Cisco 4710 Application Control Engine Appliance ハードウェア インストレーション ガイド
ACE のメンテナンス
ACE のメンテナンス
発行日;2012/02/03 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 849KB) | フィードバック

目次

ACE のメンテナンス

設置環境のメンテナンス

温度

湿度

高度

ほこりと微粒子

腐食

ESD

電磁干渉と無線周波数干渉

磁気

電源供給の中断

電源保護装置の使用

サージ プロテクタ

電力コンディショナ

UPS

ACE のメンテナンス

予防保守を目的とした手順を適切に実行すると、Cisco 4710 Application Control Engine(ACE)Appliance が正常に動作し、時間のかかる保守作業を最小限に抑えることができます。この章では、定期的に実行する必要のある保守手順について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

設置環境のメンテナンス

電源保護装置の使用

設置環境の メンテナンス

電源装置の排気ファンは、さまざまな開口部から外気を取り込み、背面パネルから吹き出すことで、電源装置および ACE を冷却します。ただし、ファンはほこりやその他の微粒子も ACE 内に吸い込むため、汚れが堆積し、その結果、シャーシの内部温度が上昇し、ACE の各種コンポーネントの動作に支障をきたします。

このような状況を避けるため、作業環境を清潔に保ち、ACE の周辺のほこりやよごれを減らして、電源装置のファンがシャーシ内に取り込む異物の量を減らすことを推奨します。

ここでは、ACE のパフォーマンスを低下させ、寿命を縮める、さまざまな環境要因について説明します。

温度

湿度

高度

ほこりと微粒子

腐食

ESD

電磁干渉と無線周波数干渉

磁気

電源供給の中断

温度

極端な高温または低温環境は、各種チップの短命化や障害、装置の機械的故障など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。また、異常な温度変化にさらされると、ソケット内の各種チップに緩みが生じたり、ディスク ドライブ プラッタが膨張または収縮したりすることがあります。その結果、データの読み取りまたは書き込みエラーが発生する可能性があります。

温度による ACE のパフォーマンスの低下を最小限に抑えるために、次の注意事項に従ってください。

ACE を 32°F(0°C)以上104°F(40°C)以下の環境で動作させてください。

ACE の適切な通気を確保してください。閉鎖型の壁面ユニットや布の上などに設置しないでください。温度の上昇を助長してしまうことがあります。直射日光に当てないでください。冬期の暖房の吹き出し口など、あらゆる熱源に隣接する場所に設置しないでください。

標高の高い場所に設置する場合は、適切な通気を確保することが特に重要です。ACE を高地で高温で動作させると、最適なパフォーマンスが得られない場合があります。次の点を確認してください。

ACE のすべてのスロットおよび開口部、特に ACE の背面にあるファンの吹き出し口がふさがれていないことを確認します。

ACE を定期的に掃除し、過熱状態の原因となるほこりやごみが堆積しないようにします。

ACE が異常な低温にさらされた場合は、2 時間ウォームアップ時間をとって、通常の動作温度まで温度が上昇してから電源を投入してください。ウォームアップ運転を実施しないと、内部コンポーネント、特にハード ディスク ドライブが破損する可能性があります。

湿度

高湿度の場所に設置すると、ACE 内に湿気がたまります。この水分が原因で、内部コンポーネントが腐食したり、特性(電気抵抗、熱伝導、物理的な強度、サイズなど)の低下を引き起こしたりすることがあります。ACE の内部に過剰な湿気がたまると、電気的なショートが起こり、システムに重大な損傷が発生する可能性があります。

ACE の定格湿度は、相対湿度 8 ~ 80%、1 時間あたりの湿度変化は 10% です。温暖期には冷房で、寒冷期には暖房で、室温が管理されている建物では、通常、ACE の許容範囲内の湿度が維持されます。ただし、ACE を異常な高湿度の場所に設置した場合は、除湿器を使用して、湿度を許容範囲内に維持するようにしてください。

高度

標高の高い(気圧の低い)場所で ACE を稼働すると、急速冷却および対流冷却の効率が低下し、アーク放電やコロナ放電などの電気的な問題が発生する可能性があります。また、電解コンデンサなど、内部圧力のある密閉コンポーネントが故障したり、動作効率が低下する可能性があります。

ACE が動作可能な最高高度は、6,500 フィート(2,000 m)です。

ほこりと微粒子

動作環境をきれいにしておけば、ほこりやその他の微粒子による悪影響を大幅に低減できます。ほこりやその他の微粒子は絶縁体として働いたり、機械的なコンポーネントの動作を妨害します。定期的に清掃するだけでなく、以下の注意事項に従って、ACE 装置の汚れを防いでください。

ACE の近くでは禁煙にしてください。

ACE の近くでの飲食を禁止してください。

ACE を使用していないときはダスト カバーを被せてください。

窓や外部に通じるドアを閉めて浮遊粒子がシャーシ内に混入しないようにしてください。

腐食

人の指の皮脂が付着したり、高温または高湿度の環境に長期間さらされると、ACE の各種デバイスに使用されている金メッキされたエッジ コネクタやピン コネクタが腐食する可能性があります。こうしたコネクタの腐食は徐々に進行し、最終的には、電気回路がときどき切断される事態に至る可能性があります。

腐食を防ぐために、ボードやカードには直接触れないようにしてください。塩分を含んだ湿気のある環境では腐食が起こりやすいため、腐食の原因から ACE を保護することが特に重要になります。また、腐食を抑えるために、異常な高温または低温の環境で ACE を使用しないでください(「温度」 を参照)。

