Cisco IOS マルチプロトコル ラベル スイッチング コ ンフィギュレーション ガイド リリース15.1
MPLS ラベル配布プロトコル MIB
MPLS ラベル配布プロトコル MIB
発行日;2012/01/16 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 14MB) | フィードバック

目次

MPLS ラベル配布プロトコル MIB

この章の構成

MPLS LDP MIB の制約事項

MPLS LDP MIB に関する情報

MPLS LDP の概要

MPLS LDP MIB の概要

MPLS LDP MIB を使用する利点

MPLS LDP MIB 要素の説明

LDP エンティティ

LDP ピア

LDP セッション

LDP Hello 隣接

MPLS LDP MIB オブジェクトのカテゴリ

MPLS LDP MIB 通知を生成するイベント

MPLS LDP MIB の設定方法

SNMP エージェントのイネーブル化

ルータによる SNMP トラップ送信の設定

SNMP エージェントのステータスの確認

MPLS LDP MIB の設定例

その他の関連資料

関連資料

規格

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

コマンド リファレンス

MPLS ラベル配布プロトコル MIB

このマニュアルでは、Cisco IOS ソフトウェアで提供される、該当する Cisco IOS ハードウェア プラットフォーム上の MPLS Label Distribution Protocol(LDP; ラベル配布プロトコル)Management Information Base(MIB; 管理情報ベース)用の Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)エージェント サポートについて説明します。

MPLS LDP MIB 機能の履歴

リリース
変更点

12.0(11)ST

この機能は、Cisco 7200、Cisco 7500、および Cisco 12000 シリーズ ルータで MPLS LDP MIB を使用する場合の SNMP エージェント サポートを提供するために導入されました。

12.2(2)T

この機能は、Cisco 7200 および Cisco 7500 シリーズ ルータで MPLS LDP MIB を使用する場合の SNMP エージェント サポートを提供するために、このリリースに統合されました。

12.0(21)ST

snmp-server enable traps mpls ldp コマンドが導入されました。

12.2(13)T

snmp-server enable traps mpls ldp コマンドが Cisco IOS Release 12.2(13)T に統合されました。

12.0(30)S

この機能は、Cisco IOS Release 12.0(30)S に統合されました。

12.2(27)SBC

この機能は、Cisco IOS Release 12.2(27)SBC に統合されました。

12.2(28)SB

この機能は、Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合されました。

12.2(33)SRA

この機能は、Cisco IOS Release 12.2(33)SRA に統合されました。

12.2(33)SXH

この機能は、Cisco IOS Release 12.2(33)SXH に統合されました。

プラットフォームと Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポート情報の検索

プラットフォームのサポートと Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

MPLS LDP MIB の制約事項

MPLS LDP MIB では、MIB オブジェクトに対するアクセス権が read-only(RO; 読み取り専用)に制限されます。ただし、SNMP エージェントによる書き込みが可能な MIB オブジェクト mplsLdpSessionUpDownTrapEnable を除きます。

このオブジェクトの値を true に設定すると、Label Switched Router(LSR; ラベル スイッチド ルータ)で mplsLdpSessionUp 通知と mplsLdpSessionDown 通知の両方がイネーブルになります。逆に、このオブジェクトの値を false に設定すると、これらの両方の通知がディセーブルになります。mplsLdpSessionUpDownTrapEnable オブジェクトの値は、MPLS LDP MIB ホスト上の NVRAM に格納されます。

通知イベントについては、「MPLS LDP MIB 通知を生成するイベント」を参照してください。

ほとんどの MPLS LDP MIB オブジェクトは、LDP ピアのディスカバリ(Hello)プロセス、および以降の LDP ピア間 LDP セッションのパラメータや確立のネゴシエーション中に自動的に設定されます。

MPLS LDP MIB に関する情報

MPLS LDP MIB をイネーブルにする前に、次の概念を理解しておく必要があります。

「MPLS LDP の概要」

「MPLS LDP MIB の概要」

「MPLS LDP MIB を使用する利点」

「MPLS LDP MIB 要素の説明」

「MPLS LDP MIB オブジェクトのカテゴリ」

「MPLS LDP MIB 通知を生成するイベント」

MPLS LDP の概要

Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)は、パケット転送テクノロジーであり、パケットでラベルと呼ばれる短い固定長の値を使用して、Label Switching Router(LSR; ラベル スイッチング ルータ)による MPLS ネットワークでのパケット転送のネクスト ホップを特定します。

