音声 : テレフォニー シグナリング

T1 デジタル トランクでの応答および切断の監視

2002 年 5 月 23 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

テレフォニー システムでは、しばしば「応答監視」と「切断監視」という用語について混乱が見られます。F この文書は、これらの用語の意味と、これらがボイスインターフェイスを持つルータにどのように適用されるのかについて説明しています。

前提条件

前提条件は特にありません。

ハードウェアとソフトウェアのバージョン

この文書の情報は特定のハードウェアやソフトウェアに限定されるものではありません。

応答および切断の監視の基本

CAS E&M シグナリングの基本

Ear and Mouth(E&M)シグナリングを実行しているデジタル T1 Channel Associated Signaling(CAS; チャネル連携信号)トランクでは、ボイスチャネルがとりうる状態は一般に 2 つしかありません。チャネル上にコールが存在しないときは、チャネルは Idle(アイドル)、つまり On Hook(オンフック)状態にあります。チャネル上にアクティブ コールが存在するときは、チャネルは Seized(捕捉)、つまり Off Hook(オフフック)状態にあります。次の表は、Idle および Seized の状態に対する標準の送信/受信 ABCD シグナリング ビット パターンを示しています。

方向 状態 A B C D
送信 Idle/On Hook 0 0 0 0
送信 Seized/Off Hook 1 1 1 1
受信 Idle/On Hook 0 0 0 0
受信 Seized/Off Hook 1 1 1 1

チャネルが最初に捕捉された後、各デバイスはコールの経過を示す必要があります。経過を示す指標には、コールが応答されたかまたは未応答か、コールがいつ応答されたか、どちらの通話者が先に切断したか、などがあります。テレフォニー システムではコールがいつ試行、応答、およびクリアーされたかを知る必要があるため、これらのコール経過状態が重要になります。したがって「応答および切断の監視」という言葉が使用されます。

応答および切断の監視が必要な理由

応答および切断の監視を行う第一の理由は、料金請求を正しく行うためです。そのために電話交換機とお客様は、ネットワークを通じたコールについて正確な指標を知る必要があります。無応答または失敗のコールに対しては、電話会社は課金しないのが一般的です。この場合生成される Call Detail Record(CDR; コール詳細レコード)はすべて、コールが無応答または失敗だったことを示します。したがって請求システムからの課金は発生しません。

第二に、システムによっては相手がコールに応答したことを示す肯定の指標があるまで、ボイスパスをカットスルーせず、応答信号が送られるまでボイス接続が発生しない場合があります。

第三に、前回のコールがクリアーされたときに、新しいコールを受け付けるようにチャネルを空き状態にする必要があります。仮にコールの切断の指標がないとすると、T1 トランク上のすべてのチャネルが最終的にブロックされてしまうことになります。

応答および切断の監視の例

次の例では、応答および切断の監視の仕組みと、IOS デバッグを使用してこのプロセスを調べる方法について詳しく説明します。

ウィンク スタート シグナリング

この例は E&M ウィンク スタート シグナリングを示しています。次の図は各種のコール経過状態を示しています。

シグナリングの図

ウィンク スタートは、Dialed Number Identification Service(DNIS; 着信番号情報サービス)(Called Number; 着信番号とも呼ばれる)を送信できることをリモート側に通知するのに使用します。

着信コール(ネットワーク -> ルータ)では、次の動作が起こります。

  1. ネットワークがオフフックに移行します。ABCD ビット = 1111 です。
  2. ルータがウィンクを送信します。ABCD ビットが 200 ミリ秒の間 0000 から 1111 へ遷移し、それから 0000 に戻ります。
  3. ネットワークはウィンクを検知し、それから DNIS(着信番号)情報の送信に移ります。これにはインバンドの MultiFrequency/Dual Tone MultiFrequency(MF/DTMF)トーンを送信します。このトーンは DSP によってデコードされます。
  4. コールに応答があるとルータがオフフックに移行します。ABCD ビット = 1111 です。
  5. ボイスパスがオープンし、通話できるようになります。そして、課金システムがコール開始レコードを記録します。

