音声 : テレフォニー シグナリング

ネットワーク側 で ISDN BRI ボイスインターフェイス カードを使用する

2002 年 5 月 30 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

ISDN BRI ボイスポートが他のタイプのアナログボイスポートよりも優れている点として、ISDN 信号方式により、エンドツーエンドのコール情報が提供されることがあります。このコール情報には、送信先および送信元番号、番号タイプ、コール経過ステータス、コール クリア原因コードなどの詳細が含まれます。また、ボイスがデジタル Pulse Code Modulation(PCM; パルス符号変調)ストリームとして送信されるため、ボイスレベルや減衰を原因とする問題が少なくなります。

従来の IOS ルータ/ゲートウェイでは、VIC-2BRI-S/T カードによって長い間 ISDN BRI ボイスポートがサポートされていました。このため、ルータを ISDN 端末装置として既存の ISDN ボイスネットワークへのインターフェイスにすることが可能でした。リリース 12.1.(3)X 以降、シスコでは ISDN ネットワークのエミュレーションを提供しており、新しい VIC-2BRI-NT/TE カードによって擬似出力の生成がサポートされています。

VIC-2BRI-NT/TE カードは VIC-2BRI-S/T と同じ方式で端末(またはユーザ)側装置として通常の ISDN 基本速度サービスへのインターフェイスとなります。このカードも VIC-2BRI-S/T と同様に、レイヤ 1、2、および 3 のネットワーク側装置として動作するソフトウェア設定可能オプションを使用できます。この機能により、ボタン電話システム、小規模 PBX、ISDN ハンドセットなどの既存の ISDN 端末装置を Voice over IP(VoIP)ネットワークに統合できます。

擬似回線出力(出力ソース 1)を提供するように VIC-2BRI-NT/TE カードを設定すると、カード自体と ISDN 端末装置との間に物理層接続を確立できます。リンクが確立されると、ルータで ISDN ボイスコールを発信または終端でき、VoIP コールとしてリモートの場所に送信できます。この文書は、VIC-2BRI-NT/TE カードおよび VIC-2BRI-S/T カードを ISDN ネットワーク装置として接続するために必要な設定とケーブル接続について説明しています。

背景理論

VIC-2BRI-NT/TE カードおよび VIC-2BRI-S/T カードの物理的ピン配置は、各カードが外部 NT1 装置を通じて直接 ISDN ネットワークに接続するように設計されています。この場合、BRI ポート RJ45 ソケットと ISDN NT1 とのケーブル接続はストレート型(1 対 1)カテゴリ 5 ケーブルです。

ネットワーク モードで動作する BRI ポートを ISDN 端末装置に接続するときは、2 台の装置間で送受信信号ペアを接続するために BRI クロスケーブルが必要です。適切な RJ45 ISDN BRI クロスケーブルのピン配置を次に示します。

設定

この項では、この文書に記載されている機能を設定するための情報を示します。

注:コマンドの詳細を調べるには、IOS Command Lookup ツールを使用します。このツールへのリンクは、この文書の「ツール情報」の項にあります。

VIC-2BRI-NT/TE カードおよび VIC-2BRI-S/T カードの設定

ネットワーク側 ISDN として動作し、回線出力が有効な VIC-2BRI-NT/TE の基本設定を次に示します。

!

 interface BRI 1/0

  no ip address

  isdn switch-type basic-net3

  ! -- ISDN スイッチ タイプ 

  isdn protocol-emulate network

  ! -- レイヤ 2/3 ネットワーク動作

  isdn layer1-emulate network

  ! -- ISDN NT1 装置として動作します。

  isdn incoming-voice voice

  !-- ISDN ボイスコールを受け入れます。

  line-power

  ! -- 回線出力を生成します(VIC-2VRI-NT/TE でのみ可能)。

 !

 
注:
  • ISDN スイッチ タイプは端末装置に設定したスイッチ タイプと同じにする必要があります。
  • line-power コマンドを受け入れるには、BRI インターフェイスをシャットダウンし、isdn layer1-emulate network コマンドを入力する必要があります。
  • 出力ソース 1 はネットワーク コンフィギュレーションでのみサポートされています。出力ソース/シンク 2 および 3 はサポートされていません。
  • Cisco IOS では現在、QSIG、NET3、および NI の各 ISDN スイッチ タイプによるレイヤ 2/3 のネットワーク側動作のみをサポートしています。
  • Cisco IOS は、BRI ボイスポートでの PCM 圧縮伸長がデフォルトで u-law に設定されます。北アメリカ以外の場所で VIC-2BRI-NT/TE を使用する場合は、a-law PCM 符号化を選択する必要があることがあります。誤った PCM 符号化タイプを選択した場合、ボイスが歪み、金属的または缶をはじいたような音になることがあります。
    !
    
