IBM テクノロジー : トークン リング

トランスペアレント ブリッジングの設定

2009 年 10 月 29 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

このドキュメントの目的は、トランスペアレント ブリッジングの設定を支援することです。このドキュメントは、まずブリッジングの一般的な説明を行ってから、トランスペアレント ブリッジングの詳細を説明し、さらに、構成例をいくつか紹介しています。



はじめに

表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。



前提条件

このドキュメントに関する特別な要件はありません。



使用するコンポーネント

このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、デフォルトの設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのような作業についても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。



ブリッジング

ブリッジは LAN 同士を接続し、データを転送します。ブリッジングには、次の 4 種類があります。

  • トランスペアレント ブリッジング:主にイーサネット環境で使用されており、主として同じメディア タイプのブリッジ ネットワークに使用されます。ブリッジは、宛先アドレスと発信インターフェイスのテーブルを保持します。

  • ソースルート ブリッシング(SRB; Source-Route Bridging):主にトークン リング環境で使用されています。ブリッジは、フレームに含まれるルーティング インジケータに基づいて、フレームを転送するだけです。エンドステーションが、宛先アドレスとルーティング インジケータのテーブルを決定および管理します。詳細は、『ローカル ソースルート ブリッジングの説明とトラブルシューティング』を参照してください。

  • トランスレーショナル ブリッジング(TLB; Translational Bridging):異なるメディア タイプ間でのデータのブリッジングに使用されています。通常、これはイーサネットと FDDI またはトークンリングとイーサネット間の通信に使用します。

  • ソースルート トランスレーショナル ブリッジング(SR/TLB; Source-Route Translational Bridging):ソースルート ブリッジングとトランスペアレント ブリッジングを組み合せたもので、イーサネットとトークン リングが混在する環境での通信を可能にします。また、トークン リングとイーサネットの間のルーティング インジケータのないトランスレーショナル ブリッジングも SR/TLB と呼ばれます。詳細は、『ソースルート トランスレーショナル ブリッジングの説明とトラブルシューティング』を参照してください。

ブリッジングは、データ フローを制御し、伝送エラーを処理し、物理アドレッシングを提供し、物理メディアへのアクセスを管理するデータリンク レイヤで発生します。ブリッジは、着信フレームを分析し、フレームに基づいて転送に関する決定を下し、フレームを宛先に転送します。SRB などのように、フレームが宛先への完全なパスを含んでいる場合もあります。トランスペアレント ブリッジングなど、その他の場合は、フレームは宛先に向かって一度に 1 ホップ転送されます。

ブリッジには、リモート ブリッジとローカル ブリッジがあります。ローカル ブリッジは、同じ領域内の多数の LAN セグメント間に直接接続を提供します。リモート ブリッジは、通常テレコミュニケーション回線を通じて、異なる領域内の LAN セグメントを接続します。



トランスペアレント ブリッジング

Spanning Tree Algorithm(STA;スパニングツリー アルゴリズム)は、トランスペアレント ブリッジングの重要な部分です。STA は、ネットワーク トポロジのループのないサブセットを動的に検出するために使用します。これを行うために、STA は、ループを作成しているブリッジ ポートがアクティブな場合に、そのポートをスタンバイ状態またはブロッキング状態にします。ブロッキング状態のポートは、一次ポートに障害が発生した場合にアクティブにして、冗長サポートを提供できます。詳細は、IEEE 802.1d の仕様を参照してください。

スパニング ツリーの計算は、ブリッジに電源が投入された時、および、トポロジの変更が検出された際に行われます。Bridge Protocol Data Units(BPDUs;ブリッジ プロトコル データ ユニット)と呼ばれる設定メッセージは、計算をトリガーします。このようなメトリックは、定期的(通常は 1 〜 4 秒ごと)に交換されます。

次の例はこの動作を示しています。

ブリッジが 2 つある構成例

ブリッジが 2 つある構成例

B1 が唯一のブリッジならば問題はありませんが、B2 があるため、2 つのセグメントの間に通信経路が 2 つ存在することになります。これはブリッジング ループ ネットワークと呼ばれます。STA がなければ、LAN1 のホストからのブロードキャストは、両方のブリッジによって学習され、B1 と B2 は、LAN2 に同じブロードキャストを送信します。次に、B1 と B2 は、ホストが LAN2 に接続されたと認識します。この基本的な接続の問題に加えて、ループのあるネットワークでのブロードキャスト メッセージは、ネットワークの帯域幅の問題を生じることがあります。

ただし、STA があれば、B1 と B2 が存在する場合に、両方がルート ブリッジを決定する情報を含む BPDU メッセージを送出します。B1 がルート ブリッジの場合は、B1 が LAN1 と LAN2 の両方の宛先ブリッジになります。B2 は、そのポートの 1 つがブロッキング ステータスになるため、LAN1 から LAN2 にパケットをブリッジしません。

B1 に障害が発生した場合、B2 は B1 から予期される BPDU を受信しないため、B2 は STA 計算を再開する新しい BPDU を送出します。B2 はルート ブリッジとなり、トラフィックは B2 によってブリッジされます。

