Cisco IOS ワイドエリア ネットワーキング コンフィ ギュレーション ガイド
X.25 デュアル シリアル ライン管理
X.25 デュアル シリアル ライン管理
発行日;2012/02/01 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 5MB) | フィードバック

目次

X.25 デュアル シリアル ライン管理

機能概要

利点

制約事項

関連資料

サポートされているプラットフォーム

サポートされている規格、MIB、および RFC

設定作業

X.25 デュアル シリアル ライン管理の設定

X.25 デュアル シリアル ライン管理の確認

トラブルシューティングのヒント

X.25 デュアル シリアル ライン管理の監視および保守

X.25 デュアル シリアル ライン管理の設定例

コマンド リファレンス

用語集

X.25 デュアル シリアル ライン管理

機能の履歴

リリース
変更点

12.2(13)T

この機能が追加されました。

このマニュアルでは、Cisco IOS リリース 12.2(13)T の X.25 デュアル シリアル ライン管理機能について説明します。次の項で構成されています。

「機能概要」

「サポートされているプラットフォーム」

「サポートされている規格、MIB、および RFC」

「設定作業」

「X.25 デュアル シリアル ライン管理の設定例」

「コマンド リファレンス」

「用語集」

機能概要

電話サービス プロバイダーは、データ通信ネットワーク(DCN)を使用して、ネットワーク管理アプリケーション(Operations Support Systems または OSS とも呼ばれる)とネットワーク要素間の通信を提供します。telco DCN は、X.25 プロトコル(またはその変形)を使用して、DCN にネットワーク管理情報を送信します。

図 1 は、Bell Communications Research(現 Telcordia Technologies)が開発した BX.25 プロトコルを使用する一般的な DCN を示しています。このネットワークの Lucent 5ESS スイッチは、課金データの監視、プロビジョニング、収集に BX.25 プロトコルを使用しています。

図 1 Datakit ネットワークで Lucent 5ESS を監視するネットワーク管理アプリケーション

 

Datakit ノードは、ネットワーク管理アプリケーションに通信のフロント エンドを提供し、リンクの冗長性を維持するために 2 つのリンク、SCC0 と SCC1 を提供します。リンクの 1 つはアクティブになり、ネットワーク全体でデータを受け渡します。もう 1 つはスタンバイ モードです。

Datakit ノードは、トランスポートとして機能します。そのため、ネットワーク管理アプリケーションと Lucent 5ESS スイッチからは、ノードに 2 つの別々の回線があるように見えます。ネットワーク管理アプリケーション ホストは、両方のインターフェイスでリードを供給しますが、スタンバイ インターフェイスでの Set Asynchronous Balanced Mode(SABM)メッセージは無視します。アクティブなインターフェイスで通信が失われた場合、ネットワーク管理アプリケーション ホストはスタンバイ インターフェイスの SABM メッセージに応答し、このインターフェイスがアクティブなインターフェイスになります。

以前、Incumbent Local Exchange Carrier(ILEC)は、ネットワーク管理データの送信に Lucent Datakit または X.25 を構築していました。ILEC の大手顧客は、現在、ネットワークの Lucent Datakit 部分を DCN 内の Cisco IP コア ルータに置き換えています。図 2 は、TCP/IP(XOT)での X.25 と Cisco の Serial Tunneling(STUN; シリアル トンネリング)機能を使用した一般的な移行パスを示しています。

図 2 XOT および STUN を使用したネットワーク管理アプリケーションによる Lucent 5ESS スイッチの監視

 

図 2 に示すソリューションでは、ILEC ネットワークで Lucent Datakit ネットワーク要素の一部は排除されますが、依然として Lucent 5ESS スイッチからネットワーク管理アプリケーションへのフロント エンドとして Lucent Datakit ノードが必要です。

また、Competitive Local Exchange Carrier(CLEC)は DCN を使用していないか、限定的な DCN しか使用していません。さらに、CLEC は、図 1 に示すレガシーの Lucent Datakit ソリューションの購入には関心がなく、図 2 で示す Lucent Datakit フロント エンドとともにネットワーク管理アプリケーションをインストールする方法も望んでいません。

CLEC も ILEC も、図 3 に示す IP イントラネット技術に基づく DCN を必要としています。

図 3 IP ネットワークで Lucent 5ESS を監視するネットワーク管理アプリケーション

 

