音声ポート コンフィギュレーション ガイド、 Cisco IOS Release 15.2M&T
T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インター フェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの設定
T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの設定
発行日;2012/04/23 | 英語版ドキュメント(2010/08/31 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの設定

T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの前提条件

Cisco IOS イメージ

基板およびドーター カードの設定

T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの制限事項

ハードウェア エコー キャンセレーションのテール長

エコー キャンセレーションのための正確な TDM ERL の読み取り

ハードウェア エコー キャンセレーションを行わない場合の show voice call コマンドの出力例

ハードウェア エコー キャンセレーションを行う場合の show voice call コマンドの出力例

T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの設定方法

T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの設定

マルチフレックス トランク(MFT)専用のエコー キャンセレーション モジュール(専用 ECAN モジュール)は、第 2 世代のマルチフレックス音声/WAN インターフェイス カード(MFT VWIC2 ファミリ)に接続されるドーター カードです。専用 ECAN モジュールは、32 チャネルおよび 64 チャネルの設定(EC-MFT-32 および EC-MFT-64)で使用できます。この場合、それぞれ 1 ポートおよび 2 ポートの T1/E1 MFT VWIC2 の要件を満たす必要があります。この章では、エコー キャンセレーション効果をイネーブルにする設定について説明します。

24 ミリ秒(ms)から 128 ミリ秒までのエコー キャンセレーション バッファのサイズによるエコー キャンセラの制御

エコー キャンセラの設定または一般的な音声 DSP リソースに対する要件と切り離した、強力なエコー キャンセラのカバレッジを確実にする処理とメモリ リソース

T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの前提条件

Cisco IOS イメージ

T1/E1 インターフェイスでハードウェア エコー キャンセレーションを実行するには、Cisco IOS Release 12.3(14)T 以降のリリースの IP Plus または IP 音声イメージ(最小構成)をインストールする必要があります。

基板およびドーター カードの設定

ハードウェア エコー キャンセレーションは、ドーター カード(EC-MFT-32 および EC-MFT-64)がインストールされ、他の T1/E1 コントローラと共有できない、同一の基板音声/WAN インターフェイス カード(VWIC)に制限されます。

T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの制限事項

ハードウェア エコー キャンセレーションのテール長

ハードウェア エコー キャンセレーションを使用している場合、テール長の値は 128 ミリ秒に設定されています。これは設定不可能であり、変更できません。

エコー キャンセレーションのための正確な TDM ERL の読み取り

ネットワークのモニタリングおよびトラブルシューティングのための統計情報を正確にするには、TDM 接続の品質推定値と、エコーを検出して無効にすることのできる ECAN 機能が必要になる場合があります。正確な読み取りを行うには、 echo-cancel enable type software コマンドを入力して、ソフトウェア ベースのエコー キャンセレーションを設定する必要があります(「T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの設定方法」の手順のステップ 6)。デフォルト(ハードウェア エコー キャンセレーション)を受け入れるか、 echo-cancel enable type hardware コマンドを入力すると、 show voice call コマンドの出力に、常に「TDM ERL Level(dBm0): +6.0.」と表示されるようになります。

echo-cancel enable type software コマンドを入力して、ソフトウェアベースのエコー キャンセレーションをイネーブルにすると、 show voice call コマンドの出力に、正確なリアルタイム TDM ERL 測定が表示されます。次の項で示す出力例では、これらの違いを表しています。

ハードウェア エコー キャンセレーションを行わない場合の show voice call コマンドの出力例

ハードウェア エコー キャンセレーションを行う場合の show voice call コマンドの出力例

ハードウェア エコー キャンセレーションを行わない場合の show voice call コマンドの出力例

次に、ソフトウェア対応エコー キャンセレーション(ハードウェア エコー キャンセレーションはディセーブル)の出力例を示します。TDM ERL レベルの値が異なることに注意してください。

