Cisco IOS ネットワーク管理コンフィギュレーション ガイド
イベント トレーサの設定
イベント トレーサの設定
発行日;2012/02/01 | 英語版ドキュメント(2011/04/25 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 6MB) | フィードバック

目次

イベント トレーサの設定

機能の概要

利点

制約事項

サポートされているプラットフォーム

サポートされている規格、MIB、および RFC

前提条件

設定作業

イベント トレーシングの設定

イベント トレース サイズの設定

イベント トレース メッセージ ファイルの設定

イベント トレース操作の確認

トラブルシューティングのヒント

設定例

単一コンポーネントのイベント トレーシングの設定例

複数コンポーネントのイベント トレーシングの設定例

イベント トレース サイズの設定例

イベント トレース メッセージ ファイルの設定例

コマンド リファレンス

イベント トレーサの設定

機能の履歴

リリース
変更点

12.0(18)S

この機能が導入されました。

12.2(8)T

この機能は、Cisco IOS Release 12.2(8)T に統合されました。

ここでは、イベント トレーサ機能について説明します。次の項で構成されています。

「機能の概要」

「サポートされているプラットフォーム」

「サポートされている規格、MIB、および RFC」

「前提条件」

「設定作業」

「設定例」

「コマンド リファレンス」

機能の概要

イベント トレーサ機能は、Cisco IOS ソフトウェアのトラブルシューティングのためにバイナリ トレース ファシリティを提供します。この機能によって、シスコ サービス担当者は Cisco IOS ソフトウェアの動作をさらに深く知ることができ、めったにないオペレーティング システムの誤動作や冗長システム、ルート プロセッサ スイッチオーバーなどの場合に問題を診断するために役立ちます。


) この機能は、ソフトウェア診断ツールとして使用することを目的とし、必ず Cisco Technical Assistance Center(TAC)担当者の指示の下で設定してください。


イベント トレーシングは、イベント トレーシングで使用するようあらかじめプログラムされた特定の Cisco IOS ソフトウェア サブシステム コンポーネントの情報メッセージを読み取り、これらのコンポーネントからシステム メモリにメッセージを記録することによって機能します。メモリに保存されたトレース メッセージは、画面に表示したり、後で分析するためにファイルに保存できます。

デフォルトでは、ファイルに保存されるトレース メッセージは追加の処理やフォーマットを適用せずに、バイナリ形式で保存されます。バイナリ形式でメッセージを保存すると、イベント トレーシングで情報メッセージをシステム誤動作やプロセッサのスイッチオーバーの前によりすばやく、長期間収集できます。追加でファイル処理を行う場合には、任意でイベント トレース メッセージを ASCII 形式で保存できます。

イベント トレーサ機能は複数のトレースを同時にサポートできます。これを行うために、機能は一意の ID 番号をトレースの各インスタンスに割り当てます。この方法で、トレースの単一のインスタンスに関連付けられたすべてのメッセージが同じ ID 番号になります。イベント トレーシングは、タイムスタンプも各トレース メッセージに適用します。これは、メッセージ シーケンスの特定に役立ちます。

メモリに保存できるトレースの各インスタンスのトレース メッセージの数は、最高 65536 エントリまでに設定できます。メモリに保存されたトレース メッセージの数が設定された制限値に近づくと、最も古いエントリが新しいメッセージによって上書きされ、イベント トレースが終了するまでこれが続きます。

イベント トレーシングは「ワンショット」モードで設定できます。このモードでは、指定されたコンポーネントに対するメモリの現在のコンテンツが破棄され、新しいトレースが開始されます。メッセージの制限値に達するまで新しいトレース メッセージが収集されます。制限値に達すると、トレースは自動的に終了します。

利点

イベント トレーシングには、システム診断に役立つ多数の利点があります。

バイナリ データ形式

イベント情報は、情報のフォーマットや処理を適用せずに、バイナリ形式で保存されます。これにより、イベント情報をシステム誤動作やプロセッサのスイッチオーバーが発生する前によりすばやく、長期間キャプチャできます。情報をすばやく収集する能力は、多くのデータをすばやく生成するトレーシング イベントでも役立ちます。

ファイルの保管

イベント トレーシングによって収集された情報は、ファイルに書き込んで、さらに分析するために保存できます。

任意の ASCII データ形式

イベント トレーシングには、情報を ASCII 形式で保存するオプションのコマンドがあります。

複数のトレース機能

イベント トレーシングは、ネットワーキング デバイスで実行されているソフトウェア バージョンに応じて、Cisco IOS ソフトウェアの 1 つまたは複数のコンポーネントを同時にトレースするように設定できます。

