Cisco ACNS ソフトウェア デプロイメント コンフィギュレーション ガイド
IP マルチキャスト
IP マルチキャスト
発行日;2012/02/04 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

IP マルチキャスト

使用できない IP マルチキャスト アドレス

安全に問題のあるサービス

サーバとクライアント間のファイルのコピー

限定スコープ アドレス

ソース固有マルチキャスト アドレス

GLOP アドレス

レイヤ 2 マルチキャスト アドレス

イーサネット MAC アドレスのマッピング

IP マルチキャスト

マルチキャスト配信は、ストリーミング メディアを配信する伝送方式で、IP マルチキャスト上のさまざまな受信デバイスは単一のメディア コンテンツ ストリームを Content Engine から同時に受信できます。この方式により、ストリームが要求されるたびに単一のストリームが単一のデバイスに送信されるのでなく、単一のストリームが多数のデバイスに送信されるため、ネットワーク帯域幅の消費量を大幅に節約できます。

このマルチキャスト配信機能を使用するには、同一チャネルからコンテンツを受信するように各デバイスを設定し、これらのデバイスがサブスクライブできる Content Engine 上でマルチキャスト アドレスを設定します。配信側のデバイスは、Content Engine にセットアップされているマルチキャスト アドレスにコンテンツを送信します。このアドレスから、サブスクライブされている受信側のデバイスのすべてにコンテンツが配信されます。

マルチキャストを利用するには、クライアント側はもとより、Content Engine とルータを含むすべてのデバイスがマルチキャスト対応でなければなりません。このため、マルチキャストは、ローカル ネットワーク内でルータをマルチキャスト用に設定して最もよく使用されます。インターネット経由でのマルチキャスト配信は、マルチキャストが行われる経路上のすべてのデバイスがマルチキャスト対応になってはじめて可能になります。

使用できない IP マルチキャスト アドレス

IP マルチキャスト アドレスの割り当ては、Internet Assigned Numbers Authority(IANA)によって管理されています。IANA は、IP マルチキャスト用に IPv4 クラス D アドレス スペースを割り当てています。このため、すべての IP マルチキャスト グループ アドレスは 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の範囲内にあります。ただし、 ソースとグループ アドレスのいくつかの組み合わせは、マルチキャストには使用できません。

表B-1 では、使用できないマルチキャスト アドレス範囲、および使用できない理由を示しています。

 

表B-1 使用できないマルチキャスト アドレスの割り当て

アドレス範囲
理由

224.0.1.2/32

既知の安全でないサービス アドレス。「安全に問題のあるサービス」を参照してください。

224.0.1.3/32

管理ドメイン内のリソースのディスカバリ用に予約済み。「限定スコープ アドレス」を参照してください。

224.0.1.22/32

既知の安全でないサービス アドレス。

224.0.1.35/32

管理ドメイン内のリソースのディスカバリ用に予約済み。

224.0.1.39/32

管理ドメイン内のリソースのディスカバリ用に予約済み。

224.0.1.40/32

管理ドメイン内のリソースのディスカバリ用に予約済み。

224.0.2.2/32

既知の安全でないサービス アドレス。

224.77.0.0/16

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。「サーバとクライアント間のファイルのコピー」を参照してください。

224.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。「レイヤ 2 マルチキャスト アドレス」を参照してください。

225.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

225.1.2.3/32

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

225.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

226.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

226.77.0.0/16

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

226.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

227.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

227.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

228.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

228.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

229.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

229.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

230.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

230.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

231.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

231.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

232.0.0.0/24

ソース固有マルチキャスト アドレス。「ソース固有マルチキャスト アドレス」を参照してください。

232.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

233.0.0.0/8

GLOP アドレス。「GLOP アドレス」を参照してください。

233.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

233.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

234.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

234.42.42.42/32

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

234.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

234.142.142.42/31

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

234.142.142.44/30

ローカル ネットワーク内でクライアントとサーバ間のファイルの複製に使用。

234.142.142.48/28

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

234.142.142.64/26

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

234.142.142.128/29

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

234.142.142.136/30

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

234.142.142.140/31

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

234.142.142.142/32

ローカル ネットワーク内でサーバとクライアント間のファイルのコピーに使用。

235.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

235.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

236.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

236.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

236.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

236.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

237.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

237.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

238.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

238.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

239.0.0.0/8

管理ドメイン間で受け渡しできない管理用スコープ アドレス。「限定スコープ アドレス」を参照してください。

239.0.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

239.128.0.0/24

イーサネット マルチキャスト アドレス範囲にマップしていて、LAN スイッチのマッピング テーブルをあふれさせる可能性があるローカル アドレス。

IANA は、これらのアドレスの一部をマルチキャスト アプリケーション用に予約しています。たとえば、IP アドレス 224.0.1.1 は Network Time Protocol(NTP; ネットワーク タイム プロトコル)用に予約されています。

IP マルチキャスト用に予約されている IP アドレスは、RFC 1112(Host Extensions for IP Multicasting)に規定されています。予約済み IP マルチキャスト アドレスの詳細は、次の Web サイトをご覧ください。
http://www.iana.org/assignments/multicast-addresses .


