ローカル管理配置に関する Cisco ACNS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Release 5.3
スタンドアロン Content Engine での TCP スタック パラメータの表示と変 更
スタンドアロン Content Engine での TCP スタック パラメータの表示と変更
発行日;2012/02/03 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 10MB) | フィードバック

目次

スタンドアロン Content Engine での TCP スタック パラメータの表示と変更

TCP スタックの概要

スタンドアロン Content Engine 上での TCP パラメータの表示または変更

TCP-Over-Satellite 拡張機能

スタンドアロン Content Engine での TCP スタック パラメータの表示と変更

この章では、TCP スタック パラメータを説明し、スタンドアロン Content Engine 上で TCP スタック パラメータをキャッシング用に最適化する最善の方法を説明します。さらに、TCP スタック パラメータの表示または変更方法について説明します。この章の構成は、次のとおりです。

「TCP スタックの概要」

「スタンドアロン Content Engine 上での TCP パラメータの表示または変更」

「TCP-Over-Satellite 拡張機能」


) この章で使用される CLI コマンドの構文と使用方法については、『Cisco ACNS Software Command Reference, Release 5.3』を参照してください。


TCP スタックの概要

キャッシュを配置する目的は、次のとおりです。

帯域幅を節約する

コンテンツの配信を高速化する

視聴されるコンテンツを決定するポリシーを適用する(コンテンツ フィルタリング)

エンドツーエンドで TCP 上の HTTP ストリームのスループットを向上させる

もうひとつの目的は、エンドツーエンドで TCP のパフォーマンスを向上させるための TCP スタック パラメータ微調整です。サーバとクライアント間で送信される照会、および生成される応答は、トランザクションとして定義されます。クライアントとサーバ間でのデータ トランザクションでは、ウィンドウとバッファのサイズが重要です。

キャッシュのパフォーマンスとスループットを最大にするための TCP パラメータには、タイムアウト期間、クライアントとサーバの送受信バッファ サイズ、および TCP ウィンドウのスケーリング動作を調整する機能が含まれます。


) TCP パラメータは複雑なので、TCP パラメータの調整には注意してください。ほぼすべての環境で、デフォルトの TCP 設定を使用できます。TCP 設定の微調整は、十分な経験があり、TCP の操作を十分に理解しているネットワーク管理者が行ってください。


スタンドアロン Content Engine 上での TCP パラメータの表示または変更

スタンドアロン Content Engine 上で TCP パラメータを表示または変更するには、Content Engine の GUI または CLI を使用できます。

Content Engine GUI から、 System > TCP の順に選択します。表示される TCP ウィンドウを使用して、この Content Engine 用の TCP パラメータを表示または変更します。既存の TCP パラメータが TCP ウィンドウに表示されます。TCP パラメータを変更するには、フィールドの値を変更し、 Update をクリックします。 表20-1 では、TCP ウィンドウのフィールドと、関連の CLI コマンドを説明しています。TCP ウィンドウの詳細については、このウィンドウの HELP ボタンをクリックしてください。

Content Engine CLI から tcp グローバル設定コマンドを使用して、 表20-1 で説明している TCP パラメータを変更します。


) デフォルトでは、Content Engine は自動的にキープアライブを送信しません。HTTP 接続での TCP キープアライブを送信するようにスタンドアロン Content Engine を設定するには、http tcp-keepalive enable グローバル設定コマンドを入力する必要があります。このトピックに関する詳細は、「TCP キープアライブを送信するためのスタンドアロン Content Engine の設定」を参照してください。


 

表20-1 TCP CLI 設定パラメータ

ウィンドウのフィールド
TCP CLI コマンド
説明

Send Buffer(送信バッファ)

To Server

tcp server-send-buffer kbytes

キロバイト単位のサーバ送信バッファのサイズ(すなわち、TCP 発信ウィンドウサイズ [1 ~ 512 KB])。デフォルトは 8 KB です。

To Client

tcp client-send-buffer kbytes

キロバイト単位のクライアント送信バッファのサイズ(すなわち、TCP 発信ウィンドウサイズ [1 ~ 512 KB])。デフォルトは 32 KB です。

Receive Buffer(受信バッファ)

To Server

tcp server-receive-buffer kbytes

キロバイト単位のサーバ受信バッファのサイズ(すなわち、TCP 着信ウィンドウサイズ [1 ~ 512 KB])。デフォルトは 32 KB です。

To Client

tcp client-receive-buffer kbytes

キロバイト単位のクライアント受信バッファのサイズ(すなわち、TCP 着信ウィンドウサイズ [1 ~ 512 KB])。デフォルトは 8 KB です。

R/W Timeout(R/W タイムアウト)

To Server

tcp server-rw-timeout seconds

Content Engine がネットワークへの読み書きを試行した後にタイムアウトになるまでの時間(1 ~ 3600)。デフォルトは 120 秒です。

To Client

tcp client-rw-timeout seconds

Content Engine がネットワークへの読み書きを試行した後にタイムアウトになるまでの時間(1 ~ 3600)。デフォルトは 120 秒です。

Keepalive(キープアライブ)

