ローカル管理配置に関する Cisco ACNS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Release 5.2
スタンドアロンContent Engine での TCP スタック パラメータの表示と変 更
スタンドアロンContent Engine での TCP スタック パラメータの表示と変更
発行日;2012/02/02 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

スタンドアロンContent Engine での TCP スタック パラメータの表示と変更

TCP スタックの概要

スタンドアロンContent Engine での TCP パラメータの表示または変更

TCP-Over-Satellite 拡張機能

スタンドアロンContent Engine での TCP スタック パラメータの表示と変更

この章では、TCP スタック パラメータを説明し、スタンドアロンContent Engine 上で TCP スタック パラメータをキャッシング用に最適化する最善の方法を説明します。さらに、TCP スタック パラメータの表示または変更方法について説明します。この章の構成は、次のとおりです。

「TCP スタックの概要」

「スタンドアロンContent Engine での TCP パラメータの表示または変更」

「TCP-Over-Satellite 拡張機能」


) この章に記述されている CLI コマンドの構文と使用方法については、『Cisco ACNS Software Command Reference, Release 5.2』の資料を参照してください。


TCP スタックの概要

キャッシュは通常、次のいずれかの目的で配置します。

帯域幅を節約する

コンテンツの配信を高速化する

視聴されるコンテンツを決定するポリシーを適用する(コンテンツ フィルタリング)

エンドツーエンドで TCP 上の HTTP ストリームのスループットを向上させる

4 番目の目的は見逃されることが多く、キャッシングの配置においてあまり理解されていません。しかし多くの場合、この項目にはエンドツーエンドの TCP のパフォーマンス上で大きな利点があります。

サーバとクライアント間で送信される照会、および生成される応答は、トランザクションとして定義されます。クライアントとサーバ間のデータ トランザクションの場合、ウィンドウとバッファのサイズが重要です。したがって、TCP スタック パラメータを微調整すると、この利点を最大限に活用できます。

キャッシュのパフォーマンスとスループットを最大にするための TCP パラメータには、タイムアウト期間、クライアントとサーバの送受信バッファ サイズ、および TCP ウィンドウのスケーリング動作を調整する機能が含まれます。


) TCP パラメータは複雑であるため、調整には注意してください。ほぼすべての環境で、デフォルトの TCP 設定を使用できます。TCP 設定の微調整は、十分な経験があり、TCP の操作を十分に理解しているネットワーク管理者が行ってください。


スタンドアロンContent Engine での TCP パラメータの表示または変更

スタンドアロンContent Engine で TCP パラメータを表示または変更するには、Content Engine の GUI または CLI を使用できます。

Content Engine GUI から、 System > TCP の順に選択します。表示される TCP ウィンドウを使用して、この Content Engine 用の TCP パラメータを表示または変更します。既存の TCP パラメータが TCP ウィンドウに表示されます。TCP パラメータを変更するには、フィールドの値を変更し、 Update をクリックします。 表 19-1 は、TCP ウィンドウのフィールドと、関連の CLI コマンドの説明です。TCP ウィンドウの詳細については、このウィンドウの HELP ボタンをクリックしてください。

Content Engine CLI から tcp グローバル設定コマンドを使用して、 表 19-1 で説明している TCP パラメータを変更します。

 

表 19-1 TCP CLI 設定パラメータ

ウィンドウのフィールド
TCP CLI コマンド
説明

Send Buffer(送信バッファ)

To Server

tcp server-send-buffer kbytes

キロバイト単位の TCP 発信ウィンドウのサイズ(1 ~ 512)。デフォルトは 8 KB です。

To Client

tcp client-send-buffer kbytes

キロバイト単位の TCP 発信ウィンドウのサイズ(1 ~ 512)。デフォルトは 32 KB です。

Receive Buffer(受信バッファ)

To Server

tcp server-receive-buffer kbytes

キロバイト単位の TCP 着信ウィンドウのサイズ(1 ~ 512)。デフォルトは 32 KB です。

To Client

tcp client-receive-buffer kbytes

キロバイト単位の TCP 着信ウィンドウのサイズ(1 ~ 512)。デフォルトは 8 KB です。

R/W Timeout(R/W タイムアウト)

To Server

tcp server-rw-timeout seconds

Content Engine がネットワークへの読み書きを試行した後、この時間が経過するとタイムアウトになります(1 ~ 3600)。デフォルトは 120 秒です。

To Client

tcp client-rw-timeout seconds

Content Engine がネットワークへの読み書きを試行した後、この時間が経過するとタイムアウトになります(1 ~ 3600)。デフォルトは 120 秒です。

Keepalive(キープアライブ)