図 3 に示すように、Cisco は電話サービス プロバイダーが運用コストを低減し、既存の X.25 ベースの DCN を IP ベースの DCN に変換および移行し、従来の電話事業から新しい事業に橋渡しできるソリューションを提供します。X.25 デュアル シリアル ライン管理機能は、DCN 環境に固有のアプリケーションをバンドルした Cisco IOS Telco 機能セットの一部です。特に、この機能は、X.25 から TCP へのプロトコル変換をサポートし、デュアル シリアル インターフェイスを提供して、DCN ネットワークの Lucent 5ESS スイッチ上の SCC0 および SCC1 リンクから利用できる冗長性および監視機能を維持します。

利点

X.25 デュアル シリアル ライン管理機能には次の利点があります。

DCN ネットワークの Lucent 5ESS スイッチ上の SCC0 および SCC1 リンクから利用できる冗長性および監視機能を保持します。

電話サービス プロバイダーは、既存の X.25 ベースの DCN を IP ベースの DCN に移行することで運用コストを低減できます。

さらに、Cisco IOS の translate tcp コマンドが、PVC オプション用の dynamic キーワードを使用するように更新されています。 dynamic キーワードは、PVC アプリケーションのバックアップ機能を提供します。デュアル シリアル ライン管理機能を使用して、ダイナミック PVC をアクティブなバックアップ構成の一部にすることができます。

制約事項

X.25 デュアル シリアル ライン管理機能は、Lucent 5ESS スイッチを活用し、X.25 プロトコルを実行している DCN ネットワークで使用されます。

関連資料

Cisco IOS Wide-Area Networking Configuration Guide 』の「 Configuring X.25 and LAPB 」では、X.25 の設定方法について説明しています。

Cisco のプロトコル変換機能については、『 Cisco IOS Terminal Services Configuration Guide 』の「 Configuring Protocol Translation and Virtual Asynchronous Devices 」で説明しています。

プロトコル変換に使用される translate コマンドについては、『 Cisco IOS Terminal Services Command Reference 』で説明しています。

Cisco Network Solutions for the Telco DCN: Telephone Switch Environments 』ホワイトペーパーの「Switch Monitoring Networks: Cisco X.25 BAI OSS Connectivity Solution」には、電話会社の DCN でデュアル シリアル ラインを使用したバックアップ インターフェイスの設定方法と例が記載されています。

Wide-Area Networking Configuration Guide 』の「 X.25 Record Boundary Preservation for Data Communications Networks 」には、X.25 レコード境界の保持についての関連情報が記載されています。

サポートされているプラットフォーム

Cisco 2500 シリーズ

Cisco 2600 シリーズ

Cisco 2600XM シリーズ

Cisco 3600 シリーズ

Cisco 3725 ルータ

Cisco 3745 ルータ

Cisco 7100 シリーズ

Cisco 7200 シリーズ

Cisco 7400 シリーズ

Cisco 7500 シリーズ

Cisco AS5350 アクセス サーバ

Cisco AS5300 アクセス サーバ

Cisco AS5400 アクセス サーバ

Cisco AS5800 アクセス サーバ

Cisco IGX 8400 ユニバーサル ルータ モジュール

Cisco MC3810 ルータ

Cisco MGX 8850 ルート プロセッサ モジュール

Feature Navigator を使用したプラットフォーム サポートの判別

プラットフォームのサポート、ならびに Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://tools.cisco.com/ITDIT/CFN/jsp/index.jsp からアクセスできます。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

サポートされている規格、MIB、および RFC

規格

なし

MIB

なし

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB の場所を検索してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

なし

設定作業

X.25 デュアル シリアル ライン管理機能の設定作業については、次の項を参照してください。列記した作業は、それぞれ必須の作業か任意の作業かわかるようになっています。

X.25 デュアル シリアル ライン管理の設定(必須)

X.25 デュアル シリアル ライン管理の確認(任意)

トラブルシューティングのヒント(任意)

X.25 デュアル シリアル ライン管理の監視および保守(任意)

X.25 デュアル シリアル ライン管理の設定

X.25 デュアル シリアル ライン管理機能を設定するには、X.25 プロトコルを実行するデュアル シリアル ラインを設定し、インターフェイスの 1 つでバックアップ機能をアクティブにする必要があります。これらの設定を入力するには、グローバル コンフィギュレーション モードで始まる次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface serial x / y

