Cisco Mobile Wireless Home Agent 機能ガイド Cisco IOS Release 12.4(15)XM Cisco Mobile Wireless Home Agent 4.0
HA の QoS
HA の QoS
発行日;2012/01/11 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

HA の QoS

HA QoS の概要

QoS ポリシング

制約事項

HA QoS の設定

QoS の設定例

設定の確認

show コマンドの例

HA の QoS

ここでは、Cisco Mobile Wireless Home Agent での Quality of Service(QoS; サービス品質)の概念について説明します。また、この機能の設定方法についても詳しく説明します。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「HA QoS の概要」

「HA QoS の設定」

「QoS の設定例」

HA QoS の概要

Home Agent(HA)は現時点では、Voice over IP(VoIP)、Push-to-Talk(PTT)などのさまざまなユーザ加入サービスに対し、ユーザ単位で指定したレートに基づくトラフィック制限機能をサポートしていません。バインディング単位のフロー ポリシング機能により、NAI ベースのユーザによって有効にされ、HA に登録された各バインディングに適したレートでパケットを転送できます。


) バインディング単位のフローとは、1 つの NAI に対し 1 つのバインディングという意味です。


この機能の主な利点は次のとおりです。

QoS アクションの実行に、安定した Modular QoS Cmmand Line Interface(MQC; モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス)が使用されます。

インターネットから MN に送信されるダウンストリーム パケットにおいて、元の DSCP オプションが確実に維持されます。これには、内側の DSCP が外側のトンネル ヘッダーにコピーされます。

HA に登録したレルム内の個々のユーザまたは全ユーザに対し、トラフィックの識別、分類、およびポリシングを行えます。これは、アップストリームおよびダウンストリーム両方のトラフィックに対して実行されます。オペレータは MQC を使用することで、クラスマップとポリシーマップに従いユーザ トラフィックをグループ化できます。また、バインディング フローを識別する際、帯域幅要件を動的に指定できます。

QoS ポリシング

Cisco HA では、QoS が次のように有効化されます。


ステップ 1 ユーザが、QoS インフラストラクチャで認識される APN 仮想インターフェイスにサービス ポリシーをアタッチします。これには拡張 ip mobile realm コマンドを使用すると、グループ化した NAI ベース ユーザに対し、ポリシングを一括して実行できるので便利です(レルム単位の実行)。この場合、ユーザ設定したポリシーマップを APN インターフェイスに適用でき、HA を通過するモバイル IP データ パケットの分類が容易になります。また、MQC では、入力方向(ダウンストリーム)と出力方向(アップストリーム)のどちらに対してもピークレートを指定できます。

ステップ 2 MQC classmap/policymap コマンドを使用する際に "match flow pdp" フィルタを設定して、フロー(バインディング)ごとにパケットが分類されるようにし、フローの識別時にポリシング パラメータを送信するように HA に通知します。マッチ タイプがフロー pdp であるクラスマップに対しては、Police rate pdp peak-rate pdp コマンド、バースト値、および必要となるさまざまなアクションがポリシーマップに指定されます。アップストリームおよびダウンストリームのピークレート値は、ip mobile realm コマンドを使用して設定します。

最初の RRQ が処理され、バインディングが HA に登録されると、バインディングに対応する最初のパケットが CEF パスで代行受信され、このパケットにポリシング ルールが適用されます。この動作を基に、設定したピーク レート、適合バースト値、および超過バースト値に従い、以降のパケットにもポリシング アクションが実行されます。MQC QoS はユーザのポリシング要求が設定値を超過したかどうかを監視し、これに応じてパケットを許可または廃棄します。すべてのアクティブ バインディングに対してそれぞれ QoS フローが存在し、それぞれの実行時の状態が HA に保存されます。


 

制約事項

以下の制約事項に注意してください。

有効となるのはシングルレート ポリシングのみです。帯域予約はできないため、ポリシングはユーザの設定した最大帯域幅レートに基づいて実行されます。

サービス ポリシーのアタッチメントおよびポリシング アクションは、いったん設定したあとは変更できません。ポリシーまたは関連パラメータを変更する場合は、既存のサービス ポリシーを削除してから、代わりに新たなサービス ポリシーを設定する必要があります。

ポリシングは、NAI ユーザ名を使用して登録したユーザのみに適用できます。

MQC コマンド セットにおいて、クラスに対して match flow pdp を設定した場合は、police コマンドのみを設定できます。他のアクションは使用できません。

