Cisco IOS サービス品質(QoS)ソリューション コ ンフィギュレーション ガイド
分類の概要
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発行日;2012/02/05 | 英語版ドキュメント(2011/02/16 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 8MB) | フィードバック

目次

分類の概要

IP precedence について

IP precedence ビットを使用したパケットの分類方法

IP precedence 値の設定または変更

専用アクセス レート

NBAR を使用したネットワーク トラフィックの分類

ネットワーク トラフィックのマーキング

分類の概要

ネットワーク トラフィックの分類を使用すると、トラフィックが指定した基準に一致するかどうかに基づいて、トラフィック(つまりパケット)をトラフィック クラスまたはカテゴリに構成できます。ネットワーク トラフィックの分類(ネットワーク トラフィックのマーキングと共に使用されます)は、ネットワークで多数の QoS 機能をイネーブルにするための基礎となります。

パケットの分類は、異なるタイプの QoS サービスに対して、ネットワークまたは特定のインターフェイスを横断するパケットを選択するポリシー手法にとって重要です。たとえば、分類を使用して特定のパケットに IP precedence のマークを付け、他のパケットは Resource Reservation Protocol(RSVP; リソース予約プロトコル)フローに属すると識別できます。

分類方法は、パケット ヘッダーの内容の使用に制限されていました。現在の分類によるパケットのマーキング方法では、レイヤ 2、3、または 4 のヘッダーで情報を設定できます。さらに、パケットのペイロード内でも情報を設定できます。グループの分類の基準は、「サブネットワーク宛てのトラフィック」のように幅広くすることも、1 つのフローのように狭くすることもできます。ネットワーク トラフィックの分類の詳細については、「 Classifying Network Traffic 」の章を参照してください。

この章では、IP precedence について説明した後で、Cisco IOS QoS 機能が提供するトラフィック分類について簡単に説明します。次の項の機能について説明します。

専用アクセス レート

NBAR を使用したネットワーク トラフィックの分類

ネットワーク トラフィックのマーキング

IP precedence について

IP precedence を使用すると、パケットの Class of Service(CoS; サービス クラス)を指定できます。それには、IP バージョン 4(IPv4)ヘッダーの Type of Service(ToS; タイプ オブ サービス)フィールドで 3 つの precedence ビットを使用します。図 1 に ToS フィールドを示します。

図 1 IPv4 パケットのタイプ オブ サービス フィールド

 

ToS ビットを使用して、最大 6 つのサービス クラスを定義できます。その後、ネットワークを通して設定された他の機能は、これらのビットを使用して、パケットの処理方法を決定します。これらの他の QoS 機能は、輻輳管理戦略や帯域幅の割り当てを含む適切なトラフィック処理ポリシーを割り当てることができます。たとえば、IP precedence はキューイング方式ではありませんが、Weighted Fair Queueing(WFQ; 重み付け均等化キューイング)や Weighted Random Early Detection(WRED;重み付けランダム早期検出)などのキューイング方式は、パケットの IP precedence 設定を使用して、トラフィックに優先順位を付けることができます。

着信トラフィックに precedence レベルを設定し、Cisco IOS QoS キューイング機能と一緒に使用することで、ディファレンシエーテッド サービスを作成できます。Policy-Based Routing(PBR; ポリシーベース ルーティング)や Committed Access Rate(CAR; 専用アクセス レート)などの機能を使用して、拡張アクセス リスト分類に基づく優先順位を設定できます。これらの機能により、precedence の割り当てに適度な柔軟性が得られます。たとえば、アプリケーションまたはユーザに基づいて、または宛先と発信元のサブネットワーク別に precedence を割り当てることができます。

後続の各ネットワーク要素が決定されたポリシーに基づいてサービスを提供できるように、できるだけ IP precedence は、通常ネットワークの端または管理ドメインの近くに配置します。IP precedence は、WRED などのコアな(バックボーン) QoS 機能が CoS に基づいてトラフィックを転送できるようにするエッジ機能と考えることができます。IP precedence は、ホストまたはネットワーク クライアント上で設定することもできますが、ネットワーク内のポリシーによってオーバーライドされる可能性があります。

次の QoS 機能では、IP precedence フィールドを使用して、トラフィックの処理方法を決定できます。

分散 WRED(DWRED)

WFQ

CAR

IP precedence ビットを使用したパケットの分類方法

IP ヘッダーの ToS フィールドにある 3 つの IP precedence ビットを使用して、各パケットの CoS 割り当てを指定します。トラフィックを最大 6 つのクラスに区切り、ポリシー マップと拡張アクセス リストを使用して、各クラスの輻輳処理と帯域幅割り当てのためのネットワーク ポリシーを定義できます。

履歴的な理由から、各 precedence は名前に対応します。これらの名前は RFC 791 で定義されていますが、今後も増加します。 表 1 に、重要度の低い順に、番号と対応する名前を示します。

