オプティカル : 同期光ネットワーク(SONET)

POS インターフェイスの APS を経由するルーティング更新

2002 年 6 月 3 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2006 年 5 月 16 日) | フィードバック

目次


概要

この文書では、Automatic Protection Switching(APS; 自動保護切り替え)設定の現用メンバまたは予備メンバとして設定されている Packet Over SONET(POS; パケット オーバー ソネット)インターフェイスで、ルーティング プロトコルを動作させる方法について詳しく説明します。

背景説明

Telecordia 仕様 GR-253 および ITU-T G.841(G.783 の後継)では、SONET APS を「厳密に」定義しています。SONET APS は、Add-Drop Multiplexer(ADM; アド/ドロップ多重化装置)と Line Terminating Equipment(LTE; 回線終端機器)との間のプロトコルを定義するもので、ここでは LTE はシスコのルータまたはスイッチのポートになります。GR-253 では、2 種類の SONET APS モデルを定義しています。 

  • SONET APS 1:1 では、すべての現行回線(W)に対して予備回線(P)がある必要があります。冗長性によって保護されているトラフィックは、現行回線上で障害が発生した場合にのみ予備回線で搬送されます。しかし、障害が発生し、それに続くスイッチオーバーの発生が送信側に報告されるまでは、この予備回線で実際のトラフィックが搬送される保証はありません。

  • SONET Linear APS 1+1 では、すべての現行回線(W)に対して冗長用の予備回線(P)があることを必要とします。トラフィックは、現行回線と予備回線で同時に搬送されます。

Cisco 12000 シリーズでは 1+1 を実装しています。1+1 モデルである GR-253 および ITU-T G.783 では、電気レベルでブリッジが行われる必要があり、ADM は W インターフェイスと P インターフェイスの両方に同じペイロードを送信します。

Cisco 12000 シリーズの APS 実装では、単方向と双方向の APS モデルをサポートしています。モードを選択するには、aps unidirectional コマンドを使用します。 デフォルトの運用モードは双方向です。これは、どの瞬間にも W または P がアクティブであることを意味します。2 つの network element(NE; ネットワーク要素)との間で、受信に使用される回線が一致する必要があります。W 回線または P 回線のどちらがアクティブかについては、2 つの NE 間で、SONET フレームの K1K2 バイトで定義されているプロトコルを使って P 回線を介して交渉されます。単方向モードは、2 つの NE が交渉なしで独自に受信用回線を選択することを意味します。

どちらのモードでも、W インターフェイスと P インターフェイスは ADM から同じペイロードを受信しますが、どちらか 1 つだけが選択されるか、あるいは現用としてアクティブになります。選択されたインターフェイスだけが実際にペイロードを処理します。選択されなかったインターフェイスは、「line protocol is down」の状態になり、経路や隣接関係には組み込まれません。つまり、現在選択を解除されているインターフェイスは、レイヤ 3 の現在の状態からは完全に除外されています。

単方向モードを定義した場合に生じることの 1 つは、片方の NE は W を受信することを選択でき、他方の NE は P を受信できます。これは、1+1 のアーキテクチャでは通信の完全なブリッジングを必要としているためです。つまり、すべてのペイロードが電気的なブリッジングを介し、W インターフェイスと P インターフェイスから同時に送信されているためです。この方法は、別々のルータに組み込まれている独立した 2 つの IP NE については適用されません。したがって、Cisco 12000 シリーズの POS APS 実装は、この送信ブリッジングの要件に準拠していません。Cisco 12000 シリーズでは、単方向モードをサポートするために、現在選択解除されているインターフェイス上で Line Alarm Indication Signal(L-AIS; 回線警報表示信号)を示します。L-AIS 信号は APS を作動させる条件であるため、これによって ADM は他の現在選択されているインターフェイスへの切り替えを行います。

Cisco 12000、7200 および 7500 シリーズでは、この実装は、APS ルータに対して現在選択解除されているインターフェイスに登録されている隣接関係と経路を削除することが、予備スイッチによって強制されることを意味します。言い換えれば、ルーティング プロトコルのコンバージェンスの後にのみ、IP トラフィックが新しい W インターフェイス上を流れ始めます。コンバージェンスにはネットワークの規模によって時間が数秒かかります。このように、APS 切り替え自体は必要に応じて 50 ミリ秒以下で完了しますが、この方式で行われることはインターフェイスの選択肢が変わることであり、多くても 2 台のルータに影響を及ぼします(W と P)。   新しく選択されたインターフェイスを経由する IP トラフィックの完全な復元には、その新しく選択されたインターフェイスとリモート ルータとの間で新しい隣接関係が形成されることと、その結果としての経路情報が W または P のいずれかに接続されている全ルータに直接伝えられることを必要とします。

注:12000 シリーズの POS インターフェイスが SONET パスの両端で使用されている場合、APS リフレクタ チャネル機能によってレイヤ 3 のコンバージェンスが効率化されます。両端での近接関係が、hello タイムアウト時間終了を待たずに廃棄されます。

注:12000 および 7x00 シリーズとは異なり、10000 シリーズでは、同じルータにある W と P の間での、経路の隣接関係を変更しない保護切り替えをサポートしています。バックプレーンにある特別な切り替え回路により、この透過性カットオーバーが有効にされます。  

経路のコンバージェンスの時間が数秒にわたる場合に、なぜ APS を実装するのでしょうか。POS APS(APS over IP)は、ルータの再ロードやラインカード上でのハードウェア障害を保護するように設計されています。コネクション型の音声環境では、TDM コールを維持するためにミリ秒単位でのスイッチオーバーが必要とされます。しかし、IP データ通信のコネクションレス型の世界では、ミリ秒単位の時間でスイッチオーバーすることにあまり意味がありません。

