マルチプロトコル ラベル スイッチング コンフィギュ レーション ガイド、Cisco IOS Release 15.1S
MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB
MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB
発行日;2012/01/31 | 英語版ドキュメント(2012/01/25 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 16MB) | フィードバック

目次

MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB

この章の構成

MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB に関する情報

MPLS-LSR-MIB 要素

MPLS-LSR-MIB テーブル

スカラ オブジェクトからの情報

テーブル要素のリンク

インターフェイス コンフィギュレーション テーブルおよびインターフェイス MIB リンク

MPLS-LSR-MIB の使用

MPLS-LSR-MIB 構造

CLI コマンドおよび MPLS-LSR-MIB

利点

MPLS LSR MIB の設定方法

前提条件

SNMP エージェントのイネーブル化

SNMP エージェントがすでにイネーブルになっていることの確認

MPLS LSR MIB の設定例

その他の関連資料

関連資料

規格

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

コマンド リファレンス

用語集

MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB

MPLS Label Switching Router MIB(MPLS-LSR-MIB; MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB)では、Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)を使用して、Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)テクノロジーを使用している Label Switching Router(LSR; ラベル スイッチング ルータ)をリモートから監視できます。

Cisco IOS 12.0(28)S でスケーラビリティが拡張されたことによって、MIB ウォークのサイズが小さくなり、MPLS-LSR-MIB の操作性が向上しました。

Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)ドラフト バージョン 8 がサポートされます。


) Cisco IOS Release 12.2(33)SRB および Cisco IOS Release 12.2(33)SB では、この MIB が廃止され、MPLS-LSR-STD-MIB(RFC 3813)に置き換えられました。この 2 つのリリースおよび以降のイメージでは、SNMP サーバ除外/包含コマンド向けに、MIB 全体を名前 mplsLsrMIB で参照できます。ルータで他の MIB オブジェクト名を参照する必要がある場合は、MPLS-LSR-MIB::<table_entry_name> によって参照する必要があります。


MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB の機能の履歴

リリース
変更点

12.0(14)ST

この機能は、Cisco IOS Release 12.0(14)ST で導入されました。

12.2(2)T

この機能は、Cisco IOS Release 12.2(2)T に統合されました。

12.0(22)S

この機能は、Cisco 12000 シリーズ ルータに実装され、Cisco IOS Release 12.0(22)S に統合されました。

12.2(14)S

この機能は、Cisco IOS Release 12.2(14)S に統合され、Cisco 7200 シリーズ ルータおよび Cisco 7500 シリーズ ルータに実装されました。

12.2(25)S

この機能は、Cisco 7500 シリーズ ルータの MPLS ハイ アベイラビリティ環境で動作するように更新されました。

12.0(28)S

この機能は、Cisco IOS Release 12.0(28)S で、スケーラビリティ拡張機能が組み込まれるように更新されました。

12.2(33)SRB

この MIB は廃止され、MPLS-LSR-STD-MIB(RFC 3813)に置き換えられました。

12.2(33)SB

この MIB は廃止され、MPLS-LSR-STD-MIB(RFC 3813)に置き換えられました。

プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポート情報の検索

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。 http://www.cisco.com/go/fn にある Cisco Feature Navigator にアクセスしてください。アクセスには、Cisco.com のアカウントが必要です。アカウントを持っていないか、ユーザ名またはパスワードが不明の場合は、ログイン ダイアログボックスの [Cancel] をクリックし、表示される指示に従ってください。

MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB に関する情報

MPLS-LSR-MIB には、ルータからラベル スイッチング情報を取得できる管理対象オブジェクトが含まれています。MIB は、IETF MPLS-LSR-MIB のリビジョン 05 に基づいています。MPLS-LSR-MIB は、Cisco MPLS サブシステムの一部、特に、Label Forwarding Information Base(LFIB; ラベル転送情報ベース)をミラーリングします。この実装を使用すると、ネットワーク管理者は、次の項目のステータス、特徴、およびパフォーマンスに関する情報を取得できます。

LSR 上の MPLS 対応インターフェイス

LSR での着信 MPLS セグメント(ラベル)およびその関連するパラメータ

LSR での発信セグメント(ラベル)およびその関連するパラメータ

これ以外に、ネットワーク管理者は、MPLS セグメントを相互に関連付ける相互接続テーブル エントリのステータスを取得できます。

図 1 に、相互接続テーブルと発着信セグメント(ラベル)とのアソシエーションを示します。

図 1 相互接続テーブルによるラベル転送

 


