Cisco Wide Area Application Engine 512/ 612 ハードウェア インストレーション ガイド
Cisco Wide Area Application Engine のメンテナンス
Cisco Wide Area Application Engine のメンテナンス
発行日;2012/01/09 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

Cisco Wide Area Application Engine のメンテナンス

設置環境のメンテナンス

温度

湿度

高度

ほこりと微粒子

腐食

静電気放電

電磁干渉と無線周波数干渉

磁気

電源の中断

電源保護装置の使用方法

サージ プロテクタ

電力コンディショナ

UPS

Cisco Wide Area Application Engine のメンテナンス

予防保守を目的とした手順を適切に実行すると、システムを常に良好な稼働状態に保ち、コストと時間のかかるメンテナンス サービスの必要性を最小限に抑えることができます。この付録では、定期的に実行する必要のあるメンテナンスの手順について説明します。

ここでは、次のメンテナンス作業について説明します。

「設置環境のメンテナンス」

「電源保護装置の使用方法」

設置環境のメンテナンス

電源装置の排気ファンは、システムのさまざまな開口部から空気を吸い込み、背面からその空気を吹き出すことで、電源装置とシステムを冷却します。ただし、ファンはほこりやその他の微粒子もシステムに取り込んでしまうため、汚れの原因となる物質が蓄積し、その結果、システムの内部温度が上昇したり、各種システム コンポーネントの動作が妨げられたりすることがあります。

このような状況を避けるため、作業環境を常に清潔に保ち、システム周辺のほこりやごみの量を減らして、電源装置ファンがシステムに取り込んでしまう汚れの原因となる物質の量を減らすことを推奨します。

ここでは、システムのパフォーマンスと寿命に悪影響を与える可能性のあるさまざまな環境要因について説明します。

温度

温度の過剰な上昇または低下は、早期劣化、半導体素子の障害、装置の機械的な障害など、さまざまな問題を引き起こすことがあります。極端な温度の変動が原因で、ソケット内の半導体素子が縮んだり、ディスク ドライブ プラッタが膨張または収縮したりすることがあります。その結果、データの読み取りまたは書き込みエラーが発生する可能性があります。

温度がシステム パフォーマンスに及ぼす悪影響を最小限に抑えるため、次のガイドラインにしたがってください。

システムが必ず 10°C 以上 35°C 以下(50°F 以上 95°F 以下)の環境で動作するようにしてください。

システムの適切な通気を確保してください。閉鎖型の壁面ユニットの中や布の上にはシステムを設置しないでください。温度の上昇を助長してしまうことがあります。特に午後、直射日光のあたる場所に設置しないでください。また、冬期の暖房の吹き出し口をはじめ、どのような種類であっても熱源の近くには設置しないでください。

標高の高い場所では、適切な通気が特に重要となります。高地で、システムを高温で稼働させると、最適なシステム パフォーマンスを得られないことがあります。

すべてのスロットと開口部、特にシステム背面にあるファンの排気口を遮るものがないことを確認してください。

ほこりやごみが蓄積しないように、定期的にシステムを清掃してください。ほこりやごみが蓄積すると、システムが過熱する恐れがあります。

システムが異常な低温にさらされた場合は、2 時間のウォームアップ時間を取り、通常の動作温度になってから、電源を入れてください。そうしないと、内部コンポーネント、特に、ハード ディスク ドライブに損傷を引き起こすことがあります。

断続的にシステム障害が発生する場合は、ソケット内の半導体素子類を取り付け直してください。温度の変動により、この半導体素子類が緩んでいる可能性があります。

湿度

湿度が高い状況では、湿気がシステム内にまで浸透してしまう可能性があります。この湿気が原因で、内部コンポーネントの腐食、電気抵抗、熱伝導率などの特性の劣化が発生することがあります。また、システム内の湿度が極端に高くなると、電気回路の短絡を招き、システムに深刻な損傷を引き起こすことがあります。

