Cisco ASA サービス モジュール CLI コンフィギュレーション ガイド ソフトウェア バージョン 8.5
IPv6 ネイバー探索の設定
IPv6 ネイバー探索の設定
発行日;2012/09/24 | 英語版ドキュメント(2012/05/21 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 10MB) | フィードバック

目次

IPv6 ネイバー探索の設定

IPv6 ネイバー探索について

ネイバー送信要求メッセージ

ネイバー到達可能時間

ルータ アドバタイズメント メッセージ

スタティック IPv6 ネイバー

IPv6 ネイバー探索のライセンス要件

ガイドラインと制限事項

IPv6 ネイバー探索のデフォルト設定

ネイバー送信要求メッセージの送信間隔の設定

ネイバー到達可能時間の設定

ルータ アドバタイズメントの送信間隔の設定

ルータ ライフタイム値の設定

DAD 設定の指定

インターフェイスでの IPv6 アドレスの設定

ルータ アドバタイズメント メッセージの抑止

IPv6 プレフィックスの設定

スタティック IPv6 ネイバーの設定

IPv6 ネイバー探索のモニタリング

その他の参考資料

IPv6 プレフィックスの関連資料

IPv6 プレフィックスの RFC およびドキュメント

IPv6 ネイバー探索の機能履歴

IPv6 ネイバー探索の設定

この章では、ASASM で IPv6 ネイバー探索をイネーブルにし、設定する方法について説明します。次の項を取り上げます。

「IPv6 ネイバー探索について」

「IPv6 ネイバー探索のライセンス要件」

「ガイドラインと制限事項」

「IPv6 ネイバー探索のデフォルト設定」

「ネイバー送信要求メッセージの送信間隔の設定」

「ネイバー到達可能時間の設定」

「ルータ アドバタイズメントの送信間隔の設定」

「ルータ ライフタイム値の設定」

「DAD 設定の指定」

「インターフェイスでの IPv6 アドレスの設定」

「ルータ アドバタイズメント メッセージの抑止」

「IPv6 プレフィックスの設定」

「スタティック IPv6 ネイバーの設定」

「IPv6 ネイバー探索のモニタリング」

「その他の参考資料」

「IPv6 ネイバー探索の機能履歴」

IPv6 ネイバー探索について

IPv6 ネイバー探索プロセスでは、ICMPv6 メッセージと送信要求ノード マルチキャスト アドレスを使用して、同一ネットワーク(ローカル リンク)上にあるネイバーのリンクレイヤ アドレスを判別し、ネイバーの到達可能性を検証して、隣接ルータの状態を追跡し続けます。

ノード(ホスト)はネイバー探索を使用して、添付されたリンクに常駐し、無効になったキャッシュ値を素早くパージすることがわかっているネイバーのリンク層アドレスを判断します。また、ホストはネイバー探索を使用して、ホストに代わってパケットを転送しようとしている隣接ルータを検出します。さらに、ノードはプロトコルを使用して、どのネイバーに到達可能で、どのネイバーに到達できないかアクティブに記録し、変更されたリンク層アドレスを検出します。ルータまたはルータへのパスが失敗すると、ホストは機能している代替ルータまたは代替パスをアクティブに検索します。

この項は、次の内容で構成されています。

「ネイバー送信要求メッセージ」

「ネイバー到達可能時間」

「ルータ アドバタイズメント メッセージ」

「スタティック IPv6 ネイバー」

ネイバー送信要求メッセージ

ローカル リンク上にある他のノードのリンクレイヤ アドレスを検出するため、ノードからネイバー送信要求メッセージ(ICMPv6 Type 135)がローカル リンクに送信されます。ネイバー送信要求メッセージは送信要求ノード マルチキャストアドレスに送信されます。ネイバー送信要求メッセージ内の送信元アドレスは、ネイバー送信要求メッセージを送信したノードの IPv6 アドレスです。ネイバー送信要求メッセージには、送信元ノードのリンク層アドレスも含まれます。