) 発信セグメント テーブルには、「ラベルのない」エントリは表示されません。「POP」と表示されているラベルは、特殊な MPLS ラベル 3 です。


MPLS-LSR-MIB の表記は、Abstract System Notation One(ASN.1; 抽象システム記法 1)に定義された表記法に従います。ASN.1 では、特定のコンピュータ構造およびプレゼンテーション技法とは別に、データ タイプの記述に使用する Open System Interconnection(OSI; オープン システム インターコネクション)言語を定義しています。MIB 内の各オブジェクトには、オブジェクトの意味と使用法を示す DESCRIPTION フィールドがあります。この情報と、オブジェクトの他の特性(SYNTAX、MAX-ACCESS、および INDEX)によって、管理アプリケーションの開発、文書化、およびテストを行うのに十分な情報が提供されます。

MPLS-LSR-MIB は、理想的な MPLS LSR が反映された ASN.1 表記です。

ネットワーク管理者は、任意の SNMP ベースの Network Management System(NMS; ネットワーク管理システム)から MPLS-LSR-MIB のエントリ(オブジェクト)にアクセスできます。また、標準の SNMP get 操作および getnext 操作を使用して、MPLS-LSR-MIB 情報を取得できます。

一般的に、SNMP はプライオリティの低いプロセスとして動作します。MPLS-LSR-MIB の応答時間は、他の MIB とほぼ同じであると想定されています。MPLS-LSR-MIB およびシステム内の他の MIB のサイズおよび構造は、管理データベースから情報を取得する場合の応答時間に影響を及ぼします。また、LSR を通過するトラフィックも、SNMP パフォーマンスに影響を及ぼします。転送アクティビティでスイッチがビジーになればなるほど、SNMP パフォーマンスが低下する可能性が高くなります。

MPLS-LSR-MIB 要素

MPLS-LSR-MIB の上位コンポーネントは、次の項目で構成されています。

テーブルおよびスカラ(mplsLsrObjects)

トラップ(mplsLsrNotificationS および MplsLsrNotifyPrefix)

適合性(mplsLsrConformance)

このシスコ実装は、MIB に定義された通知をサポートしません。labelStackTable および trafficParamTable もサポートしません。

MPLS-LSR-MIB テーブル

MPLS-LSR-MIB のシスコ実装は、次の 4 つのメイン テーブルをサポートします。

インターフェイス コンフィギュレーション

着信セグメント

発信セグメント

相互接続

MIB には、パフォーマンス情報を提供するための補足テーブルが 3 つ含まれています。この実装では、ラベル スタック テーブルおよびトラフィック パラメータ テーブルがサポートされません。

ここでは、MPLS-LSR-MIB テーブル(メインおよび補足)、それぞれの機能、サポート対象のテーブル オブジェクト、およびサポート対象 でない テーブル オブジェクトを示します。

MPLS インターフェイス コンフィギュレーション テーブル(mplsInterfaceConfTable)

LSR 上の各 MPLS 対応インターフェイスの情報を提供します。

サポート:

一意のインターフェイス インデックスまたはゼロ

インターフェイスで受信した MPLS ラベルの最小値および最大値

インターフェイスから送信した MPLS ラベルの最小値および最大値

インターフェイスから送信した MPLS ラベルの値

プラットフォーム単位(0)またはインターフェイス単位(1)設定

ストレージ タイプ

サポート対象外:

インターフェイスで使用可能な合計帯域幅

使用可能な合計帯域幅と使用中の帯域幅との差

MPLS インターフェイス パフォーマンス テーブル(mplsInterfacePerfTable)

MPLS インターフェイス コンフィギュレーション テーブルを補います。

サポート:

着信方向で使用中のラベルの数

出ラベル スタックで使用中の最上位ラベルの数

サポート対象外:

出ラベル スタックで使用中の最上位ラベルの数

相互接続エントリがないために廃棄されたラベル付きパケットの数

フラグメンテーションを実施しないと伝送できない発信 MPLS パケットの数

MPLS 着信セグメント テーブル(mplsInSegmentTable)

