音声ポート コンフィギュレーション ガイド、 Cisco IOS Release 15.2M&T
NextPort ベースの音声調整およびエコー キャンセレーション
NextPort ベースの音声調整およびエコー キャンセレーション
発行日;2012/04/23 | 英語版ドキュメント(2010/08/31 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

NextPort ベースの音声調整およびエコー キャンセレーション

Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラのための前提条件

Nextport 音声サービスに関する情報

Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラ

NextPort SPE ファームウェア

voicecap ストリング

音声の調整

バックグラウンド ノイズ

Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラの設定方法

Nextport SPE ファームウェアのダウンロード

voicecap の作成および適用

制限事項

V レジスタによる音声調整パラメータの設定

PSTN ゲインの設定

IP ゲインの設定

動的減衰の設定

コンフォート ノイズ生成の設定

最小 ERL の設定

voice caps の作成と適用

voicecap の設定の確認

NextPort の voicecap のトラブルシューティング

Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラの設定

Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラの設定例

ネットワークでの高 ERL:例

ネットワークにおける低 ERL:例

クリップまたはスケルチされる会話とネットワークでの低 ERL:例

動的減衰:例

エコー キャンセラのテール カバレッジ:例

G.711 で符号化された VoIP パケットに対する Nextport エコー キャンセラ制御のイネーブル化

G.711 で符号化された VoIP パケットに対する Nextport エコー キャンセラ制御のトラブルシューティング

NextPort ベースの音声調整およびエコー キャンセレーション

この章では、Nextport ベースのプラットフォームである Cisco AS5350、Cisco AS5400、Cisco AS5400HPX および Cisco AS5850 において、音声サービスを動的に設定する方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

「Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラのための前提条件」

「Nextport 音声サービスに関する情報」

「Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラの設定方法」

Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラのための前提条件

Nextport ベースの音声調整とバックグラウンド ノイズ統計機能を使用するには、Nextport の Service Processing Element(SPE)ファームウェア バージョン 8.8.1 以降のバージョンと Cisco IOS Release 12.3(4)T 以降のリリースを実行している必要があります。

Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラを使用するには、SPE ファームウェア バージョン 10.2.2 以降のバージョンと Cisco IOS Release 12.3(11)T 以降のリリースを実行している必要があります。

Nextport 音声サービスに関する情報

この章で説明する機能を設定するには、次の概念を理解する必要があります。

「Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラ」

「NextPort SPE ファームウェア」

「音声の調整」

「バックグラウンド ノイズ」

Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラ

Nextport プラットフォームの CSMV6 ダイヤルフィーチャ カード(DFC)には、デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラの機能があります。Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラ(EC)は、ほとんどの環境において、比較的少ない残余エコーの漏出、より優れた非線形処理(NLP)のタイミング、より少ないクリッピング、より優れたコンフォート ノイズ生成(CNG)によって、VoIP 接続の音声品質を向上させます。

デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラには、同時実行されるアダプティブ フィルタ(エコー テール カバレッジを制御)が 2 つと、ダブルトーク検出機能が 2 つあることが特徴です。また、コンフォート ノイズ モデルで「Hoth ノイズ」スペクトル シェーピングを使用して、実際のノイズ スペクトルを複製する機能を向上させています。


) この項で説明しているすべての Cisco IOS コマンドの詳細情報は、『Cisco IOS Voice Command Reference』で確認できます。


Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラでは、voicecap パラメータの設定に、シスコ独自の G.164 エコー キャンセラと同じ音声調整(VC 調整)インターフェイスを使用します。デュアルフィルタ エコー キャンセラを調整するには、設定時に voicecap または Cisco IOS コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用します。 show port log コマンドおよび show port operational-status コマンドを使用すると、システムの実行中にも設定を調整できます。ただし、これらの EC の内部動作には違いがあるため、音声調整に使用できるパラメータには、いくつかの違いがあります。

この機能に関係して更新された Cisco IOS コマンドの使用方法については、 echo-cancel coverage コマンドを参照してください。Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラは、Nextport プラットフォームに次の利点をもたらします。

設定可能なパラメータ:I960 Nextport レイヤの voicecap パラメータに対して実行される範囲チェックが更新されました。(「raw モード」の voicecap パラメータの範囲チェックは行われません)。

最大 128 ミリ秒のエコー テール カバレッジ:Cisco IOS Release 12.4(20)T 以降では、Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラで 24 ミリ秒から 128 ミリ秒まで、16 ミリ秒単位でのエコー テールをサポートします。 echo-cancel coverage コマンドでは、Nextport プラットフォームでエコー キャンセラのカバレッジを 128 ミリ秒に制限します。下位互換性のため、「raw モード」で使用する voicecap では、Cisco IOS ソフトウェアの新しいリリースで使用する場合に、古い SPEware を引き続き 64 ミリ秒より長い設定にすることができます。新しい SPEware が古い Cisco IOS リリースにロードされた場合は、Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラによって自動的にカバレッジ時間が 64 ミリ秒に設定されます。

報告統計情報の更新: show voice port コマンドの出力テキストは、voicecap パラメータと報告統計情報に変更されました。 show port operational-status コマンドの出力は、TX/RX に平均音声レベルの統計情報を報告するよう更新されました。

