IP : IP ルーティング

Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)TLV

2002 年 1 月 4 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

この文書は、IS-IS Type Length Value(TLV; タイプ、長さ、値)とその使用について説明しています。

TLV の機能

IS-IS は元来 Open System Interconnection(OSI; 開放型システム間相互接続)ルーティングのために設計されたもので、TLV パラメータを使用して Link State Packet(LSP; リンクステート パケット)で情報を伝送します。この TLV によって IS-IS は拡張されます。これにより、IS-IS では LSP によってさまざまな種類の情報を伝送できます。ISO 10589 で規定されているとおり、IS-IS は Connectionless Network Protocol(CNLP; コネクションレス型ネットワーク プロトコル)のみをサポートします。ただし、RFC 1195 cisco.com 以外のサイトへ移動 で TLV 128 が規定されたことにより、IS-IS は IP ルーティング用に拡張されました。TLV 128 には、IP 情報を伝送するための一連の 12 オクテット フィールドが含まれています。

IS-IS の Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)には、ヘッダーに固定部分と可変部分があります。ヘッダーの固定部分には必須のフィールドがあり、可変部分にはリンクステート レコード内でパラメータを柔軟に符号化できる TLV が含まれます。これらのフィールドは、1 オクテットのタイプ(T)、1 オクテットの長さ(L)、および「L」オクテットの値(V)によって識別されます。Type フィールドは、Value フィールドに含まれる項目のタイプを示します。Length フィールドは、Value フィールドの長さを示します。Value フィールドは、パケットのデータ部分です。必ずしもすべてのルータ実装がすべての TLV をサポートするとは限りませんが、認識できないタイプは無視してそのまま再送信するように規定されています。

RFC 1195 cisco.com 以外のサイトへ移動 で説明されているとおり、TLV 128 は、Connectionless Network Service(CNLS; コネクションレス型ネットワーク サービス)の他に IP ルーティング情報も同じパケットで伝送するように IS-IS を拡張します。DEC も、TLV 42 によって IS-IS への拡張を実装しています。この拡張を使用すると、IS-IS で DECnet Phase IV ネットワークの情報を収容できます。将来、CNLS で IPv6 ルーティング情報を伝送できる新しい TLV が実装される可能性があります。

TLV を使用してさまざまなアトリビュートを伝送しているルーティング プロトコルもあります。TLV を使用するプロトコルの例としては、Cisco Discovery Protocol(CDP)、Label Discovery Protocol(LDP)、および Border Gateway Protocol(BGP; ボーダーゲートウェイ プロトコル)が挙げられます。BGP は TLV を使用して、Network Layer Reachability Information(NLRI; ネットワーク レイヤ到着可能性情報)、Multiple Exit Discriminator(MED)、ローカル プリファレンスなどのアトリビュートを伝送します。

TLV の符号化

可変長フィールドは次のように符号化されます。

フィールド オクテット数
Type 1
Length 1
Value Length フィールドの値

RFC 1142 cisco.com 以外のサイトへ移動 のセクション 9(ISO 10589 の改訂版)に、IS-IS PDU の各タイプと、各タイプでサポートされる TLV の詳細なパケット レイアウトが記載されています。どんな IS-IS PDU でも、最初の 8 オクテットはすべての PDU タイプに共通のヘッダー フィールドです。TLV 情報は PDU の最後に格納されます。各種の PDU には、一式の定義済みコードがあります。認識されないコードは無視されてそのまま渡されます。

IS-IS PDU と TLV の定義

IS-IS PDU のタイプと有効なコード値の定義はすでに確立されています。ISO 10589 でタイプ コード 1〜10 が、RFC 1195 cisco.com 以外のサイトへ移動 でタイプ コード 128〜133 がそれぞれ定義されています。

注:RFC 1195 cisco.com 以外のサイトへ移動 で TLV コード 133(認証情報)が規定されていますが、シスコではこれの代わりに ISO コード 10 を使用しています。また、TLV コード 4 はパーティション修復に使用されますが、シスコではサポートされていません。

シスコで実装されている TLV

シスコではほとんどの TLV を実装しています。しかし、ドラフトや需要の低い TLV には実装されていない場合があります。次に、シスコで実装されている一般的な TLV の説明を示します。