Router# show voice call 0/0/0:23.1
 
0/0/0:23 1
vtsp level 0 state = S_CONNECT
callid 0x0001 B01 state S_TSP_CONNECT clld 9011204 cllg 9011200
Router# ***DSP VOICE TX STATISTICS***
Tx Vox/Fax Pkts: 3563, Tx Sig Pkts: 0, Tx Comfort Pkts: 4
Tx Dur(ms): 80150, Tx Vox Dur(ms): 71200, Tx Fax Dur(ms): 0
.
.
.
***DSP LEVELS***
TDM Bus Levels(dBm0): Rx -12.5 from PBX/Phone, Tx -16.4 to PBX/Phone
TDM ACOM Levels(dBm0): +27.0, TDM ERL Level(dBm0): +27.0
TDM Bgd Levels(dBm0): -84.4, with activity being silence
***DSP VOICE ERROR STATISTICS***
Rx Pkt Drops(Invalid Header): 0, Tx Pkt Drops(HPI SAM Overflow): 0
 
Router# show voice call 0/0/0:23.2
 
0/0/0:23 2
vtsp level 0 state = S_CONNECT
callid 0x0002 B02 state S_TSP_CONNECT clld 9011202 cllg 9011205
Router# ***DSP VOICE TX STATISTICS***
Tx Vox/Fax Pkts: 1800, Tx Sig Pkts: 0, Tx Comfort Pkts: 0
Tx Dur(ms): 36000, Tx Vox Dur(ms): 36000, Tx Fax Dur(ms): 0
.
.
.
***DSP LEVELS***
TDM Bus Levels(dBm0): Rx -23.5 from PBX/Phone, Tx -36.5 to PBX/Phone
TDM ACOM Levels(dBm0): +6.0, TDM ERL Level(dBm0): +6.0
TDM Bgd Levels(dBm0): +0.0, with activity being silence
***DSP VOICE ERROR STATISTICS***
Rx Pkt Drops(Invalid Header): 0, Tx Pkt Drops(HPI SAM Overflow): 0

ハードウェア エコー キャンセレーションを行う場合の show voice call コマンドの出力例

次に、ハードウェア エコー キャンセレーションを示す出力例を示します。TDM ERL レベルがいずれの場合も +6.0 であることに注意してください。

 
Router# show voice call 0/0/0:23.1
 
0/0/0:23 1
vtsp level 0 state = S_CONNECT
callid 0x0002 B01 state S_TSP_CONNECT clld 9011204 cllg 9011200
Router#
***HARDWARE ECHO CANCELLER STATISTICS***
Echo Canceller: On Tail-length: 128ms
H-Register: Update Modem tone disable: Ignore 2100Hz tone
Worst ERL : 6dB Residual Control: Comfort noise
High level compensation: Off
Tx Power = 0.0dB Tx Avg Power = 0.0dB
Rx Power = 0.0dB Rx Avg Power = 0.0dB
ERL = 27.0dB ACOM = 0.0
3 Reflectors(Tails) = (1, 0, 0)Ms, Max Reflector = 1Ms
Ecan Status words 0x7C, 0x1001
EC Lib version: 9183.890
.
.
.
***DSP LEVELS***
TDM Bus Levels(dBm0): Rx -12.4 from PBX/Phone, Tx -15.1 to PBX/Phone
TDM ACOM Levels(dBm0): +6.0, TDM ERL Level(dBm0): +6.0
TDM Bgd Levels(dBm0): -84.4, with activity being silence
***DSP VOICE ERROR STATISTICS***
Rx Pkt Drops(Invalid Header): 0, Tx Pkt Drops(HPI SAM Overflow): 0
 
