Cisco ASA 1000V Cloud Firewall H.323 Inspection Denial of Service Vulnerability

2013 年 1 月 18 日 - ライター翻訳版
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Advisory ID: cisco-sa-20130116-asa1000v

http://www.cisco.com/cisco/web/support/JP/111/1117/1117055_cisco-sa-20130116-asa1000v-j.html/

日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。

Revision 1.0

For Public Release 2013 January 16 16:00  UTC (GMT)


要約

Cisco ASA 1000V Cloud Firewall 向けの Cisco Adaptive Security Appliance(ASA)ソフトウェアに含まれる脆弱性によって、Cisco ASA 1000V が不正な H.323 メッセージを処理した後にリロードを行う可能性があります。H.323 インスペクションが有効な場合に、Cisco ASA 1000V Cloud Firewall は影響を受けます。

シスコはこの脆弱性に対処する無償のソフトウェア アップデートをリリースしました。

このアドバイザリは次のリンクに掲載されます。

http://www.cisco.com/cisco/web/support/JP/111/1117/1117055_cisco-sa-20130116-asa1000v-j.html/

注:このアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるのは、Cisco ASA 1000V Cloud Firewall 向けの Cisco ASA ソフトウェアのみです。Cisco ASA 5500 シリーズ適応型セキュリティ アプライアンス、Cisco Catalyst 6500 シリーズ ASA Services Module または Cisco Catalyst 6500 シリーズ Firewall Services Module(FWSM)はこの脆弱性の影響を受けません。

該当製品


脆弱性が存在する製品

Cisco ASA 1000V Cloud Firewall 向けの Cisco ASA ソフトウェア バージョン 8.7.1 および 8.7.1.1 は、H.323 インスペクションが有効な場合に、この脆弱性の影響を受けます。H.323 インスペクションは、H.225 メッセージと RAS(Registration, Admission and Status)メッセージの両方に対してデフォルトで有効にされています。

この脆弱性は、H.225 メッセージに対する H.323 インスペクションが有効な場合のみに存在します。 RAS メッセージに対する H.323 インスペクションはこの脆弱性に関係がありません。

H.225 メッセージに対する H.323 インスペクションが有効か否かを確認するには、show service-policy inspect h323 h225 コマンドを使用してクラス マップに H.225 インスペクション エンジンが設定されているかを確認します。H.225 メッセージに対する H.323 インスペクションが設定されている場合、参照されたクラス マップの下に H.323 に関連する出力が表示されます。

結果の例を次に示します。
ASA1000v# show service-policy inspect h323 h225 
Global policy: 
  Service-policy: global_policy
    Class-map: inspection_default
      Inspect: h323 h225 _default_h323_map, packet 0, lock fail 0, drop 0, reset-drop 0
               tcp-proxy: bytes in buffer 0, bytes dropped 0
        h245-tunnel-block drops 0 connection

:上の出力は、H.225 メッセージに対して H.323 インスペクションが適用されたクラス マップを含むポリシー マップを示しています。

また、H.225 メッセージに対して H.323 インスペクションが有効にされているデバイスは、次に類似した構成を有します。

class-map inspection_default 
 match default-inspection-traffic
!
policy-map global_policy
 class inspection_default
  ...
  inspect h323 h225
  ...
!
service-policy global_policy global

:上の例ではグローバル適用が示されていますが、サービス ポリシーは特定のインターフェイスに適用されることもあります。

Cisco Adaptive Security Device Manager(ASDM)を使用してデバイスを管理している場合は、グローバル ポリシーまたはインターフェイス別のポリシーの下の Service Policy セクションで、インスペクションが有効か否かを確認できます。

Cisco Virtual Network Management Center(VNMC)を使用して複数のデバイスを管理している場合は、Policy Management > Security Policies > Root > Tenant > Data Center > Policies の下の Packet Inspection セクションで、インスペクションが有効か否かを確認できます。

実行中の Cisco ASA 1000V Cloud Firewall 向け Cisco ASA ソフトウェアのバージョンを確認するには、Cisco ASA 1000V のコマンド ラインから show version コマンドを発行します。

次の例は、該当するソフトウェア バージョン(8.7.1)を実行しているシステムを示しています。

ASA1000v(config)# show version
Cisco Adaptive Security Appliance Software Version 8.7(1)
Device Manager Version 6.3(5)

Cisco Adaptive Security Device Manager(ASDM)を使用してデバイスを管理している場合は、ログイン ウィンドウの表、または ASDM ウィンドウの左上にソフトウェアのバージョンが表示されます。 

または、VMware vCenter Server にある Cisco ASA 1000V Cloud Firewall リソースの [Summary] タブからバージョン情報を取得することもできます。