Cisco のトランスペアレント ブリッジング ソフトウェアには、次の機能があります。

  • IEEE 802.1d 規格に準拠。

  • IEEE 標準の BPDU 形式、および下位互換性用としてデジタルその他の LAN ブリッジと互換性のある DEC と呼ばれる古い形式の 2 つの STP を提供。

  • Media Access Control(MAC;メディア アクセス制御)アドレス、プロトコル タイプ、およびベンダー コードに基づくフィルタ。

  • 負荷分散および冗長性のための回路グループへのシリアル ラインのグループ化。

  • X.25、フレームリレー、交換マルチメガビット データ サービス(SMDS)、および Point-to-Point Protocol(PPP;ポイントツーポイント プロトコル)ネットワークでのブリッジ機能。

  • Local Area Transport(LAT; ローカルエリア トランスポート)フレームの圧縮機能。

  • IP、IPX などに対してインターフェイスを 1 つの論理ネットワークとして扱えるため、ブリッジ ドメインとルーティング ドメインとの通信が可能。



設定例

次の設定は、IP またはその他のプロトコルのサポート用ではなく、トランスペアレント ブリッジングで必要なコマンドだけを示しています。



例 1:シンプルなトランスペアレント ブリッジング

シンプルなトランスペアレント ブリッジングの構成図

この例では、LAN1 には複数の PC が含まれ、1 つのフロアにあります。LAN2 にも多数の PC といくつかのサーバが接続されていますが、別のフロアにあります。各 LAN のシステムは、IP、IPX、または DECNET を使用しています。ほとんどのトラフィックはルーティングできますが、独自のプロトコルで開発されたアプリケーション システムがいくつかあり、ルーティングできない場合があります。このトラフィック(NetBIOS および LAT など)は、ブリッジングする必要があります。

注:Cisco IOS ソフトウェア バージョン 11.0 よりも前では、同じルータ内で 1 つのプロトコルのブリッジングとルーティングの両方を行うことはできません。Cisco IOS ソフトウェア バージョン 11.0 では、プロトコルは一部のインターフェイスでブリッジし、ほかのインターフェイスでルーティングできます。これは Concurrent Routing and Bridging(CRB)と呼ばれます。ただし、ブリッジド インターフェイスとルーテッド インターフェイスは、互いにトラフィックを渡すことができません。Cisco IOS ソフトウェア バージョン 11.2 では、プロトコルを同時にブリッジおよびルーティングし、ブリッジド インターフェイスとルーテッド インターフェイス間で互いにトラフィックを渡すことができます。これは、Integrated Routing and Bridging(IRB)と呼ばれます。

 Interface ethernet 0
  bridge-group 1

  Interface ethernet 1
  bridge-group 1

  bridge 1 protocol ieee

この例では、IEEE 802.1d 標準が STP になっています。ネットワーク内のすべてのブリッジが Cisco の場合は、すべてのルータ上で bridge 1 protocol ieee コマンドを発行します。ネットワーク内にさまざまなブリッジがあり、それらのブリッジが当初 DEC で開発された古いブリッジング形式を使用している場合は、bridge 1 protocol dec コマンドを発行して、下位互換性を確保します。IEEE と DEC のスパニング ツリーには互換性がないため、これらのプロトコルをネットワーク内で混合させると、予測不能な結果を生じます。



例 2:複数のブリッジ グループを使用したトランスペアレント ブリッジング

複数のブリッジ グループを使用したトランスペアレント ブリッジングの構成図

この例では、ルータは 2 つの別々のブリッジ、つまり LAN1 と LAN2 の間のブリッジ、および LAN3 と LAN4 の間のブリッジの役割を果たします。LAN1 からのフレームは LAN2 にブリッジされますが、LAN3 または LAN4 へはブリッジされず、逆もまた同様です。言い換えれば、フレームは同じグループのインターフェイス間でだけブリッジされます。このグループ機能は、一般にネットワークまたはユーザを分けるために使用されます。

interface ethernet 0
  bridge-group 1

  interface ethernet 1
  bridge-group 1

  interface ethernet 2
  bridge-group 2

  interface ethernet 3
  bridge-group 2

  bridge 1 protocol ieee
  bridge 2 protocol dec


例 3:WAN 経由のブリッジング

WAN 経由のブリッジングの構成図

この例では、2 つの LAN が T1 リンクによって接続されています。

RouterA                         RouterB
  --------                        --------
  Interface ethernet 0            Interface ethernet 0
  bridge-group 1                  bridge-group 1

  Interface serial 0              Interface serial 0
  bridge-group 1                  bridge-group 1

  bridge 1 protocol ieee    bridge 1 protocol ieee


例 4:X.25 でのリモート トランスペアレント ブリッジング

次の例は、例 3 と同じトポロジを使用していますが、2 つのルータ、RouterA と RouterB は専用線ではなく X.25 クラウドによって接続されています。

RouterA                              RouterB
  --------                             --------
  Interface ethernet 0                 Interface ethernet 0
  bridge-group 1                       bridge-group 1