MPLS の基本原則として、MPLS ネットワーク内の LSR は、パケット転送動作に使用されるラベルの定義に同意する必要があります。ラベルの同意は、Label Distribution Protocol(LDP; ラベル配布プロトコル)で定義されている手順によって MPLS ネットワークで行われます。

LDP 動作はディスカバリ(Hello)プロセスで始まります。そのプロセスの間に、LDP エンティティ(ローカル LSR)はネットワーク内の連携する LDP ピアを探し、LSR とピア間で基本動作手順をネゴシエートします。このディスカバリ プロセスによってピアが認識および識別されると、Hello 隣接が確立されます。これは、ローカル LSR とその LDP ピア間でラベル バインディング情報が交換されるコンテキストを表します。その後、LDP 機能によって、2 つの LSR 間にアクティブな LDP セッションが確立され、ラベル バインディング情報が交換されます。このプロセスが MPLS ネットワーク内のすべての LSR に関して完了すると、通信ネットワーク デバイス間のエンドツーエンドのパケット伝送経路を構成する Label Switched Path(LSP; ラベル スイッチド パス)が確立されます。

LSR は、LDP によってラベル バインディング情報を収集し、MPLS ネットワーク内の他の LSR に配布したり解放したりできます。これにより、ネットワーク内のパケットを正常に経路選択されたパスに沿ってホップバイホップで転送できるようになります。

MPLS LDP MIB の概要

MPLS LDP MIB は、Cisco IOS におけるラベル スイッチング機能について標準の SNMP ベースのネットワーク管理を実行できるようにするために実装されました。この機能を使用するには、ネットワーク内の指定した Network Management Station(NMS; ネットワーク管理ステーション)で SNMP エージェント コードを実行する必要があります。NMS は、MPLS LDP MIB 内のネットワーク管理オブジェクトとのユーザ対話手段として機能します。

SNMP エージェントは、Cisco IOS と互換性のある階層構造を具体化し、MPLS LDP MIB 内のオブジェクト、さらに Cisco IOS によってサポートされる豊富なラベル スイッチング機能とのネットワーク管理インターフェイスを提供します。

SNMP エージェントによって、標準の SNMP get 操作で MPLS LDP MIB オブジェクトにアクセスして、さまざまなネットワーク管理作業を実行できます。MPLS LDP MIB 内のすべてのオブジェクトは、Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)ドラフト MIB( draft-ietf-mpls-ldp-mib-08.txt )の規定に従っています。このドラフト MIB では、ネットワーク管理オブジェクトが構造化および標準化された形式で定義されています。このドラフト MIB は、標準規格としての地位獲得に向けて絶えず発展しています。それに応じて、MPLS LDP MIB は、この IETF ドキュメントの発展に追随する形で実装されます。

IETF ドラフト MIB と Cisco IOS における同等の機能の実装には若干の違いがあるため、MPLS LDP MIB オブジェクトと Cisco IOS の内部データ構造の間で多少の変換が必要になります。このような変換は、SNMP エージェントによって行われます。SNMP エージェントは、NMS ワークステーションでプライオリティの低いプロセスとしてバックグラウンドで実行されます。

MPLS LDP MIB には次の機能が用意されています。

MPLS LDP MIB は、イベント通知メッセージを生成および送信して、LDP セッション ステータスの変更を通知できる。

SNMP CLI コマンドを使用して、イベント通知メッセージをイネーブルおよびディセーブルにすることができる。

ネットワークを管理するために、イベント通知メッセージの送信先 NMS ワークステーションの名前または IP アドレスを指定できる。

イベント通知メッセージに関連する設定を NMS の不揮発性メモリ(NVRAM)に格納できる。

MPLS LDP MIB の構造は、Abstract Syntax Notation One(ASN.1; 抽象構文記法 1)に準拠しているため、高度に構造化された理想的なネットワーク管理オブジェクトのデータベースが形成されます。

標準の SNMP アプリケーションを使用すると、標準の SNMP GET 操作によって MPLS LDP MIB から情報を取得し、表示できます。同様に、SNMP GETNEXT 操作によって MIB 内を移動し、情報を表示できます。


