コラボレーション エンドポイント : Cisco Unified IP Phone 7900 シリーズ

Cisco IP Phone 10/100 イーサネット インライン電力検出アルゴリズムの理解

2002 年 6 月 1 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

IP 電話が直面している課題の 1 つに、従来の PBX ベースのデジタル電話が電話ケーブルを通じて PBX から電力供給を受けていることがあります。PBX がバッテリや発電機などのバックアップを備えていれば、この仕組みによって停電中も電話が使用できます。第一世代の IP 電話では電話機ごとに別々の電源装置が必要でした。停電中でも電話システムを使用するためには、外部の電源装置を無停電電源に接続する必要があります。シスコではこの問題を解決するため、データを搬送する同じイーサネット ケーブルを経由して電話機に電力を供給するソリューションを導入しています。この電力は、シャーシに設置された 10/100 イーサネット ブレードや WS-X6348 などのモジュールから、あるいは WS-PWR-PANEL などのまったく別の装置から供給できます。

現在、シスコ製品ではインライン電力供給型イーサネット ポートについて 2 つの異なる実装が存在します。1 つはイーサネット信号が搬送される同じ 2 組の配線ペア(ピン 1、2、3、6)を使用する実装で、もう 1 つは 2 つの未使用のイーサネット ペア(ピン 4、5、7、8)を使用する実装です。IEEE 802.3af 委員会では最終的にイーサネット経由のインライン電力供給を標準化する予定です。802.3af の詳細については、「IEEE 802.3af DTE Power via MDI Task Force exit」を参照してください。

インライン電力供給用として現在使用できる製品

現在、4 種類のシスコ製品がインライン電源供給機能を備えています。

Catalyst 6000 スイッチ

1 番目の製品は、Catalyst 6000 シリーズ スイッチ対応の WS-X6348 48 ポート 10/100 ライン モジュールです。このカード自体はインライン電力供給機能に対応しているだけです。インライン電力を供給するためには、WS-F6K-VPWR ドーター カードをこのカードに取り付けることも必要です。
このカードの詳細については、「Catalyst 6000 ファミリ インライン電力フィールド アップグレード モジュール インストレーション ノート」を参照してください。カードが搭載されている Catalyst 6000 スイッチで十分な電力が使用できる場合は、48 個のポートすべてから電話機に電力を供給できます。

WS-X6348 はインライン電力を「使用中の」イーサネット ペア(ピン 1、2、3、6)を経由して供給します。

WS-X6348 モジュールの詳細については、「WS-X6348-RJ45:Catalyst 6000 シリーズ スイッチ対応 48 ポート IP Phone イーサネット インライン電力ブレード」を参照してください。

Catalyst 4006 スイッチ

2 番目の製品は、Catalyst 4006 スイッチ対応の WS-X4148-RJ45V 48 ポート 10/100 ライン モジュールです。Catalyst 4006 スイッチを使用してインライン電力を供給するためには、他のコンポーネントをいくつか追加する必要があります。インライン電力は 4003 ではなく 4006 でだけ使用可能です。これは、4006 シャーシにだけ Power Entry Module(PEM; 電源入力モジュール)を取り付けることができるためです。また、4006 シャーシはバックプレーン上にトレースを備えており、DC 電力をインライン電力対応のラインカードに供給できます。4006 でインライン電力を有効にするには、Catalyst 4000 補助 DC パワー シェルフと、少なくとも 2 基の電源装置(WS-P4603-2PSU)が必要です。パワー シェルフには N+1 冗長に対応した電源装置(WS-X4608)を最大 3 基まで取り付けることができます。インライン電力を稼動するには、少なくとも 2 基が必要です。特殊なケーブル(電源装置に付属)を使用して、個々の電源装置を PEM(WS-X4095-PEM)に取り付けます。最後に、インライン電力対応のラインカードをシャーシに取り付ける必要があります。WS-X4148-RJ45V は、48 ポートのインライン電力対応 10/100 イーサネット スイッチング モジュールです。次の図は 4148 に付属のインライン電力ドーター カードではありません。このカードは Catalyst 6000 モジュール上のドーター カードに似ています。Catalyst 4006 スイッチは、インライン電力の検出と配電に関して Catalyst 6000 スイッチとまったく同じように動作します。