脆弱性が存在しない製品

Cisco ASA 1000V Cloud Firewall を除いて、この脆弱性の影響を受けるシスコ製品は現在確認されていません。

詳細

Cisco ASA 1000V Cloud Firewall は、マルチテナントのプライベートおよびパブリック クラウド展開においてテナント エッジを安全に保つ仮想セキュリティ アプライアンスです。VMware vSphere Hypervisor ソフトウェアおよび Cisco Nexus 1000V シリーズ スイッチのみで稼働します。

Cisco ASA 1000V Cloud Firewall は仮想データセンター内の仮想マシン(VM)に安全なインターネット アクセスを確約し、VM のデフォルト ゲートウェイとして機能して、ネットワークベースの攻撃から保護します。

1000V Cloud Firewall 向け Cisco ASA ソフトウェアのバージョン 8.7.1 および 8.7.1.1 には、認証されていないリモートの攻撃者によって Cisco 1000V Cloud Firewall のリロードが引き起こされる可能性のある脆弱性が存在します。

この脆弱性は、不正な H.323 パケットの不適切な処理に起因します。攻撃者は該当デバイスを通して巧妙に細工された H.323 パケットを送信することで、この脆弱性を不正利用できる可能性があります。不正利用によって攻撃者が Cisco ASA 1000V Cloud firewall をリロードさせ、サービス拒否(DoS)状態を引き起こすことが可能になります。

H.323 through-the-box トラフィックのインスペクションを実行するように設定されている Cisco ASA 1000V デバイスは、不正な H.323 IPv4 パケットを受信するとリロードを行う可能性があります。 

H.323 制御チャネルは、H.225、H.245、および H.323 RAS メッセージを処理します。H.323 インスペクションは次の well-known ポートを使用します。

1718:ゲートキーパー検出 UDP ポート
1719:RAS UDP ポート
1720:TCP 制御ポート

H.323 コール シグナリングの設定手順中に別のダイナミック UDP ポートおよび TCP ポートのネゴシエーションが行われることがあります。

H.323 インスペクションによって使用される well-known ポート、または H.323 コール シグナリング設定によって動的にネゴシエートされるポートのいずれかに送信された不正なパケットによってこの脆弱性がトリガされる可能性があります。

この脆弱性をトリガする可能性があるのは、through-the-box トラフィックのみです。H.225 メッセージに対する H.323 インスペクションが有効な場合のみ、Cisco ASA 1000V Cloud Firewall は影響を受けます。

Cisco ASA 1000V Cloud Firewall は、IPv6 転送上での H.323 インスペクションをサポートしていません。

この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCuc42812登録ユーザのみ)および CSCuc88741登録ユーザのみ)として文書化され、CVE-2012-5419 が割り当てられています。

脆弱性スコア詳細

シスコはこのアドバイザリでの脆弱性に対して Common Vulnerability Scoring System(CVSS)に基づいたスコアを提供しています。このセキュリティ アドバイザリでの CVSS スコアは CVSS バージョン 2.0 に基づいています。

CVSS は、脆弱性の重要度を示唆するもので、緊急性および対応の優先度を決定する組織の手助けとなる標準ベースの評価法です。

シスコは基本評価スコア(Base Score)および現状評価スコア(Temporal Score)を提供しています。お客様はこれらを用いて環境評価スコア(Environmental Score)を算出し、自身のネットワークにおける脆弱性の影響度を導き出すことができます。

シスコは次のリンクで CVSS に関する追加情報を提供しています。

http://www.cisco.com/web/about/security/intelligence/cvss-qandas.html

また、シスコは個々のネットワークにおける環境影響度を算出する CVSS 計算ツールを次のリンクで提供しています。

http://tools.cisco.com/security/center/cvssCalculator.x/



CSCuc42812 and CSCuc88741

Calculate the environmental score of CSCuc42812 and CSCuc88741

CVSS Base Score - 7.8

Access Vector

Access Complexity

Authentication

Confidentiality Impact

Integrity Impact

Availability Impact

Network

Low

None

None

None

Complete

CVSS Temporal Score - 6.4

Exploitability

Remediation Level

Report Confidence

Functional

Official-Fix

Confirmed

影響

この脆弱性の不正利用に成功した場合、影響を受けたデバイスのリロードが引き起こされることがあります。この脆弱性が繰り返し悪用されると、継続的な DoS 状態となる可能性があります。

ソフトウェア バージョンおよび修正

ソフトウェアのアップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt/ の Cisco Security Advisories and Responses アーカイブや、本アドバイザリ以降に公開のアドバイザリを参照して、起こりうる障害と完全なアップグレード ソリューションを判断してください。

いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新しいリリースで引き続き適切にサポートされていることの確認を十分に行ってください。情報が不明確な場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンス プロバイダーにお問い合わせください。 

この脆弱性は、Cisco ASA 1000V Cloud Firewall 向け Cisco ASA ソフトウェア バージョン 8.7.1.3 以降ですでに修正されています。