) 実装の時点では MPLS LDP MIB に Internet Assigned Numbers Authority(IANA; インターネット割り当て番号局)Experimental OID が割り当てられていなかったため、シスコは Cisco Experimental OID 番号に基づいて MIB を実装しました。
ciscoExperiment 1.3.6.1.4.1.9.10
mplsLdpMIB 1.3.6.1.4.1.9.10.65
MPLS LDP MIB に IANA Experimental OID 番号が割り当てられた場合、シスコは Cisco Experimental OID に基づく MIB 内のすべてのオブジェクトを廃止し、IANA Experimental OID に基づくオブジェクトに置き換えます。


MPLS LDP MIB を使用する利点

MPLS LDP MIB には次の利点があります。

MPLS ネットワークにおけるピア デバイス間の LDP セッションの確立

次のような LDP エンティティの動作に関連する MIB パラメータの取得:

既知の LDP ディスカバリ ポート

Maximum Transmission Unit(MTU; 最大伝送ユニット)

提示されるキープアライブ タイマー間隔

ループ検出

セッション確立しきい値

ラベルの形成に使用される VPI/VCI ペアの範囲

次のような LDP 動作に関連する統計情報の収集:

LDP エンティティに対して確立されたセッションの合計数

LDP エンティティに対して試行されたセッションの合計数

Hello 隣接の残り時間の監視

次のような LDP ピアの特性とステータスの監視:

LDP ピアのインターネットワーク レイヤ アドレスのタイプ

LDP ピアの実際のインターネットワーク レイヤ アドレス

LDP ピアのデフォルト MTU

LDP ピアがキープアライブ インターバルの値として提示する秒数

LDP ピアに認識される VPI/VCI ラベル範囲の設定

次のような LDP セッションの特性とステータスの監視:

LDP セッションによって使用される LDP バージョンの特定

LDP セッションの残りのキープアライブ保留時間の確認

LDP セッションの状態の確認(セッションがアクティブかどうか)

LDP セッションによって使用される VPI/VCI ペアの範囲の確認

LDP セッションの最後のアクティブ インターフェイスの確認

MPLS LDP MIB 要素の説明

MPLS LDP MIB には、次の要素があります。

LDP エンティティ:ラベル スペースの交換を目的とした LDP インスタンスに関連します。

LDP ピア:リモート LDP エンティティ(つまり、非ローカル LSR)を意味します。

LDP セッション:ローカル LSR とリモート LDP ピア間のアクティブな LDP プロセスを意味します。

Hello 隣接:MPLS ネットワーク内の 2 つの LSR の状態を相互に隣接している(つまり、LDP ピアである)と確認する LDP ディスカバリ プロセスの結果を意味します。

Hello 隣接は、MPLS ネットワーク内における 2 つの LSR 間の動作コンテキストを構成します。この隣接は、ラベル バインディング情報の交換に使用されます。

これらの MPLS LDP MIB 要素については、以降の各見出しで簡単に説明します。

実際には、MPLS LDP MIB は、格納されている各種 MIB オブジェクトへのリアルタイム アクセスをサポートするネットワーク管理データベースを提供します。このデータベースには、ネットワークにおける MPLS LDP 動作の現在の状態が反映されます。このネットワーク管理情報データベースにアクセスするには、MPLS/LDP 稼動環境で NMS から標準の SNMP コマンドを使用します。

MPLS LDP MIB は、次のネットワーク管理アクティビティをサポートします。

LDP 動作に関連する MPLS LDP MIB パラメータの取得

LDP ピアの特性とステータスの監視

LDP ピア間の LDP セッション ステータスの監視

ネットワークにおける Hello 隣接の監視

LDP セッションに関する統計情報の収集

LDP エンティティ

LDP エンティティは、オブジェクト名 mplsLdpEntityLdpId を持つ LDP ID によって一意に識別されます。このオブジェクトは、ルータ ID(4 オクテット)とインターフェイス番号(2 オクテット)で構成されます。ルータ ID によって、LSR に割り当てられた IP アドレスが符号化されます。インターフェイス番号は、LSR 内で使用可能な特定のラベル スペースを識別します。

LDP エンティティは、LDP ピアに配布されるラベル スペースを表します。インターフェイス固有の LDP エンティティの場合、ラベル スペースは 1 つの LDP セッションによって 1 つの LDP ピアに配布されます。

プラットフォーム全体の LDP エンティティは、複数の LDP ピアに関連付けることができます。この場合、ラベル スペースは、各ピアに関連する個別の LDP セッションによって、複数の LDP ピアに配布されます。

