Cisco Mobile Wireless Home Agent リリース 5.2 for Cisco IOS リリース 12.4(22)YD2
Home Agent(HA)の サービス品質(QoS)
Home Agent(HA)の サービス品質(QoS)
発行日;2012/02/02 | 英語版ドキュメント(2010/12/23 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 5MB) | フィードバック

目次

Home Agent(HA)の サービス品質(QoS)

HA QoS の概要

QoS ポリシング

制約事項

HA QoS の設定

QoS の設定例

設定の確認

show コマンドの例

Home Agent(HA)の サービス品質(QoS)

ここでは、Cisco Mobile Wireless Home Agent での Quality of Service(QoS; サービス品質)の概念について説明します。また、この機能の設定方法についても詳しく説明します。

この章は、次の内容で構成されています。

「HA QoS の概要」

「HA QoS の設定」

「QoS の設定例」

HA QoS の概要

Home Agent(HA)は現時点では、Voice over IP(VoIP)、Push-to-Talk(PTT)などのさまざまなユーザ加入サービスに対し、ユーザ単位で指定したレートに基づくトラフィック制限機能をサポートしていません。バインディング単位のフロー ポリシング機能により、NAI ベースのユーザによって有効にされ、HA に登録された各バインディングに適したレートでパケットを転送できます。


) バインディング単位のフローとは、1 つの NAI に対し 1 つのバインディングという意味です。


この機能の主な利点は次のとおりです。

QoS アクションの実行に、安定した Modular QoS Command Line Interface(MQC; モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス)が使用されます。

インターネットから Mobile Node(MN; モバイル ノード)に送信されるダウンストリーム パケットにおいて、元の DSCP オプションが確実に維持されます。これには、内側の DSCP が外側のトンネル ヘッダーにコピーされます。

HA に登録したレルム内の個々のユーザまたは全ユーザに対し、トラフィックの識別、分類、およびポリシングを行えます。これは、アップストリームおよびダウンストリーム両方のトラフィックに対して実行されます。オペレータは MQC を使用することで、クラスマップとポリシーマップに従いユーザ トラフィックをグループ化できます。また、バインディング フローを識別する際、帯域幅要件を動的に指定できます。

QoS ポリシング

Cisco HA では、QoS ポリシングが次のようにイネーブルにされます。


ステップ 1 ユーザが、QoS インフラストラクチャで認識される APN 仮想インターフェイスにサービス ポリシーをアタッチします。これには拡張 ip mobile realm コマンドを使用すると、グループ化した NAI ベース ユーザに対し、ポリシングを一括して実行できるので便利です(レルム単位の実行)。この場合、ユーザ設定したポリシーマップを APN インターフェイスに適用でき、HA を通過するモバイル IP データ パケットの分類が容易になります。また、MQC では、入力方向(ダウンストリーム)と出力方向(アップストリーム)のどちらに対してもピークレートを指定できます。

ステップ 2 MQC classmap/policymap コマンドを使用する際に "match flow pdp" フィルタを設定して、フロー(バインディング)ごとにパケットが分類されるようにし、フローの識別時にポリシング パラメータを送信するように HA に通知します。マッチ タイプがフロー pdp であるクラスマップに対しては、Police rate pdp peak-rate pdp コマンド、バースト値、および必要となるさまざまなアクションがポリシーマップに指定されます。アップストリームおよびダウンストリームのピークレート値は、ip mobile realm コマンドを使用して設定します。

最初の Registration Request(RRQ; 登録要求)が処理され、バインディングが HA に登録されると、バインディングに対応する最初のパケットが CEF パスで代行受信され、このパケットにポリシング ルールが適用されます。この動作を基に、設定したピーク レート、適合バースト値、および超過バースト値に従い、以降のパケットにもポリシング アクションが実行されます。MQC QoS はユーザのポリシング要求が設定値を超過したかどうかをモニタリングし、これに応じてパケットを許可またはドロップします。すべてのアクティブ バインディングに対してそれぞれ QoS フローが存在し、それぞれの実行時の状態が HA に保存されます。


 

制約事項

次の制約事項に注意してください。

有効となるのはシングルレート ポリシングだけです。帯域予約はできないため、ポリシングはユーザの設定した最大帯域幅レートに基づいて実行されます。

サービス ポリシーのアタッチメントおよびポリシング アクションは、いったん設定した後は変更できません。ポリシーまたは関連パラメータを変更する場合は、既存のサービス ポリシーを削除してから、代わりに新たなサービス ポリシーを設定する必要があります。

