Cisco 7600 シリーズ ルータ Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Release 15.0S
Y.1731 パフォーマンス モニタリング
Y.1731 パフォーマンス モニタリング
発行日;2012/10/11 | 英語版ドキュメント(2012/10/07 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 17MB) | フィードバック

目次

Y.1731 パフォーマンス モニタリング

Y.1731 パフォーマンス モニタリングの概要

接続

フレーム遅延とフレーム遅延変動

フレームの損失率および可用性

サポートされるインターフェイス

制約事項および使用上の注意事項

Y.1731 PM の設定

Y.1731 パフォーマンス モニタリング

この章では、Cisco IOS Software Release 15.1(2)S で Y.1731 パフォーマンス モニタリングを設定する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

「Y.1731 パフォーマンス モニタリングの概要」

「Y.1731 PM の設定」

Y.1731 パフォーマンス モニタリングの概要

サービス プロバイダーが加入者に接続サービスを販売する場合、サービスの購入者と販売者の間で Service Level Agreement(SLA; サービス レベル契約)が交わされます。SLA にはプロバイダーが提供する属性が定義されており、これがサービス プロバイダーの法的義務となります。加入者が求めるパフォーマンスのレベルが高くなると、サービス プロバイダーは提供されているパフォーマンスのパラメータをモニタリングする必要があります。サービス プロバイダーのニーズに対応するために、組織は IEEE 802.1ag や ITU-T Y.1731 などさまざまな標準を定義し、パフォーマンス パラメータの測定に使用する手法とフレーム形式を規定しています。

Y.1731 Performance Monitoring(PM; パフォーマンス モニタリング)では、イーサネットのフレーム遅延、フレーム遅延変動、フレーム損失、フレーム スループット測定など、標準的なイーサネット PM 機能が提供されます。これらの測定は ITU-T Y-1731 標準で規定され、Metro Ethernet Forum(MEF; メトロ イーサネット フォーラム)標準グループによって認定されています。Y-1731 勧告に従い、7600 プラットフォームは 10 ms 間隔(1 秒につき 100 フレーム)で PM フレームを送信、受信、処理できなければなりません。所定のサービスに対して推奨される最大伝送時間は 100 ms(1 秒につき 10 フレーム)です。

フレーム遅延やフレーム遅延変動などの SLA パラメータを測定するために、少数の合成フレームがサービスとともにメンテナンス リージョンのエンド ポイントへ送信され、Maintenance End Point(MEP; メンテナンス エンド ポイント)が合成フレームに応答します。接続障害管理などの機能の場合、メッセージは送信頻度が低く、一方パフォーマンス モニタリング フレームはより頻繁に送信されます。

図 69-1 に、Y.1731 標準向けのポイントツーポイント Metro Ethernet 導入で一般的に組み込まれる Maintenance Entity(ME; メンテナンス エンティティ)と Maintenance End Point(MEP; メンテナンス ポイント)を示します。

図 69-1 一般的なメンテナンス エンティティとメンテナンス ポイントを使用したポイントツーポイント Metro Ethernet 導入

 

パフォーマンス モニタリングのパラメータは次のとおりです。

接続

フレーム遅延とフレーム遅延変動

フレームの損失率および可用性

接続

パフォーマンス モニタリングの最初の手順では、接続性の検証を行います。接続性の検証には Continuity Check Messages(CCM; 接続性チェック メッセージ)が最適ですが、これはディザスタ リカバリ用に最適化されています。SLA とディザスタ リカバリには時間的尺度に差があるため、CCM は通常は SLA のコンポーネントとして認められません。したがって、接続性の検証には接続障害監理(CFM)と Continuity Check Database(CCDB; 接続性チェック データベース)が使用されます。CFM の詳細については、http://www.cisco.com/en/US/docs/routers/7600/install_config/ES40_config_guide/es40_chap4.html#wp1608025 を参照してください。