 
Router# show voice call 0/0/0:23.2
 
0/0/0:23 2
vtsp level 0 state = S_CONNECT
callid 0x0004 B02 state S_TSP_CONNECT clld 9011202 cllg 9011205
cmohanan-3845#
***HARDWARE ECHO CANCELLER STATISTICS***
Echo Canceller: On Tail-length: 128ms
H-Register: Update Modem tone disable: Ignore 2100Hz tone
Worst ERL : 6dB Residual Control: Comfort noise
High level compensation: Off
Tx Power = 0.0dB Tx Avg Power = 0.0dB
Rx Power = 0.0dB Rx Avg Power = 0.0dB
ERL = 6.0dB ACOM = 0.0
3 Reflectors(Tails) = (4, 0, 0)Ms, Max Reflector = 4Ms
Ecan Status words 0x7C, 0x1001
EC Lib version: 9183.890
.
.
.
***DSP LEVELS***
TDM Bus Levels(dBm0): Rx -24.9 from PBX/Phone, Tx -35.7 to PBX/Phone
TDM ACOM Levels(dBm0): +6.0, TDM ERL Level(dBm0): +6.0
TDM Bgd Levels(dBm0): +0.0, with activity being silence
***DSP VOICE ERROR STATISTICS***
Rx Pkt Drops(Invalid Header): 0, Tx Pkt Drops(HPI SAM Overflow): 0
 

図 1 エコー キャンセレーション モジュールを搭載した T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードのサンプル ネットワーク トポロジ

 

T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの設定方法

T1/E1 マルチフレックス音声/WANインターフェイス カードでハードウェア エコー キャンセレーションを設定するには、次の作業を実行します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. card type { e1 | t1 } slot subslot

4. voice-card slot

5. voice-port { slot-number / subunit-number / port | slot / port : ds0-group-number }

6. echo-cancel enable type [ hardware | software ]

7. echo-cancel coverage { 24 | 32 | 48 | 64 | 80 | 96 | 112 | 128 }

8. exit

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

card type { e1 | t1 } slot subslot

 

Router(config)# card type t1 1 0

カード タイプを E1 または T1 に設定または変更します。

slot :スロット番号を指定します。プラットフォームに応じて、有効な範囲は 0 ~ 6 です。

subslot :VWIC スロット番号を設定します。ホスト モジュールまたはプラットフォームに応じて、有効な範囲は、0 ~ 3 です。

このコマンドが最初に使用されるときに、設定がただちに有効になります。

その後のカード タイプへの変更は、 reload コマンドを入力するかルータをリブートするまで、有効になりません。

コマンドを入力します。

ステップ 4

voice-card slot

 

Router(config)# voice card 1

音声カード コンフィギュレーション モードを開始します。

0 ~ 5 の値を使用してスロット位置を指定します。

ステップ 5

voice-port { slot-number / subunit-number / port | slot / port : ds0-group-number }

 

Router(voice-card)# voice-port 3/0:0

音声ポート コンフィギュレーション モードを開始して、音声ポートを指定します。

slot-number 引数には、音声インターフェイス カード(VIC)がインストールされているスロットを指定します。有効なエントリは、インストールされているスロットに応じて 0 ~ 3 です。

subunit-number には、音声ポートが配置されている VIC 上のサブユニットを指定します。有効なエントリは 0 または 1 です。

port 引数には、音声ポート番号を指定します。有効なエントリは 0 および 1 です。

または

slot 引数は、音声ポート アダプタがインストールされているスロットです。有効なエントリは 0 ~ 3 です。

port 引数は、音声インターフェイス カードの位置です。有効なエントリは 0 ~ 3 です。

ds0-group-number 引数には、定義済みの DS0 グループ番号を指定します。定義済みの DS0 グループ番号はそれぞれの音声ポート上に表示されています。これによって、デジタル T1/E1 カード上で個々の DS0 を定義できます。

(注) 使用できるコマンド、キーワード、および引数は、プラットフォーム、Cisco IOS リリース、および設定により、ここに記載されているものと若干異なることがあります。使用できる構文を判断するには、Cisco IOS コマンドのヘルプを参照してください。

ステップ 6

echo-cancel enable type [hardware | software]

