音声 : テレフォニー シグナリング

ISDN-VoIP(H.323)コールでの使用中トーンなしと通知メッセージなしのトラブルシューティング

2002 年 3 月 1 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

この文書では、VoIP と PSTN 間で ISDN と H.323 シグナリングがインターワークするときの、コールプログレス(経過表示)とインバンド信号に関連する問題を取り上げます。Cisco VoIP ルータまたはゲートウェイが telco スイッチとシグナリング交換を行うときに難しい問題が発生することがあります。次のリストで、一般的な問題のシナリオと現象を説明します。

ISDN - VoIP(H.323)コールプログレス(経過表示)とインバンド信号に関連する問題の詳細については、次の情報を参照してください。
ISDN-VoIP(H.323)コールでリングバック トーンが聞こえない場合

:ソリューションの項をご覧いただく前に、技術的背景の項をご覧になることをお勧めします。

技術的背景

ISDN-VoIP インターワーキング

インターワーキングは、2 つの異なるプロトコル スイート間におけるコール シグナリング メッセージのマッピングとして定義されます。この文書では、ISDN および H.323(VoIP)インターワーキングの問題に着目します。次の図は、ISDN(Q.931)と VoIP(H.225)コール レグのコール シグナリング メッセージを示します。

:H.323 では、コールシグナリングとコールセットアップ(呼設定)のために H.225 プロトコルが定義されています。H.225 は、Q.931 の利用とサポートを明記しています。H.323 の詳細については、H.323 チュートリアルを参照してください。exit

プログレストーンとプログレスインジケータ(経過識別子)

インバンドプログレストーン(リングバック トーンとビジートーン)とアナウンス(「おかけになった電話番号は現在使われておりません」など)は、音声コールを正常に伝えるために必要です。プログレストーンは、発信側デバイス、着信側デバイス、または中間デバイスで生成できます。

インバンド トーンとアナウンスの表示は、ISDN および H.323 ネットワークのプログレスインジケータ(PI)情報要素(IE)で制御されます。プログレスインジケータは、インバンド トーンとアナウンスが必要となるインターワーキング環境において信号を伝達します。この文書では、次の ITU Q.931 プログレスインジケータ値が対象になります。

  • プログレスインジケータ = 1 コールが ISDN エンド間ではありません。これ以降のプログレス情報は、インバンド信号となります。
  • プログレスインジケータ = 2 非 ISDN 着信側アドレスです。
  • プログレスインジケータ = 3 非 ISDN 発信側アドレスです。
  • プログレスインジケータ = 8 インバンド情報または該当するパターンが使用可能です。
トーンとアナウンスが使用可能という表示は、アラーティング(呼出)、コールプロシーディング(呼設定受付)、プログレス(経過表示)、コネクト(接続)、セットアップ アクノリッジ(呼設定確認)、またはディスコネクト(切断)メッセージにプログレスインジケータ = 1 または 8 を含むことよって伝えられます。

発信側ゲートウェイが PI = 3 でコールセットアップメッセージを受信した場合、スイッチはインバンド メッセージを待っていることをゲートウェイに通知しています。

注:メッセージに PI が含まれない場合、発信側デバイスが適切なトーン信号を発呼者に提供することを前提としています。

注:通常、アナログおよびデジタル CAS(Channel Associated Signaling;個別線信号)PSTN 回線は、これらの情報をインバンド情報として送信します。

音声パス カットスルー

音声パス カットスルーは、音声コールのベアラ送信パスを確立することです。音声コールでは、カットスルーは 2 つの段階で発生します。
  • 逆方向(Backward Direction;発信方向に対して逆の意)のカットスルーは、着呼側から発呼側への音声パスのみが確立していることを意味します。
  • 両方向のカットスルーは、着呼側と発呼側の間の音声パスが確立していることを意味します。
トーンとアナウンスは、発信側スイッチまたは着信側スイッチで生成されることがあります。トーンとアナウンスが着信側スイッチによって生成される場合、着信側スイッチから発呼者への音声伝送パス(逆方向)は、トーンとメッセージが生成される前にカットスルーされる必要があります。着呼側から発呼側にインバンドでトーンとアナウンスを転送して、音声クリッピングを回避するには、逆方向ベアラ パスの早い段階でのカットスルー(コネクト(接続)メッセージより前)が必要です。

終端側 ISDN スイッチが次のメッセージを送信するとき、インバンド情報を送信するために、コールを終端する Cisco ルータまたはゲートウェイが逆方向の音声パスをカットスルーします。

  • PI = 1 または PI = 8 のアラーティング(呼出)メッセージ
  • PI = 1 または PI = 8 のプログレス(経過表示)メッセージ
  • PI = 1 または PI = 8 のコールプロシーディング(呼設定受付)メッセージ
  • PI = 1 または PI = 8 のセットアップ アクノリッジ(呼設定確認)メッセージ
  • PI = 1 または PI = 8 のディスコネクト(切断)メッセージ
注:終端側 CAS インターフェイスでは、着信番号ディジットがすべて送信されると、Cisco ルータまたはゲートウェイは逆方向の音声をカットスルーします。

終端側 Cisco ルータまたはゲートウェイは、次の場合に両方向で音声パスをカットスルーします。

  • ISDN インターフェイスでコネクト(接続)メッセージを受信したとき
  • CAS インターフェイスで応答監視(Answer Supervision)信号(オフフック)を受信したとき

