Cisco IOS ワイドエリア ネットワーキング コンフィ ギュレーション ガイド
データ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持
データ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持
発行日;2012/02/01 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 5MB) | フィードバック

目次

データ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持

機能概要

レコード境界保持を使用する場合

レコード境界保持の動作

利点

制約事項

関連資料

サポートされているプラットフォーム

サポートされている規格、MIB、および RFC

前提条件

設定作業

着信 X.25 接続に RBP を使用するように PVC を設定

着信 X.25 接続に RBP を使用するように SVC を設定

着信 TCP 接続に RBP を使用するように PVC を設定

着信 TCP 接続に RBP を使用するように SVC を設定

レコード境界保持の確認

RBP の監視および保守

設定例

着信 X.25 接続に RBP を使用するように設定された PVC の例

着信 X.25 接続に RBP を使用するように設定された SVC の例

着信 TCP 接続に RBP を使用するように設定された PVC の例

着信 TCP 接続に RBP を使用するように設定された SVC の例

コマンド リファレンス

用語集

データ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持

機能の履歴

リリース
変更点

12.2(8)T

この機能が追加されました。

12.4(5th)T

X.25 ホストと TCP/IP ホストの間で Q ビット データ パケットを送信するための機能が追加されました。

このマニュアルでは、Cisco IOS リリース 12.2(8)T のデータ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持機能について説明します。次の項で構成されています。

「機能概要」

「サポートされているプラットフォーム」

「サポートされている規格、MIB、および RFC」

「前提条件」

「設定作業」

「RBP の監視および保守」

「設定例」

「コマンド リファレンス」

「用語集」

機能概要

データ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持機能を使用すると、TCP/IP ベースのプロトコルを使用するホストで、X.25 の「more data」ビット(M ビット)によって示される論理レコード境界を保持しながら、X.25 プロトコルを使用するデバイスとデータを交換できます。

レコード境界保持を使用する場合

データ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持機能が導入される前は、Cisco IOS ソフトウェアは、X.25 ホストと TCP/IP ベースのプロトコルを使用するホスト間のデータ交換を可能にするために、プロトコル変換と X.25 over TCP(XOT)という 2 つの方法を提供していました。プロトコル変換は、X.29 を使用する X.25 回線と TCP セッション間でのデータ ストリームの変換など、さまざまな構成をサポートしています。X.29 プロトコルは、プロトコル変換の必須部分です。X.29 は非対称で、データの X.25 パケットへのパッケージングを制御できるのは 1 方向だけという性質があります。TCP プロトコルは、パケット指向ではなくストリーム指向です。TCP では TCP データグラムの境界を重視していません。また、これらの境界は、データグラムが再送信されると変化することがあります。このように境界を保持できないため、プロトコル変換が適切なのは、X.25 パケット境界が重要ではない構成の場合だけです。

XOT 機能では、X.25 パケットを TCP セッションを介して転送できます。この機能では、X.25 回線にわたって完全な制御を行えますが、TCP セッションを終了するホストは、XOT プロトコルと X.25 パケット レイヤ プロトコルを実装する必要があります。

レコード境界保持(RBP)機能は、これら 2 つのオプションの間に位置するソリューションです。つまり、論理的なメッセージの境界を示すことができ、TCP ホストは X.25 プロトコルの詳細を認識する必要もありません。

レコード境界保持の動作

TCP プロトコルでは、データグラムの境界は重要ではないので、レコード境界情報を伝えるために TCP セッション全体でプロトコルをレイヤ化する必要があります。レコード境界保持のプロトコルは、後続のデータの量を指定し、データを論理レコードの最終部分と見なすかどうかを示す 6 バイトのレコード ヘッダーを実装します。表 1 に、レコード ヘッダーのフォーマットと内容を示します。

 

