Cisco IOS サービス品質(QoS)ソリューション コ ンフィギュレーション ガイド
TCP ヘッダー圧縮の設定
TCP ヘッダー圧縮の設定
発行日;2012/02/02 | 英語版ドキュメント(2011/05/10 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 8MB) | フィードバック

目次

TCP ヘッダー圧縮の設定

機能情報の確認

目次

TCP ヘッダー圧縮の設定に関する前提条件

TCP ヘッダー圧縮の設定に関する情報

TCP ヘッダー圧縮のキーワード

最大圧縮 IP ヘッダー サイズと TCP ヘッダー圧縮

TCP ヘッダー圧縮の設定方法

インターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化

フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化

制約事項

特殊な VJ 形式の TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化

前提条件

制約事項

圧縮された IP ヘッダーの最大サイズの変更

ヘッダー圧縮接続数の変更

ヘッダー圧縮接続数の変更による影響

制約事項

ヘッダー圧縮の統計情報の表示

TCP ヘッダー圧縮の設定例

インターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例

フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例

特殊な VJ 形式の TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例

圧縮された IP ヘッダーの最大サイズの変更:例

ヘッダー圧縮接続数の変更:例

ヘッダー圧縮の統計情報の表示:例

その他の関連資料

関連資料

規格

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

用語集

TCP ヘッダー圧縮の設定に関する機能情報

TCP ヘッダー圧縮の設定

ヘッダー圧縮は、パケットの IP ヘッダーを圧縮してからパケットを送信するメカニズムです。ヘッダー圧縮によってネットワークのオーバーヘッドが減り、Real-Time Transport Protocol(RTP; リアルタイム トランスポート プロトコル)パケットまたは TCP の送信が高速になります。

シスコは、RTP ヘッダー圧縮と TCP ヘッダー圧縮という 2 種類のヘッダー圧縮を用意しています。ここでは、TCP ヘッダー圧縮の設定に関連する概念と作業について説明します。


) TCP ヘッダー圧縮は、インターフェイス(またはサブインターフェイス)ベースで設定されます。クラスごとに TCP ヘッダー圧縮を設定する場合、『Configuring Class-Based RTP and TCP Header Compression』モジュールを参照してください。


機能情報の確認

ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「TCP ヘッダー圧縮の設定に関する機能情報」 を参照してください。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォーム、および Cisco ソフトウェア イメージの各サポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

TCP ヘッダー圧縮の設定に関する前提条件

TCP ヘッダー圧縮を設定する前に、『 Header Compression 』モジュールの情報をお読みください。

ネットワークの両端で TCP ヘッダー フィールドを設定する必要があります。

TCP ヘッダー圧縮の設定に関する情報

TCP ヘッダー圧縮を設定する前に、次の概念を理解する必要があります。

「TCP ヘッダー圧縮のキーワード」

「最大圧縮 IP ヘッダー サイズと TCP ヘッダー圧縮」

TCP ヘッダー圧縮のキーワード

TCP ヘッダー圧縮を設定すると、TCP パケットを圧縮する状況と、パケットの圧縮時に使用される形式を指定できます。この状況と形式は、次のキーワードで定義されます。

passive

iphc-format

ietf-format

これらのキーワード(後述)は、TCP ヘッダー圧縮の設定に使用される多くの Quality Of Service(QoS)コマンドに使用できます。たとえば、 ip tcp header-compression コマンドです。 ip tcp header-compression コマンド、キーワード、および他の QoS コマンドの詳細については、『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference 』を参照してください。

passive キーワード

デフォルトで、 ip tcp header-compression コマンドは発信 TCP トラフィックを圧縮します。 passive キーワードを指定すると、発信 TCP トラフィックが圧縮されるのは、 同じ インターフェイスの 着信 TCP トラフィックが圧縮される場合のみです。 passive キーワードを指定しない場合、 すべての TCP トラフィックが圧縮されます。