LSR での着信セグメント(ラベル)およびその関連するパラメータの説明があります。

このテーブルの管理および動作ステータス オブジェクトが、パケット伝送を制御します。管理および動作ステータス オブジェクトがダウしている場合は、LSR によってパケットが転送されません。これらのステータス オブジェクトが稼動している場合は、LSR によってパケットが転送されます。

サポート:

一意のインデックス識別子

着信ラベル

着信セグメントからポップするラベルの数

Internet Assigned Number Authority(IANA)からのアドレス ファミリ番号

セグメント相互接続エントリ アソシエーション

セグメント オーナー

ストレージ タイプ

管理ステータス

動作ステータス


) シスコ実装では、管理ステータスおよび動作ステータスは inSegment のために常に稼動します。稼動していない場合、これらのエントリはテーブルに表示されません。


サポート対象外:

トラフィック パラメータ テーブル エントリへのポインタ(デフォルトで 0.0 に設定)

MPLS 着信パフォーマンス セグメント テーブル(mplsInSegmentPerfTable)

LSR で着信セグメントのパフォーマンス情報およびカウンタを提供するよう、MPLS 着信セグメント テーブルを補います。

サポート:

受信した 32 ビット オクテットの数

受信した 64 ビット オクテットの数

1 つ以上の着信セグメントの不連続に関連するシステム障害の最終発生時間


) lastFailure パラメータは、シスコ実装では意味がないため、ゼロに設定されます。


サポート対象外:

受信パケットの総数

エラーが発生したパケットの数

エラーなしで廃棄されたラベル付きパケットの数

MPLS 発信セグメント テーブル(mplsOutSegmentTable)

LSR からの発信セグメントおよびその関連するパラメータの説明があります。

このテーブルの管理および動作ステータス オブジェクトが、パケット伝送を制御します。管理および動作ステータス オブジェクトがダウしている場合は、LSR によってパケットが転送されません。これらの値が稼動していると、LSR はパケットを転送します。

サポート:

一意のインデックス識別子

発信インターフェイスのインターフェイス インデックス

上位ラベルを発信パケットのラベル スタックにプッシュするかどうかを示す値

発信パケットのラベル スタックにプッシュするラベル(1 つ前の値が true の場合)

ネクストホップ アドレス タイプ

ネクストホップの IPv4 アドレス

セグメント相互接続エントリ アソシエーション

セグメント オーナー

ストレージ タイプ

管理ステータス

動作ステータス


) シスコ実装では、管理ステータスおよび動作ステータスのエントリは常に稼動します。稼動していない場合、管理ステータスおよび動作ステータスのエントリはテーブルに表示されません。


サポート対象外:

ネクストホップの IPv6 アドレス

トラフィック パラメータ テーブル エントリへのポインタ(デフォルトで 0.0 に設定)

MPLS 発信パフォーマンス セグメント テーブル(mplsOutSegmentPerfTable)

LSR で発信セグメントのパフォーマンス情報およびカウンタを提供するよう、MPLS 発信セグメント テーブルを補います。

サポート:

送信した 32 ビット オクテットの数

送信した 64 ビット オクテットの数

1 つ以上の発信セグメントの不連続をもたらしたシステム障害の最終発生時間

サポート対象外:

送信パケット数

エラーのために送信できなかったパケットの数

エラーなしで廃棄されたパケットの数

MPLS 相互接続テーブル(mplsXCTable)

inSegment(ラベル)を outSegment(ラベル)に関連付けて、LSR が現在これらのラベルをどのようにスワッピングしているかをマネージャに示します。

このテーブルの行は、相互接続インデックスによってインデックスが作成される 1 つの相互接続エントリ、着信セグメントのインターフェイス インデックス、着信ラベル、および発信セグメント インデックスで構成されています。

このテーブルの管理オブジェクトおよび動作オブジェクトが、相互接続エントリ(XCEntry)とのパケットのやり取りを制御します。シスコ実装では、管理ステータスおよび動作ステータスは常に稼動します。稼動していない場合、LSR はパケットを転送しません。

サポート:

相互接続セグメント グループの一意のインデックス識別子

相互接続エントリが属する Label Switched Path(LSP; ラベル スイッチド パス)

上位ラベルの下にプッシュするラベルのスタックを識別するための MPLS ラベル スタック テーブルのインデックス

障害後に相互接続エントリを復元するかどうかを示す値(デフォルト値は false)

相互接続オーナー

ストレージ タイプ

管理ステータス(稼動している場合)

動作ステータス(稼動している場合)