TLV 名前 説明
1 エリア アドレス 中間システムが接続しているエリア アドレスを含みます。
2 IIS ネイバー ルータが接続しているすべての IS-IS 実行インターフェイスを含みます。
8 パディング 主に IS-IS Hello(IIH)で使用され、Maximum Transmission Unit(MTU; 最大伝送ユニット)の不一致を検出します。デフォルトでは、IIH パケットはインターフェイスの MTU を完全に満たすまでパディングされます。
10 認証 PDU の認証に使用される情報。
22 TE IIS ネイバー 最大メトリックを 3 バイト(24 ビット)に増やします。この TLV は「拡張 IS 到達可能性 TLV」とも呼ばれ、TLV 2 のメトリック制限に対応します。TLV 2 の最大メトリックは 63 で、8 ビット中 6 ビットだけが使用されます。
128 IP 内部到達可能性 特定のルータが 1 つ以上の内部発信インターフェイスを通じて学習した既知の IP アドレスをすべて提供します。この情報は複数回現れる場合があります。
129 サポート対象プロトコル Intermediate System(IS; 中間システム)で実行できるネットワーク層プロトコルの Network Layer Protocol Identifier(NLPID; ネットワーク層プロトコル識別子)を伝送します。これはサポートされるデータ プロトコルを表します。たとえば、IPv4 の NLPID 値 0xCC、CLNS の NLPID 値 0x81、IPv6 の NLPID 値 0x8E などが、この NLPID TLV でアドバタイズされます。
130 IP 外部アドレス 特定のルータが 1 つ以上の外部発信インターフェイスを通じて学習した既知の IP アドレスをすべて提供します。この情報は複数回現れる場合があります。
132 IP 内部アドレス ネクストホップ アドレスに到達するために使用される IP インターフェイス アドレス。
134 TE ルータ ID これは Multi-Protocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)トラフィック エンジニアリングのルータ ID です。
135 TE IP 到達可能性 32 ビットのメトリックを提供し、L2 から L1 にルートが漏出されたかどうかを表す「アップ/ダウン」用のビットを付加します。この TLV は「拡張 IS 到達可能性 TLV」とも呼ばれ、TLV 128 と TLV 130 に関する問題に対応します。
137 ダイナミック ホスト名 この Link-State Packet(LSP; リンクステート パケット)を発信するルータの識別名を表します。

10 と 133

  認証には TLV 133 ではなく TLV 10 が使用されます。TLV 133 が受信された場合は、他の不明 TLV と同様に、受信時に無視されます。TLV 10 は認証のためにのみ受け入れられます。

TLV の詳細

名前 TLV IIH SNP L1 LSP L2 LSP 定義されている文書
エリア アドレス 1 × ISO 10589
IIS ネイバー 2 × × ISO 10589
ES ネイバー 3 × × × ISO 10589
パーティション DIS 4 × ×   ISO 10589
プレフィクス ネイバー 5 × ×   ISO 10589
IIS ネイバー 6 ×   ISO 10589
パディング 8 × × × ISO 10589
LSP エントリ 9 × × × ISO 10589
認証 10 ISO 10589
オプション チェックサム 12 draft-ietf-isis-wg-snp-checksu
LSP バッファ サイズ 14 ×     SIF-DRAFT
TE IIS ネイバー 22 × ×     draft-ietf-isis-traffic-04.txt
HMAC-MD5 認証 54         draft-ietf-isis-hmac-03.txt
IP 内部到達可能性 128 × × RFC 1195
サポート対象プロトコル 129 × RFC 1195
IP 外部アドレス 130 × × RFC 1195
IDRPI 131 × × RFC 1195
IP インターフェイス アドレス 132 × RFC 1195
認証 *133 × × × × RFC 1195(非公式)
TE ルータ ID 134 × × draft-ietf-isis-traffic-04.txt
TE IP 到達可能性 135 × ×     draft-ietf-isis-traffic-04.txt
ダイナミック名 137 × ×     RFC 2763
共有リスク リンク グループ 138         draft-ietf-isis-gmpls-extensions-12.txt
MT-ISN 222 × ×     draft-ietf-isis-wg-multi-topol
M トポロジ 229 ×     draft-ietf-isis-wg-multi-topol
IPv6 インターフェイス アドレス 232 ×     draft-ietf-isis-ipv6-02.txt
MT IP 到達可能性 235 × ×     draft-ietf-isis-wg-multi-topol
3 方向 hello 240 ×     draft-ietf-isis-3way-01.txt
再起動 TLV 211 × × × draft-shand-isis-restart-01.txt
IPv6 到達可能性 236 × × draft-ietf-isis-ipv6-02.txt
MT IPv6 IP 到達可能性 237 × × draft-ietf-isis-wg-multi-topol
P2P 3 方向隣接関係 240 ×     draft-ietf-isis-3way-06.txt