PPP インターフェイスでは、 passive キーワードは無視されます。

iphc-format キーワード

iphc-format キーワードを指定すると、IP Header Compression(IPHC)形式のヘッダー圧縮が使用されます。PPP および HDLC インターフェイスの場合、 iphc-format キーワードを指定すると、RTP ヘッダー圧縮もイネーブルになります。TCP および RTP 両方のヘッダー圧縮がイネーブルになるため、TCP および UDP パケットの両方が圧縮されます。

iphc-format キーワードは、フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスには使用できません。


) ヘッダー圧縮形式(この場合は IPHC)は、ネットワークの両端で同じにする必要があります。つまり、ローカル ルータで iphc-format キーワードを指定する場合、リモート ルータでも iphc-format キーワードを指定する必要があります。


ietf-format キーワード

ietf-format キーワードは、Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)形式のヘッダー圧縮が使用されます。HDLC インターフェイスの場合、 ietf-format キーワードで TCP パケットのみが圧縮されます。PPP インターフェイスの場合、 ietf-format キーワードを指定すると、RTP ヘッダー圧縮もイネーブルになります。TCP および RTP 両方のヘッダー圧縮がイネーブルになるため、TCP および UDP パケットの両方が圧縮されます。

ietf-format キーワードは、フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスには使用できません。


) ヘッダー圧縮形式(この場合は IETF)は、ネットワークの両端で同じにする必要があります。つまり、ローカル ルータで ietf-format キーワードを指定する場合、リモート ルータでも ietf-format キーワードを指定する必要があります。


最大圧縮 IP ヘッダー サイズと TCP ヘッダー圧縮

TCP ヘッダー圧縮では、 ip header-compression max-header コマンドを使用して、圧縮された IP ヘッダーの最大サイズを設定できます。

ip header-compression max-header コマンドを使用すると、圧縮されるパケットの IP ヘッダーの最大サイズを定義できます。この最大サイズを超える IP ヘッダーを持つパケットは、圧縮されずに送信されます。 ip header-compression max-header コマンドの詳細については、『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference 』を参照してください。

TCP ヘッダー圧縮の設定方法

ここでは、次の作業について説明します。

「インターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化」(必須)

「フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化」(任意)

「特殊な VJ 形式の TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化」(任意)

「圧縮された IP ヘッダーの最大サイズの変更」(任意)

「ヘッダー圧縮接続数の変更」(任意)

「ヘッダー圧縮の統計情報の表示」(任意)

インターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化

インターフェイスで TCP ヘッダー圧縮をイネーブルにするには、次の手順を実行します。


) フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスで TCP ヘッダー圧縮をイネーブルにするには、これらの手順をスキップし、代わりに「フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化」の手順を実行します。


手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. interface type number [ name-tag ]

4. encapsulation encapsulation-type

5. ip address ip-address mask [ secondary ]

6. ip tcp header-compression [ passive | iphc-format | ietf-format ]

7. end

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface type number [ name-tag ]

 

Router(config)# interface serial0

インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

インターフェイス タイプとインターフェイス番号を入力します。

ステップ 4

encapsulation encapsulation-type

 

Router(config-if)# encapsulation ppp

インターフェイスに使用するカプセル化方式を設定します。

カプセル化方式を入力します。

ステップ 5

ip address ip-address mask [ secondary ]

 

Router(config-if)# ip address 209.165.200.225 255.255.255.224

インターフェイスに対するプライマリ IP アドレスまたはセカンダリ IP アドレスを設定します。

IP アドレスと関連する IP サブネットのマスクを入力します。

ステップ 6

ip tcp header-compression [ passive | iphc-format | ietf-format ]

 

Router(config-if)# ip tcp header-compression ietf-format

TCP ヘッダー圧縮をイネーブルにします。

ステップ 7

end

 

Router(config-if)# end

(任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。

フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化

フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスで TCP ヘッダー圧縮をイネーブルにするには、次の手順を実行します。