LDP ピア

LSR に別の LSR または複数の LSR にアドバタイズするラベル スペースがある場合、ラベル スペース情報を受信する LSR ごとに 1 つの LDP セッションが存在します。ラベル スペース情報の受信者は、LDP ピアと呼ばれます。

インターフェイス単位 のラベル スペースは、1 つの LDP セッションによって 1 つの LDP ピアにアドバタイズされます。 プラットフォーム単位 のラベル スペースは、複数の LDP セッションによって複数の LDP ピアにアドバタイズされます。

複数のプラットフォーム単位の LDP ピアが存在する可能性があるため、LDP エンティティは一意の LDP タグだけではなく LDP インデックスでも識別されます。この場合、ラベル スペースは同じですが、LDP インデックスによって、ラベル スペースが複数の LDP ピアに配布されるときに使用される LDP セッションが識別されます。

LDP セッション

ローカル エンティティとリモート ピア間の LDP セッションは、ラベル スペースを配布します。LDP ピアと LDP セッションの間には、常に 1 対 1 の対応関係があります。1 つの LDP セッションは、1 つの LDP ピアとの 1 つ以上のネットワーク リンクで通信するラベル配布プロトコル インスタンスです。プラットフォーム全体の LDP エンティティの場合は、複数の LDP セッションおよびそれに対応する数のリモート LDP ピアが存在する可能性があります。

LDP Hello 隣接

LDP セッションは、ピア プロトコル インスタンスへの 1 つ以上のネットワーク リンクで通信する LDP インスタンスです。LDP が実行されるリンクごとに LDP Hello 隣接が存在します。同じ LDP ピアへのリンクが複数ある場合は、常に複数のリンク隣接が存在します。プラットフォーム全体のラベル スペースの場合は、たとえば、ラベル スペースがアドバタイズされる LSR ごとに、個別の LDP ピアと LDP セッションの関係があります。

MPLS LDP MIB オブジェクトのカテゴリ

MPLS LDP MIB には、IETF ドラフト ドキュメント( draft-ietf-mpls-ldp-08.txt )に定義されている MPLS ラベル配布プロトコルの管理対象オブジェクトの定義が多数含まれています。

MPLS LDP MIB 内の管理対象オブジェクトは、次のカテゴリに従って構造化されています。

MPLS LDP Textual Conventions

MPLS LDP Objects

MPLS Label Distribution Protocol Entity Objects

LDP Entity Objects for Generic Labels

LDP Entity Objects for ATM

MPLS LDP Entity Configured ATM Label Range Table

MPLS Entity Objects for Frame Relay

Frame Relay Label Range Components

MPLS LDP Entity Statistics Table

MPLS LDP Entity Peer Table

MPLS LDP Hello Adjacency Table

MPLS LDP Sessions Table

MPLS LDP ATM Session Information

MPLS LDP Frame Relay Session Information

MPLS LDP Session Statistics Table

Address Message/Address Withdraw Message Information

MPLS LDP LIB Table

MPLS LDP FEC Table

Notifications

Module Conformance Statement

MPLS LDP MIB 通知を生成するイベント

snmp-server enable traps mpls ldp コマンドを発行して MPLS LDP MIB 通知機能をイネーブルにすると、通知メッセージが生成され、ネットワーク内の指定した NMS に送信されます。これにより、Cisco IOS 内で特定のイベントが発生したことが通知されます。

LDP ステータスの移行とイベント通知を知らせる MPLS LDP MIB オブジェクトは次のとおりです。

mplsLdpSessionUp:このメッセージは、LDP エンティティ(ローカル LSR)によって別の LDP エンティティ(ネットワーク内の隣接 LDP ピア)との LDP セッションが確立されると生成されます。

mplsLdpSessionDown:このメッセージは、ローカル LSR とその隣接 LDP ピア間の LDP セッションが終了すると生成されます。

アップ通知とダウン通知は、LDP セッションにおける最後のアクティブ インターフェイスを示します。

mplsLdpPathVectorLimitMismatch:このメッセージは、ローカル LSR によって、その隣接ピアである LSR との LDP セッションが確立され、2 つの LSR でパス ベクトル制限が異なる場合に生成されます。

パス ベクトル制限の値の範囲は 0 ~ 255 です。値が 0 の場合、ループ検出はオフです。0 以外の 255 までの値の場合、ループ検出はオンで、さらにネットワーク内のループ状態が検知されるまでに LDP メッセージが通過できるホップの最大数が示されます。

