オプティカル : 同期光ネットワーク(SONET)

SONET リンクにおけるビットエラーレートのトラブルシューティング

2002 年 5 月 16 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2005 年 9 月 12 日) | フィードバック

目次


概要

この文書は、Packet over SONET(POS)ルータ インターフェイスによって伝送されるフレームの Bit Interleaved Parity(BIP-8)チェックについて説明しています。

BIP エラーの数が設定可能なしきい値を超えると、ルータで次のようなログ メッセージが報告されます。

Feb 22 08:47:16.793: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface POS3/0,

 changed state to down

 Feb 22 08:47:16.793: %OSPF-5-ADJCHG: Process 2, Nbr 12.122.0.32 on POS3/0

 from FULL to DOWN, Neighbor Down

 Feb 22 08:48:50.837: %SONET-4-ALARM:  POS3/0: SLOS

 Feb 22 08:48:52.409: %LINK-3-UPDOWN: Interface POS3/0, changed state to down

 Feb 22 08:50:47.845: %SONET-4-ALARM:  POS3/0: B1 BER exceeds threshold,

 TC alarm declared

 Feb 22 08:50:47.845: %SONET-4-ALARM:  POS3/0: B2 BER exceeds threshold,

 TC alarm declared

 Feb 22 08:50:47.845: %SONET-4-ALARM:  POS3/0: B3 BER exceeds threshold,

 TC alarm declared

 Feb 22 08:50:52.922: %SONET-4-ALARM:  POS3/0: SLOS cleared

 Feb 22 08:50:54.922: %LINK-3-UPDOWN: Interface POS3/0, changed state to up

この文書では、Threshold-Crossing(TC)Bit Error Rate(BER; ビットエラーレート)アラームのトラブルシューティング方法に関するヒントを示します。

SONET オーバーヘッドの BIP-8 バイト

SONET は、セクション、回線、およびパスというレイヤ アーキテクチャを使用するプロトコルです。各レイヤは、次のように、SONET フレームにいくつかのオーバーヘッド バイトを追加します。

 
パス オーバーへッド
セクション オーバーへッド
A1 Framing A2 Framing A3 Framing J1 Trace
B1 BIP-8 E1 Orderwire E1 User B3 BIP-8
D1 Data Com D2 Data Com D3 Data Com C2 Signal Label
ライン オーバーヘッド
H1 Pointer H2 Pointer H3 Pointer Action G1 Path Status
B2 BIP-8 K1  K2 F2 User Channel
D4 Data Com D5 Data Com D5 Data Com H4 Indicator
D7 Data Com D8 Data Com D9 Data Com Z3 Growth
D10 Data Com D11 Data Com D12 Data Com Z4 Growth
S1/Z1 Sync Status/Growth M0 または M1/Z2 REI-L Growth E2 Orderwire Z5 Tandem Connection

ここで重要なのは、各レイヤがそれぞれ 1 つのインターリーブ パリティ バイトを使用して、エンドツーエンドの SONET パスに沿った特定のセグメントでのエラー モニタリングの仕組みを備えている点です。このパリティ バイトのことを BIP-8(Bit Interleaved Parity の省略形)と呼びます。BIP-8 は前の STS-1 フレームの偶数パリティ チェックを実行します。

パリティ チェック時には、前にスクランブルされた STS-1 フレームの全オクテットの第 1 ビットに含まれる 1 の合計が偶数になるように、BIP-8 フィールドの第 1 ビットが設定されます。BIP-8 フィールドの他のビットも、第 2 ビットは各オクテットの第 2 ビット、第 3 ビットは各オクテットの第 3 ビットというようにチェックするビットが変わる点以外はまったく同様に使用されます。

SONET ネットワークに関する Bellcore GR-253 規格により、特定のパリティ エラーを計算するためのバイトが規定されています。各 BIP バイトが SONET フレームのどの部分を対象とするかを次の表に示します。
 

バイト 対象とするフレーム部分 監視するスパン エラー表示
B1 フレーム全体、スクランブリング後 2 台の隣接する Section Terminating Equipment(STE; セクション終端装置)(リジェネレータなど)間のビット エラーを監視 一致しない場合は、セクションレベルのビット エラーが発生していることを示す
B2 回線のオーバーヘッドと Synchronous Payload Envelope(SPE; 同期ペイロード エンベロープ)(パスのオーバーヘッドとペイロードを含む)、スクランブリング前 2 台の隣接する Line Terminating Equipment(LTE; 回線終端装置)(Add/Drop Multiplexer(ADM; アド/ドロップ多重化装置)や DCS など)間のビット エラーを監視 一致しない場合は、回線レベルのビット エラーが発生していることを示す
B3 SPE(パスのオーバーヘッドとペイロードを含む)、スクランブリング前 2 台の隣接する PTE(2 つのルータ POS インターフェイスなど)間のビット エラーを監視 一致しない場合は、パスレベルのビット エラーが発生していることを示す