) RFC と Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)の草案は、すべて IETF の Web サイト(http://www.ietf.org)に掲載されています。


安全に問題のあるサービス

マルチキャストを使用するアプリケーションで、マルチキャスト アドレスの 224.0.1.2/32、224.0.1.22/23、および 224.0.2.2/32 範囲を使用すると、悪意のある攻撃に対して脆弱性がある既知の問題により、セキュリティ上に重大な問題を引き起こします。

サーバとクライアント間のファイルのコピー

アプリケーションは、サーバとクライアント間のファイルのコピーに使用されている場合があり、そのほかにも、パーソナル コンピュータのグループ管理に使用されている場合があります。これらのアプリケーションは、ローカル サブネット上または管理ドメイン内で使用されることを想定していますが、デフォルトではソフトウェアが使用するアドレスは、 表B-1 に示されている管理アドレスの範囲内に含まれていません。

限定スコープ アドレス

限定スコープ アドレスも管理用スコープのアドレスと呼ばれます。限定スコープ アドレスは、RFC 2365(Administratively Scoped IP Multicast)で、ローカルのグループまたは組織に限定して使用するように規定されています。企業や大学などの組織は、ドメインの外部に転送されないローカル マルチキャスト アプリケーションにこの限定スコープ アドレスを使用できます。通常は、このアドレス範囲内のマルチキャスト トラフィックが自律システム(AS; Autonomous System)やユーザ指定のドメインの外部に流れないように、フィルタを使用してルータが設定されます。自律システムやドメインの内部では、限定スコープ アドレスの範囲をさらに細分化することによって、ローカル マルチキャスト境界を定義できます。この細分化は、アドレス スコーピングと呼ばれていて、こうした小規模なドメイン間でアドレスの再利用が可能になります。

ソース固有マルチキャスト アドレス

232.0.0.0/24 の範囲にあるアドレスは、ソース固有マルチキャスト(SSM; Source Specific Multicast)用に予約されています。SSM は、1 対多通信で、効率的にデータ配信を行う方式を実現する、拡張型 Protocol-Independent Multicast(PIM)プロトコルです。

GLOP アドレス

RFC 2770(GLOP Addressing in 233/8)では、すでに予約済みの AS 番号をもつ組織ごとに静的に定義されるアドレス用に、233.0.0.0/8 のアドレス範囲を予約済みにするように提案されています。この手法は GLOP アドレス指定と呼ばれます。ドメインの AS 番号は、233.0.0.0/8 アドレス範囲の 2 番目と 3 番目のオクテットに埋め込まれます。たとえば、AS 番号 62010 は 16 進数では F23A のように表されます。16 進数の F23A を 2 つのオクテット F2 と 3A に分割し、10 進数に変換すると、242 と 58 になります。これらの値により、サブネット 233.242.58.0/24 が AS 62010 用にグローバルに予約されます。

レイヤ 2 マルチキャスト アドレス

従来、LAN セグメント上のネットワーク インターフェイス カード(NIC; Network Interface Card)は、カードに組み込まれた MAC アドレスまたはブロードキャスト MAC アドレスを宛先とするパケットのみを受信できました。IP マルチキャストでは、複数のホストが共通の宛先 MAC アドレスをもつ単一データ ストリームを受信できることが必要です。複数のホストが同一パケットを受信でき、しかも複数のマルチキャスト グループを区別できるように、何らかの手段を考慮する必要がありました。

これを実現する方法の 1 つとして、IP マルチキャスト クラス D アドレスを MAC アドレスに直接マッピングされています。現在では、NIC はこの方法を使用してさまざまな MAC アドレス(NIC 固有のユニキャスト アドレス、ブロードキャスト アドレス、およびマルチキャスト アドレスの範囲)を宛先とするパケットを受信できます。

IEEE LAN 仕様では、ブロードキャスト パケットとマルチキャスト パケットの伝送を規定しています。802.3 標準では、最初のオクテットのビット 0 は、ブロードキャストまたはマルチキャストのフレームを表すために使用されます。図 B-1 では、イーサネット フレーム内にあるブロードキャストまたはマルチキャストのビットの位置を示しています。

図 B-1 IEEE 802.3 MAC アドレス形式

 

このビットは、フレームの宛先がネットワーク上のホスト グループ、またはすべてのホスト(ブロードキャスト アドレス 0xFFFF.FFFF.FFFF の場合)であることを示します。

IP マルチキャストは、この機能を利用して IP パケットを LAN セグメント上のホスト グループに送信しています。

イーサネット MAC アドレスのマッピング

IANA は、16 進数の 01:00:5E から始まるイーサネット MAC アドレスのブロックを所有しています。このブロックの半分は、マルチキャスト アドレス用に割り当てられています。0100.5e00.0000 ~ 0100.5e7f.ffff の範囲が、IP マルチキャスト用に使用できるイーサネット MAC アドレスです。

この割り当てにより、イーサネット アドレス内の 23 ビットが IP マルチキャスト グループ アドレスに対応します。IP マルチキャスト グループ アドレスの下位 23 ビットが、イーサネット アドレス内で使用可能なこれらの 23 ビットにマップされます(図 B-2 を参照)。

図 B-2 IP マルチキャスト アドレスからイーサネット アドレスまたは FDDI MAC アドレスへのマッピング

 

IP マルチキャスト アドレスの上位 5 ビットはこのマッピングで除外されるため、得られるアドレスは一意ではありません。実際には、32 の異なるマルチキャスト グループ ID が同じイーサネット アドレスにマップされます(図 B-3 を参照)。ネットワーク管理者は、IP マルチキャスト アドレスを割り当てる際にこの点を考慮する必要があります。たとえば、224.1.1.1 と 225.1.1.1 は、レイヤ 2 スイッチ上で同一マルチキャスト MAC アドレスにマップされます。あるユーザがグループ A(224.1.1.1 によって指定)にサブスクライブし、他のユーザがグループ B(225.1.1.1 によって指定)にサブスクライブした場合、両ユーザとも A と B の両方のストリームを受信します。このような状況では、このマルチキャスト配置の有効性は限定されます。

図 B-3 MAC アドレスのあいまいさ