発信コール(ルータ -> ネットワーク)でも同じ手順が発生しますが、ネットワークとルータの役割が入れ替わります。これは、シグナリングが対称的なためです。

ネットワークからルータへのコールの切断時には、次の動作が起こります。

  1. ネットワークがオンフックに移行します。ABCD ビット = 0000 です。
  2. ルータはネットワークがオンフックに移行したことを検知し、オンフックに移行します。ABCD ビット = 0000 です。
  3. ボイスパスがクローズし、課金システムはコール停止レコードを記録します。

ルータからネットワークへの切断では、これらの手順が逆に起こります。

ボイスゲートウェイ ルータでシグナリングを適切にデバッグすることにより、応答および切断の監視を観測できます。次の項ではこれらのデバッグの例を示します。

ウィンク スタート シグナリングのデバッグ

次のトレースは Cisco AS5300 から取得したもので、ネットワークからルータへのコールと、ルータからネットワークへのコールを示しています。AS5300 ルータでは、CAS シグナリング ビット ステータスをリアルタイムでトレースするために debug cas コマンドを実行していました。

debug cas - ネットワークからルータへのコール
multi-5-17#show debug
  CAS: Channel Associated Signaling debugging is on
  
  !--- ルータはネットワークから初期捕捉を受信します。
  May 15 15:35:59.455: from Trunk(0):(0/2): Rx LOOP_CLOSURE (ABCD=1111)
  
  !--- ルータはネットワークに向けて 200 ミリ秒のウィンクを送信します。
  May 15 15:35:59.679: from Trunk(0):(0/2): Tx LOOP_CLOSURE (ABCD=1111)
  May 15 15:35:59.883: from Trunk(0):(0/2): Tx LOOP_OPEN (ABCD=0000)
  
  !--- ルータは着信相手がコールに応答したことを示す
!--- 応答信号を送信します。
May 15 15:36:09.943: from Trunk(0):(0/2): Tx LOOP_CLOSURE (ABCD=1111) !--- ルータはコールのクリアーを要求する切断信号をネットワークから
!--- 受信します。
May 15 15:36:32.975: from Trunk(0):(0/2): Rx LOOP_OPEN (ABCD=0000) !--- ルータは切断信号で応答し、コールがクリアーされます。 May 15 15:36:33.295: from Trunk(0):(0/2): Tx LOOP_OPEN (ABCD=0000)

次のトレースはルータからネットワークへのコールを示しています。

debug cas - ルータからネットワークへのコール
  multi-5-17#show debug
  CAS: Channel Associated Signaling debugging is on
  
  !--- ルータはネットワークに初期捕捉を送信します。
  May 15 15:40:26.471: from Trunk(0):(0/5): Tx LOOP_CLOSURE (ABCD=1111)
  
  !--- ルータはネットワークから 200 ミリ秒のウィンクを受信します。
  May 15 15:40:26.679: from Trunk(0):(0/5): Rx LOOP_CLOSURE (ABCD=1111)
  May 15 15:40:26.883: from Trunk(0):(0/5): Rx LOOP_OPEN (ABCD=0000)
  
  !--- ルータはネットワーク側の受話器がコールに応答したことを示す
!--- 応答信号を受信します。
May 15 15:40:36.495: from Trunk(0):(0/5): Rx LOOP_CLOSURE (ABCD=1111) !--- ルータは切断信号を送信してコールをクリアーします。 May 15 15:40:57.631: from Trunk(0):(0/5): Tx LOOP_OPEN (ABCD=0000) !--- ルータはネットワークから切断応答を受信し
!--- コールがクリアーされます。
May 15 15:40:58.163: from Trunk(0):(0/5): Rx LOOP_OPEN (ABCD=0000)

これらのデバッグ トレースからわかるように、コールの方向や、コールに応答があったかどうかを調べることができます。これらのデバッグは、コールの切断元や切断の理由について不一致が生じた場合、あるいは課金記録について係争が生じた場合に、その解決に役立ちます。


ツール情報

その他のリソースについては、シスコの「TAC ツール」を参照してください。


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