表 1 レコード ヘッダーのフォーマット

バイト
説明

バイト 0

プロトコル ID。このバイトには、値 0xD7 が含まれている必要があります。

バイト 1

プロトコル ID。このバイトには、値 0x4A が含まれている必要があります。

バイト 2 および 3

ヘッダーを含まないペイロード長(バイト数)。バイト 2 には長さの最上位バイト、バイト 3 には最下位バイトが含まれます。

バイト 4

「More data」フラグ。このバイトには、次のどちらかの値が含まれます。

0x00:このレコードはデータ ユニットの最後の部分です。

0x01:このレコードはデータ ユニットの最後の部分ではありません。

バイト 5

値 0x00 が含まれている必要があります。

RBP が設定されたルータが、設定済みの X.25 RBP マップと一致する X.25 コールを受信すると、ルータは指定された TCP 宛先に TCP 接続を開こうとします。各 TCP セッションは、1 つの X.25 仮想回線にマッピングされます。TCP セッションが確立すると、発信側から受信した X.25 データ パケットが、X.25 M ビットによって示された論理レコードに組み込まれ、データ パケットの内容が TCP 宛先に転送されます。これらのレコードの境界は、レコード ヘッダーによって保持されます。

ルータは、データ パケットが設定された最大レコード サイズを超えない限り、X.25 データ パケットを複数のレコードに分割しません。ただし、TCP は TCP の仕様に従って任意のバイト境界でデータ ストリームをセグメント化します。

M ビットが設定された X.25 データ パケットは、最終的なレコードが設定された最大レコード サイズを超過しない限り、または最大レコード サイズが設定されていない場合は、X.25 インターフェイス用の最大データグラム サイズを超過しない限り、組み合わせることができます。レコード ヘッダーの「more data」フラグは、最終的な X.25 データ パケットの M ビットの値を反映します。このパケットを組み合わせるプロセスによって、「more data」フラグが値 1 に設定された一連のレコード(またはそのようなレコードがない場合もあります)の後ろに「more data」フラグが 0 に設定されたレコードが続きます。

「delivery confirmation」ビット(D ビット)が設定された着信 X.25 コールには、D ビットを設定して応答されます。ただし、ルータは X.25 回線のエンドポイントなので、X.25 データ パケットは、D ビットの値に関係なく、TCP データの確認応答を待たずに、その内容が TCP 接続に渡されると即座に確認応答されます。TCP データは、X.25 データ パケットに変換されると即座に確認応答されます。

ルータは、X.25 回線で Receiver Not Ready(RNR)パケットを送信しないため、フロー制御は確認応答を保留して行われます。

「qualified」ビット(Q ビット)が設定されたデータ パケットの受信、データ、Receiver Ready(RR)、または RNR 以外のデータ パケットの受信、あるいは X.25 インターフェイスで再起動または低レイヤでリセットという状況では、X.25 回線はクリア(SVC に対して)またはリセット(PVC に対して)され、TCP 接続は終了します。回線がクリアまたはリセットされると、TCP 接続に渡されていないデータは破棄されます。

ルータが TCP セッションからレコードを受信すると、ルータは、レコード ヘッダー内の情報に基づいてレコード ヘッダーを取り除き、レコードを X.25 データ パケットに組み立てなおします。データは、可変長ペイロードが続く固定長ヘッダーとして解釈されます。可変長ペイロードの長さは、レコード ヘッダーで指定されています。ヘッダーのプロトコル ID またはフラグ フィールドが無効な場合、TCP 接続は終了し、X.25 回線はクリアまたはリセットされます。ペイロードの長さは X.25 パケット サイズより大きくなることがあります。また、この長さは、X.25 パケット サイズの倍数でなくてもかまいません。

「more data」フラグが設定されたレコードは、「more data」フラグがクリアされたレコードを受信するまで論理的に後続のレコードと結合されます。このプロセスにより、それぞれ M ビットが設定された最大サイズの X.25 データ パケットのシーケンスが作成され、その後ろに、M ビットが設定されていない残りのデータを含む X.25 データ パケットが続きます。ルータは、レコード全体を受信する前に、最大サイズの X.25 データ パケットを送信します。

