Quality of Service ソリューション ガイド、 Cisco IOS Release 15.1S
トラフィック ポリシング
トラフィック ポリシング
発行日;2012/02/06 | 英語版ドキュメント(2011/03/21 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 6MB) | フィードバック

目次

トラフィック ポリシング

目次

機能の概要

利点

制約事項

関連機能およびテクノロジー

関連資料

サポートされているプラットフォーム

サポートされている規格、MIB、および RFC

前提条件

設定作業

トラフィック ポリシングの設定

トラブルシューティングのヒント

トラフィック ポリシングのモニタリングと保守

設定例

トラフィック ポリシングを含む サービス ポリシーの設定例

コマンド リファレンス

用語集

トラフィック ポリシング

この機能モジュールでは、トラフィック ポリシング機能について説明します。機能の利点、サポートされるプラットフォーム、関連マニュアルなどについて説明します。

詳細な概念情報については、『 Policing and Shaping Overview 』モジュールを参照してください。

このモジュールのトラフィック ポリシング コマンドの詳細な説明については、『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference 』を参照してください。このモジュールに記載されている他のコマンドのドキュメントについては、コマンド リファレンス マスター インデックスを使用するか、オンライン検索してください。

プラットフォームと Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポート情報の検索

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォーム、Cisco IOS ソフトウェア イメージ、および Cisco Catalyst OS ソフトウェア イメージの各サポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

機能の概要

トラフィック ポリシングは、次のように機能します。

ユーザ定義の基準に基づいて、トラフィックのクラスの入力または出力送信レートを制限します。

ATM Cell Loss Priority(CLP; セル損失率優先度)ビット、フレームリレー Discard Eligibility(DE)ビット、IP precedence 値、IP Differentiated Services Code Point(DSCP; DiffServ コード ポイント)値、MPLS 試験値、および Quality of Service(QoS)グループを設定して、パケットをマークします。

トラフィック ポリシングでは、インターフェイス上で送受信されるトラフィックの最大レートを制御できます。トラフィック ポリシング設定を含むトラフィック ポリシーをインターフェイスに適用すると、トラフィック ポリシング機能が適用されます。トラフィック ポリシーは、Modular Quality of Service(QoS)Command-Line interface(CLI)(モジュラ QoS コマンド ライン インターフェイス)を使用して設定します。MQC の詳細については、『 Applying QoS Features Using the MQC 』モジュールを参照してください。

表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。

 

表 1 機能の履歴

Cisco IOS リリース
拡張

12.1(5)T

このコマンドは Cisco IOS Release 12.1 T で採用されました。新しいトラフィック ポリシング アルゴリズムが採用されました。 violate-action オプションを使用できるようになりました。この機能は、Cisco 2600、3600、4500、7200、および 7500 シリーズ ルータで使用できます。

12.2(2)T

police コマンドの action 引数に set-clp-transmit オプションが追加されました。
police コマンドの action 引数に set-frde-transmit オプションが追加されました。ただし、このリリースでは、Any Transport over Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)(AToM)トラフィックの set-frde-transmit オプションはサポートされていません。
police コマンドの action 引数に set-mpls-exp-transmit オプションが追加されました。

Cisco IOS

Cisco IOS ソフトウェアの機能サポートに関する情報については、Cisco Feature Navigator を使用してください。

利点

レート制限による帯域幅管理

トラフィック ポリシングでは、インターフェイス上で送受信されるトラフィックの最大レートを制御できます。トラフィック ポリシングは、多くの場合、ネットワークの端のインターフェイスで、ネットワークを出入りするトラフィックを制限するように設定されます。ほとんどのトラフィック ポリシング設定では、レート パラメータ内に収まるトラフィックは送信されますが、パラメータを超えるトラフィックはドロップされるか、異なる優先度で送信されます。

パケットのマーキング

パケットのマーキングにより、ネットワークを複数のプライオリティ レベルまたはクラス サービス(CoS)に区切ることができます。パケットにはマークが付けられ、これらのマーキングを使用して、ダウンストリーム デバイスのトラフィックを識別および分類できます。ATM Cell Loss Priority(CLP; セル損失率優先度)マーキングやフレームリレー Discard Eligibility(DE)マーキングなどでは、マーキングがトラフィックの分類に使用されます。

トラフィック ポリシングを使用して、ネットワークに入るパケットの IP precedence または DSCP 値を設定します。その後、ネットワーク内のネットワーキング デバイスは、調整された IP precedence 値を使用してトラフィックの処理方法を決定できます。たとえば、Weighted Random Early Detection(WRED; 重み付けランダム早期検出)機能では、IP precedence 値を使用して、パケットがドロップされる確率を決定します。

トラフィック ポリシングを使用して、パケットを QoS グループに割り当てます。ルータは QoS グループを使用して、ルータ内のパケットに優先順位を付ける方法を決定します。

トラフィックには、トラフィック ポリシング機能をせずにマークを付けることができます。トラフィック ポリシングを使用せずに、トラフィックにマークを付ける場合は、『 Marking Network Traffic 』モジュールを参照してください。