制約事項

カプセル化タイプを指定するには、 frame-relay interface-dlci コマンドの cisco キーワードまたは ietf キーワードを使用します。 cisco キーワードはシスコ固有のカプセル化方式を指定し、 ietf キーワードは IETF 方式のカプセル化を指定します。ただし、これらのキーワードについては次の点を注意してください。

TCP ヘッダー圧縮をイネーブルにする場合、フレームリレー インターフェイスは IETF 方式のカプセル化をサポートしません。そのため、 ietf キーワードはフレームリレー インターフェイスで使用できません。また、以下のコマンド構文には示しません。

cisco キーワードは、ポイントツーポイント サブインターフェイスで のみ 使用できます。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. interface type number [ name-tag ]

4. encapsulation frame-relay

5. ip address ip-address mask [ secondary ]

6. frame-relay interface-dlci dlci [ cisco ]

7. frame-relay ip tcp header-compression [ passive ]

または

frame-relay map ip ip-address dlci [ broadcast ] tcp header-compression [ active | passive ] [ connections number ]

8. end

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface type number [ name-tag ]

 

Router(config)# interface serial0

インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

インターフェイス タイプとインターフェイス番号を入力します。

ステップ 4

encapsulation frame-relay

 

Router(config-if)# encapsulation frame-relay

フレームリレー カプセル化をイネーブルにします。

ステップ 5

ip address ip-address mask [ secondary ]

 

Router(config-if)# ip address 209.165.200.225 255.255.255.224

インターフェイスに対するプライマリ IP アドレスまたはセカンダリ IP アドレスを設定します。

IP アドレスと関連する IP サブネットのマスクを入力します。

ステップ 6

frame-relay interface-dlci dlci [ cisco ]

 

Router(config-if)# frame-relay interface-dlci 20

Data-Link Connection Identifier(DLCI; データリンク接続識別子)をルータまたはアクセス サーバ上の指定したフレームリレー インターフェイスに割り当てます。

DLCI 番号を入力します。

ステップ 7

frame-relay ip tcp header-compression [ passive ]

 

Router(config-if)# frame-relay ip tcp header-compression

物理インターフェイス上のすべてのフレームリレー マップについて TCP ヘッダー圧縮をイネーブルにします。

または

frame-relay map ip ip-address dlci [ broadcast ] tcp header-compression [ active | passive ] [ connections number ]

 

Router(config-if)# frame-relay map ip 10.108.175.200 190 tcp header-compression active

IP マップが関連付けられているインターフェイスの圧縮特性とは異なる IP マップ ヘッダー圧縮の特性に割り当てます。

IP アドレス、DLCI 番号、および任意のオプションのキーワードと引数を入力します。

ステップ 8

end

 

Router(config-if)# end

(任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。

特殊な VJ 形式の TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化

コンテキスト ID が圧縮パケットに含まれるように、TCP ヘッダー圧縮の特殊な Van Jacobson(VJ)形式をイネーブルにするには、次の手順を実行します。

前提条件

ip tcp header-compression コマンドを使用して TCP ヘッダー圧縮をイネーブルにしてから、特殊な VJ 形式を設定します。

制約事項

iphc-profile コマンドを使用してインターフェイスに IPHC を設定した場合、この作業は不要です。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. interface type number [ name-tag ]

4. encapsulation ppp

5. ip address ip-address mask [ secondary ]

6. ip tcp header-compression

7. ip header-compression special-vj

8. ip tcp compression-connections 16

9. ex i t

10. iphc-profile profile-name van-jacobson

11. special-vj

12. end

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface type number [ name-tag ]

 

Router(config)# interface serial 0

インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

インターフェイス タイプとインターフェイス番号を入力します。

ステップ 4

encapsulation ppp

 

Router(config-if)# encapsulation ppp

(任意)インターフェイスに使用するカプセル化方式を設定します。

ステップ 5

ip address ip-address mask [ secondary ]

 