制約事項

イベント トレーシングには、TAC 担当者が特定の Cisco IOS ソフトウェア機能の診断において Cisco のお客様を支援するために役立つメカニズムがあります。ネットワーキング デバイスでのこの機能の設定は、必ず TAC 担当者の指示の下で行うことをお勧めします。この機能はお客様が読み取れるデータを生成しません。このため、正しい設定と分析には TAC 担当者の支援が必要です。

サポートされているプラットフォーム

Cisco 12000 インターネット ルータ

Feature Navigator を通したプラットフォーム サポート

Cisco IOS ソフトウェアは、特定のプラットフォームがサポートされているフィーチャ セットにパッケージングされています。この機能のプラットフォーム サポートに関する最新情報を入手するには、Feature Navigator にアクセスしてください。新しいプラットフォーム サポートが機能に追加されると、Feature Navigator によって、サポートされているプラットフォームのリストが自動的に更新されます。

Feature Navigator は Web ベースのツールであり、特定のフィーチャ セットがサポートされている Cisco IOS ソフトウェア イメージ、および、特定の Cisco IOS イメージ内でサポートされている機能をすばやく特定できます。

Feature Navigator にアクセスするには、Cisco.com のアカウントが必要です。アカウント情報を忘れたり、紛失したりした場合は、空の E メールを cco-locksmith@cisco.com に送信してください。自動チェックによって、E メール アドレスが Cisco.com に登録されているかどうかが確認されます。チェックが正常に終了したら、ランダムな新しいパスワードとともにアカウントの詳細が E メールで届きます。Cisco.com 上のアカウントを設定する場合は、http://www.cisco.com/register にアクセスして、アカウントの設定指示に従ってください。

Feature Navigator は、主要な Cisco IOS ソフトウェア リリースまたはテクノロジー リリースが実施されたときに更新されます。2001 年 5 月現在、Feature Navigator は M、T、E、S、および ST のリリースをサポートしています。次の URL から Feature Navigator にアクセスできます。

http://www.cisco.com/go/fn

サポートされている規格、MIB、および RFC

規格

なし

MIB

なし

プラットフォームおよび Cisco IOS Release によりサポートされている MIB のリストを入手し、MIB モジュールをダウンロードするには、Cisco.com の次のシスコ MIB Web サイトの URL にアクセスしてください。

http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml

RFC

なし

前提条件

イベント トレーシングをサポートするソフトウェア コンポーネントのリストは、Cisco IOS ソフトウェア イメージによって異なる場合があります。また、多くの場合、ソフトウェア コンポーネントに応じて、イベント トレーシング機能がデフォルトでイネーブルまたはディセーブルになります。イベント トレーシングを設定するかどうかを決定するには、イベント トレーシングをサポートしているソフトウェア コンポーネントとコンポーネント設定の既存の状態を知っていることが重要です。

特定のコンポーネントに対してイベント トレーシングがデフォルトでイネーブルかディセーブルかを判断するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 グローバル コンフィギュレーション モードで monitor event-trace ? コマンドを使用して、イベント トレーシングをサポートするソフトウェア コンポーネントのリストを取得します。

Router(config)# monitor event-trace ?
 

ステップ 2 show monitor event-trace component all コマンドを使用して、コンポーネントのイベント トレーシングがデフォルトでイネーブルかディセーブルかを判断します。

Router# show monitor event-trace component all
 

ステップ 3 show monitor event-trace component parameters コマンドを使用して、コンポーネントのトレース メッセージ ファイルのデフォルト サイズを特定します。

Router# show monitor event-trace component parameters
 

この情報は、設定オプションを判断するために役立ちます。


 

設定作業

イベント トレーサ機能の設定作業については、次の項を参照してください。一覧内の各作業は、必須と任意に分けています。

イベント トレーシングの設定 (任意)

イベント トレース サイズの設定 (任意)

イベント トレース メッセージ ファイルの設定 (任意)

イベント トレース操作の確認 (任意)

この機能を設定する前に、「 前提条件 」の指示に従ってください。デフォルトの設定情報がサイトの要件を満たしている場合、追加の設定は必要ありません。「 イベント トレース操作の確認 」に進んでください。

イベント トレーシングの設定

Cisco IOS ソフトウェア コンポーネントがイベント トレーシングをサポートする場合はほとんど、デフォルトで機能が設定されています。一部のソフトウェア コンポーネントに対してイベント トレーシングがイネーブルになっており、その他のコンポーネントに対してイベント トレーシングがディセーブルになっている場合もあります。場合によっては、TAC 担当者がデフォルト設定を変更する場合もあります。

イベント トレーシングをイネーブルまたはディセーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンド
目的

Router(config)# monitor event-trace component enable

 

または

 

Router(config)# monitor event-trace component disable

ネットワーキング デバイス上の指定された Cisco IOS ソフトウェア コンポーネントのイベント トレーシングをイネーブルまたはディセーブルにします。


) コンポーネント名は、システム ソフトウェアで設定され、変更できません。このリリースのイベント トレーシングをサポートするソフトウェア コンポーネントのリストを取得するには、monitor event-trace ? コマンドを使用します。


イベント トレース サイズの設定

Cisco IOS ソフトウェア コンポーネントがイベント トレーシングをサポートする場合はほとんど、デフォルトで機能が設定されています。TAC 担当者に指示された場合など、メモリに書き込めるトレース メッセージをより多くまたはより少なくするために、サイズ パラメータを変更する必要のある場合もあります。

メッセージ サイズ パラメータを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンド
目的

Router(config)# monitor event-trace component size number

指定されたコンポーネントのトレースのサイズを設定します。メモリに保存できるトレースの各インスタンスのメッセージの数は、最高 65536 エントリまでに設定できます。

イベント トレース メッセージ ファイルの設定

トレース メッセージを保存するファイルの場所を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンド
目的

Router(config)# monitor event-trace component dump-file filename

トレース メッセージを保存するファイルを設定します。ファイル名(パス:ファイル名)の最大長は 100 文字です。パスでネットワーキング デバイス上のフラッシュ メモリや TFTP または FTP サーバを指定することもできます。

イベント トレース操作の確認


) ソフトウェア コンポーネントに応じて、イベント トレーシング機能はデフォルトでイネーブルまたはディセーブルになります。どちらの場合も、デフォルト状態は show running-config コマンドの出力に反映されません。ただし、デフォルトでイネーブルまたはディセーブルになっているコマンドの設定を変更すると、これらの変更が show running-config コマンドの出力に表示されます。



ステップ 1 イベント トレーシング設定を変更した場合は、特権 EXEC モードで show running-config コマンドを入力して変更を確認します。

Router# show running-config
 

ステップ 2 show monitor event-trace component コマンドを入力して、コンポーネントのイベント トレーシングがイネーブルかディセーブルかを確認します。

次の例では、IPC コンポーネントのイベント トレーシングがイネーブルになっています。各トレース メッセージには順番に番号(3667 など)が付けられ、その後に(デバイス アップタイムから取得された)タイムスタンプが記録されます。タイムスタンプの後にコンポーネント固有のメッセージ データが続きます。

Router# show monitor event-trace ipc
 
3667: 6840.016:Message type:3 Data=0123456789
3668: 6840.016:Message type:4 Data=0123456789
3669: 6841.016:Message type:5 Data=0123456789
3670: 6841.016:Message type:6 Data=0123456
 

イベント トレーシングがイネーブルになっているすべてのコンポーネントのトレース情報を表示するには、 show monitor event-trace all-traces コマンドを入力します。この例では、イベントごとに個別の出力が表示され、イベント間にメッセージ番号が挟まれます。

Router# show monitor event-trace all-traces
 
Test1 event trace:
3667: 6840.016:Message type:3 Data=0123456789
3669: 6841.016:Message type:4 Data=0123456789
3671: 6842.016:Message type:5 Data=0123456789
3673: 6843.016:Message type:6 Data=0123456789
 
Test2 event trace:
3668: 6840.016:Message type:3 Data=0123456789
3670: 6841.016:Message type:4 Data=0123456789
3672: 6842.016:Message type:5 Data=0123456789
3674: 6843.016:Message type:6 Data=0123456789
 

ステップ 3 トレース メッセージを書き込むために、ファイル名を正しく設定していることを確認してください。

Router# monitor event-trace ipc dump
 


 

トラブルシューティングのヒント

イベント トレーシングが実行中の設定で設定されていると表示されない

ソフトウェア コンポーネントに応じて、イベント トレーシング機能はデフォルトでイネーブルまたはディセーブルになります。どちらの場合も、デフォルト状態は show running-config コマンドの出力に反映されません。ただし、デフォルトでイネーブルまたはディセーブルになっているコマンドの設定を変更すると、これらの変更が show running-config コマンドの出力に表示されます。コンポーネントの状態をデフォルト(イネーブルまたはディセーブル)に戻すと、エントリは設定ファイルに表示されなくなります。

