Cisco ACNS ソフトウェア アップグレード/メンテナンス ガイド Release 5.x
ACNS デバイスおよびオリジン サーバ のメンテナンス
ACNS デバイスおよびオリジン サーバのメンテナンス
発行日;2012/01/15 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

ACNS デバイスおよびオリジン サーバのメンテナンス

回復不能なコンテンツの損失の予防

変更を行う前の注意点

外部でホスティングされたマニフェスト ファイルの発行に使用するソフトウェアのアップグレード

IP アドレスの変更 -- 取得と配信サービスへの影響

IP アドレスの変更 -- キャッシング サービスへの影響

IP アドレスの変更 -- ストリーミング サービスへの影響

オリジン サーバの再配置または交換

オリジン サーバに同じホスト名と IP アドレスを使用

オリジン サーバ用の新しいホスト名と IP アドレスの使用

ルート Content Engine の再配置または交換

Content Distribution Manager の再配置または交換

デバイスの管理とメンテナンスのベスト プラクティス

トラブルシューティング

ファイルの複製ステータスのチェック

ストリーミング セッション統計情報のチェック

ストリーミング セッション統計情報について

CLI を使用したストリーミング セッションの統計情報の表示

カバレッジ ゾーン ファイルの構文チェック

ACNS デバイスおよびオリジン サーバのメンテナンス

この章では、ACNS ネットワーク デバイスのメンテナンスを実行する際に、コンテンツ配信サービスへの影響を最小限にする方法について説明します。このメンテナンスには、故障したハードウェアの交換、あるいはオリジン サーバ、ルート Content Engine、Content Router、または Content Distribution Manager の追加や再配置などが含まれます。

この章の内容は次のとおりです。

「回復不能なコンテンツの損失の予防」

「オリジン サーバの再配置または交換」

「ルート Content Engine の再配置または交換」

「Content Distribution Manager の再配置または交換」

「デバイスの管理とメンテナンスのベスト プラクティス」

「トラブルシューティング」

回復不能なコンテンツの損失の予防

Content Engine は、取得され配信されるコンテンツの識別と追跡に、索引付け機能を使用しています。オリジン サーバのコンテンツに修正、移動、削除、追加など、何らかの変更を加えると、索引付けに影響を与えます。変更によりコンテンツの索引付けが影響を受けると、そのコンテンツは再取得され、再配信されます。

新しいコンテンツが取得され再配信されると、既存のコンテンツはチャネル内のすべての Content Engine から削除されます。ネットワーク内で特定のクリティカルな変更を行うと、回復不能なコンテンツの損失を招く危険性があります。ここでは、コンテンツの損失を招く可能性のある状況、リスクを軽減する方法、およびコンテンツの損失を防止する方法について説明します。

変更を行う前の注意点

マニフェスト ファイル、またはネットワーク内のデバイスのロケーションまたは IP アドレスを変更する前に、次の重要な情報をお読みください。


注意 マニフェスト ファイルの開始 URL の変更につながる作業は、コンテンツの再取得と再配信をトリガーする可能性があります。再取得と再配信がトリガーされることで、以前に配信されたコンテンツはすべて削除され、クロール タスクが開始されます。マニフェスト ファイルの修正、オリジン サーバの再配置、または IP アドレスの変更によって開始 URL が変更されると、取得側はその URL を新しい開始 URL として認識します。取得側は新しい開始 URL を検出すると、以前のコンテンツを削除し、新たにクロール タスクを開始します。

次の種類の変更を行うと、事前配信のコンテンツを失う原因になります。

Content Distribution Manager 内のマニフェスト ファイルの移動および マニフェスト URL の変更

マニフェスト ファイルの動的な生成と発行に使用するアプリケーション ソフトウェアのアップグレード

ファイルの末尾にあるクロール タスク エントリへの何らかの変更

開始 URL の先頭のスラッシュ(/)の追加または削除

クロール タスクにより項目が取得されていないときに、その項目エントリをマニフェスト ファイルから削除

クロール タスクの開始 URL の一部である IP アドレスの変更

オリジン サーバのホスト名の変更

オリジン サーバの再配置

認証が必要とされる場合のユーザ ID またはパスワードの変更

照合ルールの変更

クロール タスクの開始 URL のポート番号の変更

次の変更は、行ってもコンテンツは失われません。

コンテンツ プロバイダーの変更

Web サイト オリジン サーバの変更

Web サイト FQDN の変更

外部でホスティングされたマニフェスト ファイルの発行に使用するソフトウェアのアップグレード

マニフェスト ファイルを動的に生成し発行するアプリケーションを使用している場合、ACNS ネットワーク内でこのアプリケーション ソフトウェアをアップグレードする際には、十分な注意が必要です。マニフェスト発行用ソフトウェアのアップグレード時に、マニフェスト ファイルが無効になり、その結果配信済みのコンテンツが意図せずに削除されることがあります。