フレーム遅延とフレーム遅延変動

Ethernet frame Delay Measurement(ETH-DM; イーサネット フレーム遅延測定)をオンデマンドのイーサネット Operations, Administration & Maintenance(OAM)に使用して、フレーム遅延とフレーム遅延変動を測定します。

イーサネット フレーム遅延およびフレーム遅延変動は、ETH-DM 情報が含まれた周期的フレームをピア MEP に送信し、ピア MEP から ETH-DM 情報が含まれた周期的フレームを受信することで測定されます。この間に、各 MEP はフレーム遅延とフレーム遅延変動を測定します

イーサネット フレーム遅延測定では、最悪および最高の状態の遅延、平均遅延、平均遅延変動などの有益な情報も収集されます。イーサネット フレーム遅延測定では、入力方向のタイムスタンプがハードウェアベースで記録されます。これにより、双方向の遅延測定中に遅延の統計情報を実行時表示することができます。イーサネット フレーム遅延測定では、リモート Maintenance End Point(MEP; メンテナンス エンド ポイント)または CFM セッションごとに収集された直近の 100 サンプルが記録されます。

ITU-T Y.1731 標準では、次の 2 通りの遅延測定方法が規定されています。

1 方向 ETH-DM
各 MEP は、1 方向の ETH-DM 情報が含まれたフレームをポイントツーポイント ME 内のピア MEP に送信し、ピア MEP での 1 方向フレーム遅延測定および 1 方向フレーム遅延変動測定を支援します。1 方向フレーム遅延は両端のクロックが同期している必要がありますが、フレーム遅延変動ではクロックの同期は必要ありません。この測定では、Single Delay Measurement(1DM; 単一の遅延測定)または Delay Measurement Message(DMM; 遅延測定メッセージ)と Delay Measurement Reply(DMR; 遅延測定応答)フレームを組み合わせて使用します。

双方向 ETH-DM
各 MEP は、ETH-DM 要求情報が含まれたフレームをピア MEP に送信し、ピア MEP から ETH-DM 応答情報が含まれたフレームを受信します。双方向フレーム遅延およびフレーム遅延変動は、DMM および DMR フレームを使用して測定されます。

1DM 測定の前提条件を次に示します。

測定を行う 2 つのエンド ポイントのクロックが正確かつ的確に同期する。これは、IEEE 1588-2002 によって実現されます。

自動セッション作成がピアまたはレシーバでサポートされていません。受信専用セッションを設定する必要があります。

すべてのセッション作成はレシーバのデータパスに設定する。これらはパッシブ リスナー セッションです。


) Cisco 7600 ルータでは、2 ポートのギガビット同期イーサネット SPA を使用してクロックを同期させます。ES+ ラインカード上で、Precision Time Protocol(PTP; 高精度時間プロトコル)を時刻源プロトコルとして使用し、Real Time Clock(RTC; リアル タイム クロック)が 2 ポート ギガビット同期イーサネット SPA の時刻源と同期します。PTP が時刻源として選択されると、すべての Y.1731 PM 遅延パケットに 1588V2 のタイムスタンプが付けられます。

2 ポート ギガビット同期イーサネット SPA を搭載していない 7600 ルータの場合は、タイムスタンプと、時刻源プロトコルとしてネットワーク タイム プロトコル(NTP)を使用し、遅延測定が行われます。これは 1 方向遅延測定のみに当てはまります。
ラインカードで Time of Day(ToD)同期を開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで platform time-source コマンドを使用します。platform time source コマンドの詳細については、http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/interface/command/reference/ir_o1.html を参照してください。

フレームの損失率および可用性

Ethernet frame Loss Measurement(ETH-LM; イーサネット フレーム損失測定)は、入力および出力サービス フレームに適用されるカウンタ値の収集に使用されます。このカウンタには、MEP ペアの間で送受信されるデータ フレーム数が計上されます。