ポリシングは、NAI ユーザ名を使用して登録したユーザだけに適用できます。

MQC コマンド セットにおいて、クラスに対して match flow pdp を設定した場合は、police コマンドだけを設定できます。他のアクションは使用できません。

トラフィック シェーピング機能は実装されていません。

HA QoS の設定

HA QoS 機能をイネーブルにするには、次の作業を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)ip mobile realm [nai | realm] [service-policy {input policy-name [peak-rate rate] |output policy-name [peak-rate rate]}]

NAI またはレルム単位で、ポリシーに関連付けられた 1 つ以上のユーザ バインディングに対し、ポリシーおよび対応レートを設定します。これは、アップストリームおよびダウンストリーム両方のトラフィックに対して設定できます。

ステップ 2

Router(conf t)# class-map class-name

クラスマップ名を指定し、グローバル クラスマップ モードを有効にします。

ステップ 3

Router(config-cmap)#match flow pdp

 

MN ユーザのクラスに属する各バインディングに対し、指定のレートで HA パケットを分類します。

ステップ 4

Router(config-pmap-c)# police rate pdp [burst bytes] [peak-rate pdp [peak-burst bytes]] conform-action action [exceed-action action [violate-action action]]

バインディング フローに対し、指定のポリシング アクションを起動します。peak-rate pdp キーワードを指定すると、各バインディング フローに指定したレートに基づいてポリシングが行われるようになります。

上記の設定内容には、次の制限があります。

入力および出力の両方のポリシーを設定している場合は、どちらか 1 つを削除できません。

レルムに対して既存のサービス ポリシーを変更するには、設定をいったん解除してから、新たに設定し直す必要があります。

出力ポリシーを設定してから入力ポリシーを設定できません。

QoS の設定例

次に、Cisco Mobile Wireless HA に対する QoS 機能の設定例を示します。

class-map match-all class-mip
match flow pdp
 
policy-map policy-mip-flow
class class-mip
police rate pdp burst 1400 peak-rate pdp peak-burst 1700
conform-action transmit
exceed-action drop
violate-action drop
 
ip mobile realm @cisco.com service-policy input policy-mip-flow peak-rate 9000 output policy-mip-flow peak-rate 8000
 

設定の確認

HA QoS 機能に関するさまざまな統計情報を表示するには、次の作業を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router#show ip mobile binding police nai @example.com

QoS ポリシングがイネーブルになっている場合、個々のバインディングに対する統計情報を表示します。これは、既存の show ip mobile binding コマンドの拡張機能として提供されています。表示されるのは、ポリシング レート(bps 単位)、レートに適合、超過、または違反したパケットの数などの詳細情報です。

ステップ 2

Router# show policy-map apn realm string

レルム単位の合計統計値を表示します。

show コマンドの例

次に、QoS バインディング統計値および合計統計値の出力例を示します。

Router#sh ip mob bind police nai mip-qos-user1@cisco.com:
Mobility Binding List:
Total number of QoS bindings is 1
mip-qos-user1@cisco.com:
Downlink Policing
 
police:
rate 8000 , bc 1400 bytes
peak-rate 9000, be 1700 bytes
conformed 3000 packets, 312000 bytes; actions:
drop
exceeded 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
violated 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
Uplink Policing
 
police:
rate 8000 , bc 1400 bytes
peak-rate 8000, be 1700 bytes
conformed 6000 packets, 516000 bytes; actions:
drop
exceeded 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
violated 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
Router#
 
Router#sh policy-map apn realm cisco.com
APN 566497294
 
Service-policy input: toMN
 
Class-map: HA4.0 (match-all)
1 packets, 118 bytes
30 second offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
Match: flow pdp
police:
rate pdp, bc 1400 bytes
peak-rate pdp, be 1700 bytes
conformed 0 packets, 0 bytes; actions:
transmit
exceeded 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
violated 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
 
Class-map: class-default (match-any)
0 packets, 0 bytes
30 second offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
Match: any
 
Service-policy output: fromMN
 
Class-map: HA4.0 (match-all)
1 packets, 100 bytes
30 second offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
Match: flow pdp
police:
rate pdp, bc 1400 bytes
peak-rate pdp, be 1700 bytes
conformed 1 packets, 100 bytes; actions:
transmit
exceeded 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
violated 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
 
Class-map: class-default (match-any)
0 packets, 0 bytes
30 second offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
Match: any
Router#