知が中継ノードによって生成されます。トンネル上にある、データ パケットが送信された前のトンネル ホップ(スポーク)にリダイレクトが送信されます。

NHRP リダイレクト トラフィック通知は、送信元 NBMA IP アドレス(前のトンネル ホップ)とデータ パケット(宛先 IP アドレス)の固有の組み合わせごとに生成されます。つまり、リダイレクトは、データ パケットの送信元 IP アドレスとは独立して生成されます。これは、宛先 IP アドレスと受信 Generic Routing Encapsulation(GRE; 総称ルーティング カプセル化)カプセル化データ パケットの送信元 NBMA アドレスに依存します。これらの NHRP リダイレクト メッセージには、レート制限があります。送信元 NBMA アドレスとデータ宛先 IP アドレスの同じ組み合わせに対して生成される NHRP リダイレクトのレートを決定するための、設定可能なオプションが用意されています。

NHRP リダイレクト メッセージ形式

Internet Control Message Protocol(ICMP; インターネット制御メッセージ プロトコル)メッセージと同様に、NHRP リダイレクト メッセージには、IP ヘッダーと、リダイレクトをトリガーするデータ パケットの最初の 8 データ バイトが含まれます。この情報は、前のトンネル ホップの NHRP によって使用され、解決要求を送信するかどうか、およびその送信先を決定します。つまり、NHRP は対象リスト コンフィギュレーションに一致させて、解決要求を送信するかどうかを決定します。

NHRP リダイレクトをイネーブルにするには、次の手順を実行します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. interface tunnel number

4. ip nhrp redirect [ every seconds ]

5. end

6. show ip nhrp traffic

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface tunnel number

 

Router(config)# interface tunnel0

トンネル インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

ip nhrp redirect [ every {seconds}]

 

Router(config-if)# ip nhrp redirect every 1

トラフィックが NHRP ネットワークで転送されている場合、リダイレクト トラフィック通知をイネーブルにします。 every キーワードと seconds 引数を使用して、重複したリダイレクトの送信を回避するために作成されたリダイレクト エントリが期限切れになるときを示します。

ステップ 5

end

 

Router(config-if)# end

コンフィギュレーション セッションを終了します。

ステップ 6

show ip nhrp traffic

 

Router# show ip nhrp traffic

(任意)NHRP トラフィック統計情報を表示します。

このコマンドは、ステーションで生成または受信された NHRP トラフィック通知パケット(リダイレクト)の数を表示します。

NHRP のショートカット スイッチング機能拡張のンフィギュレーションの例

ここでは、次の設定例について説明します。

「NHRP ショートカット スイッチングと NHRP リダイレクトの設定:例」

NHRP ショートカット スイッチングと NHRP リダイレクトの設定:例

次に、トンネル インターフェイス 0 で NHRP ショートカット スイッチングと NHRP リダイレクトを設定する例を説明します。

Router> enable
Router# configure terminal
Router(config)# interface Tunnel0
Router(config-if)# ip address 192.2.0.11 255.255.255.0
Router(config-if)# ip nhrp authentication test
Router(config-if)# ip nhrp map multicast 192.2.0.2
Router(config-if)# ip nhrp map 192.2.0.2 192.2.0.13
Router(config-if)# ip nhrp network-id 100000
Router(config-if)# ip nhrp nhs 192.2.0.11
Router(config-if)# ip nhrp shortcut
Router(config-if)# ip nhrp redirect
Router(config-if)# tunnel source Serial1/0
Router(config-if)# tunnel mode gre multipoint
Router(config-if)# tunnel key 100000
Router(config-if)# tunnel protection ipsec profile vpnprof
 

その他の関連資料

ここでは、NHRP に関する関連資料について説明します。

関連資料

関連項目
参照先

NHRP 情報およびコンフィギュレーション作業

Configuring NHRP 」モジュール

NHRP コマンド:コマンド構文、コマンド モード、コマンド履歴、デフォルト設定、使用に関する注意事項および例

『Cisco IOS IP Addressing Services Command Reference』

ダイナミック マルチポイント VPN

Dynamic Multipoint VPN 」モジュール

規格

規格
タイトル

この機能によりサポートされた新規標準または改訂標準はありません。またこの機能による既存標準のサポートに変更はありません。

--

MIB

MIB
MIB リンク

なし

--

RFC

RFC
タイトル

なし

--

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

テクニカル サポートおよびドキュメンテーション Web サイトでは、製品、テクノロジー、ソリューション、テクニカル ティップス、ツールへのリンクなど、技術的なコンテンツを検索可能な形で大量に提供しています。Cisco.com 登録ユーザの場合は、次のページからログインしてさらに多くのコンテンツにアクセスできます。

http://www.cisco.com/techsupport

コマンド リファレンス

次に示すコマンドは、このモジュールに記載されている機能または機能群において、新たに導入または変更されたものです。これらのコマンドの詳細については、『 Cisco IOS IP Addressing Services Command Reference 』( http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipaddr/command/reference/
iad_book.html
)を参照してください。すべての Cisco IOS コマンドの詳細については、 http://tools.cisco.com/Support/CLILookup にある Command Lookup Tool を使用するか、Cisco IOS マスター コマンド リストを参照してください。

ip nhrp redirect

ip nhrp shortcut

DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張の機能情報

表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。

ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。

Cisco IOS ソフトウェア イメージは、Cisco IOS ソフトウェア リリース、機能セット、プラットフォームそれぞれに固有です。Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージの各サポート情報を検索できます。 http://www.cisco.com/go/fn にある Cisco Feature Navigator にアクセスしてください。アクセスには、Cisco.com のアカウントが必要です。アカウントを持っていないか、ユーザ名またはパスワードが不明な場合は、ログイン ダイアログボックスの [Cancel] をクリックし、表示される指示に従ってください。


表 1 には、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入された Cisco IOS ソフトウェア リリースだけが記載されています。特に明記していない限り、その機能は、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースの以降のリリースでもサポートされます。


 

表 1 DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張の機能情報

機能名
リリース
機能情報

DMVPN ネットワークにおける NHRP のショートカット スイッチング拡張

12.4(6)T

ダイナミック マルチポイント VPN(DMVPN)ネットワーク上のルータは、Next Hop Resolution Protocol(NHRP)を使用して、DMVPN NonBroadcast MultiAccess(NBMA; 非ブロードキャスト マルチアクセス)ネットワークに接続されているルータの背後にある、他のルータおよびネットワークのアドレスを検出します。NHRP は、ハブの障害、信頼性の低下、複雑なコンフィギュレーションなど、NBMA のネットワーク問題を緩和する ARP に似たソリューションを提供します。