Cisco IOS IP ルーティング: OSPF コンフィギュレーション ガイド
OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モード
OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モード
発行日;2012/01/30 | 英語版ドキュメント(2011/04/25 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 3MB) | フィードバック

目次

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モード

機能情報の検索

この章の構成

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの前提条件

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの制約事項

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードについて

Cisco NSF のルーティングおよびフォワーディングの動作

NSF でのシスコ エクスプレス フォワーディング

RFC 3623 の OSPF グレースフル リスタート ヘルパー モード機能

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの使用方法

グレースフル リスタート ヘルパー モードのディセーブル化、およびヘルパー ルータでの厳密な LSA チェックの設定

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの設定例

IETF NSF のヘルパー サポートのディセーブル化:例

参考資料

関連資料

規格

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの機能情報

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モード

ここでは、OSPFv2 に対応する、Cisco IOS ソフトウェアの Nonstop Forwarding(NSF; ノンストップ フォワーディング)ヘルパー モードについて説明します。これは、RFC 3623「 Graceful OSPF Restart 」に記載されている IETF 標準のグレースフル リスタート ヘルパー モード機能を使用しています。グレースフル リスタート ヘルパー モード機能は、デフォルトでイネーブルになっており、マルチプラットフォームのネットワーク環境で有用です。OSPF のグレースフル リスタート モードとヘルパー モードの両方をサポートする混合プラットフォーム上で再起動中のルータを、他のプラットフォームのヘルパー モード ルータがアシストします。

機能情報の検索

お使いのソフトウェア リリースが、このモジュールで説明されている機能の一部をサポートしていないことがあります。最新の機能情報および警告については、ご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの機能情報」 を参照してください。

プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの前提条件

ルータで OSPF が設定されていること。

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの制約事項

模造リンク間での IETF グレースフル リスタートはサポートされません。

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードについて

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モード機能を設定するには、その前に次の概念を理解しておく必要があります。

「Cisco NSF のルーティングおよびフォワーディングの動作」

「NSF でのシスコ エクスプレス フォワーディング」

「RFC 3623 の OSPF グレースフル リスタート ヘルパー モード機能」

Cisco NSF のルーティングおよびフォワーディングの動作

RFC 3623 に先立ち、シスコでは、Cisco NSF と言うシスコ固有の NSF を実装していました。ネットワークで使用する Cisco IOS ソフトウェアのバージョンが、どちらをサポートするかによって、Cisco NSF または RFC 3623 IETF NSF のどちらかを設定できます。両方のタイプの NSF をサポートするソフトウェア バージョンの場合でも、すべてのルータに同じタイプの NFS を設定する必要があります。

Cisco NSF がサポートされるプロトコルは、ルーティングについては、BGP、EIGRP、OSPF、および IS-IS です。フォワーディングについては、Cisco Express Forwarding(CEF; シスコ エクスプレス フォワーディング)です。BGP、EIGRP、OSPF、および IS-IS の各ルーティング プロトコルは、NSF 対応機能と NSF 認識機能によって強化されます。つまり、これらのプロトコルを実行するルータは、スイッチオーバーを検出することが可能であり、ネットワーク トラフィックの転送を継続しながら、ルーティング情報をネイバー ルータから取得して回復するために必要なアクションを実行することができます。

本書では、NSF 互換ソフトウェアを実行するネットワーキング デバイスを、NSF 認識デバイスと呼びます。また、NSF をサポートするように設定されているデバイスを、NSF 対応デバイスと呼びます。NSF 対応デバイスは、ルーティング情報を NSF 認識ネイバーまたは NSF 対応ネイバーから取得して再構築します。Cisco NSF と IETF NSF の実装で動作が共通する NSF ルータ モードは、次のとおりです。

リスタート モード:IETF NSF リスタート モードまたはグレースフル リスタート モードとも呼ばれます。アクティブな RP 上での RP クラッシュまたはソフトウェア アップグレードが原因で RP スイッチオーバーが発生した場合に、OSPF ルータ プロセスが、ノンストップ フォワーディング回復を実行するモードです。

ヘルパー モード:IETF NSF 認識とも呼ばれます。NSF 回復中にネイバー ルータが再起動して支援するモードです。

OSPF RFC 3623 グレースフル リスタートの詳細については、 http://www.ietf.org/rfc/rfc3623.txt を参照してください。