各システムの動作時の定格湿度は、相対湿度 8 ~ 80%、1 時間あたりの湿度変化 10% です。温暖期には冷房、寒冷期には暖房で、室温が管理されているビル内では、通常、システム装置が許容するレベルの湿度が維持されています。ただし、異常に湿度の高い場所にシステムがある場合は、除湿装置を使用して許容範囲内の湿度を維持することを推奨します。

高度

標高の高い(気圧の低い)場所でシステムを稼働させると、急速対流冷却機能の効率が低下し、アーク放電やコロナ放電に関連する電気障害を招くことがあります。また、このような状況では、電解コンデンサなどの内部圧力がかかっている密閉されたコンポーネントが故障したり、その実行効率が低下したりすることがあります。

各システムの最大定格高度は、動作時で 2,133 m(6,998 フィート)、保管時で 4,570 m(15,000 フィート)です。

ほこりと微粒子

動作環境を清潔に保つと、ほこりやその他の微粒子による悪影響を大幅に減らすことができます。ほこりや微粒子は、絶縁体として作用したり、システムの機械的なコンポーネントの動作を妨げたりすることがあります。また、定期的に清掃する以外にも、システム装置の汚れを防ぐために、次のガイドラインにしたがってください。

システムの近くはすべて禁煙にしてください。

システムの近くでの飲食は禁止してください。

システムを使用していないときは、ダスト カバーをかけてください。

窓と外部に通じるドアは閉じ、浮遊する微粒子が入らないようにしてください。

腐食

人の指先の油や、高温多湿の環境に長時間さらされたことが原因で、システム内の各種装置の金めっきされたエッジ コネクタやピン コネクタが腐食することがあります。このようなシステム コネクタの腐食は、徐々に進行し、最終的に電気回路の断続的な障害を招く可能性があります。

腐食を防ぐため、ボードやカード上の接点には触れないでください。腐食を助長しやすい湿気の多い環境や塩分の多い環境では、特に腐食要素からシステムを保護することが重要です。また、さらに腐食を防ぐために、「温度」 で説明したとおり、極端な温度変動のある環境ではシステムを使用しないでください。

静電気放電

Electrostatic Discharge(ESD; 静電放電)は、人体やその他の物体に静電気が蓄積することにより発生します。通常、このような静電気は、カーペットの上を歩くなどの単純な動作によって生成されます。ESD とは、帯電した人がシステム内のコンポーネントに触れるときに発生する、静電気の放電です。この静電気の放電により、コンポーネント、特に半導体素子が故障する可能性があります。ESD は、とりわけ、相対湿度が 50% 未満の乾燥した環境で問題となります。

ESD の影響を減らすため、次のガイドラインにしたがってください。

静電気防止用リスト ストラップを着用してください。静電気防止用リスト ストラップがない場合は、シャーシの塗装されていない金属面に定期的に触れ、静電気を放出してください。

コンポーネントは、取り付けるまで静電気防止パッケージに入れたままにしてください。

ウールまたは合成繊維の衣服を着用しないでください。

電磁干渉と無線周波数干渉

システムからの Electromagnetic Interference(EMI; 電磁干渉)と Radio Frequency Interference(RFI; 無線周波数干渉)は、システムの近くで稼働しているラジオやテレビ(TV)の受信機といった装置に悪影響を及ぼすことがあります。また、システムが放出する無線周波数が、コードレス電話や低出力電話の通信を妨げる場合もあります。逆に、高出力の電話機からの RFI が原因で、システムのモニタ画面に意味不明の文字が表示されることがあります。

RFI は、10 キロヘルツ(kHz)を超える周波数を発する EMI として定義されています。このタイプの干渉は、電源ケーブルと電源を介して、または送信された電波のように空気を介して、システムからその他の装置へ伝播されることがあります。Federal Communications Commission(FCC; 米国連邦通信委員会)は、コンピューティング装置が放出する EMI および RFI の量を制限するための特別な規制を公表しています。各システムは、この FCC 規制に準拠しています。