電力に関する統計情報(RX と TX):これらの統計情報では、音声として分類される信号の期間中に受信した電力だけを平均します。

設定手順の変更なし:この機能を設定するには、voicecap と echo-cancel coverage コマンドを使用します。「voicecap ストリング」を参照してください。

SPE ファームウェアおよび Cisco IOS ソフトウェアのパッケージ化のサポート:デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラが含まれる SPEware は、フィールド アップグレードが可能で、以前のファームウェア バージョンとプラットフォーム コールの密度に影響を及ぼさずに相互に使用できます。新しい SPEware は、voicecap をサポートするすべての Cisco IOS ソフトウェア リリースと相互運用できます。


) 古い Cisco IOS ソフトウェア リリースを使用する場合、voicecap は一部のパラメータ用に raw モードで使用する必要があります。一部の統計情報は、古いソフトウェア リリースでは正しく表示または記録されないことがあります。


NextPort SPE ファームウェア

Nextport SPE ファームウェアは、Nextport ダイヤル フィーチャ カード(DFC)のデジタル シグナル プロセッサ(DSP)部分を実行するソフトウェアです。Nextport ファームウェアは、Cisco IOS ソフトウェアに含まれています。

Nextport SPE ファームウェアは、Cisco AS5350、Cisco AS5400、Cisco AS5400HPX、および Cisco AS5850 プラットフォームの Nextport DFC60、DFC108、1 CT3_UPC 216、および UPC324 DFC で動作します。これらのモジュールのポートでは、モデム、音声、ファクス、デジタル サービスをサポートしており、次のレベルのいずれかに集約できます。

Nextport モジュールのスロット レベル

Nextport モジュール内の SPE レベル

個々のポート レベル


) NextPort Voice Tuning and Background Noise Statistics 機能を使用するには、Cisco IOS ソフトウェアで動作するデフォルトでバンドルされた Nextport SPE ファームウェア コードを使用する必要があります。Nextport ベースの音声調整およびバックグラウンド ノイズ機能では、SPE ファームウェア バージョン 8.8.1 以降のバージョンを使用します。Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラでは、Cisco IOS Release 12.3(11)T にバンドルされている Nextport ファームウェア バージョン 10.2.2 を使用します。Nextport ファームウェア バージョン 10.2.2 は、Cisco IOS Release 12.3(7)T、12.3(10)、およびそれ以降のリリースで使用できます。


Nextport SPE ファームウェアの詳細については、Cisco.com の『 NextPort SPE Release Notes 』を参照してください。

voicecap ストリング

Nextport DFC での音声サービスの追加設定は、voicecap ストリングを使用して音声調整の設定機能(voicecap と呼ばれます)の設定によって行います。voicecap ストリングは、 voicecap entry コマンドで作成し、 voicecap configure コマンドで適用します。

音声の調整


) これらの voicecap 機能を使用するには、電話ネットワークの動作についての知識が必要です。電話ネットワークの動作の概要については、Cisco.com にある『Nextport-Based Voice Tuning White Paper』を参照してください。


この機能では、特に次のパラメータを設定できます。

PSTN ゲイン:PSTN ゲインは、VoIP 接続の PSTN 側で電力レベルを調整して、損失計画の不安定さを補い、コールのエコー リターン ロスが最小になるようにします。PSTN ゲインは voicecap ではなく CLI で設定します。

IP ゲイン:IP ゲインは IP 側のレベルを調整して、エコー キャンセラによって伝播される前に信号に適用されます。この点は基準信号とも呼ばれます。

動的減衰:動的減衰では、低 ERL コールを補償するために PSTN コール レッグで減衰が追加されている場合、低ボリュームのコールが緩和されます。

コンフォート ノイズ生成:CNG は、EC のコンフォート ノイズをイネーブルまたはディセーブルにします。

最小 ERL:最小 ERL は、近端送話者のクリッピングおよび低パフォーマンスのエコー キャンセラを停止します。

バックグラウンド ノイズ

NextPort Voice Tuning and Background Noise Statistics 機能では、コール中に計算する複合値を平均する方法で、EC のバックグラウンド ノイズ レベル、音声アクティビティ検出(VAD)のバックグラウンド ノイズ レベル、ERL レベル、および Acombined(ACOM)統計情報をレポートします。これらの統計情報は音声ログの各エントリの最後に追加されます。これは show port log コマンドと show port operational-status コマンドの出力で参照できます。

Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラの設定方法

Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラ機能を設定するには、次の作業を実行します。

Nextport SPE ファームウェアのダウンロード(P.101) (必須)

voicecap の作成と適用(P.103) (必須)

V レジスタによる音声調整パラメータの設定(P.105) (任意)

Nextport SPE ファームウェアのダウンロード

Nextport SPE ファームウェアをダウンロードするには、次のコマンドを使用します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. spe { first slot | first slot / spe } { last slot | last slot / spe }

4. firmware location [ IFS : [ / ]] filename

5. end

6. copy running-config startup-config

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spe { first slot | first slot / spe } { last slot | last slot / spe }

 