NSF でのシスコ エクスプレス フォワーディング

NSF の重要な要素は、パケット フォワーディングです。OSPF プロトコルは、スイッチオーバー中にルーティング情報ベース(RIB)テーブルを再構築している間、CEF に依存してパケット フォワーディングを行います。OSPF のコンバージェンスが完了すると、CEF は、転送情報ベース(FIB)テーブルを更新して、古いルータのエントリを削除します。CEF は、この新しい FIB 情報でラインカードを更新します。CEF は FIB を保持しており、スイッチオーバー時点で最新だった FIB 情報を使用して、スイッチオーバー中もパケット フォワーディングを継続します。この機能によって、スイッチオーバー中のトラフィックの中断が抑制されます。

通常の NSF 動作では、アクティブ RP 上の CEF が、最新の FIB と隣接データベースを、スタンバイ RP 上の FIB と隣接データベースに同期させます。アクティブ RP がスイッチオーバーする時、スタンバイ RP には初め、アクティブ RP で最新だった FIB と隣接データベースのミラー イメージがあります。インテリジェント ラインカードを持つプラットフォームの場合、このラインカードが、スイッチオーバー前後も最新の転送情報を保持します。転送エンジンを持つプラットフォームの場合、CEF が、アクティブ RP での変更をスタンバイ RP に送信して、スタンバイ RP 上の転送エンジンを最新の状態に維持します。このため、ラインカードまたは転送エンジンは、スイッチオーバーが発生しても、インターフェイスおよびデータ パスが使用できる限りは転送を継続できます。

OSPF ルーティング プロトコルは、プレフィクス単位で RIB の再構築を開始するため、CEF による FIB および隣接データベースの更新も、プレフィクス単位で行われることになります。既存エントリと新規エントリは新しいバージョン番号を受信します。これは、それらが最新であることを示します。コンバージェンス中にラインカードまたは転送エンジン上の転送情報が更新されます。RIB のコンバージェンスが完了すると RP が信号通知を行います。ソフトウェアが、最新のスイッチオーバー エポックよりも古いエポックを持つすべての FIB と隣接エントリを削除します。これで、FIB は、最新のルーティング プロトコル転送情報を示すようになります。

OSPF ルーティング プロトコルは、アクティブ RP 上でのみ実行され、OSPF ネイバー ルータからルーティングの更新情報を受信します。OSPF ルーティング プロトコルは、スタンバイ RP では実行されません。スイッチオーバーの後、OSPF は、ルーティング テーブルの再構築に役立つステート情報を送信するよう NSF 認識ネイバー デバイスに要求します。


) NSF 動作で、OSPF は、ルーティング情報の再構築中、CEF に依存してパケットの転送を継続します。


RFC 3623 の OSPF グレースフル リスタート ヘルパー モード機能

ヘルパー モードの開始

再起動するルータと同じネットワーク セグメント上にあるネイバー ルータが、その再起動ルータから grace-LSA を受信した場合にヘルパー モードに入るためには、次の条件が満たされている必要があります。

このネイバーが、関連するネットワーク セグメントで、再起動ルータと隣接関係を完全に確立していること。

再起動ルータが再起動を開始して以降、リンクステート データベースが変更されていない。

猶予期間はまだ期限切れになっていない。

ローカル ポリシーで、ネイバー ルータがヘルパー ルータとして動作することが許可されている。

このネイバー ルータ自身が、グレースフル リスタート プロセス中ではないこと。

ネットワーク管理者が、このルータのヘルパー モードをディセーブルにしていない。

ヘルパー モードの終了

ヘルパー ルータは、次のいずれかのイベントが発生すると、ヘルパー モードの実行を停止します。

再起動ルータから送信された grace-LSA がフラッシュされ、再起動ルータがグレースフル リスタート プロセスを正常終了したことが判明した。

grace-LSA の猶予期間の期限が切れた。

リンクステート データベースの内容に、ネットワーク トポロジの変化を示す変更があったため、グレースフル リスタート プロセスが強制終了された。

グレースフル リスタート機能の詳細については、RFC 3623( http://www.ietf.org/rfc/rfc3623.txt )を参照してください。

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの使用方法

ここでは、次の作業について説明します。

「グレースフル リスタート ヘルパー モードのディセーブル化、およびヘルパー ルータでの厳密な LSA チェックの設定」 (任意)