ネイバー送信要求メッセージを受信すると、宛先ノードは、ネイバー アドバタイズメント メッセージ(ICPMv6 Type 136)をローカル リンク上に送信して応答します。ネイバー アドバタイズメント メッセージ内の送信元アドレスは、ネイバー アドバタイズメント メッセージを送信したノードの IPv6 アドレスです。宛先アドレスは、ネイバー送信要求メッセージを送信したノードの IPv6 アドレスです。ネイバー アドバタイズメント メッセージのデータ部分には、ネイバー アドバタイズメント メッセージを送信するノードのリンク層アドレスが含まれます。

送信元ノードと宛先ノードが通信できるのは、送信元ノードがネイバー アドバタイズメントを受信した後です。図 26-1 にネイバー送信要求と応答のプロセスを示します。

図 26-1 IPv6 ネイバー探索:ネイバー送信要求メッセージ

 

ネイバー送信要求メッセージは、ネイバーのリンク層アドレスが識別された後に、ネイバーの到達可能性の確認にも使用されます。ノードがネイバーの到達可能性を確認するときに、ネイバー送信要求メッセージの宛先アドレスは、ネイバーのユニキャスト アドレスです。

ローカル リンク上のノードのリンク層アドレスに変更がある場合も、ネイバー アドバタイズメント メッセージが送信されます。そのような変更があった場合、ネイバー アドバタイズメントの宛先アドレスは All-Nodes マルチキャスト アドレスになります。

ネイバー到達可能時間

ネイバー到達可能時間を設定すると、使用できないネイバーを検出できます。時間を短く設定すると、使用できないネイバーをより早く検出できます。ただし、時間を短くするほど、IPv6 ネットワーク帯域幅とすべての IPv6 ネットワーク デバイスの処理リソースの消費量が増えます。通常の IPv6 の運用では、あまり短い時間設定は推奨できません。

ルータ アドバタイズメント メッセージ

ネイバー デバイスがデフォルトのルータ アドレスをダイナミックに把握できるように、ASASMはルータ アドバタイズメントに参加できます。ルータ アドバタイズメント メッセージ(ICMPv6 Type 134)は、ASASMの IPv6 が設定された各インターフェイスから定期的に送信されます。ルータ アドバタイズメント メッセージは All-Nodes マルチキャスト アドレスに送信されます。図 26-2 に、ASASM の IPv6 が設定されたインターフェイスから送信されるルータ アドバタイズメント メッセージを示します。

図 26-2 IPv6 ネイバー探索:ルータ アドバタイズメント メッセージ

 

ルータ アドバタイズメント メッセージには、通常、次の情報が含まれています。

ローカル リンク上のノードが IPv6 アドレスを自動設定するために使用できる 1 つまたは複数の IPv6 プレフィックス。

アドバタイズメントに含まれるプレフィックスごとのライフタイム情報。

実行できる自動設定のタイプを示すフラグのセット(ステートレスまたはステートフル)。

デフォルト ルータ情報(アドバタイズメントを送信するルータをデフォルト ルータとして使用する必要があるかどうか、デフォルト ルータであれば、そのルータをデフォルト ルータとして使用する秒単位の時間)。

ホストに関する追加情報。たとえば、ホストから発信するパケットで使用するホップ制限や MTU など。

特定のリンク上でのネイバー送信要求メッセージの再送信間隔。

ノードがネイバーを到達可能と見なす時間。

ルータ アドバタイズメントもルータ送信要求メッセージに応答して送信されます(ICMPv6 Type 133)。ルータ送信要求メッセージは、ホストからシステムの起動時に送信されるため、ホストは、次にスケジュールされているルータ アドバタイズメント メッセージを待つことなくただちに自動設定を行うことができます。ルータ送信要求メッセージは、通常はシステムの起動時にホストから送信され、ホストには設定済みのユニキャスト アドレスがないため、ルータ送信要求メッセージ内の送信元アドレスは通常は未指定 IPv6 アドレスとなります(0:0:0:0:0:0:0:0)。ホストに設定済みのユニキャスト アドレスがある場合、ルータ送信要求メッセージを送信するインターフェイスのユニキャスト アドレスが、メッセージ内の送信元アドレスとして使用されます。ルータ請求メッセージの宛先アドレスは、スコープがリンクである全ルータ マルチキャスト アドレスです。ルータ送信要求に応答してルータ アドバタイズメントが送信される場合、ルータ アドバタイズメント メッセージ内の宛先アドレスはルータ送信要求メッセージの送信元のユニキャスト アドレスです。