ネットワーク内のすべての LDP 対応ルータに同じパス ベクトル制限を設定することを推奨します。mplsLdpPathVectorLimitMismatch オブジェクトが MPLS LDP MIB に存在するは、LDP 動作に関わっている 2 つのルータのパス ベクトル制限が異なる場合に NMS に警告メッセージを送信するためです。

mplsLdpFailedInitSessionThresholdExceeded:このメッセージは、ローカル LSR と隣接 LDP ピアが、それらの間に LDP セッションを確立しようとして失敗し、その試行回数が指定数を超えた場合に生成されます。デフォルトの試行回数は 8 回です。このデフォルト値は、Cisco IOS に実装され、CLI でも SNMP エージェントでも変更できません。

デバイス間の何らかの非互換により、ローカル LSR と LDP ピア間の LDP セッションの確立に 8 回失敗すると、この通知メッセージが生成されます。

一般に、Cisco ルータは複数のプラットフォームで同じ機能をサポートします。したがって、Cisco LSR 間で最も発生する可能性が高い非互換は、それぞれの ATM VPI/VCI ラベル範囲のミスマッチです。

たとえば、LSR に有効なラベルの範囲を指定し、その範囲が隣接 LDP ピアの範囲と重ならない場合、ルータは LDP ピアとの LDP セッションを 8 回確立しようとします。その後、mplsLdpFailedInitSessionThresholdExceeded 通知が生成され、情報メッセージとして NMS に送信されます。

動作上、ラベル範囲が重ならない LSR は、8 回のリトライ制限を超えても、それらの LSR 間の LDP セッションを確立しようとし続けます。そのような場合、LDP しきい値超過通知によって、ネットワーク内に注意すべき状態があることがネットワーク管理者に知らされます。

RFC 3036『 LDP Specification 』に、MPLS ネットワーク内の Cisco ルータやその他の LSR 間に存在する可能性がある非互換について詳しく記載されています。このような非互換の例を次に示します。

LDP セッションを確立しようとする LSR 間で、ATM VPI/VCI 範囲が重ならない(前述のとおり)、またはフレーム リレー DLCI 範囲が重ならない。

ラベル配布方式がサポートされていない。

Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)サイズが異なる。

LDP 機能のサポートが異なる。

MPLS LDP MIB の設定方法

ここでは、MPLS LDP MIB の設定作業について説明します。

「SNMP エージェントのイネーブル化」(必須)

「ルータによる SNMP トラップ送信の設定」(必須)

「SNMP エージェントのステータスの確認」 (任意)

SNMP エージェントのイネーブル化

デフォルトでは、MPLS LDP MIB の SNMP エージェントはディセーブルになっています。ホスト NMS ワークステーション上の SNMP エージェントをイネーブルにするには、次の手順を実行します。

手順の概要

1. enable

2. show running-config

3. configure terminal

4. snmp-server community string [ view view-name ] [ ro | rw ] [ acl - number ]

5. do copy running-config startup-config

6. exit

7. show-running config [ interface | map-class ]

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。

ステップ 2

show running-config

 

Router# show running-config

実行コンフィギュレーションを表示して、SNMP エージェントがすでに実行されているかどうかを確認します。

SNMP 情報が表示されない場合は、次のステップに進みます。SNMP 情報が表示された場合は、情報を必要に応じて修正したり変更したりできます。

ステップ 3

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

snmp-server community string [ view view-name ] [ ro | rw ] [ acl - number ]

 

Router(config)# snmp-server community comaccess ro

SNMP プロトコルへのアクセスを許可するようにコミュニティ アクセス ストリングを設定します。

string 引数はパスワードのように機能し、SNMP プロトコルへのアクセスを許可します。

view view-name キーワードと引数のペアには、以前に定義されたビューの名前を指定します。ビューには、コミュニティで使用できるオブジェクトが定義されています。

ro キーワードは、読み取り専用アクセスであることを指定します。MIB オブジェクトを取得できるのは、許可された管理ステーションだけです。

rw キーワードは、読み取り/書き込みアクセスであることを指定します。MIB オブジェクトの取得と変更の両方を実行できるのは、許可された管理ステーションです。

acl-number 引数は、1 ~ 99 の整数で、コミュニティ ストリングを使用した SNMP エージェントへのアクセスが許可される IP アドレスのアクセス リストを指定します。

ステップ 5

do copy running-config startup-config

 