特定の BIP エラーはいつ発生するのか

状況によっては、show controllers pos の出力が 1 レベルだけの BIP エラーを報告することがあります。このような事態が起こるのは、コード違反やビット フリップが実際にどこで発生したかに応じて、報告される BIP エラーが異なるためです。つまり、パリティ バイトは 1 つの SONET フレーム内の異なる部分のエラーを監視し、検出するといえます。BIP エラーはフレーム内のどこでも発生する可能性があります。

次の図は、一般的な SONET ネットワークを示しています。

2 つのルータ POS インターフェイスを、Dense Wavelength Division Multiplexing(DWDM; 高密度波長分割多重)リンクを通じて、中間に SONET または Synchronous Digital Hierarchy(SDH; 同期デジタル ハイアラーキ)機器を介さずにポイントツーポイントで接続した場合、3 つの BIP メカニズムはすべて同じセグメントを監視し、通常は同じエラーを検出します。ただし、この構成では、B2 が最も正確なビット エラー カウントを示します。

B3 エラーが増えずに B1 エラーと B2 エラーだけが増えることは、統計的にはほとんど起こりえません。この状況が起こるのは、それらのエラーが、B3 バイトによって監視されている以外のフレーム部分に影響している場合だけです。前述したように、B3 バイトはパスのオーバーヘッドとペイロード セクションを対象とする点を思い出してください。

B3 エラーが増える場合は、SPE またはペイロード部分が破損していることを示します。パス オーバーヘッドは、リモートの PTE が SONET フレームを終端するまで変更されません。ADM とリジェネレータはパス オーバーヘッドを終端しないため、B3 エラーを報告しません。したがって、B3 エラーだけが増えているという状況は、ローカルまたはリモートのルータインターフェイスのいずれかでパスのオーバーへッドまたはペイロードが破損していることを示します。

また、B3 チェックは対象とするスパンが最も長いため、B1 チェックや B2 チェックよりもビット フリップが起こる可能性が高くなります。一般に、エンドツーエンドのパスは、LTE 間の監視対象セグメントをいくつか含みます。これらのセグメントは B2 パリティ チェックによって監視されます。

SONET インターフェイスでは、信号消失またはフレーム同期損失アラーム条件の発生時に BIP エラーの増加は報告されません。しかし、インターフェイスでアラームが宣言されるまでに時間がかかった場合は、大量の B1 エラーが報告されることがあります。この B1 エラーのバーストは最大で 10 秒続きます。10 秒とは、Cisco 12000 および 7500 ルータ シリーズのラインカードが中央のルート プロセッサに統計情報を報告する間隔です。

また、BIP エラーの検出レベルはそれぞれ異なることも理解しておく必要があります。

  • B1 - 1 フレームあたり最大 8 個のパリティ エラーを検出できます。この検出レベルは OC-192 レートでは許容されません。エラー率の高いリンクでは、偶数個のエラーはパリティ チェックによって検出できない場合があります。
  • B2 - 1 フレームあたり、非常に多くの数のエラーを検出できます。SONET フレームに含まれる STS-1(または STM-1)の数が増えるにつれて、検出できるエラーの数も増えます。たとえば、OC-192/STM-64 での B2 BIP フィールドの幅は 192 x 8 = 1536 ビットです。つまり、B2 では 1 フレームあたり最大 1536 のビット エラーをカウントできます。そのため、偶数個のエラーが B2 パリティ計算をくぐり抜ける可能性はかなり低くなります。B2 は B1 または B3 と比べて格段にエラー検出レベルが細かいため、SONET インターフェイスでは特定の監視対象セグメントのみについて B2 エラーが報告される場合があります。
  • B3 - SPE 全体で最大 8 個のパリティ エラーを検出できます。この数はチャネライズド インターフェイスでは許容されます。これは、たとえば 1 つの STS-3 に含まれる各 STS-1 がそれぞれ独自のパス オーバーヘッドと B3 バイトを持つためです。しかし連結ペイロードでは、1 セットのパス オーバーヘッドが比較的大きなペイロード フレームをカバーする必要があるため、この数では少なすぎます。