Router(config-if)# ip address 209.165.200.225 255.255.255.224

インターフェイスに対するプライマリ IP アドレスまたはセカンダリ IP アドレスを設定します。

IP アドレスと関連する IP サブネットのマスクを入力します。

ステップ 6

ip tcp header-compression

 

Router(config-if)# ip header-compression

TCP ヘッダー圧縮をイネーブルにします。

ステップ 7

ip header-compression special-vj

 

Router(config-if)# ip header-compression special-vj

TCP ヘッダー圧縮の特殊な VJ 形式をイネーブルにします。

ステップ 8

ip tcp compression-connections number

 

Router(config-if)# ip tcp compression-connections 16

インターフェイス上に存在可能な TCP ヘッダー接続の合計数を指定します。

ステップ 9

exit

 

Router(config-if)# exit

現在のコンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 10

iphc-profile profile-name van-jacobson

 

Router(config)# iphc-profile profile1 van-jacobson

IP IP Header Compression(IPHC)プロファイルを作成し、IPHC プロファイル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 11

special-vj

 

Router(config-iphcp)# special-vj

コンテキスト IDS が圧縮されたパケットに含まれるように、TCP ヘッダー圧縮の特殊な VJ 形式をイネーブルにします。

ステップ 12

end

 

Router(config-if)# end

(任意)現在のコンフィギュレーション モードを終了します。

圧縮された IP ヘッダーの最大サイズの変更

デフォルトで、圧縮された IP ヘッダーの最大サイズは 168 バイトです。TCP ヘッダー圧縮を設定すると、ネットワークの要件に合わせてこのサイズを変更できます。

圧縮された IP ヘッダーの最大サイズを変更するには、次の手順を実行します。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. interface type number [ name-tag ]

4. ip header-compression max-header max-header-size

5. end

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface type number [ name-tag ]

 

Router(config)# interface serial0

インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

インターフェイス タイプとインターフェイス番号を入力します。

ステップ 4

ip header-compression max-header max-header-size

 

Router(config-if)# ip header-compression max-header 100

圧縮された IP ヘッダーの最大サイズを指定します。

圧縮された IP ヘッダーの最大サイズをバイト単位で入力します。

ステップ 5

end

 

Router(config-if)# end

(任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。

ヘッダー圧縮接続数の変更

PPP および HDLC インターフェイスの場合、デフォルトの圧縮接続数は 16 です。フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスの場合、デフォルトの圧縮接続数は 256 です。

ヘッダー圧縮接続のデフォルト数を変更するには、次の手順を実行します。

ヘッダー圧縮接続数の変更による影響

各ヘッダー圧縮接続によって、接続のキャッシュ エントリが設定され、結果として、キャッシュ エントリの最大数とキャッシュのサイズを指定することになります。指定したインターフェイスのキャッシュ エントリが少なすぎるとパフォーマンスが低下し、キャッシュ エントリが多すぎると、メモリが無駄になる可能性があります。ネットワーク要件に従って、圧縮の接続数を選択します。

制約事項

HDLC およびフレームリレー インターフェイスでのヘッダー圧縮接続

HDLC インターフェイスおよびフレームリレー インターフェイス(つまり、フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイス)の場合、ネットワークの 両側 で、ヘッダー圧縮接続数が一致する必要があります。つまり、ローカル ルータに使用するために設定した数は、リモート ルータに使用するために設定した数と一致する必要があります。

PPP インターフェイスでのヘッダー圧縮設定

PPP インターフェイスで、ネットワークの両側のヘッダー圧縮接続数が一致しない場合、使用される数は「自動ネゴシエーション」されます。つまり、ローカル ルータとリモート ルータ間でヘッダー圧縮接続数が一致しない場合、2 つの数のうち、低い方に合わせて自動的にネゴシエーションされます。たとえば、ローカル ルータが 128 のヘッダー圧縮接続数を使用するように設定され、リモート ルータが 64 ヘッダー圧縮接続数を使用するように設定されている場合、ネゴシエーションされる数は 64 です。