) シスコ実装では、管理ステータスおよび動作ステータスは常に稼動します。稼動していない場合、これらのステータス エントリはテーブルに表示されません。


サポート対象外:

Label Switched Path(LSP; ラベル スイッチド パス)ID オブジェクトとなるトンネル ID

スカラ オブジェクトからの情報

MPLS-LSR-MIB は、複数のスカラ オブジェクトをサポートします。MIB のシスコ実装では、次のスカラ オブジェクトが指定の値にハードコードされ、読み取り専用のオブジェクトとなります。

mplsOutSegmentIndexNext(0):LSR が MPLS 発信セグメント テーブルに新規エントリを作成する際の発信セグメント インデックスの値。0 は、このテーブルへの変更が許可されていないために、これが実装されないことを示します。

mplsXCTIndexNext(0):LSR が MPLS 相互接続セグメント テーブルにエントリを作成する際の相互接続セグメント インデックスの値。0 は、使用できる値が割り当てられないことを示します。

mplsMaxLabelDepth(2):最大スタック深さの値。

mplsLabelStackIndexNext(0):LSR が MPLS ラベル スタック テーブルにエントリを作成する際のラベル スタック インデックスの値。0 は、使用できる値が割り当てられないことを示します。

mplsTrafficParamIndexNext(0):LSR が MPLS トラフィック パラメータ テーブルにエントリを作成する際のトラフィック パラメータ インデックスの値。0 は、使用できる値が割り当てられないことを示します。

次のスカラ オブジェクトには、MPLS-LSR-MIB の情報が含まれておらず、false に符号化されます。

mplsInSegmentTrapEnable(false):この値が false であるときには、着信セグメント トラップが送信されません。

mplsOutSegmentTrapEnable(false):この値が false であるときには、発信セグメント トラップが送信されません。

mplsXCTrapEnable(false):この値が false であるときには、相互接続トラップが送信されません。

MIB をサポートするトラップ情報が存在しません。このため、次のトラップはサポートされません。

mplsInSegmentUp

mplsInSegmentDown

mplsOutSegmentUp

mplsOutSegmentDown

mplsXCUp

mplsXCDown

テーブル要素のリンク

相互接続テーブルでは、相互接続エントリが着信セグメントおよびインターフェイスを発信セグメントおよびインターフェイスに関連付けます。次のオブジェクトが相互接続エントリのインデックスを作成します。

相互接続インデックス:相互接続テーブルの相互接続エントリ グループに対する一意の識別子。シスコ実装では、ラベルがないか、あってもポップした場合を除き、この値は常に outSegmentIndex の値と同じです。

着信セグメントのインターフェイス インデックス:着信セグメント テーブルのエントリのうち、着信 MPLS インターフェイスを表すエントリに付与される一意のインデックス。値 0 はプラットフォーム全体を対象にするという意味で、すべてのインターフェイスに適用されるどのエントリも対象となります。

着信ラベル:着信パケットのラベルを表す着信セグメント テーブルのエントリ。

発信セグメント インデックス:発信セグメント テーブルのエントリのうち、発信パケットのラベル スタックの上位ラベルと発信インターフェイスのインターフェイス インデックスが含まれているエントリの一意の識別子。

図 2 に、相互接続テーブルの着信セグメントと発信セグメントとのリンクを示します。

図 2 相互接続テーブル リンク

 

表 1 に、相互接続エントリのインデックスを作成する MPLS-LSR-MIB オブジェクトに対して SNMP の get 操作を実行した場合に、出力結果に記載される可能性がある相互接続テーブル リンクを示します。このようなオブジェクトには、次のものがあります。

着信セグメント値:mplsInSegmentIfIndex および mplsInSegmentLabel

相互接続エントリ:mplsXCIndex

発信セグメント値:mplsOutSegmentIndex

 