設定例

Cisco 12000 シリーズでの保護切り替えの例を見てみましょう。この設定では、W インターフェイスと P インターフェイスに対して Open Shortest Path First(OSPF)と共有ルータ単位の IP アドレスを使用しています。 

設定
interface Loopback0 
ip address 192.168.100.100 255.255.255.255
!
interface POS1/0
ip address 192.168.1.2 255.255.255.252
crc 32
clock source internal
aps working 1
pos ais-shut
no keepalive
!
interface POS2/0
description GSR_A Protect to GSR_B Protect
ip address 192.168.1.2 255.255.255.252
crc 32
clock source internal
aps protect 1 192.168.100.100
pos ais-shut
no keepalive
!
router ospf 1
log-adjacency-changes
network 192.168.1.0 0.0.0.3 area 1
network 192.168.100.100 0.0.0.0 area 1
GSR_A#show interface pos1/0
POS1/0 is up, line protocol is up
(APS working - active)

Hardware is Packet over SONET
Description: GSR_A Working to GSR_B Working
Internet address is 192.168.1.2/30
MTU 4470 bytes, BW 622000 Kbit, DLY 100 usec,
rely 255/255, load 1/255
Encapsulation HDLC, crc 32, loopback not set
Keepalive set (10 sec)
Scramble disabled
[output omitted]
! --- 選択解除されているインターフェイスは、プロトコルがダウンの状態になっています。

 ! --- また、L3 ルーティングについては使用不可になっています。

 GSR_A#show interface pos2/0 

 POS2/0 is up, line protocol is down

 (APS protect - inactive)

   Hardware is Packet over SONET

   Description: GSR_A Protect to GSR_B Protect

   Internet address is 192.168.1.2/30

   MTU 4470 bytes, BW 622000 Kbit, DLY 100 usec,

   rely 255/255, load 1/255

   Encapsulation HDLC, crc 32, loopback not set

   Keepalive set (10 sec)

   Scramble disabled

   [output omitted]

さらに、show aps コマンドを使用して、APS が動作するよう設定されたインターフェイスの現在の状態を表示します。

W 回線からファイバーケーブルをはずすと、次のようなログ メッセージが表示されます。

*Sep  5 17:41:46: %SONET-4-ALARM:  POS1/0: SLOS 
*Sep 5 17:41:46: %SONET-4-ALARM: POS2/0: APS enabling channel
*Sep 5 17:41:46: %SONET-6-APSREMSWI: POS2/0: Remote APS status now Protect
! -- この回線で APS リフレクタ チャネルが使用されていることを示します。
*Sep 5 17:41:46: %SONET-4-ALARM: POS1/0: APS disabling channel
*Sep 5 17:41:46: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on
Interface POS2/0, changed state to up
*Sep 5 17:41:46: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on
Interface POS1/0, changed state to down
*Sep 5 17:41:48: %LINK-3-UPDOWN: Interface POS1/0, changed state to down
*Sep 5 17:41:48: %OSPF-5-ADJCHG: Process 1, Nbr 192.168.100.100 on
POS1/0 from FULL to DOWN, Neighbor Down: Interface down or detached
*Sep 5 17:41:56: %OSPF-5-ADJCHG: Process 1, Nbr 192.168.100.100 on
POS2/0 from LOADING to FULL, Loading Done
! -- OSPF 近隣ルータの状態が両方のインターフェイスで変わります。


既知の問題

次の表では、入力パケットを処理している P または選択解除された APS インターフェイスについて、まれに生じる報告を一覧しています。

シスコ バグ ID 説明
CSCdr61413 APS で設定された Cisco 12000 シリーズのラインカードで、選択解除されたインターフェイスまたは予備インターフェイス上に入力トラフィックが流れる場合がまれにあります。これを回避するには、選択解除されている APS インターフェイスで shutdown コマンドおよび no shutdown コマンドを入力します。 
CSCdj84628 Cisco 7500 シリーズの POS Interface Processor(POSIP; POS インターフェイス プロセッサ)にあるインターフェイスで、管理のためのシャットダウン状態で予備回線に接続されている場合、パケットが受信またはスイッチされる場合があります(CSCdj84669 で重複)。 
CSCdw03179 APS が動作している Cisco 12000 シリーズの 8xOC3 ラインカードで、APS によって選択解除されている場合でも入力トラフィックを受ける場合があります。この状態により、パケットの重複が発生します。これを回避するには、このエラー状態が発生した時に、この選択解除されている APS インターフェイスで shutdown コマンドおよび no shutdown コマンドを入力します。

使用しているルータがこのような状態になったとき、シスコ TAC にご連絡いただく場合は、W と P の両方のインターフェイスに対して次のコマンドを実行し、その出力をキャプチャしてください。

  • show version:ハードウェアとファームウェアの基本的なバージョン情報を表示します。

  • show gsr:GSR にあるハードウェア情報を表示します。

  • show running-config:システムのデフォルト設定を変更するための設定コマンドの一覧を表示します。

  • show ip interface brief :IP の状態と設定に関する簡単なサマリーを表示します。

  • show aps:現在の自動保護切り替え(APS)に関する情報を表示します。

  • show interface pos x/x:シスコ ルータの Packet OC-3 インターフェイスに関する情報を表示します。

  • debug aps:APS の動作をデバッグします。

次に、問題が発生する直前のアクションを実行し、次のコマンドのセットを実行した後に表示される出力を再度キャプチャしてください。

  • show aps

  • show ip interface brief

  • show interface pos x/x

  • no debug aps


関連情報


関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション

シスコ サポート コミュニティは、どなたでも投稿や回答ができる情報交換スペースです。


Document ID: 16142