Router(config)# spe 1 1/17

SPE コンフィギュレーション モードを開始し、SPE の範囲を設定します。

first slot および last slot :範囲を表すスロットを指定します。Cisco AS5350 の場合、スロットの値の範囲は 1 ~ 3 です。Cisco AS5400 の場合、スロットの値の範囲は 1 ~ 7 です。指定したスロットのすべてのポートが影響を受けます。

first slot / spe および last slot/spe :範囲を表すスロットを指定します。Cisco AS5350 の場合、スロットの値の範囲は 1 ~ 3 です。Cisco AS5400 の場合、スロットの値の範囲は 1 ~ 7 です。SPE 値の範囲は 1 ~ 17 です。スラッシュ記号を含める必要があります。指定したスロットと SPE のすべてのポートが影響を受けます。

ステップ 4

firmware location [ IFS : [ / ]] filename

 

Router(config-spe)# firmware location flash:np.8.8.1.spe

特定のスロット(つまり 6 ポート モデム モジュールを 18 台搭載するフィーチャ カード上のすべてのモデム)のすべてのモデムに、SPE モデム コードをダウンロードします。

IFS :(任意)Cisco IOS ファイル指定(IFS)。すべてのローカル ファイル システムで有効な IFS となります。有効な指定の例は次のとおりです。

bootflash: -- 別個のフラッシュ メモリ デバイスからファームウェアをロードします。

flash: -- ルータ内にあるフラッシュ NVRAM からファームウェアをロードします。

null: -- null: ファイル システムからファームウェア ファイルを指定します。

system:/ -- Cisco IOS イメージ内の組み込みファイルからファームウェアをロードします。オプションのフォワード スラッシュ(/)とシステム パスは、この指定と一緒に入力する必要があります。

filename :ファームウェアのファイル名。IFS 指定なしでファイル名が入力された場合、この名前がフラッシュ メモリ内のファイルのデフォルトになります。

dir all-filesystems EXEC コマンドを使用すると、有効な IFS を表示できます。

このコマンドの no 形式を使用すると、ルータがシステム組み込みのデフォルト値に戻ります。アクセス サーバが起動すると、 firmware location コマンドで、Cisco IOS イメージに組み込まれているファームウェアの場所が表示されます。フラッシュからファームウェア イメージをダウンロードするために firmware location コマンドを発行した後、このコマンドの no 形式を発行すると、 firmware location コマンドによって、Cisco IOS ソフトウェアに組み込まれたファームウェアがダウンロードされます。

ステップ 5

end

 

Router(config-spe)# end

ダウンロードが完了したら、SPE コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

 

Router# copy running-config startup-config

実行中の RAM から NVRAM に設定をコピーします。

モデムが使用可能になるとダウンロードが始まり、定義されている SPE ファームウェアのアップグレード オプションが表示されます(デフォルトは busyout)。

spe コマンドによって NVRAM モデム ダウンロードとコンフィギュレーション ファイルのエントリを生成します。

コマンドで指定されたファームウェアのダウンロードが次のリブート後に実行されません。

spe コマンドの詳細については、次の Cisco のマニュアルを参照してください。
SPE and Firmware Download Enhancements

voicecap の作成および適用

voicecap は、あらゆる音声サービス パラメータの設定に使用できます。ただし voicecap は主に Cisco IOS コマンドが関連付けられていないパラメータの設定だけに使用します。

制限事項

voicecap はグローバル コンフィギュレーション モードで設定します。最大で 5 つの voicecap エントリを定義できます。

voicecap の適用は、音声ポート コンフィギュレーション モードでのみ実行できます。voicecap を音声ポートに適用すると、その音声ポートに関連付けられたすべてのコールに影響が及びます。

特定の機能を実現するには、音声調整ができる SPE イメージを Cisco IOS ソフトウェアおよびモジュール コントローラ ソフトウェアと組み合わせて使用する必要があります。

下位互換性のため、古い SPEware を Cisco IOS ソフトウェアの新しいリリースと一緒に使用する場合には、raw モードで使用する voicecap では、エコー キャンセラのカバレッジ設定を 64 ミリ秒より長くするよう古い SPEware を設定します。新しい SPEware が古い Cisco IOS ソフトウェア リリースにロードされた場合は、Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラによって自動的にカバレッジ時間が 64 ミリ秒に設定されます。


) raw モードの voicecap パラメータの範囲チェックは行われません。


Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラ機能で使用する voicecap パラメータとコード ワードの一覧については、『 NextPort Dual-Filter G.168 Echo Canceller White Paper 』を参照してください。

V レジスタによる音声調整パラメータの設定

ここでは、V レジスタによる音声調整パラメータについて説明します。


) dB の単位で指定するデータは、すべて(dB * 10)の形式で入力します。したがって、たとえば 6.0 dB を指定するには、60 と入力する必要があります。


「PSTN ゲインの設定」

「IP ゲインの設定」

「動的減衰の設定」

「コンフォート ノイズ生成の設定」

「最小 ERL の設定」

PSTN ゲインの設定


) 減衰が過剰であると、一部のコールで会話のボリュームが低くなる場合があります。詳細については、『Nextport-Based Voice Tuning White Paper』の動的減衰機能の説明を参照してください。


不良損失計画を修正し、ERL を最小限にするには、PSTN ゲインを使用して PSTN コール レッグの電力レベルを調整します。これらのレベルを調整するには、出力減衰、入力減衰、および最低限予測される機能 ERL の合計が、以下で説明する MinERL パラメータより大きくなるようにします。エコー キャンセラで表示されるように、遠端送話者および近端送話者の電力レベルのバランスを取る必要があります。