レコードが X.25 データ パケットに組み立て直されると、パケットは対応する X.25 回線に転送されます。

ルータは、RBP が設定された回線を介して送信される X.25 データ パケットでは D ビットおよび Q ビットを設定しません。

ルータが TCP セッションから受信したデータは、もう一方の接続が確立するまでバッファに入れられます。接続の試みが失敗すると、データは破棄されます。TCP 接続が終了すると、X.25 回線はクリアまたはリセットされ、X.25 回線で送信されていないデータは破棄されます。

利点

データ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持機能を使用すると、X.25 ホストと TCP/IP ホストは、X.25 パケットの境界を保持しながら、TCP セッション中に X.25 プロトコルをフルに使用することなくデータを交換できます。

制約事項

X.25 接続は、専用回線 X.25 インターフェイスだけでサポートされます。

X.25 データ パケットの内容と X.25 の M ビットで定義されたレコード境界情報だけが、TCP セッションに送信されます。X.25 Call パケットの内容は、対応する x25 map rbp コマンドの識別だけに使用され、Call パケットの情報は、それ以外の場合 TCP ホストには転送されません。

X.25 回線がクリアまたはリセットされると、X.25 の原因および診断コードは TCP ホストに転送されません。

着信または発信コールで指定されたコール ユーザ データは、ルータに識別されるプロトコル ID 値と競合しないものでなければなりません。

関連資料

X.25 ネットワーク設定の詳細については、次のマニュアルを参照してください。

Cisco IOS Wide-Area Networking Configuration Guide , Release 12.2』の「Configuring X.25 and LAPB」

Cisco IOS Wide-Area Networking Command Reference , Release 12.2』の「X.25 and LAPB Commands」

サポートされているプラットフォーム

Cisco 2600 シリーズ

Cisco 3620

Cisco 3631

Cisco 3640

Cisco 3660

Cisco 3725

Cisco 3745

Cisco 7100 シリーズ

Cisco 7200 シリーズ

Cisco 7500 シリーズ

Cisco MC3810 シリーズ:マルチサービス アクセス コンセントレータ

Feature Navigator を使用したプラットフォーム サポートの判別

Cisco IOS ソフトウェアには、特定のプラットフォームをサポートする機能セットが同梱されています。この機能のプラットフォーム サポートに関する最新情報を入手するには、Feature Navigator にアクセスしてください。Feature Navigator では、新しいプラットフォーム サポートが機能に追加されると、サポート対象プラットフォームのリストが動的に更新されます。

Feature Navigator は、Cisco IOS ソフトウェア イメージでサポートされる特定の機能セットと特定の Cisco IOS イメージでサポートされる機能を簡単に見分けることができる Web ベースのツールです。

Feature Navigator にアクセスするには、Cisco.com のアカウントが必要です。アカウント情報を忘れたり、紛失したりした場合は、空の E メールを cco-locksmith@cisco.com に送信してください。自動チェックによって、E メール アドレスが Cisco.com に登録されているかどうかが確認されます。チェックが正常に終了したら、ランダムな新しいパスワードとともにアカウントの詳細が E メールで届きます。資格のあるユーザは、 http://www.cisco.com/register にある指示に従って、Cisco.com 上にアカウントを作成できます。

Feature Navigator は定期的に更新されています(Cisco IOS ソフトウェアの主要なリリース時およびテクノロジー リリース時)。最新情報については、次の URL から Feature Navigator ホームページにアクセスしてください。

http://www.cisco.com/go/fn

サポートされている規格、MIB、および RFC

規格

この機能によってサポートされる新しい規格や変更された規格はありません。

MIB

この機能によってサポートされる新しい MIB または変更された MIB はありません。

プラットフォームおよび Cisco IOS リリースでサポートされている MIB のリストを入手するには、Cisco.com の Cisco MIB Web サイト(次の URL)にアクセスしてください。

http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml

RFC

この機能によってサポートされる新しい RFC や変更された RFC はありません。

前提条件

このマニュアルの設定作業に関する説明では、X.25 ネットワークの設定方法を理解していることを前提としています。

設定作業

データ通信ネットワーク向け X.25 レコード境界保持の設定作業については、次の項を参照してください。次の 1 つまたは複数の作業を実行する必要があります。

着信 X.25 接続に RBP を使用するように PVC を設定

着信 X.25 接続に RBP を使用するように SVC を設定

着信 TCP 接続に RBP を使用するように PVC を設定

着信 TCP 接続に RBP を使用するように SVC を設定

着信 X.25 接続に RBP を使用するように PVC を設定

X.25 PVC で受信したデータへの応答として TCP セッションを確立し、X.25 ホストと TCP セッション間のデータ転送に RBP プロトコルを使用するようにルータを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