表 1 相互接続テーブル リンクが記載されている MPLS LSR 出力

着信セグメント値
相互接続エントリ
発信セグメント値

01、1000

5002

--

501、0、1000、501

501 = Pop (topLabel)、Eth 1/5

502、0、1000、502

502 = Pop (topLabel)、Eth 1/1

1.すべての MPLS 対応インターフェイスが着信ラベルを受信できます。


) OutSegmentIndex オブジェクトはラベルではありません。ラベルは、mplsOutSegmentTopLabel オブジェクトから取得できます。


インターフェイス コンフィギュレーション テーブルおよびインターフェイス MIB リンク

MPLS インターフェイス コンフィギュレーション テーブルには、MPLS テクノロジーをサポートするインターフェイスが登録されます。LSR は、このテーブルに MPLS 対応インターフェイスごとにエントリを動的に作成します。インターフェイスに対して MPLS をイネーブルにすると、そのインターフェイスが MPLS 対応になります。このテーブルでインデックスが非ゼロのエントリは、インターフェイス グループ MIB の ifTable にある MPLS レイヤの対応するインターフェイス エントリの ifIndex を指します。

ifTable には、ネットワーク内の各インターフェイスに関する情報が登録されています。インターフェイスの定義には、インターフェイスのインターネットワーク レイヤのサブレイヤが含まれています。MPLS インターフェイスは、インターフェイスのこの定義に合致します。このため、各 MPLS 対応インターフェイスは ifTable のエントリで表されます。

ifTable のエントリ間の相互関係は、インターフェイス グループ MIB のインターフェイス スタック グループで定義します。図 3 に、MPLS インターフェイスのスタック テーブルがどのように表示されるかを示します。基礎となるレイヤは、ATM、フレームリレー、イーサネットなど、MPLS インターネットワーキングに対して定義されるインターフェイスです。

図 3 MPLS インターフェイスのインターフェイス グループ MIB スタック テーブル

 


) 現在の実装の MPLS リストには、トンネル インターフェイスが登録されています。


発着信パケットには、インターフェイス グループ MIB の ifTable に付与されているインターフェイス インデックスへの参照が含まれています。図 4 に、MPLS-LSR-MIB オブジェクトとインターフェイス グループ MIB 間のリンクを示します。

図 4 MPLS-LSR-MIB とインターフェイス グループ MIB 間のリンク

 

インターフェイス グループ MIB(IF MIB)の場合:

ifTable は、MPLS インターフェイス テーブルを表します。

ifIndex は、MPLS インターフェイス テーブルのエントリのインデックスを表します。

着信セグメントの場合:

Inif は、着信セグメントのインターフェイスを表します(ifTable のインデックス エントリを参照します)。

inL は、着信セグメントのラベルを表します。

発信セグメントの場合:

OutL は、発信セグメントのラベルを表します。

Outif は、発信セグメントのインターフェイスを表します(ifTable のインデックス エントリを参照します)。

相互接続テーブルの場合:

XCIndex は、MPLS 相互接続テーブルのエントリのインデックスを表します。

Inif は、着信セグメントのインターフェイスを表します。

inL は、着信セグメントの MPLS ラベルを表します。

OutIndex は、MPLS 発信セグメント テーブルのエントリのインデックスを表します。

MPLS-LSR-MIB の使用

MPLS-LSR-MIB を使用すると、MPLS Label Forwarding Information Base(LFIB; ラベル転送情報ベース)の内容を表示できます。これにより、CLI コマンド show mpls forwarding-table で取得できる情報と同じ情報が得られます。

ただし、MPLS-LSR-MIB を使用する方法には、CLI コマンドを使用する方法と比較して、次のようなメリットがあります。

ネットワーク帯域幅の使用効率が高い

ベンダー間の相互運用性が高い

セキュリティが高い(SMNP バージョン 3)

ここでは、MPLS-LSR-MIB 構造について説明します。また、例を挙げて 2 つの情報表示方法を比較します。

MPLS-LSR-MIB 構造

MIB 構造は、ツリー階層となっています。ツリーに沿った各ブランチには、それぞれを識別するための短いテキスト文字列と整数があります。テキスト文字列はオブジェクト名を表し、整数はコンピュータ ソフトウェアがオブジェクト名のコンパクトな表現を符号化できるようにします。

MPLS-LSR-MIB は、インターネット MIB 階層の試験用ブランチにあります。インターネット MIB 階層の試験用ブランチは、オブジェクト ID 1.3.6.1.3 で表されます。また、このブランチは、オブジェクト名 iso.org.dod.internet.experimental で表すこともできます。MPLS-LSR-MIB は、オブジェクト名 mplsLsrMIB で識別され、その番号は 96 です。このため、次のいずれかの方法で MPLS-LSR-MIB のオブジェクトを特定できます。

オブジェクト ID:1.3.6.1.3.96.[MIB 変数]