次の設定値をルータ アドバタイズメント メッセージに対して設定できます。

ルータ アドバタイズメント メッセージの定期的な時間間隔。

ルータ ライフタイム値。これは IPv6 ノードがASASMをデフォルト ルータと見なす時間を示します。

リンクで使用されている IPv6 ネットワークのプレフィックス。

ルータ アドバタイズメント メッセージをインターフェイスが送信するかどうか。

特に指定のない限り、ルータ アドバタイズメント メッセージ設定はインターフェイス固有のものであり、インターフェイス コンフィギュレーション モードで入力されます。

スタティック IPv6 ネイバー

ネイバーを手動で IPv6 ネイバー キャッシュに定義できます。IPv6 ネイバー探索プロセスによる学習を通して、指定された IPv6 アドレスのエントリがネイバー探索キャッシュにすでに存在する場合、エントリは自動的にスタティック エントリに変換されます。IPv6 ネイバー探索キャッシュ内のスタティック エントリがネイバー探索プロセスによって変更されることはありません。

IPv6 ネイバー探索のライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

 

モデル
ライセンス要件

すべてのモデル

基本ライセンス

ガイドラインと制限事項

この項では、この機能のガイドラインと制限事項について説明します。

コンテキスト モードのガイドライン

シングル コンテキスト モードとマルチ コンテキスト モードでサポートされています。

ファイアウォール モードのガイドライン

ルーテッド モードでだけサポートされています。トランスペアレント モードはサポートされていません。

その他のガイドラインと制限事項

送信間隔の値は、このインターフェイスから送信されるすべての IPv6 ルータ アドバタイズメントに含まれます。

時間を設定すると、使用不可能なネイバーの検出がイネーブルになります。設定時間を短くすると、使用不可能なネイバーをさらに迅速に検出できます。ただし、時間を短くすると、すべての IPv6 ネットワーク デバイスで IPv6 ネットワーク帯域幅および処理リソースの消費量が増えます。通常の IPv6 の運用では、あまり短い時間設定は推奨できません。

ipv6 nd ra-lifetime コマンドを使用して ASASM がデフォルト ルータとして設定されている場合、送信間隔は IPv6 ルータ アドバタイズメントのライフタイム以下にする必要があります。他の IPv6 ノードとの同期を防止するには、実際に使用される値を指定値の 20 % 以内でランダムに調整します。

ipv6 nd prefix コマンドを使用すると、プレフィックスをアドバタイズするかどうかも含めて、プレフィックスごとに個々のパラメータを制御できます。

デフォルトでは、 ipv6 address コマンドを使用してインターフェイスにアドレスとして設定されるプレフィックスは、ルータ アドバタイズメントでアドバタイズされます。 ipv6 nd prefix コマンドを使用してプレフィックスをアドバタイズメント用に設定すると、これらのプレフィックスだけがアドバタイズされます。

default キーワードを使用すると、すべてのプレフィックスのデフォルト パラメータを設定できます。

プレフィックスの有効期限を指定するための日付を設定できます。有効な推奨ライフタイムは、リアルタイムでカウントダウンされます。有効期限に達すると、プレフィックスはアドバタイズされなくなります。

onlink が on(デフォルト)である場合、指定されたプレフィックスがそのリンクに割り当てられます。指定されたプレフィックスを含むそのようなアドレスにトラフィックを送信するノードは、宛先がリンク上でローカルに到達可能であると見なします。

autoconfig が on(デフォルト)である場合、ローカル リンク上のホストに対して、指定されたプレフィックスが IPv6 自動設定に使用できることを示します。