Router(config-if)# x25 pvc circuit rbp remote host ip-address port port [ packetsize in-size out-size ] [ source-interface interface ] [ recordsize size ] [ windowsize in-size out-size ]

X.25 PVC で受信したデータへの応答として TCP セッションを確立し、X.25 ホストと TCP セッション間のデータ転送に RBP を使用するようにルータを設定します。

PVC が RBP を使用するように設定されている場合、VC は一意である必要があります。同じ VC を参照する複数のコマンド(論理チャネル ID およびインターフェイスと一致する)は許可されません。

x25 pvc rbp remote コマンドが設定されている場合、ルータは指定された X.25 PVC でデータ パケットを受信するまで待機します。その間、ルータは回線上で X.25 リセット パケットに対して確認応答します。データ パケットを受信すると、ルータは、動的に割り当てられたローカル TCP ポート番号を使用して、設定された IP アドレスおよび TCP ポートとの TCP 接続を確立しようとします。接続に失敗すると、ルータは相手先固定接続をリセットし、TCP 接続の確立を試みる前に別のデータ パケットを待機します。このコマンドは特定の X.25 回線と関連付けられているため、コマンドごとにアクティブにできる接続は 1 つだけです。

着信 X.25 接続に RBP を使用するように SVC を設定

着信 X.25 コールへの応答として TCP セッションを確立し、X.25 回線と対応する TCP セッション間でのデータ転送に RBP を使用するようにルータを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

Router(config-if)# x25 map rbp x121-address [ cud string ] remote host ip-address port port [ accept-reverse ] [ recordsize size ] [ source-interface interface ]

着信 X.25 コールへの応答として TCP セッションを確立し、X.25 回線と対応する TCP セッション間のデータ転送に RBP を使用するようにルータを設定します。

x25 map rbp remote コマンドが設定されている場合、宛先アドレスが、コールを受信するインターフェイスで設定された X.25 アドレスと一致し、発信側のアドレスとコール ユーザ データが設定された値と一致していれば、ルータは着信 X.25 コールを受け入れます。コールを受け入れると、ルータは、動的に割り当てられたローカル TCP ポート番号を使用して、設定された IP アドレスおよび TCP ポートとの TCP 接続を開こうとします。TCP 接続を開けない場合、X.25 コールはクリアされます。受け入れ可能な X.25 コールの数は、ルータ リソースにのみ制約されます。X.25Call パケットからの情報は、TCP/IP ホストに提供されません。

着信 TCP 接続に RBP を使用するように PVC を設定

指定された TCP ポートで着信 TCP 接続を受け入れ、TCP ホストと X.25 PVC 間でデータを転送するセッションで RBP を使用するようにルータを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的

Router(config-if)# x25 pvc circuit rbp local port port [ packetsize in-size out-size ] [ recordsize size ] [ windowsize in-size out-size ]

X.25 PVC の着信データへの応答として、指定された TCP ホストおよびポートに対して TCP セッションを確立し、TCP ホストと X.25 PVC 間でデータを転送する TCP セッションで RBP プロトコルを使用するようにルータを設定します。

ローカル TCP ポート番号は一意にする必要があります。ただし、同時にアクティブになることのない複数の X.25 インターフェイスでは、それぞれに同じ TCP ポート番号を 1 度設定することができます。これには、1 つの X.25 インターフェイスが別の X.25 インターフェイスのバックアップ インターフェイスとして設定されている場合も含まれます。