オブジェクト名: iso.org.dod.internet.experimental.mplsLsrMIB.[MIB 変数]

MIB 変数 を表示するには、オブジェクト ID を指定した SNMP get コマンドを入力します。オブジェクト ID は、MPLS-LSR-MIB で定義します。

図 5 に、インターネット MIB 階層での MPLS-LSR-MIB の位置を示します。

図 5 インターネット MIB 階層での MPLS-LSR-MIB

 

CLI コマンドおよび MPLS-LSR-MIB

MPLS LFIB は、Cisco MPLS サブシステムのコンポーネントで、LSR の管理情報が登録されています。この管理情報には、次のいずれかの方法でアクセスできます。

show mpls forwarding-table CLI コマンドを使用する

ネットワーク マネージャで SNMP get コマンドを入力する

次に、この 2 つの方法を使用して LSR 管理情報を収集する例を示します。

CLI コマンド出力

show mpls forwarding-table CLI コマンドを使用すると、特定の MPLS LSR でパケットのラベル転送情報を参照できます。

Router# show mpls forwarding-table
 
Local Outgoing Prefix Bytes Tag Outgoing Next Hop
Tag Tag or VC or Tunnel Id Switched interface
19 Pop Tag 10.3.4.0/24 0 Et1/4 10.22.23.23
22 23 14.14.14.14/32 0 AT2/0.1 point2point
1/36 14.14.14.14/32 0 AT2/0.2 point2point
 

MPLS-LSR-MIB 出力

また、MIB オブジェクトに対して SNMP コマンドを実行すると、特定の MPLS LSR のラベル転送情報を参照できます。

ネットワーク マネージャで getmany - v2c public mplsLsrMIB などのコマンドを実行して、MIB のウォークスルーを実施できます。 getmany は、SNMP getnext 操作を繰り返して MPLS-LSR-MIB の内容を取得します。

mplsXCOperStatus.9729.0.19.9729 = up(1)
mplsXCOperStatus.11265.0.22.11265 = up(1)
mplsXCOperStatus.11266.0.22.11266 = up(1)
 

これまでどおり(MPLS 発信セグメント テーブルから)次の項目に対する getmany コマンドの出力をスキャンできます。

発信セグメントの上位ラベル オブジェクト(mplsOutSegmentTopLabel)

mplsOutSegmentTopLabel.9729 = 3
mplsOutSegmentTopLabel.11265 = 23
mplsOutSegmentTopLabel.11266 = 65572

) 65572 は、ラベル フォームでは 1/36 となります(1 は上位 16 ビットです。36 は下位 16 ビットです)。


発信セグメントのインターフェイス インデックス(mplsOutSegmentIfIndex)

mplsOutSegmentIfIndex.9729 = 7
mplsOutSegmentIfIndex.11265 = 28
mplsOutSegmentIfIndex.11266 = 31

利点

MPLS-LSR-MIB を使用すると、ここで説明する利点を得ることができます。

LSR 問題のトラブルシューティング

相互接続エントリおよび関連付けられた発着信セグメントを監視すると、どのラベルがインストールされ、それがどのようにスワップされているかがわかります。 show mpls forwarding CLI コマンドの代わりに、MPLS-LSR-MIB を使用します。

LSR トラフィック負荷の監視

MPLS LSR でインターフェイスとパケットの動作を監視することによって、トラフィックの高低パターンとトラフィックの分散を識別できます。

ネットワーク パフォーマンスの向上

高トラフィック領域を特定すると、ロード シェアリングを設定して、ネットワーク パフォーマンスを高めることができます。

LSR 設定の検証

SNMP get コマンドと show mpls forwarding CLI コマンドの結果を比較して、LSR 設定を検証できます。

アクティブなラベル スイッチド パスの表示

相互接続エントリおよび関連付けられた発着信セグメントを監視すると、アクティブな LSP を判別できます。

MPLS LSR MIB の設定方法

MPLS-LSR-MIB 機能の設定作業については、次の項を参照してください。一覧内の各作業は、必須と任意に分けています。

「SNMP エージェントのイネーブル化」 (必須)

「SNMP エージェントがすでにイネーブルになっていることの確認」 (任意)