Cisco ASA 1000V Cloud Firewall 向け Cisco ASA ソフトウェアは次のリンクでダウンロードできます。

回避策

H.323 インスペクションが不要な場合、これを無効にしてデバイスがこの脆弱性の影響を受けないようにすることができます。管理者はポリシー マップ設定内において、クラス設定サブモードで no inspect h323 h225 コマンドを発行することによって H.225 メッセージに対する H.323 インスペクションを無効にすることができます。この回避策を実施するためには、H.225 メッセージに対する H.323 インスペクションを無効にする必要があります。

次の例は、デフォルトのポリシー マップから H.323 インスペクションを無効にする方法を示しています。

ASA1000v(config)# policy-map global_policy
ASA1000v(config-pmap)# class inspection_default
ASA1000v(config-pmap-c)# no inspect h323 h225

H.225 メッセージに対する H.323 インスペクションが必要な場合、回避策はありません。

修正済みソフトウェアの入手

シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェア アップデートを提供しています。ソフトウェアの導入を行う前に、お客様のメンテナンス プロバイダーにご相談いただくか、ソフトウェアのフィーチャ セットの互換性およびお客様のネットワーク環境に特有の問題に関してご確認ください。

お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ご購入いただいたフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェア アップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は http://www.cisco.com/en/US/docs/general/warranty/English/EU1KEN_.html に記載のシスコのソフトウェア ライセンスの条項に従うことに同意したことになります。

サービス契約をご利用のお客様

サービス契約をご利用のお客様は、通常のアップデート チャネルからアップグレード ソフトウェアを入手してください。ほとんどのお客様は、Cisco.com の Software Navigator からアップグレードを入手することができます。http://www.cisco.com/cisco/software/navigator.html

サードパーティのサポート会社をご利用のお客様

シスコ パートナー、正規販売代理店、サービス プロバイダーなど、サードパーティのサポート会社と以前に契約していたか、または現在契約しており、その会社からシスコ製品の提供または保守を受けているお客様は、該当するサポート会社に連絡し、適切な処置について支援を受けてください。

回避策の効果は、使用製品、ネットワーク トポロジー、トラフィックの性質や組織の目的などのお客様の状況に依存します。影響製品およびリリースが多種多様であるため、回避策を実際に展開する前に、対象とするネットワークで適用する回避策または修正が最適であるか、お客様のサービス プロバイダーやサポート会社にご相談ください。

サービス契約をご利用でないお客様

シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティ ベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)に連絡してアップグレードを入手してください。

  • +1 800 553 2447(北米内からのフリー ダイヤル)
  • +1 408 526 7209(北米以外からの有料通話)
  • 電子メール:tac@cisco.com

無償アップグレードの対象であることをご証明いただくために、製品のシリアル番号と、このアドバイザリの URL をご用意ください。サービス契約をご利用でないお客様は TAC を通して無償アップグレードをお求めください。

さまざまな言語向けの各地の電話番号、説明、電子メール アドレスなどの、この他の TAC の連絡先情報については、シスコ ワールドワイドお問い合わせ先を参照してください。http://www.cisco.com/en/US/support/tsd_cisco_worldwide_contacts.html

不正利用事例と公式発表

Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例とその公表は確認しておりません。

この脆弱性はシスコ内部でのテストによって発見されました。

この通知のステータス:FINAL

本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証を示唆するものでもありません。本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。またシスコシステムズはいつでも本ドキュメントの変更や更新を実施する権利を有します。

後述する情報配信の URL を省略し、本アドバイザリの記述内容に関して単独の転載や意訳を実施した場合には、事実誤認ないし重要な情報の欠落を含む統制不可能な情報の伝搬が行われる可能性があります。


情報配信

このアドバイザリは次のリンクにある Cisco Security Intelligence Operations に掲載されます。

http://www.cisco.com/cisco/web/support/JP/111/1117/1117055_cisco-sa-20130116-asa1000v-j.html/

また、このアドバイザリのテキスト版が Cisco PSIRT PGP キーによるクリア署名つきで次の電子メールで配信されています。

  • cust-security-announce@cisco.com
  • first-bulletins@lists.first.org
  • bugtraq@securityfocus.com
  • vulnwatch@vulnwatch.org
  • cisco@spot.colorado.edu
  • cisco-nsp@puck.nether.net
  • full-disclosure@lists.grok.org.uk

このアドバイザリに関する今後の更新があれば、Cisco.com に掲載されますが、メーリング リストで配信されるとは限りません。このアドバイザリの URL で更新をご確認いただくことができます。


更新履歴

Revision 1.0 2013-January-16 Initial public release.

シスコ セキュリティ手順

シスコ製品におけるセキュリティの脆弱性の報告、セキュリティ事故に関する支援、およびシスコからセキュリティ情報を入手するための登録方法について詳しく知るには、Cisco.com の http://www.cisco.com/en/US/products/products_security_vulnerability_policy.html にアクセスしてください。この Web ページには、シスコのセキュリティ アドバイザリに関してメディアが問い合わせる際の指示が掲載されています。すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリは、http://www.cisco.com/go/psirt/ で確認することができます。