このような事態におけるコンテンツの損失を回避するには、マニフェスト発行用ソフトウェアをアップグレードする前に、ルート Content Engine およびルート ロケーションにある、ルートになる可能性のある Content Engine 上の取得と配信プロセスをディセーブルにすることを推奨します。ルート Content Engine と同じチャネルおよびロケーションにある Content Engine は、どれも一時的にルートになる可能性があります。アプリケーション ソフトウェアのアップグレードが完了したら、各 Content Engine の取得と配信プロセスを再起動できます。

取得と配信プロセスをディセーブルにするには、 acquisition-distribution stop EXEC コマンドを使用します。

取得と配信プロセスを再起動するには、 acquisition-distribution start EXEC コマンドを使用します。

IP アドレスの変更 -- 取得と配信サービスへの影響

Content Engine の IP アドレスを変更する場合は、取得と配信サービスを停止してから変更する必要があります。IP アドレスを変更する前に取得と配信サービスを停止しなかった場合、マルチキャスト レシーバは以前の IP アドレスを待ち受けることになり、新しい IP アドレスは認識されません。

取得と配信に使用されている Content Engine の IP アドレスを変更する場合は、次の手順に従ってください。


ステップ 1 acquisition-distribution stop EXEC コマンドを使用して、取得と配信サービスを停止します。

CE# acquisition-distribution stop
 

ステップ 2 インターフェイスの IP アドレスを変更します。

ステップ 3 acquisition-distribution start EXEC コマンドを使用して、取得と配信サービスを再起動します。

CE# acquisition-distribution start
 


 

IP アドレスの変更 -- キャッシング サービスへの影響

コンテンツのキャッシングに使用されている Content Engine の IP アドレスを変更する場合、アプリケーションへの影響には次のものがあります。

ルール ― 問題は認められません。

WCCP ― IP アドレスが変更されると、WCCP エラー メッセージが表示されます。新しい IP アドレスの設定後にキャッシュ ファームが形成されます。問題は認められません。

認証 ― 問題は認められません(LDAP でのみテスト済み)。

SmartFiler ― IP アドレスが削除されると、SmartFilter アプリケーションはディセーブルになります。IP アドレスの再割り当てを行い、SmartFilter の URL フィルタリングを再度イネーブルにする必要があります。

Websense ― IP アドレスが変更されると、Websense は停止し、再起動します。問題は認められません。

Translog ― IP アドレスの変更後、トランザクションのログは継続されます。

IP アドレスの変更 -- ストリーミング サービスへの影響

ストリーミング コンテンツに使用されている Content Engine の IP アドレスを変更する場合、アプリケーションへの影響には次のものがあります。

ブロードキャスト エイリアス ― ブロードキャスト エイリアスが Content Engine に設定されていて、Content Engine の IP アドレスを変更する場合は、Content Engine の IP アドレスがブロードキャスト エイリアスの URL に使用されているので、ブロードキャスト エイリアス URL も変更する必要があります(例:http://<CEIP>/Broadcast-alias)。

Windows メディア サーバへの直接プロキシ ライブ要求 ― Windows メディア サーバの IP アドレスを変更する場合は、発行 URL を変更する必要があります(例:http://<WMSIP>/filename)。

発信プロキシ ― ネットワーク内の IP アドレスを変更する場合は、発信プロキシを再設定する必要があります。

管理対象のライブ ― ルート Content Engine の IP アドレスを変更する場合は、そのチャネルのオリジン サーバ設定を変更し、プログラムを再起動する必要があります。

管理対象のライブ マルチキャスト ― ルート Content Engine に障害が発生した場合や交換された場合は、新しいルート Content Engine の IP アドレスを使用するようにマルチキャスト発行 URL を変更する必要があります。