) この自動ネゴシエーション機能は PPP インターフェイスにのみ適用されます。HDLC インターフェイスおよびフレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスの場合、自動ネゴシエーションは発生しません。


手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. interface type number [ name-tag ]

4. ip tcp compression-connections number

または

frame-relay ip tcp compression-connections number

5. end

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface type number [ name-tag ]

 

Router(config)# interface serial0

インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

インターフェイス タイプとインターフェイス番号を入力します。

ステップ 4

ip tcp compression-connections number

 

Router(config-if)# ip tcp compression-connections 150

インターフェイスに存在できる TCP ヘッダー圧縮接続の合計数を指定します。

圧縮接続の数を入力します。

(注) このコマンドは、PPP インターフェイス、HDLC インターフェイス、またはフレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスに使用できます。

または

frame-relay ip tcp compression-connections number

 

Router(config-if)# frame-relay ip tcp compression-connections 150

フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスに存在できる TCP ヘッダー圧縮接続の最大数を指定します。

圧縮接続の数を入力します。

使用できます。

ステップ 5

end

 

Router(config-if)# end

(任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。

ヘッダー圧縮の統計情報の表示

送信、受信、および圧縮されるパケットの数など、ヘッダー圧縮の統計情報を表示するには、 show ip tcp header-compression コマンドまたは show frame-relay ip tcp header-compression コマンドを使用します。

ヘッダー圧縮の統計情報を表示するには、次の手順を実行します。

手順の概要

1. enable

2. show ip tcp header-compression [ interface-type interface-number ] [ detail ]

または

show frame-relay ip tcp header-compression [ interface type number ]

3. end

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

show ip tcp header-compression [ interface-type interface-number ] [ detail ]

 

Router# show ip tcp header-compression

 

TCP/IP ヘッダー圧縮の統計情報を表示します。

または

show frame-relay ip tcp header-compression [ interface type number ]

 

Router# show frame-relay ip tcp header-compression

 

1 つまたはすべてのインターフェイスに関する フレームリレー TCP/IP ヘッダー圧縮の統計情報を表示します。

ステップ 3

end

 

Router# end

(任意)特権 EXEC モードを終了します。

TCP ヘッダー圧縮の設定例

ここでは、次の設定例について説明します。

「インターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例」

「フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例」

「特殊な VJ 形式の TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例」

「圧縮された IP ヘッダーの最大サイズの変更」

「ヘッダー圧縮接続数の変更:例」

「ヘッダー圧縮の統計情報の表示:例」

インターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例

次に、TCP ヘッダー圧縮がシリアル インターフェイス 0 でイネーブルにされている例を示します。

Router> enable

Router# configure terminal

Router(config)# interface serial0

Router(config-if)# encapsulation ppp

Router(config-if)# ip address 209.165.200.225 255.255.255.224

Router(config-if)# ip tcp header-compression ietf-format

Router(config-if)# end

 

フレームリレー カプセル化を使用するインターフェイスでの TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例

次に、TCP ヘッダー圧縮がシリアル インターフェイス 0 でイネーブルにされている例を示します。フレームリレー カプセル化は、 encapsulation frame-relay コマンドを使用してこのインターフェイスでイネーブルにされました。

Router> enable

Router# configure terminal

Router(config)# interface serial0

Router(config-if)# encapsulation frame-relay

Router(config-if)# ip address 209.165.200.225 255.255.255.224

Router(config-if)# frame-relay interface-dlci 20

Router(config-if)# frame-relay ip tcp header-compression

Router(config-if)# end

特殊な VJ 形式の TCP ヘッダー圧縮のイネーブル化:例

次に、TCP ヘッダー圧縮がシリアル インターフェイス 0 でイネーブルにされている例を示します。特殊な VJ 形式は、 ip header-compression special-vj、ip tcp compression-connections 、および special-vj コマンドを使用してこのインターフェイスでイネーブルにされました。