) PSTN ゲインを設定するには、voicecap インデックスではなく、Cisco IOS の CLI を使用します。


IP ゲインの設定

エコー キャンセラによって伝播される前に信号に適用される IP 側のレベルを調整するには、IP ゲインを使用します。IP ゲインは次の V レジスタで制御されます。入出力ゲイン双方の有効範囲は -14 ~ 14 dB です。

v261:IP 出力ゲイン。

v263:IP 入力ゲイン。


) IP 側の電力が高すぎるという事例がいくつかあります。インデックス v263 を使用することで、この問題を緩和できます。


動的減衰の設定

低 ERL コールを補償するために PSTN コール レッグで減衰が追加されている場合に、低ボリュームのコールを緩和するには、動的減衰を使用します。動的減衰は、次の V レジスタで制御します。

v289:動的 EC 減衰機能のイネーブル/ディセーブル化。1 に設定するとイネーブルになります。0 に設定するとディセーブルになります。

v290:動的 EC 減衰の最小限の ERL 値。有効な範囲は 0 dB ~ 60 dB です。

v291:動的 EC 減衰の最終 Rout ゲイン。PSTN の出力減衰に要求される最低レベルに設定します。通常この値は 0 に設定します。有効な値の範囲は -14 dB ~ 6 dB です。

v292:動的 EC 減衰の最終 Sin ゲイン。PSTN の入力減衰に要求される最低レベルに設定します。通常この値は 0 に設定します。有効な値の範囲は -14 dB ~ 6 dB です。

コンフォート ノイズ生成の設定

遠端のシングル トーク中に、エコー キャンセラは非線形プロセッサ(NLP)と連携して、残余エコーを抑制します。ただし、近端側からのノイズ信号も抑制してしまいます。これによって、完全な無音状態になり、コールが切断されたと受話者が勘違いする可能性があります。この状況を回避するには、コンフォート ノイズ生成(CNG)を追加します。

NLP の無音かバックグラウンド ノイズの再生かを選択するには、コンフォート ノイズ生成を使用します。CNG は次の V レジスタで制御します。

v294:CNG のイネーブル/ディセーブル化。1 に設定するとイネーブルになります。0 に設定するとディセーブルになります。

最小 ERL の設定

エコー キャンセラは、最小 ERL(MinERL)値を使用して、PSTN コール レッグの着信信号がエコーか近端送話者かどうかを判断します。この値が高すぎると、エコー キャンセラは正しくエコーを識別できず、適応できなくなります。この値が低すぎると、近端送話者のクリッピングが発生する可能性があります。

近端送話者のクリッピングとエコー キャンセラのパフォーマンス低下を緩和するには、最小 ERL を使用します。MinERL は次の V レジスタで制御します。

v270:エコー キャンセラが PSTN の最低 ERL と予想するレベルを設定します。有効な範囲は 0 ~ 20 dB です。デフォルトは 6 です。

voice caps の作成と適用

voice caps と voice cap エントリを作成し、適用するには、次の作業を実行します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. voicecap entry name string

4. voice-port slot / port :D

5. voicecap configure name

6. exit

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

voicecap entry name string

 

Router(config)# voicecap entry qualityERL v270=120

voicecap を作成します。

name 引数は、この voicecap を一意に識別する単語です。

string 引数は、一連の voicecap レジスタ エントリで構成される文字列であり、modemcap と同様です。各エントリは、vINDEX=VALUE という形式を使用します。ここで、INDEX は特定の V レジスタを表し、VALUE には V レジスタに設定する値を指定します。

V_register エントリの詳細については、「V レジスタによる音声調整パラメータの設定」を参照してください。

この例では、「qualityERL」という名前の単純な voicecap ストリングを作成し、V レジスタ 270 を 120 に設定します。

ステップ 4

voice-port slot / port :D

 

Router(config)# voice-port 3/0:D

選択されたスロットおよびポートで音声ポート コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

voicecap configure name

 

Router(config-voiceport)# voicecap configure qualityERL

voicecap を適用します。

name 引数では、この音声ポートで使用する新規に作成された voicecap を指定します。この文字の値は、voicecap エントリを作成したときに入力した値と同じでなければなりません。この場合、値は「qualityERL」です。

(注) 複数の音声ポートを設定するには、各音声ポートに対してステップ 4 とステップ 5 を繰り返します。

ステップ 6

exit

 

Router(config-voiceport)# exit

音声ポート コンフィギュレーション モードを終了して、設定を完了します。

voicecap の設定の確認

特権 EXEC モードで次の show コマンドを使用して、設定を確認します。関連するフィールドは太字で示されています。

手順の概要

1. show voice port

2. show port operational-status slot / port

3. show port voice log

手順の詳細


ステップ 1 show voice port

このコマンドは、次の例のように、設定されている voicecap を表示するために使用します。

Router# show voice port
 
ISDN 2/0:D - 2/0:D
Type of VoicePort is ISDN
Operation State is DORMANT
Administrative State is UP
No Interface Down Failure
Description is not set
.
.
.
Station name None, Station number None
Translation profile (Incoming):
Translation profile (Outgoing):
Voicecap:EXAMPLE
 