フレームリレー フレームのパケットの優先順位付け

トラフィック ポリシング機能では、フレームリレー フレームの フレームリレー DE ビットにマーク付けできます。フレームリレー DE ビットは 1 ビットで、0 または 1 に設定できます。輻輳環境では、DE ビットが 1 に設定されたフレームは、DE ビットが 0 に設定されたフレームの前に破棄されます。

ATM セルのパケットの優先順位付け

トラフィック ポリシング機能では、ATM セルの ATM CLP にマーク付けできます。ATM CLP ビットは、ATM ネットワークのパケットに優先順位を付けるために使用されます。ATM CLP ビットは 1 ビットで、0 または 1 に設定できます。輻輳環境では、ATM CLP ビットが 1 に設定されたセルは、ATM CLP ビットが 0 に設定されたセルの前に破棄されます。

制約事項

Cisco 7500 シリーズ ルータでは、トラフィック ポリシングは、Cisco Express Forwarding(CEF; シスコ エクスプレス フォワーディング)スイッチング パスだけをモニタできます。トラフィック ポリシング機能を使用するには、パケットを受信するインターフェイスとパケットを送信するインターフェイスの両方でシスコ エクスプレス フォワーディングを設定する必要があります。

Cisco 7500 シリーズ ルータでは、トラフィック ポリシングはルータから送信、またはルータ宛てに送信されるパケットには適用できません。

トラフィック ポリシングは、インターフェイスまたはサブインターフェイスで設定できます。

トラフィック ポリシングは次のインターフェイスではサポートされていません。

Fast EtherChannel

Tunnel


) トラフィック ポリシングは、シスコの Generic Routing Encapsulation(GRE; 総称ルーティング カプセル化)トンネリング プロトコルを使用しているトンネルでサポートされています。


PRI

シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートしていない Cisco 7500 シリーズ ルータ上のインターフェイス

関連機能およびテクノロジー

モジュラ QoS コマンド ライン インターフェイス

クラスベース重み付け均等化キューイング(CBWFQ)

クラスベースのマーキング

関連資料

Applying QoS Features Using the MQC 』モジュール

『Configuring Committed Access Rate 』モジュール

Marking Network Traffic 』モジュール

Configuring Weighted Fair Queueing 』モジュール

Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference』

サポートされているプラットフォーム

Cisco 2500 シリーズ


) Cisco IOS Release 12.2(2)T 以降のリリースは、Cisco 2500 シリーズ ルータ上で動作しません。


Cisco 2600 シリーズ

Cisco 3640 ルータ

Cisco 4500 シリーズ

RSP7000 搭載の Cisco 7000 シリーズ

Cisco 7100 シリーズ

Cisco 7200 シリーズ

Cisco 7500 シリーズ


) この機能と一緒に set-clp-transmit 処理を使用できるようにするには、Enhanced ATM Port Adapter(PA-A3)が必要です。つまり、set-clp-transmit 処理は PA-A3 アダプタをサポートしていないプラットフォーム(Cisco 2600 シリーズ ルータ、Cisco 3640 ルータ、および 4500 シリーズ ルータなど)ではサポートされていません。詳細については、ご使用のルータのマニュアルを参照してください。


サポートされている規格、MIB、および RFC

規格

この機能によってサポートされる新しい規格や変更された規格はありません。

MIB

クラスベース Quality of Service MIB

CISCO-CLASS-BASED-QOS-MIB

CISCO-CLASS-BASED-QOS-CAPABILITY-MIB

サポートされている MIB と MIB の使用法については、CCO にある Cisco MIB Web サイト(http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml)を参照してください。

RFC

RFC 2697、『 A Single Rate Three Color Marker

前提条件

Cisco 7500 シリーズ ルータでは、トラフィック ポリシングを使用するには、その前にインターフェイスで Cisco Express Forwarding(CEF; シスコ エクスプレス フォワーディング)を設定する必要があります。

CEF については、『 Cisco Express Forwarding Features Roadmap 』モジュールを参照してください。

設定作業

トラフィック ポリシング機能の設定作業については、次の項を参照してください。リストの各作業は、作業が任意か必須かを示しています。

トラフィック ポリシングの設定(必須)

トラフィック ポリシングの設定

トラフィック ポリシング機能を適切に設定するには、トラフィック クラスとトラフィック ポリシーを作成し、トラフィック ポリシーを指定したインターフェイスに適用する必要があります。これらの作業は、MQC を使用して行います。MQC の詳細については、『 Applying QoS Features Using the MQC 』モジュールを参照してください。

トラフィック ポリシング機能は、トラフィック ポリシーで設定されます。トラフィック ポリシング機能を設定するには、ポリシー マップ コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

Router(config-pmap-c)# police bps burst-normal burst-max conform-action action exceed-action action violate-action action

トラフィック クラスによる最大帯域幅の使用を指定します。

police コマンドの詳細については、『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference 』を参照してください。