Router(config)# do copy running-config startup-config

変更された設定をスタートアップ コンフィギュレーション ファイルとして不揮発性メモリ(NVRAM)に保存します。

do コマンドを使用すると、コンフィギュレーション モードで EXEC レベルのコマンドを実行できます。

ステップ 6

exit

 

Router(config)# exit

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show running-config [ interface | map-class ]

 

Router# show running-config | include smnp-server

(任意)ルータ上の現在の設定情報、特定のインターフェイスの情報、またはマップクラス情報を表示します。

show running-config コマンドを使用すると、 snmp-server 文が出力に表示されることをチェックできます。

ルータによる SNMP トラップ送信の設定

トラップをホストに送信するようにルータを設定するには、この作業を実行します。

snmp-server host コマンドを使用して、トラップを受信するホストを指定します。 snmp-server enable traps コマンドでは、指定したトラップのトラップ生成メカニズムをグローバルにイネーブルにします。

ホストでトラップを受信するには、そのホストに snmp-server host コマンドを設定し、一般的には snmp-server enable traps コマンドを使用してトラップをグローバルにイネーブルにする必要があります。


snmp-server host コマンド自体を使用して community-string 引数を設定できますが、snmp-server community コマンドを使用してこのストリングを定義してから snmp-server host コマンドを使用することを推奨します。


手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. snmp-server host host-addr [ traps | informs ] [ version { 1 | 2c | 3 [ auth | noauth | priv ]}] community-string [ udp-port port ] [ notification-type ] [ vrf vrf-name ]

4. snmp-server enable traps mpls ldp [ session-down ] [ session-up] [ pv-limit ] [ threshold ]

5. end

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

snmp-server host host-addr [ traps | informs ] [ version { 1 | 2c | 3 [ auth | noauth | priv ]}] community-string [ udp-port port ] [ notification-type ] [ vrf vrf-name ]

 

Router(config)# snmp-server host 172.20.2.160 traps comaccess mpls-ldp

SNMP 通知動作の受信者を指定します。

host-addr 引数には、ホスト(ターゲット受信者)の名前またはインターネット アドレスを指定します。

traps キーワードを指定すると、このホストに SNMP トラップが送信されます。これがデフォルトです。

informs キーワードを指定すると、このホストに SNMP 応答要求が送信されます。

version キーワードには、トラップの送信に使用する SNMP のバージョンを指定します。最も安全なモデルはバージョン 3 です。このバージョンでは、 priv キーワードを使用してパケットを暗号化できるためです。 version キーワードを使用する場合は、次のいずれかを指定する必要があります。

1 :SNMPv1。このオプションは、informs とともに使用することはできません。

2c :SNMPv2C。

3 :SNMPv3。 version 3 キーワードのあとに 3 つのオプション キーワード( auth noauth priv )を指定できます。

community-string 引数は、通知動作で送信される、パスワードに似たコミュニティ ストリングです。

udp-port port キーワードと引数のペアには、使用するホストの UDP ポートを指定します。デフォルト値は 162 です。

notification-type 引数には、ホストに送信する通知のタイプを指定します。タイプが指定されていない場合は、すべての通知が送信されます。

vrf vrf-name キーワードと引数のペアには、SNMP 通知の送信に使用する VRF テーブルを指定します。

ステップ 4

snmp-server enable traps mpls ldp [ session-down ][ session-up ]
[ pv-limit ][ threshold ]

 
Router(config)# snmp-server enable traps mpls ldp session-down session-up

ルータで MPLS VPN 固有の SNMP 通知(トラップと応答要求)を送信できるようにします。

session-down キーワードを指定すると、LDP セッションのダウン通知(mplsLdpSessionDown)を制御(イネーブルまたはディセーブルに)できます。このメッセージは、ルータとその隣接 LDP ピア間の LDP セッションが終了すると生成されます。

session-up キーワードを使用すると、LDP セッションのアップ通知(mplsLdpSessionUp)を制御(イネーブルまたはディセーブルに)できます。この通知は、ルータによって別の LDP エンティティ(ネットワーク内の隣接 LDP ピア)との LDP セッションが確立されると生成されます。

pv-limit キーワードを使用すると、Path Vector(PV; パス ベクトル)制限の通知(mplsLdpPathVectorLimitMismatch)を制御(イネーブルまたはディセーブルに)できます。この通知は、ルータによって、その隣接ピアである LSR との LDP セッションが確立され、2 つの LSR でパス ベクトル制限が異なる場合に生成されます。

threshold キーワードを使用すると、PV 制限の通知(mplsLdpFailedInitSessionThresholdExceeded)を制御(イネーブルまたはディセーブルに)できます。この通知は、ルータと LDP ピア間の LDP セッションの確立に 8 回失敗すると生成されます。デバイス間に何らかの非互換がある場合にもセッションの確立に失敗することがあります。