 

表 1 IP precedence 値

番号
名前

0

routine

1

priority

2

immediate

3

flash

4

flash-override

5

critical

6

internet

7

network

ただし、IP precedence 機能には、precedence の割り当てにある程度の柔軟性があります。つまり、独自の分類メカニズムを定義できます。たとえば、アプリケーションまたはアクセス ルータに基づいて precedence を割り当てることができます。


) IP precedence ビットの設定 6 と 7 は、ルーティング アップデートなどのネットワーク制御情報用に予約されています。


IP precedence 値の設定または変更

デフォルトでは、Cisco IOS ソフトウェアの IP precedence 値は未変更で、ヘッダーの precedence 値の設定が保持され、すべての内部ネットワーク デバイスが IP precedence 設定に基づいてサービスを提供できます。このポリシーは、ネットワーク トラフィックはネットワークの基本境界で各種サービス タイプに分類され、これらのサービス タイプはネットワークのコアで実装される必要があると定めた標準アプローチに従います。その後、ネットワークのコアのルータは、precedence ビットを使用して、送信順やパケット ドロップの可能性などを決定できます。

ネットワークに入るトラフィックには外部デバイスで設定された precedence が設定されている可能性があるので、ネットワークに入るすべてのトラフィックの precedence をリセットすることを推奨します。IP precedence 設定を制御することで、IP precedence をすでに設定したユーザが、自分のすべてのパケットに高い precedence を設定するだけで、自分のトラフィックに上位のサービスを取得できるようにするのを防ぎます。

CAR を使用して、パケットで IP precedence を設定できます。前述のとおり、パケットの分類後は、CAR や WRED などの他の QoS 機能を使用して、ビジネス モデルに適したビジネス ポリシーを指定し、実行できます。

専用アクセス レート

CAR は、レート制限を通して、分類サービスとポリシングの両方を実装する多面的な機能です。ここでは、CAR の分類サービスについて説明します。CAR のレート制限機能については、「 Policing and Shaping Overview 」の章を参照してください。


) Cisco IOS Release 12.2 SR では、CAR の分類サービスは Cisco 7600 ルータではサポートされていません。


ネットワークに入るパケットに IP precedence を設定して、CAR の分類サービスを使用できます。この CAR の機能により、ネットワークを複数のプライオリティ レベルまたはクラス サービスに区切ることができます。その後、ネットワーク内のネットワーキング デバイスは、調整された IP precedence を使用してトラフィックの処理方法を決定できます。たとえば、VIP 分散 WRED は、IP precedence を使用して、パケットがドロップされる可能性を判断します。

IP precedence についてで説明したとおり、IP ヘッダーの ToS フィールドにある 3 つの precedence ビットを使用して、最大 6 つのサービス クラス を定義できます。

物理ポート、送信元または宛先の IP または MAC アドレス、アプリケーション ポート、IP プロトコル タイプ、その他アクセス リストまたは拡張アクセス リストで指定可能な基準に基づくポリシーを使用してパケットを分類できます。パケットは、お客様など、ネットワーク外部のカテゴリで分類できます。パケットの分類後、ネットワークは、指定されたポリシーに従ってパケットを受け入れるか、上書きして再分類できます。CAR には、パケットの分類と再分類に使用できるコマンドがあります。

CAR は、ほとんどのCisco ルータでサポートされています。さらに、分散 CAR は、RSP7000 インターフェイス プロセッサ搭載の Cisco 7000 シリーズ ルータと VIP ベースの VIP2-40 以上のインターフェイス プロセッサ搭載の Cisco 7500 シリーズ ルータでサポートされています。VIP のポート アダプタの集約ライン レートが DS3 を上回る場合は、VIP2-50 インターフェイス プロセッサを強くお勧めします。OC-3 レートには VIP2-50 インターフェイス プロセッサが必要です。

CAR の設定方法については、「 Configuring Committed Access Rate 」の章を参照してください。

NBAR を使用したネットワーク トラフィックの分類

Network-Based Application Recognition(NBAR)は、多様なプロトコルとアプリケーションを認識および分類する分類エンジンです。プロトコルまたはアプリケーションが NBAR に認識および分類されると、そのアプリケーションまたはそのプロトコルによるトラフィックに適した QoS を適用するようにネットワークを設定できるようになります。

NBAR の詳細については、「 Classifying Network Traffic Using NBAR 」の章を参照してください。

ネットワーク トラフィックのマーキング

ネットワーク トラフィックをマーキングすると、特定のクラスまたはカテゴリに属するトラフィック(パケット)の属性を設定または変更できます。ネットワーク トラフィック分類と一緒に使用すると、ネットワーク トラフィック マーキングは、ネットワーク上の多くの QoS 機能をイネーブルにする基礎となります。

ネットワーク トラフィックのマーキングの詳細については、「 Marking Network Traffic 」の章を参照してください。