トラフィック シェーピング機能は実装されていません。

HA QoS の設定

HA QoS 機能を有効にするには、以下のタスクを実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)ip mobile realm [nai | realm] [service-policy {input policy-name [peak-rate rate] |output policy-name [peak-rate rate]}]

NAI またはレルム単位で、ポリシーに関連付けられた 1 つ以上のユーザ バインディングに対し、ポリシーおよび対応レートを設定します。これは、アップストリームおよびダウンストリーム両方のトラフィックに対して設定できます。

ステップ 2

Router(conf t)# class-map class-name

クラスマップ名を指定し、グローバル クラスマップ モードを有効にします。

ステップ 3

Router(config-cmap)#match flow pdp

 

MN ユーザのクラスに属する各バインディングに対し、指定のレートで HA パケットを分類します。

ステップ 4

Router(config-pmap-c)# police rate pdp [burst bytes] [peak-rate pdp [peak-burst bytes]] conform-action action [exceed-action action [violate-action action]]

バインディング フローに対し、指定のポリシング アクションを起動します。peak-rate pdp キーワードを指定すると、各バインディング フローに指定したレートに基づいてポリシングが行われるようになります。

上記の設定内容には、以下の制限があります。

入力および出力の両方のポリシーを設定している場合は、どちらか 1 つを削除することはできません。

レルムに対して既存のサービス ポリシーを変更するには、設定をいったん解除してから、新たに設定し直す必要があります。

出力ポリシーを設定してから入力ポリシーを設定することはできません。

QoS の設定例

次に、Cisco Mobile Wireless HA に対する QoS 機能の設定例を示します。

class-map match-all class-mip
match flow pdp
 
policy-map policy-mip-flow
class class-mip
police rate pdp burst 1400 peak-rate pdp peak-burst 1700
conform-action transmit
exceed-action drop
violate-action drop
 
ip mobile realm @cisco.com service-policy input policy-mip-flow peak-rate 9000 output policy-mip-flow peak-rate 8000
 

設定の確認

HA QoS 機能に関するさまざまな統計情報を表示するには、以下のタスクを実行します。

コマンド
目的

ステップ 1

Router#show ip mobile binding police nai @example.com

QoS ポリシングが有効になっている場合、個々のバインディングに対する統計情報を表示します。これは、既存の show ip mobile binding コマンドの拡張機能として提供されています。表示されるのは、ポリシング レート(bps 単位)、レートに適合、超過、または違反したパケットの数などの詳細情報です。

ステップ 2

Router# show policy-map apn realm string

レルム単位の合計統計値を表示します。

show コマンドの例

次に、QoS バインディング統計値および合計統計値の出力例を示します。

Router#sh ip mob bind police nai mip-qos-user1@cisco.com:
Mobility Binding List:
Total number of QoS bindings is 1
mip-qos-user1@cisco.com:
Downlink Policing
 
police:
rate 8000 , bc 1400 bytes
peak-rate 9000, be 1700 bytes
conformed 3000 packets, 312000 bytes; actions:
drop
exceeded 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
violated 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
Uplink Policing
 
police:
rate 8000 , bc 1400 bytes
peak-rate 8000, be 1700 bytes
conformed 6000 packets, 516000 bytes; actions:
drop
exceeded 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
violated 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
Router#
 
Router#sh policy-map apn realm cisco.com
APN 566497294
 
Service-policy input: toMN
 
Class-map: HA4.0 (match-all)
1 packets, 118 bytes
30 second offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
Match: flow pdp
police:
rate pdp, bc 1400 bytes
peak-rate pdp, be 1700 bytes
conformed 0 packets, 0 bytes; actions:
transmit
exceeded 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
violated 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
 
Class-map: class-default (match-any)
0 packets, 0 bytes
30 second offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
Match: any
 
Service-policy output: fromMN
 
Class-map: HA4.0 (match-all)
1 packets, 100 bytes
30 second offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
Match: flow pdp
police:
rate pdp, bc 1400 bytes
peak-rate pdp, be 1700 bytes
conformed 1 packets, 100 bytes; actions:
transmit
exceeded 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
violated 0 packets, 0 bytes; actions:
drop
 
Class-map: class-default (match-any)
0 packets, 0 bytes
30 second offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
Match: any
Router#