注:IOS またはマイクロコードをリロードすると、フレーマーを含む POS インターフェイスがリセットされるため、インターフェイスのマイクロコードが再びダウンロードされます。場合によっては、このプロセスによってビット エラーの小規模なバーストが発生することがあります。

BER

BER は検出された BIP エラーの数をカウントします。この値は、単位時間あたりのビット エラーの数と送信された総ビット数を比較して算出されます。

BER しきい値の設定

POS インターフェイスは BER に基づいてリンクが信頼できるかどうかを判断します。BER が設定可能なしきい値を超えると、インターフェイスの状態がダウンに変わります。

3 つの SONET レイヤすべてで使用されるデフォルトの BER 値は 10e-6 です。show controller pos コマンドを使用すると、現在の値が表示されます。

RTR12410-2#show controller pos 6/0

 POS6/0

 SECTION

   LOF = 0    LOS    = 2                         BIP(B1) = 63

 LINE

  AIS = 0     RDI    = 1          FEBE = 1387    BIP(B2) = 2510

 PATH

   AIS = 0    RDI    = 1          FEBE = 17      BIP(B3) = 56

   LOP = 2    NEWPTR = 0          PSE  = 0       NSE     = 0 
Active Defects: None

 Active Alarms:  None

 Alarm reporting enabled for: SF SLOS SLOF B1-TCA B2-TCA PLOP B3-TCA 
Framing: SONET

 APS 
  COAPS = 8          PSBF = 1

   State: PSBF_state = True

   ais_shut = FALSE

   Rx(K1/K2): 00/00  S1S0 = 00, C2 = CF

   Remote aps status working; Reflected local aps status non-aps

 CLOCK RECOVERY

   RDOOL = 0

   State: RDOOL_state = False

 PATH TRACE BUFFER : STABLE

   Remote hostname : 12406-2

   Remote interface: POS2/0

   Remote IP addr  : 48.48.48.6

   Remote Rx(K1/K2): 00/00  Tx(K1/K2): 00/00 
BER thresholds:  SF = 10e-3  SD = 10e-6

 TCA thresholds:  B1 = 10e-6  B2 = 10e-6  B3 = 10e-6

しきい値をデフォルトから変更するには、pos threshold コマンドを使用します。

router(config-if)#pos threshold ?

   b1-tca  B1 BER threshold crossing alarm

   b2-tca  B2 BER threshold crossing alarm

   b3-tca  B3 BER threshold crossing alarm

   sd-ber  set Signal Degrade BER threshold

   sf-ber  set Signal Fail BER threshold

SF-BER と SD-BER は B2 BIP-8 エラー カウントに基づきます(B2-TCA と同じ)。ただし、SF-BER と SD-BER が Automatic Protection Switching(APS; 自動保護スイッチング)マシンに送り込まれることで、保護スイッチングへと切り替わる場合があります(APS が設定されている場合)。

B1-TCA、B2-TCA、および B3-TCA は、それぞれの報告が有効かどうかを示すログ メッセージをコンソールに表示する以外は特に何も行いません。

BIP エラーの報告

どの SONET アラームが報告されるかを設定するには、pos report {b1-tca | b2-tca | b3-tca } コマンドを使用します。ルータは通常、パスレベルまたは回線レベルのアラームを宣言したときに TC アラームを報告します。

次の出力例は、Cisco ルータの POS インターフェイスで BER の超過がどのように報告されるかを示しています。

Aug  7 04:32:41 BST: %SONET-4-ALARM:  POS4/6: B1 BER exceeds threshold,

 TC alarm declared

 Aug  7 04:32:41 BST: %SONET-4-ALARM:  POS4/6: B2 BER exceeds threshold,

 TC alarm declared

 Aug  7 04:32:41 BST: %SONET-4-ALARM:  POS4/6: SD BER exceeds threshold,

 TC alarm declared

 Aug  7 04:32:41 BST: %SONET-4-ALARM:  POS4/6: B3 BER exceeds threshold,

 TC alarm declared

 Aug  7 04:32:44 BST: %SONET-4-ALARM:  POS4/6: SLOF cleared

 Aug  7 04:32:44 BST: %SONET-4-ALARM:  POS4/6: PPLM cleared

 Aug  7 04:32:44 BST: %SONET-4-ALARM:  POS4/6: LRDI cleared

 Aug  7 04:32:44 BST: %SONET-4-ALARM:  POS4/6: PRDI cleared

 Aug  7 04:32:46 BST: %LINK-3-UPDOWN: Interface POS4/6, changed state to up

 Aug  7 04:32:47 BST: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface POS4/6,