ルート Content Engine が変更されると、ルート ロケーションのロケーション リーダーまたは転送パス上の次のロケーションのロケーション リーダーが、送信元からストリームを直接取得し、それを下位レベルのロケーション リーダーに送信します。ただし、マルチキャストおよびユニキャスト発行 URL はそのままで、元のルート Content Engine の IP アドレスを保持しています。ユニキャスト発行 URL を使用したユニキャスト要求が、下位レベルの Content Engine に発行されると、ストリームが配信されます。ただし、マルチキャスト発行 URL を使用したマルチキャスト要求が、下位レベルの Content Engine に発行されると、ストリームは失敗します。Content Engine が必要とする .nsc ファイルを取得するために欠落しているルート Content Engine を見つけることができないためです。

この問題に対応するには、次のいずれかの回避策を使用します。

マルチキャスト URL に、ルート Content Engine の IP アドレスではなく、下位レベルのロケーション リーダーの IP アドレスを使用します。

要求に対し Content Router のリダイレクションを使用します。これによりクライアントはリダイレクトされ、カバレッジ ゾーン ファイルに基づいて、そのプログラムに関連付けられている別の Content Engine から .nsc ファイルを取得できます。

ロケーション リーダーの選出 ― Content Engine の IP アドレスの変更は、最も低い IP アドレスを持つ Content Engine が常にリーダーに選出されるため、ロケーション リーダーの選出に影響します。ライブ分割は、この種の変更では直接の影響を受けません。

オリジン サーバの再配置または交換

ACNS ネットワーク内で事前配信のコンテンツ用に使用されているオリジン サーバに障害が発生し、それを交換すると、最悪の場合、障害の発生したオリジン サーバからの全コンテンツがすべての受信側 Content Engine から削除されます。この状況が発生した場合、新しいオリジン サーバから取得されるすべてのコンテンツは新しいコンテンツと見なされ、すべての受信側 Content Engine にそのコンテンツが再複製される必要があります。項目が多数になると複製に長い時間がかかることがあり、それによりコンテンツの提供に遅延が生じることになります。

バックアップ ストレージからすべてのコンテンツを新しいオリジン サーバに復元することが可能で、コンテンツに変更がないということが前提条件ですが、手順を踏むことで事前配信コンテンツ サービスの停止を最小限にすることが可能です。この手順は、ACNS がサポートするすべてのコンテンツ取得プロトコルに適用されます。

オリジン サーバを交換するときは、新規ハードウェアに同じホスト名と IP アドレスを割り当てることも、新しいホスト名と IP アドレスを割り当てることもできます。次の項では、それぞれの場合に取るべき手順と最善の作業項目について説明します。

オリジン サーバに同じホスト名と IP アドレスを使用

オリジン サーバを交換し、同じホスト名と IP アドレスを使用するには、次の手順に従ってください。


ステップ 1 現行のオリジン サーバのハードウェアの電源をオフにします。

現行のオリジン サーバの電源がオフになっているとき、マニフェスト ファイルに ttl 属性を使用する項目またはクロール タスクの再チェックが指定されている場合は、ルート Content Engine の取得側モジュールが、現行のオリジン サーバで指定されたコンテンツを再チェックします。現行のオリジン サーバは動作していないので、ルート Content Engine はエラーを表示しますが、以前に取得した古いコンテンツは削除されません。オリジン サーバの電源がオフになった状態は、受信側の Content Engine には透過的になります。

ステップ 2 現行のオリジン サーバと同じホスト名と IP アドレスを使用した新しいオリジン サーバの電源をオンにします。コンテンツの事前配信には同じチャネルと同じマニフェスト ファイルを使用します。

新しいオリジン サーバの電源がオンになると、取得側であるルート Content Engine は、マニフェスト ファイル内の failRetryInterval 属性または ttl 属性によりトリガーされ、新しいオリジン サーバのコンテンツをチェックします。ルート Content Engine はタイムスタンプが変わっていることを検出し、新しいオリジン サーバからコンテンツを再取得します。相対 URL と MD5 チェックサムが変わっていないので、コンテンツのメタデータのみが再配信されます。コンテンツ ファイルを再複製する必要はありません。


ttl 属性はオプションで、コンテンツを再評価する時間間隔を分単位で指定します。時間の値を省略した場合、コンテンツは 1 回だけ取得され、それ以降最新状態が確認されることはありません。