ステップ 2 show port operational-status slot / port

このコマンドは、現在のコールのバックグラウンド ノイズ レベル情報を表示するために使用します。次の例では、重要なフィールドは太字で示されています。

Router# show port operational-status 1/0
 
Slot/SPE/Port -- 1/0
Service Type :Voice service
Voice Codec :G.711 u-law
Echo Canceler Length :8 ms
Echo Cancellation Control :Echo cancellation - enabled
Echo update - enabled
Non-linear processor - enabled
Echo reset coefficients - disabled
High pass filter enable - disabled
Digit detection enable :DTMF signaling - enabled
Voice activity detection :Disabled
Comfort noise generation :Generate comfort noise
Digit relay enable :OOB Digit relay - disabled
IB Digit relay - disabled
Information field size :20 ms
Playout de-jitter mode :adaptive
Encapsulation protocol :RTP
Input Gain :0.0 dB
Output Gain :0.0 dB
Tx/Rx SSRC :20/0
Current playout delay :65 ms
Min/Max playout delay :65/105 ms
Clock offset :142003 ms
Predictive concealment :0 ms
Interpolative concealment :0 ms
Silence concealment :0 ms
Buffer overflow discards :1
End-point detection errors :0
Tx/Rx Voice packets :1337/1341
Tx/Rx signaling packets :0/0
Tx/Rx comfort noise packets :0/0
Tx/Rx duration :26745/26745 ms
Tx/Rx voice duration :0/0 ms
Out of sequence packets :0
Bad protocol headers :0
Num. of late packets :0
Num. of early packets :1
Tx/Rx Power :-87.0/-57.3 dBm
Tx/Rx Talker Level :-86.3/-57.0 dBm
TX/RX Mean Speech level :-86.3/-57.0 dBm
VAD Background noise level :6.2 dBm
ERL level :127.0 dB
ACOM level :127.0 dB
Tx/Rx current activity :silence/silence
Tx/Rx byte count :213920/214240
ECAN Background noise level :-83.4 dBm
Latest SSRC value :391643394
Number of SSRC changes :1
Number of payload violations :0
 

ステップ 3 show port voice log

このコマンドは、完了したコールのバックグラウンド ノイズ レベル情報を表示するために使用します。次の例では、重要なフィールドは太字で示されています。

Router# show port voice log
 
Port 1/00 Events Log
*Aug 22 07:59:27.515:Voice Terminate event:
Disconnect Reason : normal call clearing (16)
Call Timer : 57 secs
Current playout delay : 65 ms
Min/Max playout delay : 65/105 ms
Clock offset : 142003 ms
Predictive concealment : 0 ms
Interpolative concealment : 0 ms
Silence concealment : 0 ms
Buffer overflow discards : 1
End-point detection errors : 0
Tx/Rx Voice packets : 2813/2816
Tx/Rx signaling packets : 0/0
Tx/Rx comfort noise packets : 0/0
Tx/Rx duration : 56260/56260 ms
Tx/Rx voice duration : 0/0 ms
Out of sequence packets : 0
Bad protocol headers : 0
Num. of late packets : 0
Num. of early packets : 1
Tx/Rx Power : -87.0/-57.3 dBm
Tx/Rx Mean Speech Level : -86.7/-57.0 dBm
Tx/Rx Talker Level : -86.3/-57.0 dBm
Average VAD Background noise level : 6.2 dBm
Average ERL level : 127.0 dB
Average ACOM level : 127.0 dB
Tx/Rx current activity : silence/silence
Tx/Rx byte count : 450080/450240
Average ECAN Background noise level: -83.4 dBm
*Aug 22 07:59:27.515:Voice SSRC change events:
Latest ssrc value : 391643394
Total ssrc changes : 1
 


 

NextPort の voicecap のトラブルシューティング

voicecap のアプリケーションをデバッグし、デバッグ出力を確認するには、特権 EXEC モードで次の debug および show コマンドを使用します。

手順の概要

1. debug nextport vsmgr detail

2. debug dspapi detail

3. show debug

手順の詳細


ステップ 1 debug nextport vsmgr detail

このコマンドは、Nextport 音声サービスのデバッグを実行するために使用します。例:

Router# debug nextport vsmgr detail
 
NextPort Voice Service Manager:
NP Voice Service Manager Detail debugging is on
.
.
.
 

ステップ 2 debug dspapi detail

このコマンドは、DSP API メッセージ イベント詳細のデバッグを実行するために使用します。例:

Router# debug dspapi detail
 
DSP API:
DSP API Command debugging is on
DSP API Detail debugging is on
.
.
.
 