前提条件

MPLS-LSR-MIB を使用するための前提条件は、次のとおりです。

LSR に SNMP をインストールしてイネーブルにする

LSR で MPLS をイネーブルにする

60K のメモリ


) 実行時の Dynamic Random-Access Memory(DRAM; ダイナミック ランダムアクセス メモリ)のために追加の容量は必要ありません。


SNMP エージェントのイネーブル化

MPLS-LSR-MIB の SNMP エージェントは、デフォルトではディセーブルになっています。SNMP エージェントをイネーブルにするには、次の手順を実行します。

手順の概要

1. enable

2. show running-config

3. configure terminal

4. snmp-server community string [ view view-name] [ ro ] [number]

5. end

6. copy running-config startup-config

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。

ステップ 2

show running-config

 

Router# show running-config

ルータの実行コンフィギュレーションを表示して、デバイス上で SNMP エージェントがすでに実行中かどうかを判断します。

SNMP 情報が表示されない場合は、次のステップに進みます。

SNMP 情報が表示された場合は、必要に応じて情報を修正したり変更したりできます。

ステップ 3

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

snmp-server community string [ view view-name] [ ro ] [number]

 

Router(config)# snmp-server community public ro

Read-Only(RO; 読み取り専用)の SNMP コミュニティ ストリングを設定します。

このコマンドは SNMP エージェントをイネーブルにし、SNMP マネージャがコミュニティ ストリング public を使用して、読み取り専用権限のあるすべてのオブジェクトにアクセスできるようにします。

ステップ 5

end

 

Router(config)# end

終了して、特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

copy running-config startup-config

 

Router# copy running-config startup-config

変更した SNMP 設定をルータの NVRAM にコピーし、SNMP 設定を永続的に保存します。

Cisco IOS Release 10.3 以前で作業している場合は、 write memory コマンドを使用してください。

SNMP エージェントがすでにイネーブルになっていることの確認

SNMP エージェントがすでにイネーブルになっていることを確認するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 Telnet セッションでルータにアクセスします。

Prompt# telnet xxx.xxx.xxx.xxx
 

xxx.xxx.xxx.xxx は、ターゲット デバイスの IP アドレスを表します。

ステップ 2 特権モードを開始します。

Router# enable
 

ステップ 3 実行コンフィギュレーションを表示し、SNMP 情報を探します。

Router# show running-configuration
...
...
snmp-server community public RO
 

「snmp-server」という文が表示される場合は、ルータで SNMP がイネーブルになっています。


 

MPLS LSR MIB の設定例

次に、SNMP エージェントをイネーブルにする例を示します。

configure terminal
snmp-server community
 

次の例では、SNMPv1 および SNMPv2C がイネーブルになっています。この設定により、SNMP マネージャはコミュニティ ストリング public を使用して、読み取り専用権限のあるすべてのオブジェクトにアクセスできます。

configure terminal
snmp-server community public
 

次の例では、 comaccess コミュニティ ストリングを指定するアクセス リスト 4 のメンバに対してすべてのオブジェクトの読み取り専用アクセスを許可しています。それ以外の SNMP マネージャは、どのオブジェクトにもアクセスできません。

configure terminal
nmp-server community comaccess ro 4

その他の関連資料

ここでは、MPLS LSR MIB に関する関連資料について説明します。

関連資料

関連項目
参照先

Cisco IOS ソフトウェアを使用した SNMP の設定

Cisco IOS Network Management Configuration Guide, Release 12.4 』の「Configuring SNMP Support」

Cisco IOS Network Management Command Reference, Release 12.4 』の「SNMP Commands」

規格

規格
タイトル

draft-ietf-mpls-lsr-mib-05.txt

『MPLS Label Switch Router Management Information Base Using SMIv2』

draft-ietf-mpls-arch-07.txt

『Multiprocol Label Switching Architecture』

MIB

MIB
MIB リンク

MPLS ラベル スイッチング ルータ MIB(MPLS-LSR-MIB)

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC
タイトル

MPLS-LSR-MIB をサポートする LSR 実装は、RFC 2026 のセクション 10 に挙げられたすべての規定に全面的に準拠しています。

『The Internet Standards Process』

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

シスコのテクニカル サポート Web サイトには、数千ページに及ぶ検索可能な技術情報があります。製品、テクノロジー、ソリューション、技術的なヒント、およびツールへのリンクもあります。Cisco.com に登録済みのユーザは、このページから詳細情報にアクセスできます。

http://www.cisco.com/techsupport

コマンド リファレンス

この機能では、新しいコマンドや変更されたコマンドは使用されません。

用語集

Cross-Connect(XC; 相互接続) :発信セグメントおよび着信 Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)インターフェイスと、着信セグメントおよび発信 MPLS インターフェイスとのアソシエーション。