ステートレス自動設定が正しく機能するには、ルータ アドバタイズメント メッセージでアドバタイズされたプレフィックス長が常に 64 ビットでなければなりません。

ルータ ライフタイム値は、このインターフェイスから送信されるすべての IPv6 ルータ アドバタイズメントに含まれます。値は、ASASMがこのインターフェイス上でデフォルト ルータとして有効であることを示します。

値をゼロ以外の値に設定すると、ASASM がこのインターフェイス上でデフォルト ルータであると見なされます。ルータ ライフタイム値として設定するゼロ以外の値は、ルータ アドバタイズメント間隔以上でなければなりません。

次のガイドラインと制限事項は、スタティック IPv6 ネイバーの設定に適用されます。

ipv6 neighbor コマンドは arp コマンドに似ています。IPv6 ネイバー探索プロセスによる学習を通して、指定された IPv6 アドレスのエントリがネイバー探索キャッシュにすでに存在する場合、エントリは自動的にスタティック エントリに変換されます。これらのエントリは、copy コマンドを使用してコンフィギュレーションを格納すると、コンフィギュレーションに格納されます。

IPv6 ネイバー探索キャッシュのスタティック エントリを表示するには、 show ipv6 neighbor コマンドを使用します。

clear ipv6 neighbor コマンドにより、スタティック エントリを除く、IPv6 ネイバー探索キャッシュ内のすべてのエントリを削除します。 no ipv6 neighbor コマンドは、指定したスタティック エントリをネイバー探索キャッシュから削除します。このコマンドは、IPv6 ネイバー探索プロセスから認識されるエントリであるダイナミック エントリはキャッシュから削除しません。 no ipv6 enable コマンドを使用してインターフェイスで IPv6 をディセーブルにすると、スタティック エントリを除いて、そのインターフェイス用に設定されたすべての IPv6 ネイバー探索キャッシュ エントリが削除されます(エントリの状態が INCMP [Incomplete] に変更されます)。

IPv6 ネイバー探索キャッシュ内のスタティック エントリがネイバー探索プロセスによって変更されることはありません。

clear ipv6 neighbor コマンドは、スタティック エントリを IPv6 ネイバー探索キャッシュから削除しません。ダイナミック エントリをクリアするだけです。

IPv6 ネイバー探索のデフォルト設定

表 26-1 に、IPv6 ネイバー探索のデフォルト設定を示します。

 

表 26-1 デフォルトの IPv6 ネイバー探索パラメータ

パラメータ
デフォルト

value (ネイバー送信要求メッセージの送信間隔)

1000 秒(ネイバー送信要求の送信間隔)。

value (ネイバー到達可能時間)

デフォルトは 0 です。

value (ルータ アドバタイズメントの送信間隔)

デフォルトは 200 秒です。

value(ルータの有効期間)

デフォルトは 1800 秒です。

value(DAD 中に連続して送信されるネイバー送信要求メッセージ)

デフォルトは 1 メッセージです。

prefix lifetime

デフォルトのライフタイムは 2592000 秒(30 日間)、推奨ライフタイムは 604800 秒(7 日間)です。

on-link フラグ

このフラグはデフォルトでオンになります。これは、インターフェイスのアドバタイズでプレフィックスが使用されることを意味します。

autoconfig フラグ

このフラグはデフォルトでオンになります。これは、プレフィックスが自動設定に使用されることを意味します。

スタティック IPv6 ネイバー

スタティック エントリは、IPv6 ネイバー探索キャッシュに設定されません。

ネイバー送信要求メッセージの送信間隔の設定

インターフェイスに IPv6 ネイバー送信要求メッセージを再送信する間隔を設定するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 nd ns-interval value
 
hostname (config-if)# ipv6 nd ns-interval 9000

インターフェイスに IPv6 ネイバー送信要求の再送信する間隔を設定します。

value 引数の有効な値は、1000 ~ 3600000 ミリ秒です。

この情報は、ルータ アドバタイズメント メッセージでも送信されます。

次の例では、GigabitEthernet 0/0 での IPv6 ネイバー送信要求の送信間隔を 9000 ミリ秒に設定します。

hostname (config)# interface gigabitethernet 0/0
hostname (config-if)# ipv6 nd ns-interval 9000
 