シリアル インターフェイスでインターフェイス設定を開始します(たとえば、シリアル 1/6 をプライマリ インターフェイスにすることができます)。

ステップ 2

Router(config-if)# backup active interface serial x / y

シリアル インターフェイス(シリアル 1/7 など)を、プライマリ シリアル インターフェイスに対するバックアップまたはスタンバイとして割り当てます。

ステップ 3

Router(config-if)# encapsulation x25 dce

X.25 DCE デバイスとしてのシリアル インターフェイスの動作を指定します。

ステップ 4

Router(config-if)# x25 address address

(任意)インターフェイスで X.121 アドレスを設定します。

追加の設定情報については、「関連資料」に示されているマニュアルを参照してください。「X.25 デュアル シリアル ライン管理の設定例」には、X.25 や X.25 から TCP へのプロトコル変換の設定に入力できるコマンドのリストもあります。

X.25 デュアル シリアル ライン管理の確認

この項で説明する検証プロセスは、次の設定に基づいています。

!
interface Serial0/0
description connects to X.25 switch
ip address 10.10.0.15 255.255.255.0
encapsulation x25 dce
backup active interface Serial0/1
x25 ltc 10
clockrate 64000
 

X.25 デュアル シリアル ライン管理機能の動作が正しいことを確認するには、EXEC モードで次の手順を実行します。


ステップ 1 show backup コマンドを使用して、アクティブ バックアップとなるインターフェイスを表示します。

Router# show backup
 
Primary Interface Secondary Interface Status
----------------- ------------------- ------
Serial0/0 Serial0/1 active backup
 

ステップ 2 show interfaces コマンドを使用して、シリアル インターフェイスを監視します。次の表示では、シリアル インターフェイス 0/1 がアップ(アクティブ)で、バックアップ インターフェイスはシリアル インターフェイス 0/0 です。

Router# show interfaces s0/1
 
Serial0/1 is up, line protocol is up
Hardware is PowerQUICC Serial
Description: connects to X.25 switch
Internet address is 10.10.0.30/24
Backup interface Serial0/0, failure delay 0 sec, secondary disable
delay 0 sec,
kickin load not set, kickout load not set
MTU 1500 bytes, BW 1544 Kbit, DLY 20000 usec,
reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
Encapsulation X25, loopback not set
X.25 DCE, address 3034, state R1, modulo 8, timer 0
Defaults: idle VC timeout 0
cisco encapsulation
input/output window sizes 2/2, packet sizes 128/128
Timers: T10 60, T11 180, T12 60, T13 60
Channels: Incoming-only none, Two-way 10-1024, Outgoing-only none
RESTARTs 2/0 CALLs 4+0/2+0/0+0 DIAGs 0/0
LAPB DCE, state CONNECT, modulo 8, k 7, N1 12056, N2 20
T1 3000, T2 0, interface outage (partial T3) 0, T4 0
VS 1, VR 1, tx NR 1, Remote VR 1, Retransmissions 0
Queues: U/S frames 0, I frames 0, unack. 0, reTx 0
IFRAMEs 130/130 RNRs 0/0 REJs 0/0 SABM/Es 2/1 FRMRs 0/0 DISCs 0/0
Last input never, output 1w3d, output hang never
Last clearing of "show interface" counters 2w2d
Queueing strategy: fifo
Output queue 0/40, 0 drops; input queue 0/75, 0 drops
5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
242 packets input, 4224 bytes, 0 no buffer
Received 0 broadcasts, 0 runts, 0 giants, 0 throttles
2 input errors, 0 CRC, 2 frame, 0 overrun, 0 ignored, 0 abort
183 packets output, 1337 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 collisions, 131 interface resets
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out
5 carrier transitions
DCD=up DSR=up DTR=up RTS=up CTS=up
 


 