 changed state to up

BIP エラーに対するルータの対応

Cisco POS インターフェイスでは、BIP エラーが検出されてもフレームは廃棄されません。その理由を理解するには、次の重要な点 -- 現在のフレームに含まれる BIP 値は前のフレームに対して計算された値である -- を理解する必要があります。フレーム全体に対して BIP 値を計算するには、フレーム全体を作成することが必要です。SONET ほどの速度になると、フレームのサイズは非常に大きくなり、大量のバッファ リソースを使用します。実際には、パリティが計算できるまでフレームの送信を遅らせるという方法をとらないことによって、バッファの要件を最小限に抑えています。そのため、パリティはフレームがすでに送信された後に計算されます。たとえば、フレーム 100 のパリティ値はフレーム 101 の BIP フィールドに格納されます。

SONET フレーマーがフレームの配列を維持できる限り、フレームはレイヤ 2 プロトコルに送信されます。フレーム内のレイヤ 2 データが破損している場合、そのフレームは Cyclic Redundancy Check(CRC; 巡回冗長チェック)によって破棄されます。

トラブルシューティング ステップ

この文書に記載された SONET アラームと障害のトラブルシューティングを行うには、次のステップに従います。

  • 光出力レベルをチェックします。リンクの減衰量が十分であることを確認します。
  • ビット エラーの原因がファイバの不良や汚れでないことを確認します。必要であれば、物理ハードウェアの汚れを落としたり、ハードウェアを交換したりします。
    • 物理ファイバとインターフェイスの汚れを落とします。
    • ケーブルを交換します。
    • パッチ パネルをすべてチェックします。
  • クロッキングが適切に設定されていることを確認します。
  • トポロジ図を作成し、両端の間にあるトランスポート デバイスや信号リジェネレータをチェックします。これらのデバイスについても同様にファイバをチェックし、汚れを落とします。
  • 1 本の光ファイバをインターフェイスの送信コネクタと受信コネクタの間でループさせて、ハードのループバック テストを実行します。次にインターフェイス固有の IP アドレスに ping を発行し、インターフェイスが実際のデータ フローに対応できることを確認します。「Cisco ルータでのループバック モードの理解」も参照してください。
  • Cisco Technical Assistance Center(TAC)に連絡する場合は、次の出力を収集します。

    1. show run コマンドからの出力を収集します。
    2. show controller pos detail コマンドからの出力を収集します。SONET レベルのビット エラーの数を確認します。
    3. clear counters コマンドを実行します。
    4. 数分待ちます。
    5. 同じインターフェイスでもう一度 show controller pos detail コマンドをキャプチャします。

次の表は『Cisco 10000 シリーズ ESR トラブルシューティング ガイド』に掲載されているもので、BIP しきい値超過アラームのトラブルシューティング ステップを示します。

アラーム タイプと重大度 アラームの症状 推奨事項
TCA_B1

しきい値超過アラーム - B1

マイナー

次のアラーム タイプについて、
  • TCA_B1
  • TCA_B2
  • TCA_B3
CLI とログにアラーム メッセージが表示される。
どのケースでも、ケーブルの品質と接続をテストする。
TCA_B2

しきい値超過アラーム - B2

マイナー

. TCA_B1 と同じ
TCA_B3

しきい値超過アラーム - B3

マイナー

. TCA_B1 と同じ
BER_SF

信号障害状態

マイナー

BER_SF および BER_SD アラームが発生すると、APS の切り替えが起こる。 どちらのケースでも、ケーブルの品質と接続をテストする。
BER_SD

信号劣化状態

マイナー

. これらの BER しきい値はユーザが指定できる。

ATM インターフェイスでのビット エラー

LightStream 1010 や Catalyst 8500 などのキャンパス ATM スイッチは、ATM over SONET インターフェイスでしきい値超過アラーム値を設定するコマンドをサポートしていません。

Sep 19 02:21:44: %SONET-4-ALARM:  ATM11/0/0: B1 BER below threshold,

 TC alarm cleared

 Sep 19 02:21:44: %SONET-4-ALARM:  ATM11/0/0: B2 BER below threshold,

 TC alarm cleared 

ATM スイッチでの TC アラームは、POS インターフェイスと同じステップに従ってトラブルシューティングしてください。ビット エラーは、ATM スイッチとパス内の他のデバイスとの間に物理層の問題があることを示します。


関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション

シスコ サポート コミュニティは、どなたでも投稿や回答ができる情報交換スペースです。


関連情報

Document ID: 16149