ネイバー到達可能時間の設定

到達可能性確認イベントが発生した後でリモートの IPv6 ノードを到達可能と見なす時間を設定するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 nd reachable-time value
 
hostname (config-if)# ipv6 nd reachable-time 1700000

リモートの IPv6 ノードに到達可能な時間を設定します。

value 引数の有効な値は、0 ~ 3600000 ミリ秒です。

value に 0 を使用すると、到達可能時間が未定のまま送信されます。到達可能時間の値を設定し、追跡するのは、受信デバイスの役割です。

次の例では、選択したインターフェイス、GigabitEthernet 0/0 で 1700000 ミリ秒の IPv6 到達可能時間を設定します。

hostname (config)# interface gigabitethernet 0/0
hostname (config-if)# ipv6 nd reachable-time 1700000
 

ルータ アドバタイズメントの送信間隔の設定

インターフェイスでの IPv6 ルータ アドバタイズメントの送信間隔を設定するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 nd ra-interval [ msec ] value
 
hostname (config-if)# ipv6 nd ra-interval 201

IPv6 ルータ アドバタイズメントの送信間隔を設定します。

オプションの msec キーワードは、この値がミリ秒単位で指定されることを示します。このキーワードが存在しない場合、値は秒単位で指定されます。

value 引数の有効な値の範囲は 3 ~ 1800 秒、 msec キーワードが指定されている場合は 500 ~ 1800000 ミリ秒です。

ASASMがデフォルト ルータとして設定されている場合、送信間隔は IPv6 ルータ アドバタイズメント ライフタイム以下にする必要があります。詳細については、「ルータ ライフタイム値の設定」を参照してください。他の IPv6 ノードと同期しないようにするには、使用する実際値を必要値の 20 % 以内にランダムに調整します。

次の例では、選択したインターフェイス、GigabitEthernet 0/0 で 201 秒の IPv6 ルータ アドバタイズメント間隔を設定します。

hostname (config)# interface gigabitethernet 0/0
hostname (config-if)# ipv6 nd ra-interval 201
 

ルータ ライフタイム値の設定

インターフェイス上の IPv6 ルータ アドバタイズメントのルータ ライフタイム値を設定するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 nd ra-lifetime [ msec ] value
 
hostname (config-if)# ipv6 nd ra-lifetime 2000

ローカル リンク上のノードが、ASASM をリンク上のデフォルト ルータと見なす時間の長さを指定します。

オプションの msec キーワードは、この値がミリ秒単位で指定されることを示します。このキーワードが存在しない場合、値は秒単位で指定されます。

value 引数の有効な値は 0 ~ 9000 秒です。

0 を入力すると、ASASMは選択したインターフェイスのデフォルト ルータと見なされません。

次の例では、選択したインターフェイス GigabitEthernet 0/0 で 2000 秒の IPv6 ルータ ライフタイム値を設定します。

hostname (config)# interface gigabitethernet 0/0
hostname (config-if)# ipv6 nd ra-lifetime 2000
 

DAD 設定の指定

インターフェイスで DAD 設定を指定するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 nd dad attempts value
 
hostname (config-if)# ipv6 nd dad attempts 20

割り当てられる前に、新しいユニキャスト IPv6 アドレスの一意性を指定し、ネットワークに重複する IPv6 アドレスが検出されていないかをリンクベースで確認します。

value 引数の有効な値の範囲は 0 ~ 600 です。この値がゼロの場合、指定されたインターフェイスでの DAD 処理がディセーブルになります。

次の例では、選択したインターフェイス GigabitEthernet 0/0 で DAD の試行の値を 20 に設定します。

hostname (config)# interface gigabitethernet 0/0
hostname (config-if)# ipv6 nd dad attempts 20
 

インターフェイスでの IPv6 アドレスの設定

インターフェイスで IPv6 アドレスを設定するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 address
 
hostname (config-if)# ipv6 address fe80::20d:88ff:feee:6a82

選択したインターフェイスの IPv6 アドレスを指定します。

次の例では、選択したインターフェイス GigabitEthernet 0/0 のリンク ローカル IPv6 アドレスを設定します。

hostname (config)# interface gigabitethernet 0/0
hostname (config-if)# ipv6 address fe80::20d:88ff:feee:6a82
 