Timeout

tcp keepalive-timeout seconds

Content Engine が接続を保持する時間。この時間が過ぎると切断されます。

Interval

tcp keepalive-probe-interval seconds

Content Engine がアイドル接続を維持する時間の長さ(1 ~ 3600 秒)。デフォルトは 300 秒です。

Count

tcp keepalive-probe-cnt count

Content Engine が接続を再試行する回数(1 ~ 10 回)。デフォルトは 4 回です。

Congestion Window base value

tcp cwnd-base segments

初期輻輳ウィンドウの値(1 ~ 10 セグメント)。デフォルトは 2 セグメントです。

Initial Slow Start Threshold value

tcp init-ss-threshold value

スロー スタート用のしきい値(2 ~ 10 セグメント)。デフォルトは 2 セグメントです。

Retransmit Timer Increment factor

tcp increase-xmit-timer-value value

再送信タイマーの長さを、TCP アルゴリズムによって決定された基本値の 1 ~ 3 倍に変更するのに使用される係数(1 ~ 3)。デフォルトは 1 です。これは時間を変更しません。


) この係数の変更には注意してください。TCP が低速で信頼性の高い接続で使用されているとき、スループットを改善します。しかし、信頼性の低いパケット配信環境では決して変更してはいけません。


Maximum Segment Size(最大セグメント サイズ)

To Server

tcp server-mss maxsegsize

サーバに送信される最大パケット サイズ。デフォルトは 1460 バイトです。

To Client

tcp client-mss maxsegsize

クライアントに送信される最大パケット サイズ。デフォルトは 1432 バイトです。

Others(その他)

Satellite

tcp server-satellite
tcp client-satellite

RFC 1323 に準拠するサーバとクライアント TCP。「TCP-Over-Satellite 拡張機能」を参照してください。

Type of Service

type-of-service enable

サービスの TCP タイプ。デフォルトでは無効になっています。

Ecn

ecn enable

TCP の明示的な輻輳の通知。

現在の TCP 設定情報を表示するには、 show tcp EXEC コマンドを使用します。クライアント バッファ用に、デフォルトの 8 KB の着信ウィンドウ サイズがここでは使用されています。

ContentEngine# show tcp
==TCP Configuration==
TCP keepalive timeout 300 sec
TCP keepalive probe count 4
TCP keepalive probe interval 75 sec
TCP server R/W timeout 120 sec
TCP client R/W timeout 120 sec
TCP server send buffer 8 k
TCP server receive buffer 32 k
TCP client send buffer 32 k
TCP client receive buffer 8 k
TCP server max segment size 1460
TCP satellite (RFC1323) disabled
TCP client max segment size 1432
TCP explicit congestion notification disabled
TCP type of service disabled
TCP cwnd base value 2
TCP initial slowstart threshold value 2
TCP increase(multiply) retransmit timer by 1
 

次の例では、 tcp client-receive-buffer グローバル設定コマンドを使用して、TCP 着信ウィンドウ サイズを 100 KB に変更しています。

ContentEngine(config)# tcp client-receive-buffer 100
 

show tcp EXEC コマンドを使用して、設定の変更を確認できます。

ContentEngine# show tcp
==TCP Configuration==
TCP keepalive timeout 300 sec
TCP keepalive probe count 4
TCP keepalive probe interval 75 sec
TCP server R/W timeout 120 sec
TCP client R/W timeout 120 sec
TCP server send buffer 8 k
TCP server receive buffer 32 k
TCP client send buffer 32 k
TCP client receive buffer 100 k
TCP server max segment size 1460
TCP satellite (RFC1323) disabled
TCP client max segment size 1432
TCP explicit congestion notification disabled
TCP type of service disabled
TCP cwnd base value 2
TCP initial slowstart threshold value 2
TCP increase(multiply) retransmit timer by 1

TCP-Over-Satellite 拡張機能

Content Engine には、RFC 1323 に文書化されているように、衛星接続でのパフォーマンスおよびエンドツーエンドのスループットを最大化するために、TCP-Over-Satellite 拡張機能を有効にする機能が組み込まれています。

ネットワーク インフラストラクチャとして利用可能な多数の衛星により、無線による使用可能な帯域幅の総量が増加しました。衛星接続による接続を利用することにより、TCP トランザクションと確認応答の使用において次のような新たな課題が生じました。

遅延時間:地上 24,000 マイルの衛星軌道までの往復時間は、1 回のサテライト ホップで 550 ミリ秒です。低スループット接続を防ぐようにウィンドウ サイズを設定する必要があります。

ビット エラー:通常のネットワーク輻輳による消失に加えて、地上ベースのデバイスと衛星間の接続でパケットの消失が起きる可能性があります。

非対称帯域幅:衛星からの戻りの帯域幅が、受信帯域幅よりも狭いことがあり、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

RFC 1323 に適合する TCP 接続を設定するには、 tcp server-satellite tcp client-satellite のグローバル設定コマンドを使用します。