トラフィック ポリシング機能は、トークン バケット メカニズムと連携して動作します。現在、トークン バケット アルゴリズムには、シングル トークン バケット アルゴリズムとツー トークン バケット アルゴリズムの 2 種類あります。シングル トークン バケット システムは、 violate-action オプションが指定されていない場合に使用されます。ツー トークン バケット システムは、 violate-action オプションが指定されている場合に使用されます。

トークン バケット メカニズムの詳細については、『 Policing and Shaping Overview 』モジュールを参照してください。

トラブルシューティングのヒント

インターフェイス タイプをチェックします。インターフェイスが、このモジュールの「制約事項」のサポートされていないインターフェイスの説明に記載されていないことを確認してください。

Cisco 7500 シリーズ ルータの入力トラフィック ポリシングでは、トラフィック ポリシングが設定されるインターフェイスで、CEF がイネーブルにされていることを確認します。

Cisco 7500 シリーズ ルータの出力トラフィック ポリシングでは、着信トラフィックが CEF スイッチドであることを確認します。CEF スイッチングがイネーブルにされていないと、スイッチング パスでトラフィック ポリシングを使用できません。

トラフィック ポリシングのモニタリングと保守

トラフィック ポリシング機能をモニタおよび保守するには、必要に応じて EXEC モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

Router# show policy-map

設定されたすべてのポリシー マップを表示します。

Router# show policy-map policy-map-name

ユーザ指定ポリシー マップを表示します。

Router# show policy-map interface

インターフェイスに適用されたすべての入力および出力ポリシーの統計情報および設定を表示します。

show policy-map コマンド、 show policy-map interface コマンド、および表示される情報の解釈方法の詳細については、『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference 』を参照してください。

設定例

ここでは、次の設定例について説明します。

「トラフィック ポリシングを含む サービス ポリシーの設定例」

トラフィック ポリシングを含む サービス ポリシーの設定例

次に、( class-map コマンドを使用して)トラフィック クラスを定義し、( policy-map コマンドを使用して)そのトラフィック クラスをトラフィック ポリシーに関連付ける設定例を示します。トラフィック ポリシングはトラフィック ポリシーに適用されます。 service-policy コマンドは、トラフィック ポリシーをインターフェイスに適用するために使用されます。

トラフィック クラスとトラフィック ポリシーの設定の詳細については、『 Applying QoS Features Using the MQC 』を参照してください。

この例では、トラフィック ポリシングは 8,000 ビット/秒の平均レート、通常バースト サイズは 1,500 バイト、超過バースト サイズは 4,000 バイトが設定されています。Fast Ethernet インターフェイス 0/0 に着信するパケットは、パラメータについてパケットが準拠するか、超過するか、違反するかを分析するトークン バケット アルゴリズムによって評価されます。準拠するパケットは送信され、超過するパケットは 4 の QoS グループ値が割り当てられて送信され、違反するパケットはドロップされます。

トークン バケット メカニズムの詳細については、『 Policing and Shaping Overview 』モジュールを参照してください。

Router(config)# class-map acgroup2
Router(config-cmap)# match access-group 2
Router(config-cmap)# exit
Router(config)# policy-map police
Router(config-pmap)# class acgroup2
Router(config-pmap-c)# police 8000 1500 4000 conform-action transmit exceed-action set-qos-transmit 4 violate-action drop
Router(config-pmap-c)# exit
Router(config-pmap)# exit
Router(config)# interface fastethernet 0/0
Router(config-if)# service-policy input police

コマンド リファレンス

次のコマンドは、このモジュールで説明した機能で導入または修正されたものです。これらのコマンドの詳細については、 http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/qos/command/reference/qos_book.html にある『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference 』を参照してください。すべての Cisco IOS コマンドの詳細については、 http://tools.cisco.com/Support/CLILookup にある Command Lookup Tool を使用するか、Cisco IOS マスター コマンド リストを参照してください。

police

show policy-map

show policy-map interface

用語集

DSCP :DiffServ コード ポイント。

QoS グループ :そのパケットの重み付け均等化キューイングの決定に使用されるパケットの内部 QoS グループ ID。

Versatile Interface Processor(VIP; 多用途インターフェイス プロセッサ) :RSP7000 ルータとともに Cisco 7500 シリーズおよび Cisco 7000 シリーズで使用されるインターフェイス カード。

準拠処理 :レート制限によって許可されたレートを下回るバースト サイズのパケットに対して取られる処理。

超過処理 :レート制限を超えるパケットに対して取られる処理。

超過バースト サイズ :すべてのパケットがレート制限を超える前にバーストで許可されるバイト数。

ノーマル バースト サイズ :一部のパケットがレート制限を超える前にバーストで許可されるバイト数。大きなバーストは、レート制限を超える可能性が高くなります。

平均レート :準拠トラフィックの最大長期平均レート。

ポリシング ポリシー :特定の基準と一致するトラフィックに適用されるレート制限、準拠処理、および超過処理。