非同期転送モード(ATM) : ATM トラフィック管理

ATM VC の UBR+ サービス カテゴリの理解

2014 年 2 月 19 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

ATM フォーラムでは、ATM テクノロジーの使用を促進するために、複数のベンダーによる勧告を発行しています。「Traffic Management Specification Version 4.0 cisco.com 以外のサイトへ移動」では 5 種類の ATM サービス カテゴリが規定されており、これらのサービス カテゴリは、ユーザがネットワークに送信するトラフィックと、そのトラフィックに対してネットワークが提供しなければならない QOS の両方について説明しています。5 種類のサービス カテゴリは次のとおりです。 この文書は UBR+ に焦点を合わせています。

UBR+ とは

UBR+ について説明する前に、UBR サービス クラス全般について説明します。UBR は通常、ファイル転送や電子メールなどのデータ通信アプリケーションに使用されます。ATM 接続ルータと ATM スイッチはどちらも、UBR Virtual Circuit(VC; 仮想回線)に対してトラフィックまたは QOS を保証しません。そのため、UBR VC では、送信元デバイスから宛先デバイスにセルが移動するにつれて、大量のセル廃棄や大きなセル転送遅延が起こる可能性があります。

Cisco ルータで UBR に指定できるパラメータは Peak Cell Rate(PCR; ピーク セルレート)だけです。PCR を実施しない ATM スイッチもあり、PCR はあくまでも参考値です。UBR として定義された Switched Virtual Circuit(SVC; 相手先選択接続)では、ルータはシグナリング パケットの ATM ユーザ セルレート Information Element(IE; 情報要素)内のベストエフォート インディケータ フィールドを使用して、仮想回線が UBR であるネットワークと通信します。

UBR+ はシスコシステムズが開発した特別な ATM サービス クラスです。UBR が PCR のみを(オプションとして)規定するのに対し、UBR+ は Minimum Cell Rate(MCR; 最小セルレート)と(スイッチ上での)Cell Delay Variation Tolerance(CDVT; セル遅延変動許容値)も規定しています。両者の例を次に示します。

router(config-if-vc)# ubr output-pcr
router(config-if-vc)# ubr+ output-pcr output-mcr
UBR+ について理解するために重要なことは、MCR が最小帯域幅の「ソフト保証」であることです。ルータは、相手先選択 VC を作成する際のコール設定時に MCR 値を通知します。その後、ATM スイッチが MCR パラメータで指定された帯域幅を保証する責任を負います。つまり、UBR+ VC とは、MCR がルータによって通知され、ATM スイッチによって保証される UBR VC です。したがって、UBR+ は ATM スイッチでの接続アドミッション制御とリソース割り当てに影響を与えます。

つまり、UBR+ を使用すると、最小セルレートと最大セルレートの両方で ATM ネットワークと通信する能力が ATM インターフェイスに与えられるため、ルータはトラフィック フローに対して必要な Quality of Service(QOS)を確実に得ることができます。ルータでは、トラフィックシェーピングの観点から、VC は標準の UBR VC として作成されます。

SVC を設定する際に、UBR+ VC に対して input-pcr および input-mcr パラメータを指定することもできます。出力パラメータと入力パラメータが異なる場合は通常、入力パラメータを指定します。UBR+ VC の入力パラメータを省略すると、自動的に出力パラメータと同じ値が割り当てられます。

ubr+ output-pcr output-mcr [input-pcr] [input-mcr]
次の例では、PCR と MCR の両方について異なる出力パラメータと入力パラメータを指定しています。
svc TEST nsap 47.0091.81.000000.0040.0B0A.2501.ABC1.3333.3333.05 

 

   ubr+ 10000 3000 9000 1000
現在、LAN emulation(LANE; LAN エミュレーション)QOS は UBR+ VCC の作成をサポートしています。スイッチが UBR+ VCC に対して指定されたレートを保証できない場合、LEC は、MCR 保証のない UBR に戻ります。

注:

  • ubr+ コマンドは、Cisco IOS(R) リリース 11.3 で初めて導入されました。その後 Cisco IOS リリース 12.0(3)T で、ubr+ コマンドは、VC バンドルに対する UBR+ QOS の選択と、出力 PCR および出力 MCR の設定をサポートするように拡張されました。
  • ubr+ コマンドは、12.0(6)T 以降、PA-A3 の VC バンドル Command Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)から除去されました(CSCdm55109 を参照)。

UBR+ の代替機能

ATM フォーラムでは、UBR+ Minimum Desired Cell Rate(MDCR)を指定することで、UBR VC での最小保証セルレートを実現しています。これは実際には、ATM スイッチ ルータと 7x00 および 2600/3600 シリーズ ルータでのシスコの UBR+ 実装を取り入れたものです。MDCR とは、ATM フォーラムによる MCR の定義を表します。MDCR は、仮想回線または仮想パス接続において、オプションで通知または設定されます。

UBR+ は、ATM ネットワークへの最小セルレートの通知方法の点で UBR+MDCR と異なります。シスコの UBR+ は ABR VC の MCR Information Element(IE; 情報要素)を使用します。ATM フォーラムの UBR+MDCR は新しい MDCR IE を使用します。UBR+MDCR では、ATM スイッチは ATM セルをポリシングして最小セルレートが通知された値に適合しているかどうかを確認する必要はありません。

ATM フォーラムでは、MCR を実装する第 2 のサービス クラスも規定しています。「Traffic Management Specification」の 4.1 改訂版で仕様が公開されている Guaranteed Frame Rate(GFR; 保証フレーム レート)がそれです。このサービス クラスは、フレーム レベルまたは AAL5(SAR 前フレーム)のレベルで MCR を保証します。最小帯域幅保証の対象となるのは CLP=0 のセルだけです。ATM スイッチは、セルレートの測定値が通知された MCR を超えているフレームについて、その CLP ビットをマークできます。

PA-A3 での UBR+

PA-A3 ATM ポート アダプタは、SVC でのみ UBR+ をサポートします。PVC では UBR+ をサポートしません。ubr+ コマンドは、Cisco IOS ソフトウェア 12.0(7)T で、PVC 設定モードから除去されました。また、PVC バンドルからも除去されており(CSCdp56549)、さらにこれらのコマンドが PVC に適用されている場合は VC クラスからも除去されます。ubr+ コマンドを含む VC クラスを適用すると、この PVC には内部的に UBR クラスが割り当てられます。ubr+ コマンドで定義された PCR と MCR が、基盤となる物理インターフェイスの回線レートよりも高い場合、ルータは PVC の VC クラスを拒否します(CSCds58878)。

ubr+ コマンドが CLI から除去された理由は、ATM エッジ デバイスでのスケジューリング方法にあります。PA-A3 やその他のエッジ デバイスの設計では、ABR サービス カテゴリと同様に、PCR や使用可能セルレートなどの値にレートが制限されます。アクティブなスケジューリングを通じて最小帯域幅保証を提供するようには設計されていません。それに対して、ATM スイッチは VC が保証されたレートを確実に受信するように設計されています。Catalyst 8500 シリーズや LS1010 などの Cisco キャンパス ATM スイッチでは、インターフェイス スケジューラが Weighted Round-Robin(WRR)を使用して、CBR を除くすべての ATM サービス カテゴリの VC の間で残りの帯域幅を割り当てます(「スケジューラとサービス クラスの設定」を参照)。したがって、UBR+ VC では、PA-A3 は VC のトラフィック レートを PCR に制限する役割を果たし、ATM スイッチは VC に対して MCR を保証する役割を果たします。

また、ABR における MCR の取り扱いが UBR+ での取り扱いと異なる点にも注意が必要です。ABR は MCR を「今までで最も低い」最大シェーピング レートとして使用します。UBR+ は MCR を、最小レートを保証するためのアクティブなスケジューリング メカニズムとして使用します。

ルータは、最小レートをスケジュールする代わりに、完全なパケットに対してレイヤ 3 QOS を保証することが可能で、PCR を超える超過トラフィックを確実にキューイングできます。これにより、キューイングされた超過トラフィックに QOS ポリシーを適用できます。詳細については、「IP to ATM サービス クラスの設定」を参照してください。


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