     Voice-port 1/0
    
      description - network side BRI port to key system
    
      cptone AU
    
      ! -- 適切なコール経過トーンを選択します。
    
      compand-type a-law
    
      ! -- ボイスコール用に a-law 圧縮伸長を使用します。 
    
     !
    
     

この設定で使用するコンポーネント

この設定は、次のバージョンのソフトウェアとハードウェアを使用して開発、テストされています。

  • Cisco 2610 ルータ(NM-2V ボイスキャリア カード付き)
  • VIC-2BRI-NT/TE は次のハードウェア プラットフォームでサポートされています。
    • 1751
    • 1760
    • 2600
    • 3600
  • Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.2.5
  • VIC-2BRI-NT/TE カードを NM-2V ボイスキャリア カードのスロット 0 に取り付けます。ISDN ボイスカードを取り付ける場合は、NM-2V の 2 番目の VIC スロットに他のどのようなボイスインターフェイス カードも取り付けないでください。これは、NM-2V ボイスキャリア カードが 4 つの Digital Signal Processor(DSP; デジタル信号プロセッサ)リソースを、2 つの BRI ポート上で使用可能な 4 つの B チャネルに正しく割り当てるために必要です。NM-2V カードのスロット 1 にカードが取り付けられていると、1 つの BRI ポートだけがアクティブになり、ISDN ボイスコールが動作しない場合があります。

この文書の情報は、特定のラボ環境にて作成されています。この文書で使用されている機器はすべて、クリアな状態(デフォルト)のコンフィギュレーションから設定作業を始めています。稼働中のネットワークで作業する場合は、どのコマンドを使用する際にも、そのコマンドによって生じる可能性のある影響に注意しながら作業を進めてください。

ネットワーク ダイアグラム

ネットワーク ダイアグラム

設定例

2610 ルータ
2610#show run

 Building configuration...

 

 Current configuration : 1232 bytes

 !

 version 12.2

 service timestamps debug datetime msec localtime

 service timestamps log uptime

 no service password-encryption

 !

 hostname 2610

 !

 ip subnet-zero

 !

 isdn switch-type basic-net3

 call rsvp-sync

 voice rtp send-recv

 !

 interface FastEthernet0/0

  ip address 192.168.1.1 255.255.255.0

  duplex auto

  speed auto

 !

 interface BRI1/0

  no ip address

  isdn switch-type basic-net3

  isdn protocol-emulate network

  isdn layer1-emulate network

  isdn incoming-voice voice

  isdn skipsend-idverify

  line-power

 !

 interface BRI1/1

  no ip address

  isdn switch-type basic-net3

  isdn protocol-emulate network

  isdn layer1-emulate network

  isdn skipsend-idverify

  line-power

 !

 ip classless

 ip http server

 ip pim bidir-enable

 !

 voice-port 1/0/0

  compand-type a-law

  cptone AU

 !

 voice-port 1/0/1

  compand-type a-law

  cptone AU

 !

 dial-peer cor custom

 !

 dial-peer voice 1 pots

  incoming called-number .

  direct-inward-dial

  port 1/0/0

 !

 dial-peer voice 2 pots

  incoming called-number .

  direct-inward-dial

  port 1/0/1

 !

 dial-peer voice 100 voip

  destination-pattern 8.......

  session target ipv4:192.168.1.10

  dtmf-relay h245-alphanumeric

  codec g723r63

  ip precedence 5

 !

 dial-peer voice 1000 pots

  destination-pattern 0

  port 1/0/0

 !

 dial-peer voice 1001 pots

  destination-pattern 0

  port 1/0/1

 !

 line con 0

 line aux 0

 line vty 0 4

 !

 no scheduler allocate

 end

 

検証

VIC-2BRI-NT/TE カードおよび VIC-2BRI-S/T カードの動作の検証

show isdn status コマンドの出力を次に示します。この出力から BRI ポートと ISDN 接続に関する情報が得られます。この例では、2 つの BRI ポートがネットワーク側動作用に設定されています。ポート 1/0 はアクティブであり、TEI は 64 で、リンク上にコールはありません。ポート 1/1 はアクティブにされていません。

2610#show isdn status

 Global ISDN Switchtype = basic-net3

 ISDN BRI1/0 interface

         ******* Network side configuration *******

         ! -- ネットワーク側

         dsl 0, interface ISDN Switchtype = basic-net3

     Layer 1 Status:

         ACTIVE

     Layer 2 Status:

         TEI = 64, Ces = 1, SAPI = 0, State = MULTIPLE_FRAME_ESTABLISHED

     Layer 3 Status:

         0 Active Layer 3 Call(s)

     Active dsl 0 CCBs = 0

     The Free Channel Mask:  0x80000003

     Number of L2 Discards = 0, L2 Session ID = 5

 ISDN BRI1/1 interface

         ******* Network side configuration *******

         ! -- ネットワーク側

         dsl 1, interface ISDN Switchtype = basic-net3

     Layer 1 Status:

         DEACTIVATED

     Layer 2 Status:

         Layer 2 NOT Activated

     Layer 3 Status:

         0 Active Layer 3 Call(s)

     Active dsl 1 CCBs = 0

     The Free Channel Mask:  0x80000003

     Number of L2 Discards = 0, L2 Session ID = 0

     Total Allocated ISDN CCBs = 0

 

トラブルシューティング

有用なトラブルシューティング へのリンク

ISDN のトラブルシューティングの詳細については、次の URL を参照してください。

注:debug コマンドを発行する前に、「デバッグ コマンドの重要な情報」を参照してください。

VIC-2BRI-NT/TE カードおよび VIC-2BRI-S/T カードのトラブルシューティング

ISDN BRI ボイスインターフェイス カードでは、標準的な ISDN トラブルシューティング テクニックを使用します。Q921(レイヤ 2)および Q931(レイヤ 3)の ISDN デバッグはリンクやネットワークの問題を特定する際に非常に役立ちます。次のデバッグは、ISDN コールがルータに着信し、接続した後、通常どおりにクリアダウンする様子を示しています。次のような有益な情報が得られます。

Calling number : 55551000

 Called number   : 84487633

 

コールはゲートウェイ ルータの BRI ポート 1/0 に、1:50:33.397(タイムスタンプは時/分/秒/ミリ秒に書式設定されています)に着信しました。送信元番号は 55551000、送信先番号は 84487633 でした。コールは 1:51:01.561 に接続され、1:51:13.345 に接続解除されました。通話時間は約 12 秒です。debug isdn q931 コマンドからの出力例を次に示します。

2610#

 *Mar  2 01:50:53.397: ISDN BR1/0: RX <- SETUP pd = 8  callref = 0x09

 *Mar  2 01:50:53.397:         Bearer Capability i = 0x8090A3

 *Mar  2 01:50:53.401:         Channel ID i = 0x83

 *Mar  2 01:50:53.401:         Progress Ind i = 0x8183 - Origination address is non-ISDN

 *Mar  2 01:50:53.405:         Calling Party Number i = 0x00, 0x80, '55510000', Plan:Unknown, Type:Unknown

 *Mar  2 01:50:53.409:         Called Party Number i = 0x81, '84487633', Plan:ISDN, Type:Unknown

 *Mar  2 01:50:53.417: ISDN BR1/0: Event: Received a VOICE call from 55510000 on B1 at 64 Kb/s

 *Mar  2 01:50:53.417: ISDN BR1/0: Event: Accepting the call id 0xC

 *Mar  2 01:50:53.437: ISDN BR1/0: TX -> CALL_PROC pd = 8  callref = 0x89

 *Mar  2 01:50:53.437:         Channel ID i = 0x89

 *Mar  2 01:50:54.085: ISDN BR1/0: TX -> ALERTING pd = 8  callref = 0x89

 *Mar  2 01:51:01.561: ISDN BR1/0: TX -> CONNECT pd = 8  callref = 0x89

 *Mar  2 01:51:01.561:         Channel ID i = 0x89

 *Mar  2 01:51:01.589: ISDN BR1/0: RX <- CONNECT_ACK pd = 8  callref = 0x09

 *Mar  2 01:51:13.345: ISDN BR1/0: RX <- DISCONNECT pd = 8  callref = 0x09

 *Mar  2 01:51:13.349:         Cause i = 0x8090 - Normal call clearing

 *Mar  2 01:51:13.357: ISDN BR1/0: TX -> RELEASE pd = 8  callref = 0x89

 *Mar  2 01:51:13.361:         Cause i = 0x8090 - Normal call clearing

 *Mar  2 01:51:13.393: ISDN BR1/0: RX <- RELEASE_COMP pd = 8  callref = 0x09

 

ツール情報

他のリソースについては、シスコの「ボイス、テレフォニー、およびメッセージング テクノロジー用の TAC ツール」を参照してください。


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