PVC が RBP を使用するように設定されている場合、VC は一意である必要があります。同じ VC を参照する複数のコマンド(論理チャネル ID およびインターフェイスと一致する)は許可されません。

x25 pvc rbp local コマンドが設定されている場合、ルータは設定済み TCP ポートへの TCP 接続要求をリッスンします。接続要求が受信されるまで、X.25 PVC で受信されたデータ パケットによって PVC はリセットされます。TCP 接続要求が受信されると、接続が受け入れられ、ルータは設定された X.25 宛先回線を介して X.25 リセット パケットを送信します。リセット パケットが確認応答されると、TCP 接続は終了します。このコマンドは特定の X.25 回線と関連付けられているため、コマンドごとにアクティブにできる接続は 1 つだけです。

着信 TCP 接続に RBP を使用するように SVC を設定

着信 TCP 接続への応答として X.25 回線を確立し、TCP セッションと対応する X.25 回線間のデータ転送に RBP を使用するようにルータを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

Router(config-if)# x25 map rbp x121-address [ cud string] local port port [ cug group-number ] [ packetsize in-size out-size ] [ recordsize size ] [ reverse ] [ roa name ] [ throughput in out ] [ transit-delay milliseconds ] [ windowsize in-size out-size ]

指定された TCP ポートでの着信 TCP 接続への応答として X.25 回線を確立し、TCP セッションと対応する X.25 回線間のデータ転送に RBP を使用するようにルータを設定します。

ローカル TCP ポート番号は一意にする必要があります。ただし、同時にアクティブになることのない複数の X.25 インターフェイスでは、それぞれに同じ TCP ポート番号を 1 度設定することができます。これには、1 つの X.25 インターフェイスが別の X.25 インターフェイスのバックアップ インターフェイスとして設定されている場合も含まれます。

x25 map rbp local port コマンドが設定されている場合、ルータは設定済み TCP ポートへの TCP 接続要求をリッスンします。接続が受け入れられると、ルータは設定された X.25 宛先インターフェイス、宛先アドレス、およびコール ユーザ データを使用して X.25 コールを行います。コールが正常に完了しなかった場合、TCP 接続は終了します。TCP ポートに対して確立できる接続数は、ルータ リソースによってのみ制限されます。TCP 接続からの情報は、X.25 ホストに送信される X.25 Call パケットには含まれません。

レコード境界保持の確認

RBP 接続が正しく設定および実行されていることを確認するには、次の手順を実行します。


ステップ 1 show x25 map コマンドを入力して、設定されたアドレス マップに関する情報を表示します。

次に、 x25 pvc rbp remote コマンドを使用して RBP が設定されたルータに対する show x25 map コマンドの出力例を示します。

Router# show x25 map
 
Serial1/0:-> rbp, destination host 10.0.0.33 port 9999
PVC, 1 VC:1/P
 

次に、 x25 map rbp remote コマンドを使用して RBP が設定されたルータに対する show x25 map コマンドの出力例を示します。

Router# show x25 map
 
Serial3/0:12132 -> rbp, destination host 10.0.0.32 port 9999
permanent, 1 VC:1024
 

次に、 x25 pvc rbp local コマンドを使用して RBP が設定されたルータに対する show x25 map コマンドの出力例を示します。

Router# show x25 map
 
Serial3/0:<- rbp, listening at port 9999
PVC, 1 VC:2/P
 

次に、 x25 map rbp local コマンドを使用して RBP が設定されたルータに対する show x25 map コマンドの出力例を示します。

Router# show x25 map
 
Serial1/0:12131 <- rbp, listening at port 9999
permanent, 1 VC:1
 

show x25 map 表示フィールドの説明については、このマニュアルの後ろにある show x25 map コマンド ページを参照してください。

ステップ 2 show x25 vc コマンドを入力して、設定された SVC および PVC に関する情報を表示します。

次に、レコード境界保持を使用して設定された PVC に対する show x25 vc コマンドの出力例を示します。

Router# show x25 vc
 
PVC 2, State:D1, Interface:Serial3/0
Started 00:08:08, last input 00:00:01, output 00:00:01
recordsize:1500, connected
local address 10.0.0.1 port 9999; remote address 10.0.0.5 port 11029
deferred ack:1
Window size input:2, output:2
Packet size input:128, output:128
PS:2 PR:2 ACK:1 Remote PR:2 RCNT:1 RNR:no
P/D state timeouts:0 timer (secs):0
data bytes 8000/8000 packets 80/80 Resets 9/0 RNRs 0/0 REJs 0/0 INTs 0/0
 

