中央管理配置に関する Cisco ACNS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Release 5.4
IP マルチキャスト アドレッシング
IP マルチキャスト アドレッシング
発行日;2012/01/08 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 9MB) | フィードバック

目次

IP マルチキャスト アドレッシング

使用できない IP マルチキャスト アドレス

安全に問題のあるサービス

サーバとクライアント間のファイルのコピー

限定スコープ アドレス

ソース固有のマルチキャスト アドレス

GLOP アドレス

レイヤ 2 マルチキャスト アドレス

イーサネット MAC アドレスのマッピング

IP マルチキャスト アドレッシング

マルチキャスト配信は、Content Engine 上にマルチキャスト アドレスをマルチキャスト クラウド設定という形式で設定することによりイネーブルにします。マルチキャスト クラウド設定には、同一チャネルからコンテンツを受信するように設定されたさまざまなデバイスがサブスクライブできます。配信側のデバイスは、Content Engine にセットアップされているマルチキャスト アドレスにコンテンツを送信します。このアドレスから、サブスクライブされている受信側のデバイスのすべてにコンテンツが配信されます。

ここでは、IP マルチキャスト アドレッシングのガイドラインを説明します。この付録の構成は、次のとおりです。

「使用できない IP マルチキャスト アドレス」

「安全に問題のあるサービス」

「サーバとクライアント間のファイルのコピー」

「限定スコープ アドレス」

「ソース固有のマルチキャスト アドレス」

「GLOP アドレス」

ここに記載されている内容は、マルチキャスト クラウドのマルチキャスト アドレス設定を行う際に参照してください(「マルチキャスト クラウドのプロパティの設定」 を参照)。

使用できない IP マルチキャスト アドレス

IP マルチキャスト アドレスの割り当ては、Internet Assigned Numbers Authority(IANA)によって管理されています。IANA は、IP マルチキャスト用に使用される IPv4 クラス D アドレス スペースを割り当てます。このため、すべての IP マルチキャスト グループ アドレスは 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の範囲内にあります。ただし、 ソースとグループ アドレスの組み合わせの一部は、マルチキャストには使用できません。

表B-1 に、使用できないマルチキャスト アドレス範囲およびその理由を示します。

 

表B-1 使用できないマルチキャスト アドレスの割り当て

アドレス範囲
理由

224.0.1.2/32

既知の安全でないサービス アドレス。「安全に問題のあるサービス」 を参照してください。

224.0.1.3/32

管理ドメイン内のリソースのディスカバリ用に予約済み。「限定スコープ アドレス」 を参照してください。

224.0.1.22/32

既知の安全でないサービス アドレス

224.0.1.35/32

管理ドメイン内のリソースのディスカバリ用に予約済み

224.0.1.39/32

管理ドメイン内のリソースのディスカバリ用に予約済み

224.0.1.40/32

管理ドメイン内のリソースのディスカバリ用に予約済み

224.0.2.2./32

既知の安全でないサービス アドレス

224.77.0.0/16

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用。「サーバとクライアント間のファイルのコピー」 を参照してください。

224.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス。「レイヤ 2 マルチキャスト アドレス」 を参照してください。

225.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

225.1.2.3/32

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

225.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

226.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

226.77.0.0/16

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

226.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

227.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

227.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

228.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

228.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

229.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

229.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

230.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

230.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

231.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

231.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

232.0.0.0/24

ソース固有のマルチキャスト アドレス。「ソース固有のマルチキャスト アドレス」 を参照してください。

232.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

233.0.0.0/8

GLOP アドレス。「GLOP アドレス」 を参照してください。

233.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

233.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

234.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

234.42.42.42/32

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

234.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

234.142.142.42/31

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

234.142.142.44/30

ローカル ネットワーク内でクライアントとサーバ間のファイルを複製する場合に使用

234.142.142.48/28

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

234.142.142.64/26

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

234.142.142.128/29

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

234.142.142.136/30

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

234.142.142.140/31

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

234.142.142.142/32

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルをコピーする場合に使用

235.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

235.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

236.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

236.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

236.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

236.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

237.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

237.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

238.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

238.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

239.0.0.0/8

管理ドメイン間で受け渡しできない管理用スコープ アドレス。「限定スコープ アドレス」 を参照してください。

239.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

239.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマッピングしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルを超過させる可能性のあるローカル アドレス

IANA は、これらのアドレスの一部をマルチキャスト アプリケーション用に予約しています。たとえば、IP アドレス 224.0.1.1 は Network Time Protocol(NTP; ネットワーク タイム プロトコル)用に予約されています。

IP マルチキャスト用に予約されている IP アドレスは、RFC 1112 『 Host Extensions for IP Multicasting 』 に規定されています。予約済み IP マルチキャスト アドレスの詳細については、次の Web サイトを参照してください。
http://www.iana.org/assignments/multicast-addresses


) RFC と Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)の草案は、すべて IETF の Web サイト(http://www.ietf.org)に掲載されています。


安全に問題のあるサービス

マルチキャスト アドレスを 224.0.1.2/32、224.0.1.22/23、および 224.0.2.2/32 の範囲で使用するアプリケーションは、悪意のある攻撃に対して脆弱性があることが判明しており、セキュリティ上に重大な問題を引き起こしています。

サーバとクライアント間のファイルのコピー

一部のアプリケーションは、サーバとクライアント間のファイルのコピーに使用されており、それ以外では、パーソナル コンピュータのグループ管理に使用されています。これらのアプリケーションは、ローカル サブネット上または管理ドメイン内で使用されることを想定していますが、ソフトウェアによって使用されるデフォルトのアドレスは、 表B-1 に一覧表示された管理用スコープのアドレスで使用される管理アドレスの範囲内には含まれていません。