ステップ 3 項目の再チェックまたはクロール タスク用の ttl 属性がマニフェスト ファイルに指定されていない場合は、Content Distribution Manager GUI の Channel Content ウィンドウ( Services > Web > Channels > Channel Content )で Fetch Manifest Now ボタンをクリックすれば、ルート Content Engine に新しいオリジン サーバからのコンテンツを再チェックさせることができます。

Fetch Manifest Now ボタンをクリックすると、マニフェスト ファイルが更新されたかどうか、また更新された場合はマニフェスト ファイルがダウンロードされて再解析されているかどうかがチェックされます。さらに、マニフェスト ファイルの更新の有無にかかわらず、チャネルのすべてのコンテンツが再チェックされ、更新されているコンテンツはダウンロードされます。

このほかに、ルート Content Engine の CLI で、 acquirer start-channel EXEC コマンドを使用する方法があります。

ルート Content Engine は新しいバージョンをダウンロードしている間もコンテンツの提供を継続します。コンテンツがルート Content Engine にダウンロードされると、ソフトウェアによって古いコンテンツ ファイルは削除され新しいバージョンに置き換えられます。


 

オリジン サーバ用の新しいホスト名と IP アドレスの使用

マニフェスト ファイルに単一コンテンツの項目のみが含まれており、クロール タスクがまったく定義されていない場合は、新しいホスト名と IP アドレスを持つオリジン サーバに置き換えるのは複雑な作業ではありません。オリジン サーバを交換し、新しいホスト名と IP アドレスを使用するには、次の手順に従ってください。


ステップ 1 マニフェスト ファイルに単一コンテンツの項目のみが含まれており、クロール タスクがまったく定義されていない場合は、すべての URL の現行のホスト名と IP アドレスを、新しいホスト名と IP アドレスに置き換えてマニフェスト ファイルを変更します。

ステップ 2 ルート Content Engine に新しいマニフェスト ファイルを取得させて解析させるには、Content Distribution Manager GUI の Channel Content ウィンドウ( Services > Web > Channels > Channel Content )で、 Fetch Manifest Now ボタンをクリックするか、または、ルート Content Engine の CLI で acquirer start-channel EXEC コマンドを使用します。

ルート Content Engine は、新しいマニフェスト ファイルを解析すると、新しいオリジン サーバから新しい項目を取得します。コンテンツ項目のメタデータは受信側 Content Engine に再配信されます。コンテンツ ファイル自体は再複製する必要がありません。


 

マニフェスト ファイルにクロール タスクが含まれている場合は、オリジン サーバの交換およびホスト名または IP アドレスの変更手順がより複雑になります。


注意 オリジン サーバのホスト名と IP アドレスを変更するときに、クロール タスクの開始 URL を変更しています。ルート Content Engine は、この新しい開始 URL を新しいクロール タスクとみなし、この新しい URL から新しいコンテンツを取得する前に、従来の開始 URL から取得した全コンテンツを削除します。

ルート Content Engine がすべての事前配信コンテンツを削除しないようにするには、次の回避策を使用する必要があります。


ステップ 1 事前配信ファイル システム(cdnfs)に事前配信コンテンツを収容できるだけの十分なディスク スペースを持つ、予備の Content Engine を配置します。

ステップ 2 この予備の Content Engine を Content Distribution Manager に登録し、現行のルート Content Engine と同じロケーションに設定します。

ステップ 3 現行のルート Content Engine にログインし、 acquirer stop-channel EXEC コマンドを使用して、影響を受ける各チャネルをディセーブルにします。

ステップ 4 すべての URL の現行ホスト名と IP アドレスを新しいホスト名と IP アドレスに置き換えて、マニフェスト ファイルが新しいホスト名と IP アドレスを使用するように修正します。

ステップ 5 チャネルに予備の Content Engine を割り当て、それをチャネルの新しいルート Content Engine として選出します。

新しいルート Content Engine は、新しいオリジン サーバをクロールして新しいコンテンツを取得しますが、ほかのどの Content Engine にもコンテンツ削除イベントを伝播しません。新しいルート Content Engine は、タイムスタンプが変わったのでコンテンツを更新済みとマークします。クロール タスク コンテンツのメタデータは受信側 Content Engine に再配信されます。コンテンツ ファイル自体は再複製する必要がありません。