show x25 pvc 表示フィールドの説明については、このマニュアルの後ろにある show x25 vc コマンド ページを参照してください。

 

ステップ 3 show tcp コマンドを入力して、TCP 接続のステータスを表示します。

次に、 show tcp コマンドからの出力例を示します。

Router# show tcp
 
Stand-alone TCP connection from host 10.0.0.5
Connection state is ESTAB, I/O status:1, unread input bytes:0
Local host:10.0.0.1, Local port:9999
Foreign host:10.0.0.5, Foreign port:11003
 
Enqueued packets for retransmit:0, input:0 mis-ordered:0 (0 bytes)
 
TCP driver queue size 0, flow controlled FALSE
 
Event Timers (current time is 0x1D0CF8):
Timer Starts Wakeups Next
Retrans 11 0 0x0
TimeWait 0 0 0x0
AckHold 10 0 0x0
SendWnd 0 0 0x0
KeepAlive 20 0 0x1DF68C
GiveUp 0 0 0x0
PmtuAger 0 0 0x0
DeadWait 0 0 0x0
 
iss:2946187848 snduna:2946188909 sndnxt:2946188909 sndwnd: 7132
irs:1353667951 rcvnxt:1353669012 rcvwnd: 7132 delrcvwnd: 1060
 
SRTT:231 ms, RTTO:769 ms, RTV:538 ms, KRTT:0 ms
minRTT:0 ms, maxRTT:300 ms, ACK hold:200 ms
Flags:passive open, retransmission timeout, keepalive running
gen tcbs
 
Datagrams (max data segment is 1460 bytes):
Rcvd:22 (out of order:0), with data:10, total data bytes:1060
Sent:21 (retransmit:0, fastretransmit:0), with data:10, total data bytes:1060


 

RBP の監視および保守

RBP を監視するには、特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

Router# debug x25

X.25 トラフィックに関する情報を表示します。

設定例

ここでは、次の設定例について説明します。

着信 X.25 接続に RBP を使用するように設定された PVC の例

着信 X.25 接続に RBP を使用するように設定された SVC の例

着信 TCP 接続に RBP を使用するように設定された PVC の例

着信 TCP 接続に RBP を使用するように設定された SVC の例

着信 X.25 接続に RBP を使用するように設定された PVC の例

次の例では、PVC 1 が X.25 ホストからデータ パケットを受信すると、ルータは IP アドレスが 10.0.0.1 の TCP/IP ホストでポート 9999 に TCP 接続を確立しようとします。

Interface Serial1/0
encapsulation x25
x25 pvc 1 rbp remote host 10.0.0.1 port 9999

着信 X.25 接続に RBP を使用するように設定された SVC の例

次の例では、シリアル インターフェイス 1/0 が 12132 から X.25 コールを受信すると、ルータはコールをマッピングし、IP アドレスが 10.0.0.1 のリモート TCP/IP ホストでポート番号 9999 に TCP 接続を開こうとします。

interface Serial1/0
encapsulation x25 dce
x25 address 12030
x25 map rbp 12132 remote host 10.0.0.1 port 9999

着信 TCP 接続に RBP を使用するように設定された PVC の例

次の例では、ルータは、ポート 9999 で TCP 接続要求をリッスンするように設定されています。TCP 接続が確立すると、ルータは設定された X.25 宛先回線を介して X.25 リセットを送信します。