WS-X4148-RJ45V はインライン電力を「使用中の」イーサネット ペア(ピン 1、2、3、6)を経由して供給します。

WS-X4148-RJ45V モジュールの詳細については、「WS-X4148-RJ45V:Catalyst 4000 シリーズ スイッチ対応 IP Phone イーサネット インライン電力ブレード」を参照してください。

Catalyst 3524-PWR-XL スイッチ

3 番目の製品は、Catalyst 3524-PWR-XL(WS-C3524-PWR)スイッチです。この製品は Catalyst 3524XL をベースとしています。

WS-C3524-PWR はインライン電力を「使用中の」イーサネット ペア(ピン 1、2、3、6)を経由して供給します。

Catalyst 3524-PWR-XL の詳細については、「3524-PWR XL:Catalyst 3524-PWR XL スタッカブル 10/100 イーサネット スイッチ」を参照してください。

インライン電力パッチパネル(WS-PWR-PANEL)

最後の製品は、スタンドアロンのインライン電力パッチパネル WS-PWR-PANEL です。この製品では、イーサネット接続を提供するための外部スイッチが必要です。インライン電力パッチパネルは電力を「ミッドスパン」で供給します。これは、イーサネット スイッチと電話機との間に接続することを意味します。インライン電力パッチパネルは完全にハードウェア ベースのソリューションであり、現場で変更やアップグレードが可能なソフトウェアやファームウェアはありません。

WS-PWR-PANEL は「未使用の」ペア(ピン 4、5、7、8)を使用して電力を供給します。

WS-PWR-PANEL の詳細については、「WS-PWR-PANEL:IP Phone 対応 Catalyst 10/100 イーサネット インライン電力パッチパネル」を参照してください。

IP Phone が 10/100 イーサネット ポートに接続されていることの検出

上に列挙した製品はすべて、電力を電話機に供給する前に、電話機検出アルゴリズムを利用します。このアルゴリズムを使用すると、インライン電力を受電しない装置には、スイッチから電力が供給されません。Catalyst スイッチで使用されている電話機検出アルゴリズムは、WS-PWR-PANEL で使用されているアルゴリズムとは異なります。この項ではこれらの両方のアルゴリズムについて説明します。

:電話機検出アルゴリズムについては、いくつかの点に関してシスコ独自の情報が含まれているため、詳細に説明できません。

Catalyst スイッチ

次の表は、3 つのプラットフォームにおいて、ポートへの電源供給を有効または無効にするために使用できるパラメータを説明しています。

Catalyst スイッチのインライン電力モード

auto 電話機検出アルゴリズムが有効 Catalyst 4006、6000、および 3500XL
off 電話機検出アルゴリズムが無効 Catalyst 4006 および 6000
never 電話機検出アルゴリズムが無効 Catalyst 3500XL

:これらの装置ではどれも「オン」というモードは存在しません。これは、ユーザがネットワークからの受電を想定していない機器でイーサネット NIC カードを誤って壊さないための措置です。

IP Phone が 10/100 イーサネット ポートに接続されていることを検出するために、Catalyst 6000、Catalyst 4000、および Catalyst 3524-PWR-XL の各スイッチで次の方法が使用されます。

  1. 電話機検出アルゴリズムでは、最初にポートから、接続されている可能性のあるすべての装置に対して特殊な Fast Link Pulse(FLP; ファースト リンク パルス)信号が送信されます。

  2. ポートは、特殊な FLP 信号が接続先装置から送り戻されたかどうかを確かめるために待機します。この動作を実行するように設計された装置は、インライン電力の受電を想定している装置だけです。

  3. 79xx IP Phone が 10/100 イーサネット ポートに接続されている場合、79xx IP Phone は特殊な FLP 信号を Catalyst スイッチの 10/100 イーサネット ポートに送り返します。79xx IP Phone は、それ自体のイーサネット受信ペアをイーサネット送信ペアに接続する特殊な中継機能を備えているため、この動作を実行できます。この中継機能は、電話機に電力が供給されなくなった時点でクローズされます。いったん電力が供給されると、この中継機能はオープン状態のままになります。

  4. Catalyst スイッチはポートへの給電が必要であると判断し(接続された IP Phone から特殊な FLP 信号が送り返されたため)、Network Management Processor(NMP; ネットワーク管理プロセッサ)に問い合せ、IP Phone への給電に使用できる電源が存在するかどうかを調べます。NMP では IP Phone が必要とする電力量はわからないため、設定済みのデフォルトの電力割り当てを使用します。後で、接続された IP Phone からスイッチに実際の必要量が伝えられ、この量に基づいて NMP はこの割り当てを調整します。