ステップ 3 show debug

このコマンドは、voicecap アプリケーションのデバッグを確認するために使用します。次の例では、出力の中の重要なフィールドが太字で強調表示されています。

Router# show debug
 
NextPort Voice Service Manager:
NP Voice Service Manager Detail debugging is on
 
DSP API:
DSP API Command debugging is on
DSP API Detail debugging is on
*Aug 22 08:34:47.399:dspapi [2/1:1 (4)] dsp_init
*Aug 22 08:34:47.399:dspapi [2/1:1 (4)] dsp_voice_config_params:10 params
*Aug 22 08:34:47.399: [0] ENCAP RTP:t_ssrc=20 r_ssrc=0 t_vpxcc=0 r_vpxcc=0
ifp_payload_type=122 sid_support=19 tse_payload=101 seq_num_start=6303 redundancy=0 cc_payload_typ
Router# e=125 fax_payload_type=122 alaw_pcm_switchover=8 mulaw_pcm_switchover=0 dtmf_payload_type=121, nte_rcv_payload_type=101dynamic_payload=0, codec=5
*Aug 22 08:34:47.399: [1] PO_JITTER:mode=2 initial=60 max=200 min=40 fax_nom=300
*Aug 22 08:34:47.399: [2] INBAND_SIG:mode=0x1 enable
*Aug 22 08:34:47.399: [3] ECHO_CANCEL:flags=0x17 echo_len=256
*Aug 22 08:34:47.399: [4] IDLE_CODE_DET:enable = 0 code=0x0 duration=6000
*Aug 22 08:34:47.403: [5] GAIN:input=0 output=0
*Aug 22 08:34:47.403: [6] CNG:
Router# 1
*Aug 22 08:34:47.403: [7] INFO_FIELD_SIZE:160
*Aug 22 08:34:47.403: [8] DIGIT_RELAY:2
*Aug 22 08:34:47.403: [9] VOICECAP:EXAMPLE
*Aug 22 08:34:47.403:dspapi [2/1:1 (4)] dsp_start_service:G711_U (5)
*Aug 22 08:34:47.403:Matched voicecap:v0=0 v1=1
*Aug 22 08:34:47.403:msg length = 0x001D
*Aug 22 08:34:47.403:session ID = 0x006D
*Aug 22 08:34:47.403: msg tag = 0x0000
*Aug 22 08:34:47.403: msg ID = 0xF201


 

Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラの設定

Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラは、Cisco IOS Release 12.3(11)T 以降のリリースの Nextport プラットフォームではデフォルトでイネーブルになっています。ただし、次の作業を実行して、音声ポート インターフェイスでのエコー キャンセラのテール カバレッジ時間を調整できます。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. voice-port slot / port :D

4. echo-cancel coverage { 24 | 32 | 48 | 64 | 80 | 96 | 112 | 128 }

5. exit

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

voice-port slot / port :D

 

Router(config)# voice-port 3/0:D

選択されたスロットおよびポートで音声ポート コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

echo-cancel coverage { 24 | 32 | 48 | 64 | 80 | 96 | 112 | 128 }

 

Router(config-voiceport)# echo-cancel coverage 64

Cisco のデフォルト エコー キャンセラ(EC)が存在する場合は、EC のサイズを調整し、拡張 EC を選択します。

Cisco IOS Release 12.4(20)T 以降では、SPEware の 8.x および 10.2.2 の両方のバージョンにおいて、デフォルトのカバレッジ時間と最大限可能なカバレッジは 128 ミリ秒です。

ステップ 5

exit

 

Router(config-voiceport)# exit

音声ポート コンフィギュレーション モードを終了して、設定を完了します。

Nextport ベースの音声調整および Nextport デュアルフィルタ G.168 エコー キャンセラの設定例

ここでは、特定の電話ネットワークのための Nextport ベースのゲートウェイの最適化に使用できる例を示します。

「ネットワークでの高 ERL:例」

「ネットワークにおける低 ERL:例」

「クリップまたはスケルチされる会話とネットワークでの低 ERL:例」

「動的減衰:例」

「エコー キャンセラのテール カバレッジ:例」

ネットワークでの高 ERL:例

レジスタ v270 を使用して、ゲートウェイで発生する最小予測 ERL に対する制限を設定します。ゲートウェイで v270 設定より低い ERL が検出されると、エコー キャンセラのパフォーマンスが最適を下回ります。

v270 のデフォルト設定は 6 dB です。この設定は、通常の電話ネットワークで正常に動作するはずです。ただし、適切な損失計画が設定されていて、正しく管理された電話ネットワークでゲートウェイを使用すると、ERL が 6 dB を超えることが頻繁に発生します。このような場合は、v270 の設定を高くすることができます。この変更を行うと、近端信号のクリッピングが減少しますが、低い ERL が検出された場合にパフォーマンスが低下します。

この例では、ERL が 12 dB 以上になるようにネットワークを設計しています。この場合、次の voicecap によってパフォーマンスが向上する可能性があります。v270 の値は、デシベルの 10 倍で入力することに注意してください。

Router> enable
Router# configure terminal
Router(config)# voicecap entry qualityERL v270=120
Router(config)# end

ネットワークにおける低 ERL:例

前の例で説明したシナリオとは異なり、一部の電話ネットワークでは、6 dB のデフォルト設定を満たすような十分な ERL を常に生成できない場合があります。この問題を解決する最良の方法は、より適した損失計画を電話ネットワークに設定することです。ただし、これは常に可能ではないため、この問題を緩和するために voicecap を使用できます。

低い ERL は、十分なエコーを削除するために、エコー キャンセラがより深いキャンセレーションを実行しなければならないことを意味します。また、最小 ERL を減らすと、クリッピングの発生が増加することがあります。このような状況を改善する最良の方法は、ゲートウェイで損失を追加して、電話ネットワークの損失計画の不足を補完することです。検出される最低の ERL が 4 dB の場合、1 dB の出力減衰と -1 dB の入力ゲインを追加すると、エコー キャンセラで 6 dB の有効な ERL を超えるものが検出されなくなります。