Show コマンド出力が「One or More Entries Los」と報告する

情報がコンソールに表示されている間、トレース機能はロックされません。つまり、新しいトレース メッセージをメモリ内に蓄積できます。エントリが表示できるより速く蓄積されると、一部のメッセージが失われる可能性があります。しかし、メッセージはコンソールに表示され続けます。失われたメッセージの数が多い場合は、 show コマンドでメッセージの表示を中止できます。

Show コマンド出力が予期せず終了する

情報がコンソールに表示されている間、トレース機能はロックされません。つまり、新しいトレース メッセージをメモリ内に蓄積できます。エントリが表示できるより速く蓄積されると、一部のメッセージが失われる可能性があります。失われたメッセージの数が多い場合は、 show コマンドでメッセージの表示を中止できます。

Show コマンド出力が「Tracing Currently Disabled, from EXEC Command」と報告する

Cisco IOS ソフトウェアでは、ブート時にサブシステム コンポーネントでイベント トレーシングのサポートをイネーブルにするかディセーブルにするかを定義できます。イベント トレーシングでは、ユーザは特権 EXEC モードで monitor event-trace (EXEC)コマンドを使用するか、グローバル コンフィギュレーション モードで monitor event-trace (global)コマンドを使用するか、どちらかの方法でイベント トレーシングをイネーブルまたはディセーブルにできます。この場合、イベント トレーシングを再度イネーブルにするには、これらのコマンドのどちらかの enable 形式を入力します。

Show コマンド出力が「Tracing Currently Disabled, from Config Mode」と報告する

Cisco IOS ソフトウェアでは、ブート時にサブシステム コンポーネントでイベント トレーシングのサポートをイネーブルにするかディセーブルにするかを定義できます。イベント トレーシングでは、ユーザは特権 EXEC モードで monitor event-trace disable (EXEC)コマンドを使用するか、グローバル コンフィギュレーション モードで monitor event-trace disable (global)コマンドを使用するか、どちらかの方法でイベント トレーシングをディセーブルにできます。この場合、イベント トレーシングを再度イネーブルにするには、これらのコマンドのどちらかの enable 形式を入力します。

イベント トレース メッセージが ASCII 形式で保存されない

デフォルトで monitor event-trace component dump および monitor event-trace dump-traces コマンドはトレース メッセージをバイナリ形式で保存します。トレース メッセージを ASCII 形式で保存するには、 monitor event-trace component dump pretty コマンドを使用して単一イベントのトレース メッセージを書き込むか、 monitor event-trace dump-traces pretty コマンドを使用してネットワーキング デバイスで現在イネーブルになっているすべてのイベント トレースのトレース メッセージを書き込みます。

設定例

ここでは、次の設定例について説明します。

単一コンポーネントのイベント トレーシングの設定例

複数コンポーネントのイベント トレーシングの設定例

イベント トレース サイズの設定例

イベント トレース メッセージ ファイルの設定例

単一コンポーネントのイベント トレーシングの設定例

次の例では、IPC コンポーネント イベントをトレースするようにネットワーキング デバイスが設定されています。

monitor event-trace ipc enable

複数コンポーネントのイベント トレーシングの設定例

次の例では、IPC および MBUS コンポーネント イベントをトレースするようにネットワーキング デバイスが設定されています。

monitor event-trace ipc enable
monitor event-trace mbus enable

イベント トレース サイズの設定例

次の例では、IPC トレースのサイズが 4096 エントリに設定され、MBUS トレースのサイズが 8192 エントリに設定されています。

monitor event-trace ipc size 4096
monitor event-trace mbus size 8192

イベント トレース メッセージ ファイルの設定例

次に、トレース メッセージを書き込むファイルを特定する例を示します。この例では、IPC コンポーネントと MBUS コンポーネントの両方でイベント トレーシングがイネーブルになっており、IPC トレース メッセージはフラッシュ メモリの ipcdump ファイルに書き込まれ、MBUS トレース メッセージ ファイルは TFTP サーバの mbusdump ファイルに書き込まれます。

monitor event-trace ipc dump-file slot0:ipcdump
monitor event-trace mbus dump-file TFTP:mbusdump

コマンド リファレンス

この機能に関連して、次の新しいコマンドが追加されています。これらのコマンドおよびこの機能に使用されているその他のコマンドのコマンド ページを参照するには、 http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/mcl/124mainlinemcl/124_book.html にある『 Cisco IOS Master Commands List 』リリース 12.4 にアクセスしてください。

monitor event-trace(EXEC)

monitor event-trace(グローバル)

monitor event-trace dump-traces

show monitor event-trace

Copyright © 2007-2010. シスコシステムズ合同会社.