ルータ アドバタイズメント メッセージの抑止

ルータ アドバタイズメント メッセージは、ルータ送信要求メッセージへの応答として自動的に送信されます。ASASMで IPv6 プレフィックスを提供する必要がないインターフェイス(外部インターフェイスなど)では、これらのメッセージをディセーブルにできます。

インターフェイス上の IPv6 ルータ アドバタイズメントのルータ ライフタイム値を抑制するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 nd suppress-ra seconds
 
hostname (config-if)# ipv6 nd suppress-ra 2001:DB8::/32 1000 900

ルータ ライフタイム値を抑制します。

seconds 引数は、ASASM の有効性をこのインターフェイスのデフォルトのルータとして指定します。有効な値の範囲は、0 ~ 9000 秒です。0 を入力すると、ASASM は指定したインターフェイス上のデフォルト ルータと見なされません。

このコマンドを入力すると、ASASMがリンク上では IPv6 ルータではなく、通常の IPv6 ネイバーのように見えるようになります。

次の例では、指定したインターフェイス GigabitEthernet 0/0 で、IPv6 ルータ アドバタイズメントの送信を抑制します。

hostname (config)# interface gigabitethernet 0/0
hostname (config-if)# ipv6 nd suppress-ra 2001:DB8::/32 1000 900
 

IPv6 プレフィックスの設定

IPv6 ルータ アドバタイズメントに含める IPv6 プレフィックスを設定するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 nd prefix ipv6-prefix / prefix-length | default [[ valid-lifetime preferred-lifetime ] | [ at valid-date preferred-date ] | infinite | no-advertise | off-link | no-autoconfig ]
 
hostname (config-if)# ipv6 nd prefix 2001:DB8::/32 1000 900

IPv6 ルータ アドバタイズメントに含める IPv6 プレフィックスを設定します。ネイバー デバイスは、プレフィックス アドバタイズメントを使用して、そのインターフェイス アドレスを自動設定できます。ステートレス自動設定では、ルータ アドバタイズメント メッセージで提供される IPv6 プレフィックスを使用して、リンクローカル アドレスからグローバル ユニキャスト アドレスを作成します。

at valid-date preferred-date 構文は、ライフタイムとプリファレンスが期限切れになる日付と時刻を示します。プレフィックスは、この指定された日付と時刻に達するまで有効です。日付は date-valid-expire month-valid-expire hh:mm-valid-expire date-prefer-expire month-prefer-expire hh:mm-prefer-expire の形式で表されます。

default キーワードは、デフォルト値が使用されることを示します。

オプションの infinite キーワードは、有効なライフタイムが期限切れにならないように指定します。

ipv6-prefix 引数には、IPv6 ネットワーク番号にルータ アドバタイズメントが含まれることを指定します。この引数は、RFC 2373 に記述されている形式にする必要があります。コロン区切りの 16 ビット値を使用して、アドレスを 16 進数で指定します。

オプションの no-advertise キーワードは、指定したプレフィックスを IPv6 の自動設定に使用しないことをローカル リンク上のホストに示します。

オプションの no-autoconfig キーワードは、指定したプレフィックスを IPv6 の自動設定に使用できないことをローカル リンク上のホストに示します。

オプションの off-link キーワードは、指定したプレフィックスをオンリンクの指定に使用しないことを示します。

preferred-lifetime 引数には、指定した IPv6 プレフィックスを推奨するものとしてアドバタイズする時間を(秒単位で)指定します。有効値の範囲は 0 ~ 4294967295 秒です。最大値は無限ですが、これは infinite を使用して指定もできます。デフォルトは 604800(7 日間)です。

prefix-length 引数には IPv6 プレフィックスの長さを指定します。この値は、アドレスの高次の連続ビットのうち、プレフィックスのネットワーク部分を構成しているビットの数を示します。プレフィックス長の前にスラッシュ(/)を使用する必要があります。

valid-lifetime 引数には、指定した IPv6 プレフィックスを有効なものとしてアドバタイズする時間を指定します。有効値の範囲は 0 ~ 4294967295 秒です。最大値は無限ですが、これは infinite を使用して指定もできます。デフォルトは、2592000(30 日)です。