トラブルシューティングのヒント

X.25 デュアル シリアル ライン管理機能の運用のトラブルシューティングを行うには、 debug backup 特権 EXEC コマンドを使用します。

X.25 デュアル シリアル ライン管理の監視および保守

X.25 デュアル シリアル ライン管理機能の監視および保守を行うには、「X.25 デュアル シリアル ライン管理の確認」に示すコマンドと手順を使用します。

X.25 デュアル シリアル ライン管理の設定例

次の例では、X.25 プロトコルにデュアル シリアル ライン(シリアル 1/6 と 1/7)が設定されています。シリアル インターフェイス 1/6 は、プライマリ インターフェイスとして、シリアル インターフェイス 1/7 はバックアップ インターフェイスとして設定されています。X.25 から TCP へのプロトコル変換も設定されています。

interface Serial1/6
description SCC0
backup active interface serial 1/7
encapsulation x25 dce
x25 address 66666666
x25 ltc 8
x25 ips 256
x25 ops 256
clockrate 9600
!
interface Serial1/7
description SCC1
encapsulation x25 dce
x25 address 66666666
x25 ltc 8
x25 ips 256
x25 ops 256
clockrate 9600
!
x25 route ^66666666 interface Serial1/6
x25 route ^66666666 interface Serial1/7
!
translate tcp 172.20.21.188 port 1025 x25 66666666 pvc 1 dynamic max-users 1
translate tcp 172.20.21.188 port 1026 x25 66666666 pvc 2 dynamic max-users 1
translate tcp 172.20.21.188 port 1027 x25 66666666 pvc 3 dynamic max-users 1
translate tcp 172.20.21.188 port 1028 x25 66666666 pvc 4 dynamic max-users 1
translate tcp 172.20.21.188 port 1029 x25 66666666 pvc 5 dynamic max-users 1
translate tcp 172.20.21.188 port 1030 x25 66666666 pvc 6 dynamic max-users 1
translate tcp 172.20.21.188 port 1031 x25 66666666 pvc 7 dynamic max-users 1

コマンド リファレンス

次に示すコマンドは、このモジュールに記載されている機能または機能群において、新たに導入または変更されたものです。これらのコマンドの詳細については、『 Cisco IOS Wide-Area Networking Command Reference 』( http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/wan/command/reference/wan_book.html )を参照してください Cisco IOS の全コマンドを参照する場合は、参照先( http://tools.cisco.com/Support/CLILookup )の Command Lookup Tool を使用するか、または『 Cisco IOS Master Commands List 』にアクセスしてください。

backup active interface

debug backup

show backup

用語集

データ通信ネットワーク :「DCN」を参照してください。

DCN :データ通信ネットワーク。ネットワーク要素とそれぞれに対応する OSS 間の接続を提供する帯域外ネットワーク。その主な機能は、電話会社のネットワークの監視とステータスを有効にすることですが、プロビジョニング、課金、計画、サービス保証などのネットワーク運用および管理業務を容易にします。

CLEC :Competitive Local Exchange Carrier。都市部で通信ネットワークを構築および運営し、顧客に地域の電話会社の代替となるサービスを提供する会社。

Competitive Local Exchange Carrier :「CLEC」を参照してください。

ILEC :Incumbent Local Exchange Carrier。電話網を構成するケーブルを管理する地域の電話会社。

Incumbent Local Exchange Carrier :「ILEC」を参照してください。

Lucent 5ESS スイッチ :地域の契約者と電話網を接続する Class 5 ローカル テレフォニー スイッチ。

ネットワーク要素 :基本となるネットワークに必須の機能またはサービスを実行するために使用される通信機器の 1 つ。

ネットワーク管理アプリケーション :サービス プロバイダーのネットワークの要素を管理するためのアプリケーション。Class 5 ローカル テレフォニー スイッチでは、アプリケーションは、スイッチの監視、スイッチのプロビジョニング、通話の詳細レコードの収集、およびトラフィック データの収集に使用されます。これらのアプリケーションには、Lucent の Network Fault Management(NFM)アプリケーションや Telcordia Technologies の Network Monitoring and Assurance(NMA)システムなどの OSS があります。

Operations Support System :「OSS」を参照してください。

OSS :Operations Support System。DCN ネットワークの管理および運営用アプリケーション。

SABM :Set Asynchronous Balanced Mode。リンクの動作モードを設定する Link Access Procedure, Balanced(LAPB; 平衡型リンク アクセス手順)データ リンク レイヤ メッセージ。

Set Asynchronous Balanced Mode :「SABM」を参照してください。

telco :「telephone company(電話会社)」の短縮形。

X.25 プロトコル :ネットワーク内でのリモート端末アクセスおよびコンピュータ通信でデータ端末機器とデータ通信機器間の接続を維持する方法を定義した ITU-T 標準。