この減衰の追加は、voicecap の入力によっても行うことができますが、この例では CLI を使用する方法を推奨しています。次のコマンドで、この例で必要なゲインを設定します。

Router> enable
Router# configure terminal
Router(config)# voice-port 3/0:D
Router(config-voiceport)# output attenuation 1
Router(config-voiceport)# input gain -1
Router(config-voiceport)# end

クリップまたはスケルチされる会話とネットワークでの低 ERL:例

この例では、ネットワークにおいて、MinERL の設定が 6 dB で、設定信号レベルの不安定によってすでにクリッピングが発生し、また 6 dB より低い ERL がすでに発生しており、デュアル アプローチを採用する必要があります。クリッピングを停止するには、MinERL の設定を 12 dB に下げる必要があります。4 dB の ERL が発生している場合は、4 dB の減衰を入力および出力に追加して、エコー キャンセラで 12 dB の有効な ERL が生じるようにします(実際の ERL の 4 dB に、出力減衰の 4 dB と、入力減衰の 4 dB を加えると、12 dB の有効な ERL になります)。このような設定を作成するために、次のコマンドを使用します。

Router> enable
Router# configure terminal
Router(config)# voicecap entry qualityERL v270=120
Router(config)# voice-port 3/0:D
Router(config-voiceport)# voicecap configure qualityERL
Router(config-voiceport)# output attenuation 4
Router(config-voiceport)# input gain -4
Router(config-voiceport)# end

動的減衰:例

プライマリ電話回線がすべて使用され、損失計画が不良な代替キャリアを代わりに使用する必要がある場合のみ、ワーストケース設定が必要になる可能性があります。このような場合、ERL が十分でない場合は、動的減衰機能によって減衰が削除されます。次の例では、最小 ERL 設定を確認する必要がない場合に、4 dB の入出力減衰が削除されます。このためには、動的減衰機能(v289 を使用)をイネーブルにします。必要な ERL は減衰を削除(v290 を使用)する前に設定し、入出力に対する最小減衰レベル(v291 および v292 を使用)も設定する必要があります。この例では、減衰量は 15 dB に設定され、その後削除されます。

Router> enable
Router# configure terminal
Router(config)# voicecap entry dynatten v270=120 v289=1 v290=15 v291=0 v292=0
Router(config)# voice-port 3/0:D
Router(config-voiceport)# voicecap configure dynatten
Router(config-voiceport)# output attenuation 4
Router(config-voiceport)# input gain -4
Router(config-voiceport)# end

エコー キャンセラのテール カバレッジ:例

次の例では、Cisco AS5400 でエコー キャンセラのテール カバレッジを 64 ミリ秒に調整します。

Router(config) voice-port 1/0:0
Router(config-voiceport)# echo-cancel coverage 64

 

G.711 で符号化された VoIP パケットに対する Nextport エコー キャンセラ制御のイネーブル化

ここでは、Cisco AS5350、AS5400、AS5400HPX、および AS5850 ユニバーサル ゲートウェイにおいて、これらのゲートウェイで G.711 で符号化された VoIP パケットで受信した 2100 Hz のトーンを検出したときに、Nextport エコー キャンセラ制御をイネーブルにする方法について説明します。Nextport の voicecap をイネーブルにして、ネットワークの PSTN 側または IP 側からエコー キャンセラを制御することができます。


) エコー キャンセラの Nextport 制御は、G.711 コーデック モードでのみ使用できます。シスコでは、モデム パススルーと一緒にエコー キャンセラの Nextport 制御をイネーブルにしないことを推奨します。


エコー キャンセラの IP トーンの検出および Nextport 制御は、コマンドライン インターフェイスを使用してイネーブルにします。voicecap エントリを作成して音声ポートに適用することで、エコー キャンセラの Nextport 制御をイネーブルにするには、次のコマンドを使用します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. voicecap entry name string

4. voice-port slot / port

5. voicecap configure name

6. exit

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

voicecap entry name string

 

Router(config)# voicecap entry npecho_ctrl v2=512 v51=32769

voicecap エントリを作成します。

name 引数は、この voicecap を一意に識別する単語です。

string 引数は、一連の voicecap レジスタ エントリであり、modemcap と同様です。各エントリは、vINDEX=VALUE という形式を使用します。ここで、INDEX は特定の V レジスタを表し、VALUE には V レジスタに設定する値を指定します。

設定例:

v2=512 の設定は、250 ミリ秒の無音の検出をイネーブルにします。この設定は任意です。この設定を v51 = 32769 の設定と一緒に使用すると、250 ミリ秒の無音を検出した後、エコー キャンセラは Nextport によって元の状態に復元されます。

v51=32769 の設定により、IP 側のトーン検出/通知がイネーブルになり、Nextport が IP 側から 2100 Hz の応答トーンを受信したときに、NLP またはエコー キャンセラをディセーブルにできます。この設定は、Cisco IOS Release 12.3T には必須です。

ステップ 4

voice-port slot / port

 

Router(config)# voice-port 3/0

選択されたスロットおよびポートで音声ポート コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

voicecap configure name

 