IETF :Internet Engineering Task Force(インターネット技術特別調査委員会)。インターネットおよび IP プロトコル スイートの標準を開発している、80 を超えるワーキング グループで構成される委員会です。

inSegment :パケットの転送を判断するために使用する着信パケットのラベル。

LDP :Label Distribution Protocol(ラベル配布プロトコル)。Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)対応ルータ間で動作して、パケットの転送に使用するラベル(アドレス)をネゴシエーションする標準プロトコル。このプロトコルのシスコ独自のバージョンは、Tag Distribution Protocol(TDP; タグ配布プロトコル)です。

LSP :Label Switched Path(ラベル スイッチド パス)。パケットが、ラベル スイッチング メカニズムに従って、あるルータから別のルータに移動する場合に通過する一連のホップです。通常のルーティング メカニズムまたは設定に基づいて、ラベル スイッチド パスを動的に確立できます。

LSR :Label Switch Router(ラベル スイッチ ルータ)。各パケット内にカプセル化されている固定長ラベルの値に基づいて Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)パケットを転送するデバイスです。

MIB :Management Information Base(管理情報ベース)。Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)などのネットワーク管理プロトコルにより使用および管理される、ネットワーク管理情報のデータベース。MIB オブジェクトの値を変更または検索するには、通常はネットワーク管理システムを介して、SNMP コマンドを使用します。MIB オブジェクトはツリー構造であり、ツリーにはパブリック(標準)ブランチとプライベート(独自)ブランチを含みます。

MPLS :Multiprotocol Label Switching(マルチプロトコル ラベル スイッチング)。ラベルを使用して IP トラフィックを転送するスイッチング方式。このラベルによって、ネットワーク内のルータおよびスイッチが、パケットの転送先を指示されます。MPLS パケットの転送は、事前に確立された IP ルーティング情報に基づいています。

MPLS インターフェイス :Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)トラフィックがイネーブルになっているインターフェイス。

outSegment :発信パケットのラベル。

SNMP :Simple Network Management Protocol(簡易ネットワーク管理プロトコル)。TCP/IP ネットワークでほぼ独占的に使用されている管理プロトコル。SNMP によって、ネットワーク デバイスを監視および制御し、設定、統計情報収集、パフォーマンス、およびセキュリティを管理する手段が提供されます。

インターネット技術特別調査委員会 :「IETF」を参照してください。

簡易ネットワーク管理プロトコル :「SNMP」を参照してください。

管理情報ベース :MIB の項を参照してください。

通知要求 :Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)エージェントによってネットワーク管理ステーション、コンソール、または端末に送信されるメッセージ。これにより、重大なイベントが発生したことが示されます。SNMP 通知要求はトラップよりも信頼性の高くなっています。これは、SNMP エージェントからの通知要求では、SNMP マネージャが通知要求の受信を確認する必要があるためです。マネージャは、SNMP 応答の Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)で応答します。マネージャが SNMP エージェントから通知メッセージを受信しない場合は、応答が送信されません。送信者(SNMP エージェント)が応答を受信しない場合は、通知要求を再送信できます。

トラップ :Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)エージェントによってネットワーク管理ステーション、コンソール、または端末に送信されるメッセージ。これにより、重大なイベントが発生したことが示されます。トラップは通知要求よりも信頼性が低くなります。これは、トラップの受信時に、受信者が確認応答を送信しないためです。送信者は、トラップが受信されたかどうかを判断できません。

マルチプロトコル ラベル スイッチング :「MPLS」を参照してください。

ラベル :パケットの転送を判断するために使用する短い固定長の識別子。

ラベル スイッチド パス :「LSP」を参照してください。

ラベル スイッチング :ネットワーク レイヤ ルーティング アルゴリズムに基づくラベル スワッピング アルゴリズムに従って、IP(または他のネットワーク レイヤの)パケットを転送すること。このようなパケットの転送では、完全一致アルゴリズムが使用され、ラベルが書き換えられます。

ラベル スイッチング ルータ :「LSR」を参照してください。

ラベル配布プロトコル :「LDP」を参照してください。


) この用語集に記載されていない用語については、『Cisco Dictionary Internetworking Terms and Acronyms』を参照してください。