ETH-LM は、ETH-LM 情報が含まれたフレームをピア MEP に送信し、同じく ETH-LM 情報が含まれたフレームをピア MEP から受信します。各 MEP はフレーム損失測定を実行し、これによって利用不能時間が発生します。ニアエンド フレーム損失とは、入力データ フレームに関連するフレーム損失を指します。遠端フレーム損失とは、出力データ フレームに関連するフレーム損失を指します。近端および遠端フレーム損失測定の両方が、使用不可時間を生じる近端重大エラー秒数および遠端重大エラー秒数に関係します。

ITU-T Y.1731 標準では、次の 2 つのフレーム損失測定方法が規定されています。

シングルエンド ETH-LM :各 MEP は、ETH-LM 要求情報が含まれたフレームをピア MEP に送信し、ETH-LM 応答情報が含まれたフレームをピア MEP から受信して損失を測定します。

両終端 ETH-LM: 各 MEP は、ETH-LM 情報が含まれた定期的な両終端フレームをポイントツーポイント ME のピア MEP に送信し、ピア MEP でのフレーム損失測定を容易にします。現在、Cisco 7600 ルータは、両終端 ETH-LM をサポートしていません。

サポートされるインターフェイス

Y.1731 PM は次のインターフェイスをサポートします。

EVC BD OFM の LMM、DMM、1DM サポート

PC EVC BD OFM の LMM、DMM、1DM サポート

EVC Xconnect OFM の LMM、DMM、1DM サポート

PC の EVC Xconnect OFM の LMM、DMM、1DM サポート

EVC Xconnect IFM の LMM、DMM、1DM サポート

PC の EVC Xconnect IFM の LMM、DMM、1DM サポート

サブインターフェイス(ルーテッド ポート)の LMM、DMM、1DM サポート

PC のサブインターフェイス(ルーテッド ポート)の LMM、DMM、1DM サポート


) PM は、EVC で使用できる Dot1q および QinQ カプセル化の両方によって、上記の EVC と CFM の設定でサポートされます。


制約事項および使用上の注意事項

ES+ ラインカード上で Y.1731 PM を設定する場合は、次の制約事項と使用上のガイドラインに従ってください。

ルート プロセッサ CPU が他のプロセスで使用中の場合やソフトウェア転送を使用する場合、パフォーマンス モニタリング統計情報は正確ではありません。

Y.1731 PM 測定は、ポイントツーポイントのネットワーク トポロジでのみ有効に機能します。

Y.1731 PM は SSO 準拠ではありません。スイッチオーバー後はすべてのセッション データがクリアされ、IPSLA の再起動が必要になります。

1 方向セッションまたは双方向セッションで 1 方向の統計情報が必要な場合は、PTP がピア間で同期し、安定している必要があります。このような場合はセッションの開始を遅らせる必要があります。

Cisco 7600 シリーズ ルータでは、ES+ ラインカードはスイッチポート非対応モードでのみサポートされます。PM はポート MEP ではサポートされません。

PM は、次のインターフェイスではサポートされません。

mLACP インターフェイス

EVC BD IFM

スイッチポート OFM および IFM

ポート MEP

PM は、VPLS の設定ではサポートされません。

CFM がこれらのインターフェイスでサポートされないため、PM は Qinq サブインターフェイスでサポートされません。

CLI とシステム ロギングはサポートされますが、PM は SNMP をサポートしません。

フレームのスループットの測定はサポートされません。

ポートチャネルの PM サポートの制約事項は次のとおりです。

メンバー リンクを追加または削除すると、セッションが無効になります。

ポートチャネル インターフェイスでの損失測定は、ポートチャネルのすべての物理インターフェイスが 1 つの NPU 上にある場合のみサポートされます。この制約は遅延測定には適用されません。

すべてのメンバー リンクに ES+ ポートが搭載されている必要があります。

手動の PC EVC ロード バランシング設定(UNI LAG)では PM はサポートされません。