ステップ 6 クロール タスクによるすべての受信側 Content Engine へのコンテンツの複製が終了したら、従来のルート Content Engine に切り替え、予備のContent Engine を取り外すことができます。

Content Distribution Manager への Content Engine の登録、ロケーションの設定、チャネルへの Content Engine の割り当てと割り当て解除、およびルート Content Engine の選出については、『 Cisco ACNS Software Configuration Guide for Centrally Managed Deployments 』を参照してください。


 

ルート Content Engine の再配置または交換

取得コンテンツの損失を防ぎ、コンテンツ配信の遅延を最小限にするための手順を実行する場合、ルート Content Engine および受信側 Content Engine に関する次の情報を理解しておくと便利です。

ルート Content Engine は、コンテンツを取得する際に、フル URL、ファイル サイズ、およびファイルのタイムスタンプをチェックしてファイルのバージョンを判別します。URL またはファイルのタイムスタンプが変わっている場合、ルート Content Engine はコンテンツを再度取得する必要があります。

受信側 Content Engine は、コンテンツを配信する際に、各ファイルの相対 URL および MD5 チェックサムをチェックします。MD5 チェックサムは、ファイル内容が変更されたかどうかを識別するファイルのフィンガープリントを作成します。相対 URL とファイル内容に変更がない場合、ACNS ソフトウェアはファイルを再配信する必要がなく、コンテンツのメタデータのみを再配信するだけです。

ただし、ルート Content Engine が誤ってコンテンツ削除イベントをすべての受信側 Content Engine に伝播し、相対 URL とファイル内容に変更がないにもかかわらずコンテンツが削除されることがあります。コンテンツが再度取得されたら、すべての受信側 Content Engine に再度複製する必要があります。

ルート Content Engine を、以前チャネルに割り当てていなかった Content Engine と交換した場合、コンテンツは再取得され、古いコンテンツは削除されます。

ルート Content Engine の交換時にコンテンツの再取得を防ぐには、同じチャネルの受信側
Content Engine のいずれかをルート Content Engine の交換対象にします。その受信側 Content Engine の複製が完了するまで待ち、そのあとでこの Content Engine をルート Content Engine に指定します。手順の詳細については、『 Cisco ACNS Software Configuration Guide for Centrally Managed Deployments 』を参照してください。

この方法でルート Content Engine を交換すると、チャネル内のすべての Content Engine は、メタデータのポーリングを介して新しいルート Content Engine と同期をとります。前回にメタデータがポーリングされたあとコンテンツの変更がなければ、コンテンツは他の Content Engine に再配信されません。

Content Distribution Manager の再配置または交換

Content Distribution Manager の IP アドレスを変更した場合、すべての管理対象デバイスはアドレスが変更されたことを学習して、新しいアドレスをポーリングして設定を変更できるようにする必要があります。

CLI または GUI を使用してスタンバイ Content Distribution Manager の IP アドレスを変更した場合、プライマリ Content Distribution Manager は、スタンバイ Content Distribution Manager に登録されているすべてのデバイスにその新しい IP アドレスを送信します。すべてのデバイスは、オンラインになっているかぎり、データフィードの 2 回のポーリング期間内に新しいスタンバイ Content Distribution Manager の IP アドレスを学習するので、ユーザが対処する必要はありません。

プライマリ Content Distribution Manager の IP アドレスの変更の場合、デバイスはプライマリ Content Distribution Manager から設定変更について学習するので、対処がより難しくなります。プライマリ Content Distribution Manager の IP アドレスが変更されると、登録されているデバイスはプライマリContent Distribution Manager をポーリングできなくなります。

これらのデバイスは、次の 3 通りの方法のいずれかを使用して新しい IP アドレスを学習する必要があります。

cdm ip グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、IP アドレスまたはホスト名を指定できます。プライマリ Content Distribution Manager に IP アドレスでなくホスト名を指定した場合、管理対象のデバイスは、DNS を介して Content Distribution Manager の IP アドレスを検出できます。Content Distribution Manager のホスト名を変更しないでおけば、DNS サーバ上の Content Distribution Manager の IP アドレスを変更するだけで、新しい設定を反映させることができます。デバイスが新しい IP アドレスを学習するために要する時間は、DNS に設定されている Content Distribution Manager 名のレコード用の TTL 値に依存します。

cdm ip グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して IP アドレスを指定した場合は、管理対象の各デバイスにログインし、 cdm ip コマンドで新しい IP アドレスを入力できます。