Router> enable

Router# configure terminal

Router(config)# interface serial0

Router(config-if)# ip address 209.165.200.225 255.255.255.224

Router(config-if)# ip tcp header-compression

Router(config-if)# ip header-compression special-vj

Router(config-if)# ip tcp compression-connections 16

Router(config-if))# exit

Router(config)# iphc-profile profile-name van-jacobson

Router(config-iphcp)# special-vj
Router(config-if)# end

圧縮された IP ヘッダーの最大サイズの変更:例

次に、 ip header-compression max-header コマンドを使用して、圧縮された IP ヘッダーの最大サイズ(100 バイト)を指定した例を示します。

Router> enable

Router# configure terminal

Router(config)# interface serial0

Router(config-if)# ip header-compression max-header 100

Router(config-if)# end

ヘッダー圧縮接続数の変更:例

次に、 ip tcp compression-connections コマンドを使用して、ヘッダー圧縮接続の数を 150 に変更した例を示します。

Router> enable

Router# configure terminal

Router(config)# interface serial0

Router(config-if)# ip tcp compression-connections 150

Router(config-if)# end

ヘッダー圧縮の統計情報の表示:例

show ip tcp header-compression コマンドを使用して、受信、送信、および圧縮したパケットの数など、ヘッダー圧縮の統計情報を表示します。次に、 show ip tcp header-compression コマンドの出力例を示します。

Router# show ip tcp header-compression serial0
 
TCP/IP header compression statistics:
Interface Serial0 (compression on, IETF)
Rcvd: 53797 total, 53796 compressed, 0 errors, 0 status msgs
0 dropped, 0 buffer copies, 0 buffer failures
Sent: 53797 total, 53796 compressed, 0 status msgs, 0 not predicted
1721848 bytes saved, 430032 bytes sent
5.00 efficiency improvement factor
Connect: 16 rx slots, 16 tx slots,
1 misses, 0 collisions, 0 negative cache hits, 15 free contexts
99% hit ratio, five minute miss rate 0 misses/sec, 0 max

その他の関連資料

ここでは、TCP ヘッダー圧縮の設定に関連する関連資料を紹介します。

関連資料

内容
参照先

QoS コマンド:コマンド構文、コマンド モード、コマンド履歴、デフォルト、使用上のガイドライン、および例

『Cisco IOS Quality of Service Solutions Command Reference』

フレームリレー

Frame Relay Queueing and Fragmentation at the Interface 』モジュール

ヘッダー圧縮の概要

Header Compression 』モジュール

RTP ヘッダー圧縮

Configuring RTP Header Compression 』モジュール

クラスベースの RTP および TCP ヘッダー圧縮

Configuring Class-Based RTP and TCP Header Compression 』モジュール

IPHC プロファイルおよびヘッダー圧縮

Configuring Header Compression Using IPHC Profiles 』モジュール

規格

規格
タイトル

新しい規格または変更された規格はサポートされていません。また、既存の規格に対するサポートに変更はありません。

--

MIB

MIB
MIB リンク

新しい MIB または変更された MIB はサポートされていません。また、既存の MIB に対するサポートに変更はありません。

選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェア リリース、およびフィーチャ セットに対する MIB を特定してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC
タイトル

RFC 1144

『Compressing TCP/IP Headers for Low-Speed Serial Links』

RFC 2507

『IP Header Compression』

RFC 3544

『IP Header Compression over PPP』

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。

以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。

テクニカル サポートを受ける

ソフトウェアをダウンロードする

セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける

ツールおよびリソースへアクセスする

Product Alert の受信登録

Field Notice の受信登録

Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索

Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する

トレーニング リソースへアクセスする

TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する

この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

http://www.cisco.com/en/US/support/index.html

用語集

DLCI :Data-Link Connection Identifier(データリンク接続識別子)。フレームリレー ネットワークで、Permanent Virtual Circuit(PVC)または Switched Virtual Circuit(SVC)を指定する値です。基本のフレームリレー仕様の場合、DLCI はローカルで重要です(接続デバイスは異なる値を使用して同じ接続を指定できます)。Local Management Interface(LMI; ローカル管理インターフェイス)拡張仕様の場合、DLCI はグローバルで重要です(DLCI は個々のエンド デバイスを一意に指定します)。

