Cisco IOS IP ルーティング: OSPF コンフィギュレーション ガイド
OSPF リンクステート データベース オーバー ロードの防止
OSPF リンクステート データベース オーバーロードの防止
発行日;2012/01/30 | 英語版ドキュメント(2011/04/25 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 3MB) | フィードバック

目次

OSPF リンクステート データベース オーバーロードの防止

この章の構成

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の前提条件

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能について

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能を使用する利点

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の動作

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の設定方法

OSPF プロセスの自己生成 LSA 数の制限

ルータでの非自己生成 LSA 数の確認

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の設定例

LSA 生成制限の設定:例

参考資料

関連資料

規格

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

コマンド リファレンス

用語集

OSPF リンクステート データベース オーバーロードの防止

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能では、指定された Open Shortest Path First(OSPF)プロセスの非自己生成のリンクステート アドバタイズメント(LSA)の数に制限を設けることができます。OSPF ドメイン内で他のルータによって生成された大量の LSA は、ルータの CPU およびメモリ リソースを大量に消費する可能性があります。

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の履歴

リリース
変更点

12.0(27)S

この機能が導入されました。

12.3(7)T

この機能は、Cisco IOS リリース 12.3(7)T に統合されました。

12.2(25)S

この機能は、Cisco IOS リリース 12.2(25)S に統合されました。

12.2(18)SXE

この機能は、Cisco IOS リリース 12.2(18)SXE に統合されました。

12.2(27)SBC

この機能は、Cisco IOS リリース 12.2(27)SBC に統合されました。

プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポート情報の検索

プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 http://www.cisco.com/go/fn にある Cisco Feature Navigator にアクセスしてください。Cisco.com 上のアカウントが必要です。アカウントを持っていないか、ユーザ名またはパスワードが不明の場合は、ログイン ダイアログボックスの [Cancel] をクリックし、表示される指示に従ってください。

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の前提条件

ご使用のネットワークで OSPF が実行されていることが前提になります。

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能について

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能を設定するには、次の項で説明する概念を理解しておく必要があります。

「OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能を使用する利点」

「OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の動作」

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能を使用する利点

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能は、指定された OSPF プロセスの非自己生成の LSA 数を制限するためのメカニズムを OSPF レベルで提供します。ネットワーク内の他のルータで設定の誤りがあると、多数のプレフィクスの再配布といった大量の LSA が生成される場合があります。この保護メカニズムを使用すると、ルータが大量の LSA を受信したり、CPU とメモリが不足することを回避できます。

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の動作

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能がイネーブルになっていると、ルータは受信した(非自己生成)LSA の数を保持します。設定された LSA のしきい値数に達すると、エラー メッセージのログが記録されます。設定された LSA の最大数を超過すると、ルータから通知が送信されます。受信した LSA の数が 1 分経過しても設定されている最大値よりも依然として大きい場合、OSPF プロセスはすべての隣接関係を解除し、OSPF データベースを消去します。この ignore 状態では、この OSPF プロセスに属するインターフェイスで受信された OSPF パケットがすべて無視されます。これらのインターフェイスでは OSPF パケットは生成されません。OSPF プロセスは、 max-lsa コマンドの ignore-time キーワードで設定された期間、ignore 状態のままとなります。OSPF プロセスが ignore 状態になるたびにカウンタの値が 1 つ増えます。このカウンタが ignore-count キーワードで設定された数よりも大きくなると、OSPF プロセスは同じ ignore 状態のままになります。このプロセスの ignore 状態を解除するには、手動操作が必要です。ignore 状態のカウンタが 0 にリセットされ、OSPF プロセスは reset-time キーワードで指定された期間、通常の動作状態のままとなります。

max-lsa コマンドの warning-only キーワードが設定されると、OSPF プロセスは LSA の最大値を超過していることを示す警告だけを送信します。

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の設定方法

ここでは、次の手順について説明します。

「OSPF プロセスの自己生成 LSA 数の制限」(必須)

OSPF プロセスの自己生成 LSA 数の制限

このタスクでは、OSPF プロセスの非自己生成 LSA 数を制限し、確認する方法について説明しています。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. router ospf process-id

4. router-id ip-address

5. log-adjacency-changes [ detail ]

6. max-lsa maximum-number [ threshold-percentage ] [ warning-only ] [ ignore-time minutes ] [ ignore-count count-number ] [ reset-time minutes ]

7. network ip-address wildcard-mask area area-id

手順の詳細

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

router ospf process-id

 

Router(config)# router ospf 1

OSPF ルーティングをイネーブルにします。

process-id 引数は OSPF プロセスを示します。

ステップ 4

router-id ip-address

 

Router(config-router)# router-id 10.0.0.1

OSPF プロセスの固定ルータ ID を指定します。

ステップ 5

log - adjacency-changes [ detail ]

 

Router(config-router)# log-adjacency-changes

OSPF ネイバーが起動または停止したときに、ルータが syslog メッセージを送信するように設定します。

ステップ 6

max-lsa maximum-number [ threshold-percentage ] [ warning-only ] [ ignore-time minutes ] [ ignore-count count-number ] [ reset-time minutes ]

 