限定スコープ アドレス

限定スコープ アドレスは管理用スコープのアドレスとも呼ばれています。限定スコープ アドレスは、RFC 2365『Administratively Scoped IP Multicast』で、ローカルのグループまたは組織に限定して使用するように規定されています。企業や大学などの組織は、自分たちのドメインより外には転送されないローカル マルチキャスト アプリケーションにこの限定スコープ アドレスを使用できます。通常は、このアドレス範囲内のマルチキャスト トラフィックが自律システム(AS)やユーザ指定のドメインの外部に流れないように、フィルタを使用してルータが設定されます。自律システムやドメインの内部では、限定スコープ アドレスの範囲をさらに細分化することによって、ローカル マルチキャスト境界を定義できます。この細分化は、アドレス スコーピングと呼ばれていて、このような小規模なドメイン間でアドレスの再利用が可能になります。

ソース固有のマルチキャスト アドレス

232.0.0.0/24 の範囲にあるアドレスは、ソース固有のマルチキャスト(SSM)用に予約されています。SSM は、1 対多通信における効率的なデータ配信方式を実現する拡張型 Protocol Independent Multicast(PIM)プロトコルです。

GLOP アドレス

RFC 2770『GLOP Addressing in 233/8』では、すでに予約済みの AS 番号を持つ組織ごとに、233.0.0.0/8 のアドレス範囲を静的に定義されたアドレス用として予約済みにするように提案されています。この手法は GLOP アドレス指定と呼ばれています。ドメインの AS 番号は、233.0.0.0/8 アドレス範囲の 2 番めと 3 番めのオクテットに埋め込まれます。たとえば、AS 番号 62010 は 16 進数では F23A のように表されます。16 進数の F23A を 2 つのオクテット F2 と 3A に分割し、10 進数に変換すると、242 と 58 になります。これらの値により、サブネット 233.242.58.0/24 が AS 62010 用にグローバルに予約されます。

レイヤ 2 マルチキャスト アドレス

従来、LAN セグメント上のネットワーク インターフェイス カード(NIC)は、カードに組み込まれた MAC アドレスまたはブロードキャスト MAC アドレスを宛先とするパケットのみを受信できました。IP マルチキャストでは、複数のホストが共通の宛先 MAC アドレスをもつ単一データ ストリームを受信することが必要です。複数のホストが同一パケットを受信でき、しかも複数のマルチキャスト グループを区別できるように、何らかの手段を考案する必要がありました。

これを実現する方法の 1 つとして、IP マルチキャスト クラス D アドレスを MAC アドレスに直接マッピングするやり方があります。現在では、NIC はこの方法を使用してさまざまな MAC アドレス(NIC 固有のユニキャスト アドレス、ブロードキャスト アドレス、およびマルチキャスト アドレスの範囲)を宛先とするパケットを受信できます。


) ACNS 5.x を実行している Content Engine 上の MAC アドレス テーブルは、50,000 エントリまでサポートしています。


IEEE LAN 仕様では、ブロードキャスト パケットとマルチキャスト パケットの伝送を規定しています。802.3 標準では、最初のオクテットのビット 0 は、ブロードキャストまたはマルチキャストのフレームを表すために使用されます。図B-1 に、イーサネット フレーム内にあるブロードキャストまたはマルチキャストのビットの位置を示します。

図B-1 IEEE 802.3 MAC アドレス形式

 

このビットは、フレームの宛先がネットワーク上のホスト グループ、またはすべてのホスト(ブロードキャスト アドレス 0xFFFF.FFFF.FFFF の場合)であることを示します。

IP マルチキャストは、この機能を利用して IP パケットを LAN セグメント上のホスト グループに送信します。

イーサネット MAC アドレスのマッピング

IANA は、16 進数の 01:00:5E から始まるイーサネット MAC アドレスのブロックを持っています。このブロックの半分は、マルチキャスト アドレス用に割り当てられます。0100.5e00.0000 ~ 0100.5e7f.ffff の範囲が、IP マルチキャスト用に使用できるイーサネット MAC アドレスです。

この割り当てにより、イーサネット アドレス内の 23 ビットが IP マルチキャスト グループ アドレスに対応します。IP マルチキャスト グループ アドレスの下位 23 ビットが、イーサネット アドレス内で使用可能なこれらの 23 ビットにマッピングされます(図B-2 を参照)。

図B-2 IP マルチキャスト アドレスからイーサネット アドレスまたは FDDI MAC アドレスへのマッピング

 

IP マルチキャスト アドレスの上位 5 ビットはこのマッピングで廃棄されるため、得られるアドレスは一意ではありません。実際には、32 の異なるマルチキャスト グループ ID が同じイーサネット アドレスにマッピングされます(図B-3 を参照)。ネットワーク管理者は、IP マルチキャスト アドレスを割り当てる際にはこの点を考慮する必要があります。たとえば、224.1.1.1 と 225.1.1.1 は、レイヤ 2 スイッチ上で同一マルチキャスト MAC アドレスにマッピングされます。あるユーザがグループ A(224.1.1.1 で指定)にサブスクライブし、他のユーザがグループ B(225.1.1.1 で指定)にサブスクライブした場合、両ユーザとも A と B の両方のストリームを受信することになります。このような状況では、このマルチキャスト配置の効率性が制限されてしまいます。

図B-3 MAC アドレスのあいまいさ