ESD

静電放電(ESD)は、人体やその他の物質に静電気が蓄積することにより発生しまします。静電気は、多くの場合、じゅうたんの上を歩くなど、単純な動作によって発生します。ESD は、静電気に帯電した人が ACE のコンポーネント、特に各種チップに触ったときに発生し、そのコンポーネントの動作不良を引き起こします。

ESD は、特に、相対湿度が 50% 以下の乾燥した環境で問題を起こします。

ESD の影響を抑えるために、次の注意事項に従ってください。

静電気防止用リスト ストラップを着用してください。静電気防止用リスト ストラップが入手できない場合は、シャーシ上の塗装されていない金属面にときどき触れて、静電気を放出してください。

各コンポーネントは、取り付けるまで、静電気防止用パッケージに入れたままにしてください。

羊毛や合成繊維を使用した衣服は着用しないでください。

電磁干渉と無線周波数干渉

Electromagnetic Interference(EMI; 電磁干渉)と Radio Frequency Interference(RFI; 無線周波数干渉)は、ACE の近くに設置されたラジオやテレビの受信機に悪影響を及ぼす可能性があります。ACE から出る高周波は、コードレス電話や低出力電話による通信も妨害する場合があります。逆に、高出力電話からの RFI によって、モニタ画面に意味不明の文字(スプリアス文字)が表示されることもあります。

RFI は、10 kHz を超える周波数をもつ EMI と定義されます。このタイプの干渉は、電源ケーブルや給電部を通じて、または伝送される電波のように空中を通じて、ACE から他の装置に伝わる場合があります。Federal Communications Commission(FCC; 米国連邦通信委員会)は、コンピュータ装置によって放出される EMI および RFI の量を制限する特別の規制を設けています。ACE は、こうした FCC 規制に準拠しています。

EMI と RFI が放出される可能性を小さくするために、次の注意事項に従ってください。

ACEはシャーシ カバーが取り付けられた状態でのみ作動させてください。

すべての周辺ケーブル コネクタのネジが、ACE背面の対応するコネクタに確実に締め付けられていることを確認してください。

ACEと周辺装置との接続には、必ず、金属製のコネクタ シェル付きのシールド ケーブルを使ってください。

磁気

ハード ディスク ドライブは、データを磁気的に記録しているので、磁気の影響を非常に受けやすくなっています。ハード ディスク ドライブは、次のような磁気発生源の近くに保管しないでください。

モニタ

テレビ

プリンタ

ベル音付きの電話機

蛍光灯

電源供給の中断

ACE は、AC 電源によって供給される電圧の変動の影響を特に受けやすくなっています。過電圧、低電圧、一時的過渡電圧(つまり、スパイク)により、メモリからデータが消去されたり、コンポーネントが故障することさえあります。こうした種類の問題を防ぐために、電源ケーブルは常に正しくアースし、次の方法の一方または両方を使用してください。

「電源保護装置の使用」で説明されている電源保護装置のいずれかを使用してください。

ACEは専用電源回路に接続してください(電力を大量に消費する他の装置と回路を共用しないでください)。一般に、ACEの電源回路を次の装置と共用しないでください。

コピー機

空調装置

掃除機

室内暖房器

電動工具

テレタイプ マシン

計算器

レーザー プリンタ

ファクシミリ装置

その他の電動装置

上記の電気製品のほかにも、ACEの電力供給の最大の脅威として、雷によるサージまたは停電があります。可能な場合、雷が発生している間は、ACEおよびすべての周辺装置の電源をオフにし、電源から抜いてください。

システムの電源がオンになっている間に停電が起きた場合は、たとえ一時的な停電であっても、ただちにシステムの電源をオフにし、ACEをコンセントから切り離してください。ACEの電源をオンのままにしておくと、電源が回復したときに問題が発生する恐れがあります。すなわち、同じ区域で電源がオンのままになっている他のすべての電気製品が大きな電圧スパイクを引き起こし、それがACEに損傷を与える可能性があります。

電源保護装置の使用

電力サージ、過渡電圧、電源障害などの電源の問題を防ぐ複数の装置があります。ここでは、こうした装置の一部について説明します。

サージ プロテクタ

サージ プロテクタにはさまざまなタイプがあり、通常、価格に応じた保護レベルを備えています。サージ プロテクタは、電圧スパイク(たとえば、雷の発生時に生じた電圧スパイク)が、コンセントを通ってACEに侵入するのを防止します。しかし、サージ プロテクタは、電圧が正常な AC 線間電圧レベルより 20% 以上低下するときに発生する、電力使用制限による電圧低下に対する保護は行いません。

電力コンディショナ

電力コンディショナは、サージ プロテクタの過電圧保護より多くの機能を備えています。電力コンディショナは、ACEの AC 電源電圧を一定のレベルに保つので、電力使用制限による電圧低下に対処できます。電力コンディショナは、こうした保護機能が追加されているので、サージ プロテクタより価格が高くなります(最高数百ドル)。しかし、この装置も完全な電力切断に対する保護機能には対応していません。

UPS

Uninterruptible Power Supply(UPS; 無停電電源装置)システムは、電力の変動に対する最も優れた保護機能を備えています。これは、無停電電源システムが、AC 電源が失われたときにACEの動作を継続するバッテリ電源を使用しているからです。このバッテリは、AC 電源が使用可能な間に AC 電源から充電されます。したがって、AC 電源が失われた後、このバッテリがACEに電力を供給できます。ただし、その電力供給可能時間には限界(15 分~ 1 時間程度)があり、UPS システムに応じて異なります。

どの UPS システムも、サージ プロテクタと一緒に使用する必要があります。UPS システムは、Underwriters Laboratories(UL)安全規格の承認を受けたものでなければなりません。