サブ TLV とトラフィック エンジニアリング

サブ TLV は概念としては TLV と同じです。両者の違いは、TLV が IS-IS パケットの内部にあるのに対し、サブ TLV は TLV の内部にある点です。TLV は、IS-IS パケットに特別な情報を追加するために使用します。サブ TLV は、特定の TLV に特別な情報を追加するために使用します。サブ TLV はそれぞれ 3 つのフィールドで構成されます。1 オクテットの Type フィールド、1 オクテットの Length フィールド、および 0 オクテット以上の Value フィールドです。Type フィールドは、Value フィールドに含まれる項目のタイプを示します。Length フィールドは、Value フィールドの長さ(オクテット数)を示します。各サブ TLV は、場合によっては複数の項目を収容できます。サブ TLV 内の項目数は、各項目の長さがわかっていれば、サブ TLV 全体の長さから算出されます。不明なサブ TLV は受信時に無視されてスキップされます。

サブ TLV の大部分は、draft-ietf-isis-traffic-04.txt と draft-ietf-isis-gmpls-extensions-12.txt で定義されています。

また、これらのサブ TLV は拡張 IS 到達可能性 TLV22 の要素です。ただし、拡張 IP 到達可能性 TLV 135 の要素であるサブ TLV 1 は除きます。サブ TLV 1 は draft-martin-neal-policy-isis-admin-tags-01.txt で定義されています。

次に、サブ TLV の簡単な説明を示します。

サブ TLV 名前 説明
1 管理タグ このサブ TLV はタグを IP プレフィクスに関連付けます。この「タグ」の例としては、レベルとエリア間、各種ルーティング プロトコル間、またはインターフェイスでの再配送の制御などが挙げられます。
3 管理グループ リンクまたはインターフェイスが(トラフィック エンジニアリングの観点から)すでに色付けされている場合、その情報がこの TLV によって伝送されます。
6 IPv4 インターフェイス アドレス トラフィック エンジニアリングの目的で使用されるインターフェイス IP アドレス。
8 IPv4 ネイバー アドレス トラフィック エンジニアリングの目的で使用されるネイバーのインターフェイス IP アドレス。
9 最大リンク帯域幅 問題のインターフェイスの最大リンク帯域幅(トラフィック エンジニアリングの目的で使用)。
10 最大予約可能リンク帯域幅 問題のインターフェイスで予約できる帯域幅の最大量。
11 未予約帯域幅 インターフェイスでまだ予約されていない帯域幅の量。
18 トラフィック エンジニアリング デフォルト メトリック トラフィック エンジニアリングの目的で管理上割り当てられるメトリック。

サブ TLV の詳細

サブ TLV TLV 定義 バイト
管理タグ 1 ISIS_ROUTE_ADMIN_TAG  
管理グループ(カラー) 3 ISIS_ADMIN_GROUP 4
発信インターフェイス識別子 4   4
着信インターフェイス識別子 5   4
IPv4 インターフェイス アドレス 6 ISIS_INTERFACE_IP_ADDRESS 4
インターフェイス MTU 7   2
IPv4 ネイバー アドレス 8 ISIS_NEIGHBOR_IP_ADDRESS 4
最大リンク帯域幅 9 ISIS_MAXIMUM_LINK_BW 4
最大予約可能リンク帯域幅 10 ISIS_MAXIMUM_LINK_RES 4
未予約帯域幅 11 ISIS_CURRENT_BW_UNRESERVED 32
TE デフォルト メトリック 18 ISIS_TRAFFIC_ENGINEERING_METRIC 3
リンク保護タイプ 20   2
インターフェイス スイッチング能力の摘要 21   可変
MT 到達可能 IPv4 プレフィクス 117    
最大リンク予約可能サブ プール 250* ISIS_MAXIMUM_LINK_RES_SUB  
現在の帯域幅未予約サブ プール 251* ISIS_CURRENT_BW_UNRESERVED_SUB  

* サブ TLV 250 と 251 は、draft-ietf-isis-traffic-04.txt で文書化されている MPLS-TE をサポートするうえで、シスコが独自に拡張した部分に含まれる。これらのサブ TLV は、MPLS-TE のもとで帯域幅保証を適用しているときに使用される。

注:Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)ドラフトは常に最新のものを参照してください。この文書に記載された IETF ドラフトは変更されることがあります。より新しいバージョンや RFC によって更新されたり、期限切れになったりする場合があります。


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