HDLC :High-Level Data Link Control(ハイレベル データリンク コントロール)。International Organization for Standardization(ISO; 国際標準化機構)によって開発された、ビット指向の同期データ リンク レイヤ プロトコルです。HDLC は Synchronous Data Link Control(SDLC; 同期データ リンク制御)から派生したもので、フレーム文字とチェックサムを使用して同期シリアル リンクのデータのカプセル化する方法を指定します。

IETF :Internet Engineering Task Force(インターネット技術特別調査委員会)。インターネット規格を開発する役割を持つ 80 を超えるワーキング グループから構成される特別調査委員会です。

IPHC :IP Header Compression(IP ヘッダー圧縮)。TCP および UDP 両方のヘッダーを圧縮できるプロトコル。

PPP :Point-to-Point Protocol(ポイントツーポイント プロトコル)。同期回線および非同期回線上で、ルータ間の接続、およびホストからネットワークへの接続を提供するプロトコルです。

TCP :Transmission Control Protocol(伝送制御プロトコル)。信頼できる全二重方式データ送信を可能にする接続指向のトランスポート レイヤ プロトコル。TCP は TCP/IP プロトコル スタックの一部です。

UDP :User Datagram Protocol(ユーザ データグラム プロトコル)。TCP/IP プロトコル スタックのコネクションレス型トランスポート レイヤ プロトコルです。UDP は、確認応答または保証された配信なしでデータグラムを交換する簡易なプロトコルです。エラー処理と再送信は他のプロトコルで対処する必要があります。UDP は RFC 768 に定義されています。

圧縮 :データ セットの保存に必要な容量、またはデータ セットの送信に必要な帯域幅を減らすアルゴリズムによるデータ セットの処理。

カプセル化 :特定のプロトコル ヘッダーにデータをラップする方式。たとえば、イーサネット データは、ネットワークで送信される前に、特定のイーサネット ヘッダーでラップされます。また、類似点のないネットワークがブリッジされる場合、一方のネットワークからの全体のフレームは、もう一方のネットワークのデータ リンク レイヤ プロトコルに使用されるヘッダーに配置されるだけです。

サブヘッダー :IPv6 ベースのヘッダー、IPv6 拡張ヘッダー、IPv4 ヘッダー、UDP ヘッダー、RTP ヘッダー、または TCP ヘッダーなどです。

標準ヘッダー :通常の圧縮されていないヘッダー。標準ヘッダーは、Context Identifier(CID)または生成の関連付けを伝送しません。

フル ヘッダー(ヘッダーのリフレッシュ) :パケット ストリームのコンテキストを更新またはリフレッシュする非圧縮ヘッダー。コンテキストの識別に使用される Context Identifier(CID)を伝送します。非 TCP パケット ストリームのフル ヘッダーでは、更新またはリフレッシュするコンテキストの生成についても伝送します。

ヘッダー :一連のサブヘッダー。

TCP ヘッダー圧縮の設定に関する機能情報

表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。

ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。

ここで説明していないこのテクノロジーの機能については、『 Header-Compression Features Roadmap 』モジュールを参照してください。

Cisco IOS ソフトウェア イメージは、Cisco IOS ソフトウェア リリース、機能セット、プラットフォームそれぞれに固有です。Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator により、どの Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージが特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートするか調べることができます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。


表 1 には、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入された Cisco IOS ソフトウェア リリースだけが記載されています。特に明記していないかぎり、その Cisco IOS ソフトウェア リリース トレインの以降のリリースでもその機能はサポートされます。


表 1 TCP ヘッダー圧縮の設定に関する機能情報

機能名
リリース
機能情報

Cisco IOS Release 12.2(1) 以降のリリースでは、機能が導入または変更されなかったため、この表は意図的に空白にしました。機能情報がこのモジュールに追加された場合ねこの表は更新されます。

--

--