  Interface serial 0                   Interface serial 0
  encapsulation x25                    encapsulation x25
  x25 address 31370019027              x25 address 31370019134
  x25 map bridge 31370019134broadcast  x25 map bridge 31370019027 broadcast
  bridge-group 1                       bridge-group 1

  bridge 1 protocol ieee         bridge 1 protocol ieee


例 5:マルチキャストを伴わないフレーム リレーでのリモート トランスペアレント ブリッジング

次の例は、例 3 と同じトポロジを使用していますが、2 つのルータ、RouterA と RouterB は専用線ではなくパブリック フレーム リレー ネットワークによって接続されています。フレーム リレー ブリッジング ソフトウェアは、ほかのブリッジング機能と同じスパニングツリー アルゴリズムを使用しますが、フレーム リレー ネットワークでの伝送のためにパケットをカプセル化できます。コマンドでは、インターネットと Data-Link Connection Identifier(DLCI; データリンク接続識別子)のアドレス マッピングが指定され、イーサネットと DLCI の両方のテーブルが保持されます。

RouterA                               RouterB
  --------                              --------
  Interface ethernet 0                  Interface ethernet 0
  bridge-group 1                        bridge-group 1

  Interface serial 0                    Interface serial 0
  encapsulation frame-relay             encapsulation frame-relay
  frame-relay map bridge 25 broadcast   frame-relay map bridge 30 broadcast
  bridge-group 1                        bridge-group 1

  group 1 protocol dec                  bridge 1 protocol dec


例 6:マルチキャストを伴うフレーム リレーでのリモート トランスペアレント ブリッジング

次の例は、例 5 と同じトポロジを使用していますが、この例ではフレーム リレー ネットワークがマルチキャスト機能をサポートしています。マルチキャスト機能がネットワーク内の他のブリッジを学習するため、frame-relay map コマンドを発行する必要がありません。

RouterA                         RouterB
  --------                        --------
  Interface ethernet 0            Interface ethernet 0
  bridge-group 2                  bridge-group 2

  Interface serial 0              Interface serial 0
  encapsulation frame-relay       encapsulation frame-relay
  bridge-group 2                  bridge-group 2

  bridge 2 protocol dec     bridge 2 protocol dec


例 7:複数のサブインターフェイスを伴うフレーム リレーでのリモート トランスペアレント ブリッジング

RouterA                              RouterB
  --------                             --------
  interface ethernet 0                 interface ethernet 0
  bridge-group 2                       bridge-group 2

  interface serial 0                   interface serial 0
  encapsulation frame-relay            encapsulation frame-relay
  !                                    !
  interface Serial0.1 point-to-point   interface Serial0.1 point-to-point
  frame-relay interface-dlci 101       frame-relay interface-dlci 100
  bridge-group 2                       bridge-group 2
  !                                    !
  interface Serial0.2 point-to-point   interface Serial0.2 point-to-point
  frame-relay interface-dlci 103       frame-relay interface-dlci 103
  bridge-group 2                       bridge-group 2

  bridge 2 protocol dec          bridge 2 protocol dec


例 8:Switched Multimegabit Data Service(SMDS; スイッチド マルチメガビット データ サービス)でのリモート トランスペアレント ブリッジング

RouterA                              RouterB
  --------                             --------
  Interface ethernet 0                 Interface ethernet 0
  bridge-group 2                       bridge-group 2

  Interface Hssi0                      Interface Hssi0
  encapsulation smds                   encapsulation smds
  smds address c449.1812.0013          smds address c448.1812.0014
  smds multicast BRIDGE                smds multicast BRIDGE
    e449.1810.0040                       e449.1810.0040
  bridge-group 2                       bridge-group 2

  bridge 2 protocol dec          bridge 2 protocol dec


例 9:サーキット グループを伴うリモート トランスペアレント ブリッジング

通常の運用では、パラレルなネットワーク セグメントで同時にトラフィックを伝送することはできません。これは、フレームのループを防ぐために必要です。ただし、シリアル ラインの場合は、複数のパラレル シリアル ラインを使用して、利用できる帯域幅を増加させる必要が生じることがあります。複数のパラレル シリアル ラインを使用するには、circuit- group オプションを使用します。

サーキット グループを伴うリモート トランスペアレント ブリッジングの構成図

Router A                              Router B
  --------                              --------
  Interface ethernet 0                  Interface ethernet 0
  bridge-group 2                        bridge-group 2
 
  Interface serial0                     Interface serial0
  bridge-group2                         bridge-group 2
  bridge-group 2 circuit-group 1        bridge-group 2 circuit-group 1
 
  Interface serial1                     Interface serial1
  bridge-group 2                        bridge-group 2
  bridge-group 2 circuit-group 1        bridge-group 2 circuit-group 1
 
  Interface serial2                     Interface serial2
  bridge-group 2                        bridge-group 2
  bridge-group 2 circuit-group 1        bridge-group 2 circuit-group 1
 
  bridge 2 protocol dec                 bridge 2 protocol dec



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