  5. この後、ポートは IP Phone に対して、ペア 1 および 2 を経由してコモンモード電流として電力を供給します。

  6. ポートは電話機検出モードから抜け出し、通常の 10/100 イーサネット オートネゴシエーション モードに変わります。

  7. スイッチがポートに電力を供給した瞬間、電話機内部のリレーがオープンし、IP Phone に電力が流れ始めます。

  8. この時点で、スイッチ内の「リンク待ち」タイマーもスタートします。電話機は、それ自体のイーサネット ポートでのリンク完全性を確立するために 5 秒間待機します。スイッチが 5 秒以内にポートのリンク完全性を検出しない場合、スイッチはポートへの給電を遮断し、電話機検出の処理を最初からやり直します。スイッチは少なくとも 5 秒間待たなければならないため、すべての装置を検出するための十分な時間が確保されます。

  9. スイッチが 5 秒以内にリンクを検出した場合は、リンク ダウン イベントを検出するまで IP Phone に電力を供給し続けます。

  10. 電話機の起動が完了すると、電話機は Type、Length、Value オブジェクト(TLV)を含む CDP メッセージを送信します。この TLV によって実際に必要な電力量がスイッチに通知されます。NMP はこれを確認し、それに応じてポートの電力割り当てを調整します。

注:Catalyst 6000 スイッチだけは、各装置に割り当てられている電力量を追跡します。Catalyst 4006 および 3500XL の各スイッチでは、すべてのポートに対しIP Phone に給電できるだけの十分な電力を供給します。

インライン電力パッチパネル

インライン電源パッチパネル(In-line Power Patch Panel, IPPP)は、未使用のイーサネット ペアを使用してインライン電力を供給します。IPPP には 4 列の RJ-45 コネクタ群があり、1 列ごとに 24 ポートを備えています。上部の 2 列は、端末装置(79xx IP Phone など)への接続に使用する給電ポートです。下部の 2 列はスイッチへの接続に使用されます。このスイッチからイーサネットへの接続性が提供されます。

内部的には、IPPP は下部のスイッチ ポートから上部の対応する電話機ポートに、イーサネット ペアを直接接続します。インライン電源パッチパネルは、ピン 1、2、3、6 に対してまったく干渉しません。完全な受動装置であるため、リンクを監視せず、速度や二重モードについても関知しません。

IPPP の電話機検出アルゴリズムは、前項で説明した Catalyst スイッチで使用されている方法に似ています。IPPP の電話機検出アルゴリズムは、IPPP からポートに送信された特殊な信号を電話機がループ バックする事実を利用しています。ただし、この場合は未使用のピン 4、5、7、8 が IP Phone の検出に使用されます。IP Phone が検出されると、これらのピン(配線ペア)も給電に使用されます。

IP Phone が 10/100 イーサネット ポートに接続されていることを検出するために、インライン電力パッチパネル(WS-PWR-PANEL)で次の方法が使用されます。

  1. IPPP はポート 1 で電話機検出のシーケンスを開始します。

  2. IPPP は 347 kHz のループバック トーンをポート 1 に送出します。IPPP は 50 ミリ秒の間受信を待ち、ポートに接続された装置からループバック トーンが送り返されるかどうかを判断します。これらのピンで受電が想定されている装置だけから、ループバック トーンが送信元装置(この場合は IPPP)に送られます。IPPP は 50 ミリ秒以内に 16 の遷移を検出して、正しいループバック トーンを検知していること、および異常な信号でないことを確認します。

  3. 受信したこの信号が正しい信号であることを IPPP が確認すると、ポートで電力が有効になります。信号が正しくない場合、IPPP は次のポートに移動して処理を最初からやり直します。

  4. IPPP はポートごとに上の手順を繰り返し、すべてのポートについてこの処理を反復し続けます。

  5. 装置が引き続き接続されていることを確認するために、電力を供給している各ポートで、600 ミリ秒ごとに 50 ミリ秒間のポーリングが実行されます。これにより、電力を必要としている装置が接続解除された場合にそのポートの電源が確実にオフになります。

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