スタンバイ Content Distribution Manager がある場合は、プライマリ Content Distribution Manager からスタンバイに切り替えたり、またはその逆の操作が行えます。新しいプライマリ(以前のスタンバイ)は、以前のプライマリ Content Distribution Manager の新しい IP アドレスを管理対象のすべてのデバイスに送信します。オンラインになっているすべてのデバイスは、この新しい IP アドレスをデータフィードの 2 ~ 4 回のポーリング期間内に受信します。この時点で、Content Distribution Manager を現状のままにしておくか、再度役割を切り替えるか選択できます。

デバイスの管理とメンテナンスのベスト プラクティス

Content Engine、Content Router、および Content Distribution Manager を ACNS ネットワーク内の新しい場所に再配置する場合、次の注意事項を守ることで設定変更を最小限にすることができます。

中央管理環境の Content Engine および Content Router の初期セットアップ時は、Content
Distribution Manager に IP アドレスでなくホスト名を入力します。これにより、Content
Distribution Manager に新しい IP アドレスを割り当てる必要が生じた場合に、それに登録されている各デバイスで設定を変更する必要がなくなります。

デバイスの関連付けに使用される Content Distribution Manager のホスト名の設定には、 cdm ip グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。次の例を参照してください。

CE-507# config
CE-507(config)# cdm ip hostname
 

このコマンドにより、デバイスと Content Distribution Manager が関連付けられ、デバイスはネットワークの一部として承認されます。

デバイスは、Content Distribution Manager のホスト名が設定されると、自署名のセキュリティ証明書および、デバイスの IP アドレスまたはホスト名、ディスク スペース割り当てなどの重要な情報を Content Distribution Manager に提供します。

Content Distribution Manager GUI を使用して Content Engine および Content Router の IP アドレスの変更を行うと、Content Distribution Manager への登録の削除や再登録の必要はありません。新しく再配置されたデバイスは、その Content Distribution Manager のホスト名の設定をリブート後も保持する必要があり、Content Distribution Manager はデバイスを認識して新しい IP アドレスなどの変更情報を更新する必要があります。ルート Content Engine またはその他の Content Engine の IP アドレスを変更した場合、コンテンツの配信に影響してはなりません。

Content Engine を Content Distribution Manager に登録したあとは、Content Distribution Manager GUI でインターフェイスの IP アドレスの変更を行うことを推奨します。Content Engine が登録されると、その Content Engine に加えるすべての設定変更が、Content Distribution Manager に登録されているほかのデバイスに伝達されます。

Content Engine ― Content Engine CLI を使用して Content Engine のプライマリ インターフェイスの IP アドレスを直接変更すると、Content Distribution Manager はその変更を認識しません。このため、Content Distribution Manager GUI では Content Engine がオフラインに見えると同時に、Content Engine と Content Distribution Manager Central Management System(CMS)との間の通信が途絶えます。


) CMS データベースには、Content Distribution Manager が認識しているデバイスの、すべての設定情報が保存されています。CMS は、定期的(データフィードのポーリング期間)に通信してデバイス間の情報の同期を取っています。Content Distribution Manager GUI を使用して行った設定変更は、ネットワーク内で登録されているすべての Content Engine に伝播されます。チャネル、Web サイト、マニフェスト ファイルなど、取得と配信の要素に対する設定変更も、すべての Content Engine に伝播されます。

Content Distribution Manager GUI に表示される「オフライン(Offline)」のデバイス ステータスは、Content Engine と Content Distribution Manager の間の CMS 通信がデータフィードの 2 回のポーリング期間を過ぎても成功しなかったことを意味しています。オフラインのステータスが表示されても、Content Engine のほかのサービスが機能しないことを意味するわけではありません。Content Engine 自体が機能しない場合、Content Distribution Manager GUI には「非アクティブ(Inactive)」と表示されます。


IP アドレスの変更が原因で Content Engine がオフラインになった場合、取得されたコンテンツは失われませんが、Content Distribution Manager にオフラインとして認識されているかぎり、その Content Engine はチャネルとマニフェスト ファイルに加えられた変更や更新を検出することができません。