両方向のカットスルーは、Cisco IOS グローバル設定コマンド voice rtp send-recv を使用することで、ゲートウェイで設定できます。

ソリューション

Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.1(3)XI1 および 12.1(5)T では、プログレスインジケーターは POTS と VoIP インターフェイス間で適切なインターワーキングを提供するように変更されました。これは主として、プログレストーンの生成を定義するプログレスインジケーターをエンドツーエンドで有効にし、かつそれを伝播することにより達成されます。

これらのコマンドの使用については、少なくとも 12.1(3a)XI5 または 12.2(1)以降を運用することを前提とします。

より詳細な情報について以下(英語版)を参照してください。
Interworking Signaling Enhancements for H.323 and SIP VoIP」および「Cisco IOS Voice, Video, and Fax Command Reference, Release 12.2

PSTN/PBX への VoIP コールで DTMF ディジットまたは音声が渡されない

現象:
ユーザがコールすると、アナウンスメッセージ(「課金番号を入力してください..」など)が聞こえますが、DTMF ディジットを渡せません。
この現象は、VoIP トールバイパス コールおよび IP Phone から、PSTN/PBX へのコールの両方に当てはまります。

問題の説明:
IP Phone(CallManager の場合)または POTS 電話(VoIP トールバイパスの場合)コールが Cisco IOS ゲートウェイを通過し、着信側の IVR システムが ISDN プログレス(経過表示)メッセージを返信しますが、アカウント情報が入力されるまでは接続しません。デフォルトでは、音声パスは逆方向(IP Phone または発信側ゲートウェイ方向)でのカットスルーですが、終端側ゲートウェイがコネクト(接続)メッセージを受信するまで順方向にはなりません。したがって、終端側スイッチ方向に DTMF トーンまたは音声を送信する音声パスがありません。

ソリューション:
Cisco IOS グローバル設定コマンド voice rtp send-recv を設定して、ISDN コネクト(接続)メッセージを PSTN から受信する前に、両方向で音声パスを確立(カットスルー)します。このコマンドの詳細については、次の情報(英語版)を参照してください。
Cisco IOS Voice, Video, and Fax Command Reference, Release 12.2

VoIP コール発信時にビジートーンまたはアナウンスメッセージが聞こえない

現象:
IP Phone(CallManager の場合)または POTS 電話(VoIP トールバイパスの場合)において、PSTN ネットワークからのビジートーンまたはアナウンスメッセージがありません。

ソリューション:
Cisco IOS グローバル設定コマンド voice call convert-discpi-to-prog を設定します(Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(1) 以降)。このコマンドは、PI を含んだ着信 ISDN ディスコネクト(切断)メッセージを、同じ PI 値を持つ H225 プログレス(経過表示)メッセージに変換します。このコマンドは、PSTN 側でアナウンスが再生されてはいるが、発呼者側でその応答が聞こえていないときに役に立ちます。

VoIP トールバイパスの場合は、これらの問題の大半が、ルータまたはゲートウェイを Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.1(3a)XI5 または 12.2(1) 以降にアップグレードするこ
とで解決できます。ただし、H225/ISDN ディスコネクト(切断)メッセージを受信したときに、発信側デバイスまたは発信側 ISDN スイッチがコールをアクティブにしていない場合は、上記のコマンドを試してください。

これは、インバンドアナウンスがビジートーンの場合でも発生することがあります。それ以上に、終端側デバイス、発信側デバイス、またはネットワークによりビジー信号が提供されている必要があります。これらの側面は制御されることもあります。

電話機(ISDN)から CallManager IP Phone、IOS ゲートウェイ、またはサード パーティの H323 デバイスへのコール着信時にビジートーンが聞こえない

現象:
PSTN からゲートウェイを経由した、CallManager IP Phone、IOS ゲートウェイ、またはサード パーティの H323 デバイスへのコールにおいて、発信側ゲートウェイでアプリケーションまたは 2 ステージダイヤリングの運用時に、ビジートーンが聞こえないことがあります。

ソリューション:
これは、発信側ゲートウェイがデビットカードなどの音声アプリケーションを運用しているか、または 2 ステージダイヤリングを運用している場合に発生する稀なケースです。2 ステージダイヤリングとは、発呼者がまず最初にゲートウェイの番号にダイヤルし、ダイヤルトーンを受信してから相手先にダイヤルすることです。どちらの場合でも、コールが発信側ゲートウェイで終端されると、PSTN ネットワークではコネクト(接続)されます。IP コール レグが、cause user-busy(理由表示:着ユーザビジー)でリリース(解放)しても、接続状態にあるテレフォニー セッション(PSTN)に対してはこれが示されません。

これは、IP コール レグから cause code user-busy(理由表示:着ユーザビジー)でリリース(解放)を受信した場合に、発信側ゲートウェイでビジートーンを生成させることにより解決されます。テレフォニー レグは、発呼者により、あるいは cause code normal call clearing(理由表示:正常切断)として、数分後にゲートウェイによってリリース(解放)されます。

この機能は、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(8)/ 12.2(8)T 以降で有効です。

ツール情報

その他の情報は、シスコの「TAC Tools for Voice, Telephony and Messaging Technologies」を参照してください。


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