次の例では、指定したインターフェイス GigabitEthernet 0/0 で送信されるルータ アドバタイズメントの、有効ライフタイムが 1000 秒、推奨ライフタイムが 900 秒の IPv6 プレフィックス 2001:DB8::/32 を示します。

hostname (config)# interface gigabitethernet 0/0
hostname (config-if)# ipv6 nd prefix 2001:DB8::/32 1000 900
 

スタティック IPv6 ネイバーの設定

IPv6 ネイバー探索キャッシュにスタティック エントリを設定するには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
ipv6 neighbor ipv6_address if_name mac_address
 
hostname)config-if)# ipv6 neighbor 3001:1::45A inside 002.7D1A.9472

IPv6 ネイバー探索キャッシュのスタティック エントリを設定します。

ipv6_address 引数にはネイバーのリンクローカル IPv6 アドレス、 if_name 引数にはネイバーを使用可能にするためのインターフェイス、 mac_address 引数にはネイバー インターフェイスの MAC アドレスを指定します。

次の例では、IPv6 アドレスが 3001:1::45A、MAC アドレスが 002.7D1a.9472 の内部ホストのスタティック エントリをネイバー探索キャッシュに追加します。

hostname)config-if)# ipv6 neighbor 3001:1::45A inside 002.7D1A.9472
 

IPv6 ネイバー探索のモニタリング

IPv6 ネイバー探索パラメータをモニタするには、次のコマンドを入力します。

 

コマンド
目的
show ipv6 interface

IPv6 向けに設定されたインターフェイスの使用状況を表示します。「outside」などのインターフェイス名を含めると、指定したインターフェイスの設定が表示されます。コマンドに名前を含めないと、IPv6 がイネーブルになっているすべてのインターフェイスの設定が表示されます。コマンドの出力では、次の項目が表示されます。

インターフェイスの名前とステータス

リンクローカルおよびグローバルなユニキャスト アドレス

インターフェイスが属するマルチキャスト グループ

ICMP リダイレクトおよびエラー メッセージの設定

ネイバー探索の設定

コマンドが 0 に設定されているときの実際の時間

使用されているネイバー探索の到達可能時間

その他の参考資料

IPv6 プレフィックスの実装に関連する詳細情報については、次の項を参照してください。

「IPv6 プレフィックスの関連資料」

「IPv6 プレフィックスの RFC およびドキュメント」

IPv6 プレフィックスの関連資料

関連項目
ドキュメント名

ipv6 コマンド

コマンド リファレンス

IPv6 プレフィックスの RFC およびドキュメント

RFC
タイトル

RFC 2373 には、ルータ アドバタイズメントに IPv6 ネットワーク アドレス番号を表示する方法に関するすべてのドキュメントが含まれます。コマンド引数 ipv6-prefix はこのネットワーク番号を示します。コロン区切りの 16 ビット値を使用して、アドレスを 16 進数で指定する必要があります。

『IP Version 6 Addressing Architecture』

RFC 3849 では、IPv6 アドレス プレフィックスを使用するための要件をドキュメントで指定しています。ドキュメントで使用するために予約された IPv6 ユニキャスト アドレス プレフィックスは 2001:DB8::/32 です。

『IPv6 Address Prefix Reserved for Documentation』

IPv6 ネイバー探索の機能履歴

表 26-2 に、各機能変更と、それが実装されたプラットフォーム リリースを示します。

 

表 26-2 IPv6 ネイバー探索の機能履歴

機能名
リリース
機能情報

IPv6 ネイバー探索

7.0(1)

この機能が導入されました。

ipv6 nd ns-interval ipv6 nd ra-lifetime ipv6 nd suppress-ra ipv6 neighbor ipv6 nd prefix ipv6 nd dad-attempts ipv6 nd reachable-time ipv6 address 、および ipv6 enforce-eui64 コマンドが導入されました。