オフラインの Content Engine は、すでに取得済みだったコンテンツの配信タスクを継続しますが、チャネルに割り当てられている新しいコンテンツおよび新しいマニフェスト ファイルの取得タスクまたは配信タスクには参加できません。

Content Distribution Manager GUI を使用して Content Engine のプライマリ インターフェイスの IP アドレスを変更した場合( Devices > Content Engine > General Settings > Network > Network Interfaces )、Content Distribution Manager が IP アドレスの変更を ACNS ネットワーク内のすべてのデバイスに伝達するので、Content Engine はオフラインになりません。

Content Router ― Content Router CLI を使用して Content Router のプライマリ インターフェイスの IP アドレスを直接変更すると、Content Distribution Manager にはその変更が認識されません。このため、Content Distribution Manager GUI には Content Router がオフラインとして表示されると同時に、Content Router と Content Distribution Manager の間で CMS 通信が行われなくなります。

IP アドレスの変更が原因で Content Router がオフラインになると、Content Router はそれ以降のチャネル設定の変更やカバレッジ ゾーン ファイルの変更などの設定の更新情報を Content Distribution Manager から受信できません。カバレッジ ゾーン ファイルは Content Distribution Manager に残りますが、それ以降にカバレッジ ファイルが更新されても、オフラインの Content Router には届きません。結果的に、Content Router は失効したカバレッジ ゾーン ファイル情報と、失効したルーティング テーブルを保持する場合があり、ACNS のコンテンツ要求をリダイレクトするルータの機能が影響を受けることがあります。

Content Router の IP アドレスの変更による取得と配信への影響はありません。

Content Distribution Manager GUI を使用して Content Router のプライマリ インターフェイスの IP アドレスを変更した場合( Devices > Content Router > General Settings > Network > Network Interfaces )、Content Distribution Manager が IP アドレスの変更を ACNS ネットワーク内のすべてのデバイスに伝達します。Content Router の機能は影響を受けません。

Content Engine がファイアウォールの背後にあり、Content Distribution Manager GUI の Device Active ウィンドウで NAT アドレス設定を設定していた場合は、設定の変更が必要になることがあります。

NAT アドレスが設定されている場合、Content Distribution Manager は 明示的に設定された IP アドレスを使用して、NAT ファイアウォールの背後にある ANCS ネットワーク内のデバイスと通信します。NAT アドレスが設定されているデバイスを再配置したあとは、IP アドレスが正しいことを確認してください。

Content Distribution Manager GUI で NAT アドレス設定を表示するには、 Devices > Devices を選択します。変更する Content Engine 名の横にある Edit アイコンをクリックします。Device Home ウィンドウが表示されます。Contents ペインで、 Device Activation を選択します。Device Activation ウィンドウが表示され、NAT Address 設定フィールドが表示されます。このフィールドの NAT アドレスを変更します。

トラブルシューティング

デバイスの交換または再配置、IP アドレスの変更、マニフェスト ファイルの変更など、ネットワークに変更を加えたあとは、ネットワークをチェックして変更の結果をモニタします。

ファイルの複製ステータスのチェック

複製ステータス機能により、Content Distribution Manager GUI、CLI コマンドの出力、または API ファイルを使用してコンテンツ複製のステータスを表示できます。Content Distribution Manager GUI では、複製ステータスは Content タブおよび Devices タブの画面に表示されます。チャネル別またはデバイス別に複製ステータスを表示できます。Content Distribution Manager GUI には、特定の Content Engine またはチャネルの情報が詳細に表示されます。また、チャネルの特定のコンテンツ項目に関する複製ステータスを詳細に表示することも可能です。

たとえば、特定の受信側 Content Engine の複製ステータスをチェックして、そのデバイスにすべてのコンテンツが完全に複製されたことを確認したあとで、ルート Content Engine の役割をそのデバイスに割り当てることができます。

Content Distribution Manager GUI でコンテンツの複製ステータスをモニタする方法の詳細については、『 Cisco ACNS Software Configuration Guide for Centrally Managed Deployments 』の「Viewing Content Replication Status」の章を参照してください。

ストリーミング セッション統計情報のチェック

Content Distribution Manager GUI のモニタリング ツールを使用すると、ストリーミング セッションの進捗をモニタし、ビデオ オン デマンド およびライブ プログラムの両方の Windows Media プログラムに関する統計情報など、多くの統計情報を得ることができます。ACNS 5.5.1 GUI では、このモニタリング ツールは Device タブにあります( Devices > Devices > Device Monitoring > Statistics > Streaming Sessions または Bytes Served )。