ステップ 5

end

 

Router(config)# end

(任意)終了して、特権 EXEC モードに戻ります。

SNMP エージェントのステータスの確認

ホスト NMS ワークステーションで SNMP エージェントがイネーブルになっていることを確認するには、次の手順を実行します。

手順の概要

1. enable

2. show running-config

手順の詳細


 

ステップ 1 enable

このコマンドを使用して、ホスト NMS 上の SNMP をイネーブルにします。例を示します。

Router# enable

ステップ 2 show running-config

このコマンドを使用すると、ホスト NMS 上の実行コンフィギュレーションを表示したり、SNMP 情報の出力を調べたりできます。例を示します。

Router# show running-config
.
.
.
snmp-server community public RO
snmp-server community private RO
 

上記のような形式の出力に snmp-server 文がある場合は、SNMP エージェントがホスト NMS ワークステーションでイネーブルになっていることを確認できます。


 

MPLS LDP MIB の設定例

次に、ホスト NMS 上で SNMP エージェントをイネーブルにする例を示します。

Router# config terminal
 
Router(config)# snmp-server community
 

次に、ホスト NMS 上の SNMPv1 と SNMPv2C をイネーブルにする例を示します。設定では、コミュニティ ストリング public を使用して、SNMP エージェントが読み取り専用アクセス権ですべての MPLS LDP MIB オブジェクトにアクセスすることを許可しています。

Router(config)# snmp-server community public
 

次に、comaccess コミュニティ ストリングを指定するアクセス リスト 4 のメンバに、すべての MPLS LDP MIB オブジェクトへの読み取り専用アクセスを許可する例を示します。その他の SNMP エージェントは MPLS LDP MIB オブジェクトにアクセスできません。

Router(config)# snmp-server community comaccess ro 4
 

次に、セッション アップとセッション ダウンの LDP 通知をイネーブルにする例を示します。

Router(config)# snmp-server enable traps mpls ldp session-up
Router(config)# snmp-server enable traps mpls ldp session-down

その他の関連資料

ここでは、MPLS LDP MIB に関する関連資料について説明します。

関連資料

関連項目
参照先

MPLS LDP の設定作業

『MPLS Label Distribution Protocol』

『MPLS LDP-IGP Synchronization』

MPLS LDP コマンド:コマンド構文、コマンド モード、コマンド履歴、デフォルト設定、使用上のガイドライン、および例

『Cisco IOS Multiprotocol Label Switching Command Reference』

規格

規格
タイトル

この機能によってサポートされる新しい規格または変更された規格はありません。またこの機能による既存規格のサポートに変更はありません。

--

MIB

MIB
MIB リンク

MPLS LDP MIB

Cisco IOS Release 12.0(11)ST、12.2(2)T、およびそれ以降のリリース:MPLS LDP MIB 用の SNMP エージェント サポートを提供します。

Cisco IOS Release 12.0(21)ST、12.2(13)T、12.0(30)S、およびそれ以降のリリース:MPLS LDP MIB 用の SNMP エージェント サポートと MPLS LDP MIB 通知のサポートを提供します。

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC
タイトル

RFC 3036

LDP Specification

RFC 3037

LDP Applicability

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。

以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。

テクニカル サポートを受ける

ソフトウェアをダウンロードする

セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける

ツールおよびリソースへアクセスする

Product Alert の受信登録

Field Notice の受信登録

Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索

Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する

トレーニング リソースへアクセスする

TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する

この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

http://www.cisco.com/techsupport

コマンド リファレンス

次のコマンドは、この章に記載されている機能または機能群において、新たに導入または変更されたものです。これらのコマンドの詳細については、『 Cisco IOS Multiprotocol Label Switching Command Reference 』( http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/mpls/command/reference/mp_book.html )を参照してください。Cisco IOS の全コマンドを参照する場合は、Command Lookup Tool( http://tools.cisco.com/Support/CLILookup )を使用するか、または『 Cisco IOS Master Command List 』にアクセスしてください。

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