グレースフル リスタート ヘルパー モードのディセーブル化、およびヘルパー ルータでの厳密な LSA チェックの設定

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モード機能は、デフォルトでイネーブルになっています。この機能をディセーブルにすることは推奨されません。ディセーブルになったネイバーが、隣接ネイバーのロストを検出すると、再起動中のネイバー ルータのグレースフル リスタート プロセスが終了してしまうためです。

厳密な LSA チェック機能を使用すると、ヘルパー ルータは、グレースフル リスタート プロセス中にフラッディングの原因となる変更された LSA を検出した場合に、グレースフル リスタート プロセスを終了することができます。厳密な LSA チェックは、デフォルトでディセーブルになっています。LSA に対して、再起動ルータにフラッディングされるような変更がある場合に、厳密な LSA チェックをイネーブルにします。NSF 認識ルータと NSF 対応ルータの両方に、厳密な LSA チェックを設定できますが、この設定が有効になるのは、ルータがヘルパー モードに入っている間だけです。

ヘルパー モードをディセーブルにする、または、NSF 認識(ヘルパー)ルータ上で厳密な LSA チェックをイネーブルにするには、次のタスクの手順に従います。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. router ospf process-id [ vrf vpn-name ]

4. nsf ietf helper disable

5. nsf ietf helper strict-lsa-checking

6. end

7. show ip ospf [ process-id ]

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

router ospf process-id [ vrf vpn-name ]

 

Router(config)# router ospf 454

Open Shortest Path First(OSPF)ルーティング プロセスを設定し、ルータでコンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

nsf ietf helper disable

 

Router(config-router)# nsf ietf helper disable

IETF NSF のヘルパー モードをディセーブルにします。

ステップ 5

nsf ietf helper strict-lsa-checking

 

Router(config-router)# nsf ietf strict-lsa-checking

NSF 認識(ヘルパー)ルータ上で厳密な LSA チェックをイネーブルにします。

ステップ 6

end

 

Router(config-router)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show ip ospf [ process-id ]

 

Router# show ip ospf 454

OSPF ルーティング プロセスに関する一般情報を表示します。また、ヘルパー モードまたは厳密な LSA チェックが、NSF 認識(ヘルパー)ルータ上でイネーブルになっているかどうかが表示されます。

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの設定例

ここでは、次の例について説明します。

「IETF NSF のヘルパー サポートのディセーブル化:例」

IETF NSF のヘルパー サポートのディセーブル化:例

次の設定例では、OSPF NSF のヘルパー サポートをディセーブルにします。

Router(config)# router ospf 200
Router(config-router)# nsf ietf helper disable

参考資料

ここでは、OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードに関する参考資料を紹介します。

関連資料

関連項目
参照先

OSPF コマンド

『Cisco IOS IP Routing: OSPF Command Reference』

OSPF の設定

「Configuring OSPF」

Cisco IOS ソフトウェアの Cisco NSF 機能

『Cisco Nonstop Forwarding』

Cisco IOS コマンドのマスター リスト

『Cisco IOS Master Command List , All Releases』

規格

規格
タイトル

なし

--

MIB

MIB
MIB リンク

なし

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC
タイトル

RFC 2328

OSPF Version 2

RFC 3623

Graceful OSPF Restart

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。

以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。

テクニカル サポートを受ける

ソフトウェアをダウンロードする

セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける

ツールおよびリソースへアクセスする

Product Alert の受信登録

Field Notice の受信登録

Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索

Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する

トレーニング リソースへアクセスする

TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する

この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

http://www.cisco.com/techsupport

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの機能情報

表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。

ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。

プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すると、特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートする Cisco IOS および Catalyst OS のソフトウェア イメージを判別できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。


表 1 に、特定の Cisco IOS ソフトウェア リリース群で特定の機能をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースだけを示します。特に明記されていない限り、Cisco IOS ソフトウェア リリース群の後続のリリースでもこの機能をサポートします。


 

表 1 OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モードの機能情報

機能名
リリース
機能情報

OSPF RFC 3623 のグレースフル リスタート ヘルパー モード

12.4(6)T

ここでは、OSPFv2 に対応する Cisco IOS ソフトウェアの NSF について説明します。これは、RFC 3623 で記述されている IETF 標準の再起動機能です。

次のコマンドが、導入または変更されました。 nsf cisco helper disable nsf ietf helper disable、nsf ietf helper strict-lsa-checking