ストリーミング セッション統計情報について

ストリーミング サーバの負荷は、ストリーミング サーバ上で同時に実行するユニキャストとマルチキャスト セッションの数で定義されます。

Content Distribution Manager GUI は線グラフで次のストリーミング セッションを表示します。

WMT により提供されている同時実行のユニキャスト ストリームの数(ライブおよびオンデマンド コンテンツを含む)

WMT により提供されている同時実行のマルチキャスト ストリームの数(ライブおよびオンデマンド コンテンツを含む)

Cisco Streaming Engine により提供されている同時実行のユニキャスト ストリームの数

Content Distribution Manager GUI に表示されるレポートには、Content Engine 上で CMS サービスがイネーブルになっている間に発生したこれらのイベントのみが含まれます。Content Engine 上で CMS が稼働していない間に発生した全アクティビティ(帯域幅の使用状況、CPU 利用率、ストリーミング セッション数など)は、このモニタリング レポートに含まれません。

デバイスのモニタリング ツールの詳細については、Content Distribution Manager GUI の状況依存オンライン ヘルプを参照してください。

CLI を使用したストリーミング セッションの統計情報の表示

CLI を使用して WMT 要求に関する統計情報を表示するには、 show statistics wmt EXEC コマンドを使用します。

ContentEngine# show statistics wmt ?
all Display all Windows Media statistics
bytes Display unicast bytes statistics
errors Display errors statistics
multicast Display multicast statistics
requests Display unicast request statistics
rule Display rule template statistics
savings Display unicast savings statistics
streamstat Display Windows Media streaming connections
urlfilter Display urlfiltering statistics for mms and rtsp requests
usage Display concurrent usage statistics
ContentEngine#
 

ACNS 5.3.1 ソフトウェア以降のリリースでは、 show statistics wmt EXEC コマンドの出力に WMT RTSP 要求に関する情報が含まれます。たとえば、 show statistics wmt EXEC コマンドの出力は、次に示すように変更されました。

show statistics wmt all コマンドの出力に、RTSP 関連の情報が追加されました。

show statistics wmt bytes コマンドの出力のトランスポート プロトコル部分に、RTSPT および RTSPU に関する情報が追加されました。

show statistics wmt errors コマンドの出力に、RTSPT および RTSPU エラーが追加されました。

show statistics wmt requests コマンドの出力に、RTSPT および RTSPU プロトコルと Fast Start および Fast Cache データが追加されました。

ACNS 5.3.1 ソフトウェア以降のリリースでは、 show statistics wmt streamstat live EXEC コマンドを使用して、ライブに関する集約統計情報を表示できます。

カバレッジ ゾーン ファイルの構文チェック

カバレッジ ゾーン ファイルは、Content Distribution Manager GUI から手動でインポートまたはアップロードされます。(手順については、『 Cisco ACNS Software Configuration Guide for Centrally Managed Deployments 』の「Setting up Content Request Routing in the ACNS Network」の章を参照してください)。

Content Distribution Manager には、カバレッジ ゾーン ファイルがインポートまたはアップロードされるとただちに検証を行う、組み込みのメカニズムがあります。カバレッジ ゾーン ファイルに構文エラーがあると、Content Distribution Manager GUI にエラーがただちに報告されます。構文エラーを修正するには、カバレッジ ゾーン ファイルを手動で修正し、ファイルを再度インポートまたはアップロードする必要があります。

Content Router または Content Engine の IP アドレスを変更しても、カバレッジ ゾーン ファイルには影響しません。カバレッジ ゾーンの仕様で Content Engine の IP アドレスでなく、ホスト名を使用するようになっているからです。Content Router または Content Engine がオンラインになっているかぎり、Content Router は継続して ACNS コンテンツ要求を Content Engine にリダイレクトします。

Content Router が何らかの理由でオフラインになると、カバレッジ ゾーンに対する更新が Content Router に伝達されないため、カバレッジ ゾーン情報は失効します。Content Router が復旧し、Content Distribution Manager GUI でオンラインになると、Content Distribution Manager はContent Router に更新情報を自動的に送信します。カバレッジ ゾーン ファイルを手動で更新する必要はありません。