Interface serial2/1
encapsulation x25
x25 pvc 2 rbp local port 9999

着信 TCP 接続に RBP を使用するように設定された SVC の例

次の例では、ルータは、ポート 9999 で TCP 接続要求を受信すると、アドレス 12131 に対してコール ユーザ データなしで X.25 コールを行います。

interface Serial1/0
encapsulation x25 dce
x25 address 13133
x25 map rbp 12131 local port 9999

コマンド リファレンス

次に示すコマンドは、このモジュールに記載されている機能または機能群において、新たに導入または変更されたものです。これらのコマンドの詳細については、『 Cisco IOS Wide-Area Networking Command Reference 』( http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/wan/command/reference/wan_book.html )を参照してください。Cisco IOS の全コマンドを参照する場合は、参照先( http://tools.cisco.com/Support/CLILookup )の Command Lookup Tool を使用するか、または『 Cisco IOS Master Commands List 』にアクセスしてください。

x25 map rbp local

x25 map rbp remote

x25 pvc rbp local

x25 pvc rbp remote

debug x25

show x25 map

show x25 vc

用語集

CUD :Call User Data(コール ユーザ データ)。カプセル化された上位レイヤ情報を含む X.25 のデータ パケットのフィールド。

CUG :Closed User Group(非公開ユーザ グループ)。ネットワークがメンバ内およびメンバと非メンバの間のアクセスを制御する DTE デバイスの集合。DTE は 1 つ以上の GUC に登録することも、まったく登録しないこともできます。GUC に登録しない DTE は、ネットワークのオープン部分にあると見なされます。

D ビット :「delivery confirmation」ビット。パケットのエンドツーエンドの確認応答を要求するために使用されるデータ パケット フラグ。

DCE :Data Communications Equipment(データ通信装置)。ユーザとネットワークを結ぶインターフェイスのネットワーク側を構成する通信ネットワークのデバイスおよび接続。DCE は、ネットワークへの物理的接続を提供し、トラフィックの転送を行い、DCE と DTE デバイス間のデータ転送を同期化するためのクロッキング信号を提供します。DCE の例として、モデルとインターフェイス カードがあります。

DTE :Data Terminal Equipment(データ端末装置)。データのソース、宛先、またはその両方として機能する、ユーザネットワーク インターフェイスのユーザ側にあるデバイス。DTE は、DCE デバイス(モデムなど)を通してデータ ネットワークを接続し、通常、DCE によって生成されたクロッキング信号を使用します。DTE には、コンピュータ、プロトコル トランスレータ、マルチプレクサなどのデバイスが含まれます。

ローカル ACK :スイッチが、次のホップからデータの確認応答を受信する前に、受信したデータ パケットを確認応答する方法。

M ビット :「more data」ビット。連続するデータのメッセージを完了するには、少なくとも 1 つ以上のデータ パケットが必要であることを示すデータ パケット フラグ。

PVC :Permanent Virtual Circuit(相手先固定接続)。永続的に確立される仮想回線。

Q ビット:「qualified」ビット。パケットのユーザ データが、ユーザへのメッセージではなく、リモート デバイスへの制御信号であることを示すデータ パケット フラグ。

RBP:Record Boundary Preservation(レコード境界保持)。TCP/IP ベースのプロトコルを使用するホストが、X.25 M ビット(「more data」ビット)が示す論理レコード境界を保持しながら、X.25 プロトコルを使用するデバイスとデータを交換する方法を定義したプロトコル。

SVC :Switched Virtual Circuit(相手先選択接続)。オンデマンドで動的に確立される仮想回線で、転送が完了すると破棄されます。SVC は、データ送信が散発的な場合に使用されます。

X.121 :X.25 ネットワークで使用されるアドレス指定スキームを説明する ITU-T 標準。X.25 アドレスとも呼ばれます。

X.25 :PDN でのリモート端末アクセスおよびコンピュータ通信で DTE と DCE 間の接続を維持する方法を定義する ITU-T 標準。X.25 では、LAPD(データリンク レイヤ プロトコル)、および PLP(ネットワークレイヤ プロトコル)を指定しています。

XOT :X.25 over TCP。