Router(config-router)# max-lsa 12000

OSPF ルーティング プロセスが OSPF リンクステート データベース(LSDB)で保持できる非自己生成 LSA 数を制限します。

ステップ 7

network ip-address wildcard-mask area area-id

 

Router(config-router)# network 209.165.201.1 255.255.255.255 area 0

OSPF を実行するインターフェイスを定義し、それらのインターフェイスに対するエリア ID を定義します。

ルータでの非自己生成 LSA 数の確認

show ip ospf コマンドに database-summary キーワードを指定して入力すると、ルータで実際の非自己生成 LSA 数を確認できます。このコマンドはいつでも使用でき、特定のルータに関する、OSPF データベースに関連する情報のリストが表示されます。

Router# show ip ospf 2000 database database-summary
 
OSPF Router with ID (192.168.1.3) (Process ID 2000)
 
Area 0 database summary
LSA Type Count Delete Maxage
Router 5 0 0
Network 2 0 0
Summary Net 8 2 2
Summary ASBR 0 0 0
Type-7 Ext 0 0 0
Prefixes redistributed in Type-7 0
Opaque Link 0 0 0
Opaque Area 0 0 0
Subtotal 15 2 2
 
Process 2000 database summary
LSA Type Count Delete Maxage
Router 5 0 0
Network 2 0 0
Summary Net 8 2 2
Summary ASBR 0 0 0
Type-7 Ext 0 0 0
Opaque Link 0 0 0
Opaque Area 0 0 0
Type-5 Ext 4 0 0
Prefixes redistributed in Type-5 0
Opaque AS 0 0 0
Non-self 16
Total 19 2 2
 

OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能の設定例

ここでは、次の例について説明します。

「LSA 生成制限の設定:例」

LSA 生成制限の設定:例

ここでは、最大値の 14,000 を超過した場合、非自己生成 LSA をこれ以上受け入れないように設定されます。

Router(config)# router ospf 1
Router(config-router)# router-id 192.168.0.1
Router(config-router)# log-adjacency-changes
Router(config-router)# max-lsa 14000
Router(config-router)# area 33 nssa
Router(config-router)# network 192.168.0.1 0.0.0.0 area 1
Router(config-router)# network 192.168.5.1 0.0.0.0 area 1
Router(config-router)# network 192.168.2.1 0.0.0.0 area 0
 

ここでは、設定の確認に show ip ospf コマンドを入力してあります。

Router# show ip ospf 1
 
Routing Process "ospf 1" with ID 192.168.0.1
Supports only single TOS(TOS0) routes
Supports opaque LSA
Supports Link-local Signaling (LLS)
Supports area transit capability
Maximum number of non self-generated LSA allowed 14000
Threshold for warning message 75%
Ignore-time 5 minutes, reset-time 10 minutes
Ignore-count allowed 5, current ignore-count 0
It is an area border and autonomous system boundary router
 

ここでは、ルータが ignore 状態のときに、 show ip ospf コマンドが入力された場合の出力が示されています。

Router# show ip ospf 1
 
Routing Process "ospf 1" with ID 192.168.0.1
Supports only single TOS(TOS0) routes
Supports opaque LSA
Supports Link-local Signaling (LLS)
Supports area transit capability
Maximum number of non self-generated LSA allowed 14000
Threshold for warning message 75%
Ignore-time 5 minutes, reset-time 10 minutes
Ignore-count allowed 5, current ignore-count 1
Ignoring all neighbors due to max-lsa limit, time remaining: 00:04:52
It is an area border and autonomous system boundary router
 

ここでは、ルータが ignore 状態を終了後、 show ip ospf コマンドが入力された場合の出力が示されています。

Router# show ip ospf 1
 
Routing Process "ospf 1" with ID 192.168.0.1
Supports only single TOS(TOS0) routes
Supports opaque LSA
Supports Link-local Signaling (LLS)
Supports area transit capability
Maximum number of non self-generated LSA allowed 14000
Threshold for warning message 75%
Ignore-time 5 minutes, reset-time 10 minutes
Ignore-count allowed 5, current ignore-count 1 - time remaining: 00:09:51
It is an area border and autonomous system boundary router
 

ここでは、ignore 状態のままのルータに対して show ip ospf コマンドが入力された場合の出力が示されています。

Router# show ip ospf 1
 
Routing Process "ospf 1" with ID 192.168.0.1
Supports only single TOS(TOS0) routes
Supports opaque LSA
Supports Link-local Signaling (LLS)
Supports area transit capability
Maximum number of non self-generated LSA allowed 14000
Threshold for warning message 75%
Ignore-time 5 minutes, reset-time 10 minutes
Ignore-count allowed 5, current ignore-count 6
Permanently ignoring all neighbors due to max-lsa limit
It is an area border and autonomous system boundary router

参考資料

ここでは、OSPF リンクステート データベース オーバーロード防止機能に関する参考資料を紹介します。

関連資料

関連項目
参照先

OSPF の設定

Configuring OSPF 」モジュール

規格

規格
タイトル

なし

--

MIB

MIB
MIB リンク

なし

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC
タイトル

なし

--

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

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用語集

LSDB :リンクステート データベース。