Timeout

tcp keepalive-timeout seconds

Content Engine が接続を維持する時間。この時間が過ぎると接続が切れます。

Interval

tcp keepalive-probe-interval seconds

Content Engine がアイドル状態の接続を維持する時間の長さ(1 ~ 3600 秒)。デフォルトは 300 秒です。

Count

tcp keepalive-probe-cnt count

Content Engine が接続を再試行する回数(1 ~ 10 回)。デフォルトは 4 回です。

Congestion Window base value

tcp cwnd-base segments

輻輳ウィンドウの初期値(1 ~ 10 セグメント)。デフォルトは 2 セグメントです。

Initial Slow Start Threshold value

tcp init-ss-threshold value

スロー スタート用のしきい値(2 ~ 10 セグメント)。デフォルトは 2 セグメントです。

Retransmit Timer Increment factor

tcp increase-xmit-timer-value value

再送信タイマーの長さを、TCP アルゴリズムによって決定された基本値の 1 ~ 3 倍に変更するのに使用される係数(1 ~ 3)。デフォルトは 1 です。これは倍数を未変更のままにします。


) この係数の変更には注意してください。信頼性の高い低速の接続上で TCP が使用される場合はスループットが向上しますが、信頼性の低いパケット配信環境では変更しないでください。


Maximum Segment Size(最大セグメント サイズ)

To Server

tcp server-mss maxsegsize

サーバに送信される最大パケット サイズ。デフォルトは 1460 バイトです。

To Client

tcp client-mss maxsegsize

クライアントに送信される最大パケット サイズ。デフォルトは 1432 バイトです。

Others(その他)

Satellite

tcp server-satellite
tcp client-satellite

RFC 1323 に準拠するサーバとクライアント TCP。「TCP-Over-Satellite 拡張機能」を参照してください。

Type of Service

type-of-service enable

サービスの TCP タイプ。デフォルトでは無効になります。

Ecn

ecn enable

TCP の明示的輻輳通知。

現在の TCP 設定情報を表示するには、 show tcp EXEC コマンドを使用します。クライアント バッファ用に、デフォルトの 8 KB 着信ウィンドウ サイズが使用されていることに注意してください。

ContentEngine# show tcp
==TCP Configuration==
TCP keepalive timeout 300 sec
TCP keepalive probe count 4
TCP keepalive probe interval 75 sec
TCP server R/W timeout 120 sec
TCP client R/W timeout 120 sec
TCP server send buffer 8 k
TCP server receive buffer 32 k
TCP client send buffer 32 k
TCP client receive buffer 8 k
TCP server max segment size 1460
TCP satellite (RFC1323) disabled
TCP client max segment size 1432
TCP explicit congestion notification disabled
TCP type of service disabled
TCP cwnd base value 2
TCP initial slowstart threshold value 2
TCP increase(multiply) retransmit timer by 1
 

次の例では、 tcp client-receive-buffer グローバル設定コマンドを使用して、TCP 着信ウィンドウ サイズを 100 KB に変更します。

ContentEngine(config)# tcp client-receive-buffer 100
 

show tcp EXEC コマンドを使用して、設定の変更を確認できます。

ContentEngine# show tcp
==TCP Configuration==
TCP keepalive timeout 300 sec
TCP keepalive probe count 4
TCP keepalive probe interval 75 sec
TCP server R/W timeout 120 sec
TCP client R/W timeout 120 sec
TCP server send buffer 8 k
TCP server receive buffer 32 k
TCP client send buffer 32 k
TCP client receive buffer 100 k
TCP server max segment size 1460
TCP satellite (RFC1323) disabled
TCP client max segment size 1432
TCP explicit congestion notification disabled
TCP type of service disabled
TCP cwnd base value 2
TCP initial slowstart threshold value 2
TCP increase(multiply) retransmit timer by 1

TCP-Over-Satellite 拡張機能

Content Engine には、RFC 1323 に文書化されているように、衛星接続に対してパフォーマンスとエンドツーエンドのスループットを最大限にするように、TCP-Over-Satellite 拡張機能を有効にする機能が組み込まれています。

ネットワーク インフラストラクチャに利用可能な多数の衛星により、大気圏で使用可能な帯域幅量が増加しました。衛星接続による接続を利用することにより、TCP トランザクションと確認応答の使用において次のような新たな課題が生じました。

待ち時間 :地上 24,000 マイルの衛星軌道までの往復時間は、1 つの衛星ホップで 550 ミリ秒です。低スループット接続を防ぐためにウィンドウ サイズを設定する必要があります。

ビット エラー :通常のネットワーク輻輳による消失に加えて、地上ベースのデバイスと衛星間の接続でパケットの消失が起きる可能性があります。

非対称帯域幅 :衛星からの戻りの帯域幅が、受信帯域幅よりも狭くなり、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

RFC 1323 に適合する TCP 接続を設定するには、 tcp server-satellite tcp client-satellite のグローバル設定コマンドを使用します。