 

router(config-voiceport)# echo-cancel enable type hardware

ハードウェア エコー キャンセレーションをイネーブルにします。

hardware キーワードはデフォルトです。エコー キャンセレーションのカバレッジは 128 ミリ秒にハードコードされています。

このコマンドは、 software キーワードを設定して、ソフトウェアベースの(DSP)エコー キャンセレーションを有効にするか、デフォルトの hardware に戻すためにだけ必要です。

のキーワードは、オプションのハードウェア エコー キャンセレーション モジュール(EC-MFT-32 または EC-MFT-64)がマルチ フレックス VWIC にインストールされている場合だけ使用できます。

コマンドを入力する必要があります。詳細については、「T1/E1 マルチフレックス音声/WAN インターフェイス カードでのハードウェア エコー キャンセレーションの制限事項」を参照してください。

ステップ 7

echo-cancel coverage { 24 | 32 | 48 | 64 | 80 | 96 | 112 | 128}

 

Router (config-voiceport) # echo-cancel coverage 96

ミリ秒数を指定して、エコー キャンセラを調整します。

これらのカバレッジのオプションは、前の手順で echo-cancel enable type software コマンドを設定した場合だけ有効です。

前の手順で echo-cancel enable type hardware コマンドを設定した場合、この値は 128 ミリ秒に設定されます。

Release 12.4(20) T 以降、ソフトウェア エコー キャンセレーションのデフォルトは 128 ミリ秒です。Release 12.4(20) T よりも前のリリースでは、デフォルトは 64 ミリ秒です。

ステップ 8

exit

 

Router(config-voiceport)# exit

コントローラ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータの特権 EXEC モードに戻ります。

ここでは、エコー キャンセレーションを確認するための例を示します。

「show echo-cancel hardware status:例」

「show call active voice echo-canceller summary:例」

「show call active voice echo-canceller CallID:例」

show echo-cancel hardware status:例

この出力は、ハードウェア エコー キャンセレーションがスロット 1 でイネーブルであることを示しています。

Router_3725# show echo-cancel hardware status 1
VWIC HWECAN 1/0 is UP.
Software version:4.4.803 , Date:Feb 6 16:58:57 2004
Tail length:128 Tone disabler type:G.165 Fax notify: Off
Device:VWIC_8MBPS_1TIEC_TL128_MS_1P Max Channels:32
Only Port0 have Local HWECAN Connectivity.
 
ECAN CH
ASSIGNED
DSP ID
VOICEPORT
EC
NLP
COV
LAW
========================================================================================
1
yes
1/1
1/0:1.1
on
off
on
u-Law
 
Total assigned channel(s):1
Total device(s) in the slot 1

show call active voice echo-canceller summary:例

この出力は、ハードウェア エコー キャンセレーションのサマリー情報を表しています。

Router_3725# show call active voice echo-canceller summary
 

 

Call ID
Port
DSP/Ch
Codec
Ecan-type
Tail
Called #
Dial-peers
========================================================================================
0xE71
1/0:1.1
1/1
g729r8
HW
128ms
1000
1/10
 
1 active call found
number of hardware ecan channels:1
number of software ecan channels:0

show call active voice echo-canceller CallID:例

この出力は、アクティブ音声コールに対するハードウェア エコー キャンセラ情報を表しています。

Router# show call active voice echo-canceller E71
Device:VWIC HWECAN 1/0 Channel Id = 1 Tail = 128Ms
Software version:4.4.803 , Date:Feb 6 16:58:57 2004
Echo Canceller:On Tail-length:128ms
H-Register:Update Modem tone disable:Ignore 2100Hz tone
Worst ERL :6dB Residual Control:Cancel only
High level compensation:Off
Tx Power = 0.0dB Tx Avg Power = 0.0dB
Rx Power = 0.0dB Rx Avg Power = 0.0dB
ERL = 1.0dB ACOM = 0.0
3 Reflectors(Tails) = (90, 0, 0)Ms, Max Reflector = 90Ms
Ecan Status words 0x1C, 0x00
EC Lib version:9155

 

この章で使用したコマンドの詳細な構文は、『 Cisco IOS Voice Command Reference 』に記載されています。