EMI および RFI が発生する可能性を低く抑えるために、次のガイドラインにしたがってください。

システムは、システム カバーを取り付けた状態でのみ稼働してください。

すべての周辺ケーブル コネクタのネジが、システム背面の対応するコネクタにしっかり留められていることを確認します。

周辺装置をシステムに接続する場合は、必ず、金属製のコネクタ シェル付きのシールド ケーブルを使用してください。

磁気

ハード ディスク ドライブはデータを磁気的に保存しているので、非常に磁気の影響を受けやすくなっています。ハード ディスク ドライブは、次のような磁気の発生源の近くには決して保管しないでください。

モニタ

TV 受像機

プリンタ

リアル ベル付きの電話機

蛍光灯

電源の中断

システムは、特に、AC 電源から供給される電圧の変動の影響を受けやすくなっています。過電圧、低電圧、過渡電圧(つまり、スパイク)により、メモリからデータが消去されたり、コンポーネントの故障まで発生する恐れがあります。このような問題を阻止するために、電源ケーブルは常に正しくアースし、次の方法のどちらか、または両方を実行してください。

「電源保護装置の使用方法」で説明されている電源保護装置のいずれかを使用してください。

システムは、専用電力回路に設置してください(電力を大量に消費する他の電気機器と回路を共有させないでください)。一般に、システムの電力回路を、次の機器と共有させないでください。

コピー機

冷暖房装置

電気掃除機

暖房器

電動工具

テレタイプ機

計算機

レーザー プリンタ

ファクシミリ装置

その他の電動装置

これらの電気製品以外に、システムの電源に対する最大の脅威となるのは、落雷によるサージまたは停電です。雷雨の間は、可能なかぎりシステムとすべての周辺装置の電源を切り、プラグを電源から抜いてください。

システムに電源が入っている状態で停電が起きた場合は、それが一時的なものであっても、ただちにシステムの電源を切り、電源コードをコンセントから抜いてください。システムの電源を入れたままにしておくと、電力が復旧したときに問題が発生する恐れがあります。同じ区域で電源が入ったままになっているその他のすべての電気製品によって、大きな電圧スパイクが起き、システムが損傷する可能性があります。

電源保護装置の使用方法

電圧のサージ、過渡電流、電源障害などの電源に関する問題を防ぐための装置は多数あります。ここでは、そのような装置の一部について説明します。

サージ プロテクタ

サージ プロテクタにはさまざまなタイプがありますが、通常は、装置のコストに相応した保護レベルを備えています。サージ プロテクタは、雷雨の際に発生した電圧スパイクなどの急上昇した電圧が、コンセントを通じてシステムに入るのを防止します。ただし、サージ プロテクタは、電圧が通常の AC 回線の電圧水準を 20% より大きく下回るような、急激な電圧低下には効力がありません。

電力コンディショナ

電力コンディショナは、サージ プロテクタの過電圧保護より強力な機能を備えています。電力コンディショナは、システムの AC 電源の電圧をほぼ一定の水準に保ち、急激な電圧低下にも対応できます。電力コンディショナにはこの保護機能が追加されているため、サージ プロテクタより数百ドルも高いコストがかかります。ただし、この装置でも、完全な電源喪失には対応できません。

UPS

Uninterruptible power supply(UPS; 無停電電源装置)システムは、電源の変動に対する最も完璧な保護機能を備えています。これは、UPS が、AC 電源が失われたときに、システムの稼働を維持するバッテリ電源を使用するからです。このバッテリ電源は、使用可能な AC 電源によって充電されます。そのため、AC 電源からの電力供給が失われても、バッテリは一定時間(UPS システムによって異なるが、15 分間から 1 時間程度)、システムに電力を供給することができます。

UPS システムの価格は、数百ドルから数千ドルまでの幅があります。価格の高い装置の方が、AC 電源が失われたときに、より大規模なシステムをより長い時間、稼働させることができます。UPS システムは、必ず、サージ プロテクタと一緒に使用する必要があります。また、UPS システムは、Underwriters Laboratories(UL)安全規格に適合したものでなければなりません。