Router(config-voiceport)# voicecap configure npecho_ctrl

音声ポートに voicecap エントリを適用します。

name 引数では、この音声ポートで使用する新規に作成された voicecap を指定します。この文字の値は、voicecap エントリを作成したときに入力した値と同じでなければなりません。

(注) 複数の音声ポートを設定するには、各音声ポートに対してステップ 4 とステップ 5 を繰り返します。

ステップ 6

exit

 

Router(config-voiceport)# exit

音声ポート コンフィギュレーション モードを終了します。

G.711 で符号化された VoIP パケットに対する Nextport エコー キャンセラ制御のトラブルシューティング

debug trace module f080 0010 s / d / m コマンドを入力すると、トーンの検出と結果のエコー処理を示す EST トレース メッセージを表示できます。Nextport は、IP 側または PSTN 側から受信した 2100 Hz の応答トーンに基づいて、NLP およびエコー キャンセラをイネーブルおよびディセーブルにし、検出された各トーンやそのエコー処理についての EST トレース メッセージを生成します。また、Nextport では 250 ミリ秒の無音を検出し、EST トレース メッセージを生成して、このような検出を示し、エコー状態が復元されたことを示します。


ステップ 1 Router# debug trace module f080 0010 s/d/m

このコマンドは、EST トレース メッセージを表示するために使用します。このコマンドでは、 s/d/m を次のように定義します。

s = スロット

d = dfc

m = モジュール番号

インデックス 51 およびインデックス 52 のデフォルト設定値を使用すると、IP トーンの検出と通知がディセーブルになり、すべての既存の機能は正常に機能し続けます。

次に、コンソールから収集された EST トレース メッセージを示します。

Router#
*Apr 26 21:40:51.735: 00:00:14: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.735: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.735: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.735: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.735: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:51.735: Data Len : 56
*Apr 26 21:40:51.735: Data : Session 0x0144 Received Early ANS tone 0x01 from IP side
*Apr 26 21:40:51.735: 00:00:14: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.735: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.735:
Router# Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.735: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.735: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:51.735: Data Len : 63
*Apr 26 21:40:51.735: Data : Session 0x0144 Received Tone Off ntf for code 0x01 from IP side
*Apr 26 21:40:51.735: 00:00:14: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.735: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.735: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.735: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.735: Data Format: ASCII
Router#*Apr 26 21:40:51.735: Data Len : 45
*Apr 26 21:40:51.735: Data : Session 0x0144 Received ANS tone 0x03 from IP
*Apr 26 21:40:51.735: 00:00:14: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.735: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.735: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.735: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.735: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:51.735: Data Len : 47
*Apr 26 21:40:51.735: Data : Session 0x0144 Non-linear Processor Is Disabled
*Apr
Router# 26 21:40:51.735: 00:00:14: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.735: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.735: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.735: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.735: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:51.735: Data Len : 63
*Apr 26 21:40:51.735: Data : Session 0x0144 Received Tone Off ntf for code 0x03 from IP side
*Apr 26 21:40:51.735: 00:00:14: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.735: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.735:
Router# Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.735: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.735: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:51.735: Data Len : 47
*Apr 26 21:40:51.735: Data : Session 0x0144 Received ANSam tone 0x07 from IP
*Apr 26 21:40:51.735: 00:00:13: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.735: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.735: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.735: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.735: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:5
Router#1.735: Data Len : 63
*Apr 26 21:40:51.735: Data : Session 0x0144 Received Tone Off ntf for code 0x07 from IP side
*Apr 26 21:40:51.739: 00:00:13: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.739: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.739: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.739: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.739: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:51.739: Data Len : 48
*Apr 26 21:40:51.739: Data : Session 0x0144 Received /ANSam tone 0x0f from IP
Router#*Apr 26 21:40:51.739: 00:00:13: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.739: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.739: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:40:51.739: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.739: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:51.739: Data Len : 31
*Apr 26 21:40:51.739: Data : Session 0x0144 ECAN Is Disabled
*Apr 26 21:40:51.739: 00:00:04: Port Trace Event:
*Apr 26 21:40:51.739: Port : 3/00
*Apr 26 21:40:51.739: Address : 0x3000000
Router#*Apr 26 21:40:51.739: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:40:51.739: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:40:51.739: Data Len : 63
*Apr 26 21:40:51.739: Data : Session 0x0144 Received Tone Off ntf for code 0x0f from IP side
 
*Apr 26 21:46:36.431: 00:00:08: Port Trace Event:
*Apr 26 21:46:36.431: Port : 3/00
*Apr 26 21:46:36.431: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:46:36.431: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:46:36.431: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:46:36.431: Data Len : 43
*Apr 26 21:46:36.431: Data : Session 0x0144 detected 250 msec of silence
*Apr 26 21:46:36.431: 00:00:08: Port Trace Event:
*Apr 26 21:46:36.431: Port : 3/00
*Apr 26 21:46:36.431: Address : 0x3000000
*Apr 26 21:46:36.435: Trace Event: 0x2
*Apr 26 21:46:36.435: Data Format: ASCII
*Apr 26 21:46:36.435: Data Len : 41
*Apr 26 21:46:36.435: Data : Session 0x0144 Ecan State 0x0007 Restored