非同期転送モード(ATM) : IP-ATM 間サービス クラス

ATM インターフェイスで QoS サービス ポリシーを適用できる場所

2002 年 9 月 12 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

モジュラ QoS CLI は、サービス ポリシーを作成して、作成したポリシーをインターフェイス、サブインターフェイス、および ATM やフレームリレーの Virtual Circuit(VC; 仮想回線)に適用できる、Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)構造です。トラフィック ポリシーには、トラフィック クラスと 1 つ以上の QoS 機能が含まれます。トラフィック クラスは、トラフィックを分類するために使用します。一方、サービス ポリシーの QoS 機能は、分類されたトラフィックの処理方法を決めるために使用します。

このドキュメントでは、ATM インターフェイスでサービス ポリシーを適用する箇所を明確に説明します。サービス ポリシーは、ATM インターフェイス上で差別化サービスを行う IP to ATM Class of Service(CoS; サービス クラス)フィーチャ セットに含まれます。IP to ATM CoS の詳細は、「IP to ATM サービス クラスの概要」および「IP to ATM サービス クラスの設定」を参照してください。このドキュメントでは、IP to ATM CoS および MQC のコマンドについて理解していることを前提としています。

判断の基準

Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.2 および 12.2T では、ATM インターフェイスは、メイン インターフェイス、サブインターフェイス、および VC の 3 つの論理インターフェイスでサービス ポリシーをサポートします。 どの論理インターフェイスを選択するかは、トラフィック ポリシーのどの QoS 機能を適用するかによって決まります。次の表を参照して、サービス ポリシーを適用する箇所を判断します。

サービス ポリシー メイン インターフェイス サブインターフェイス VC
キューイングだけによるサービス ポリシー 可能 可能
キューイングおよびシェーピングによるサービス ポリシー 可能 可能 可能

サブインターフェイスと PVC の両方にポリシーを適用しようとすると、Cisco IOS ソフトウェアでは次のログ メッセージが表示されます。サブインターフェイスと PVC の組み合せは許可されていないためです。

重要:このメッセージを表示するには、グローバル コンフィギュレーション モードから logging console コマンドを設定する必要があります。

3640-105(config)#int atm 1/0.1 point
3640-105(config-subif)#service-policy output leslie
3640-105(config-subif)#
2w5d:Attaching service policy to sub-interface and pvc
concurrently is not allowed

一般に、キュー関連の機能は、超過パケットのキューイングによって帯域幅の制限されたトラフィック ストリームを作成するために、親ポリシーでのシェーピングに従った階層型のポリシーに限定して適用されます。これらの機能は、random-detectbandwidthpriority、および fair-queue のコマンドによって適用します。言い換えると、キューイング メカニズムが適用されるのは、シェーピング メカニズムによってキューに抑制されているパケットです。サブインターフェイスは本質的に輻輳の状態をサポートしないため、シェーピングを使用できず、キューイングだけを指定するサービス ポリシーは、どのタイプのサブインターフェイスにも直接適用できません。代わりに、クラスベース シェーピングを使用して、まずシェーピングをサブインターフェイスに適用する必要があります。ATM サブインターフェイスに設定されているサービス ポリシーが、シェーピングを使用しないキューイングを適用している場合、Cisco IOS ソフトウェアでは次のログ メッセージが表示されます。

重要:このメッセージを表示するには、グローバル コンフィギュレーション モードから logging console コマンドを設定する必要があります。
7200-16(config)#int atm 5/0.20

 7200-16(config-subif)#pvc 1/20

 7200-16(config-if-atm-vc)#exit

 7200-16(config-subif)#service-policy output queuenoshape

  CBWFQ : Not supported on subinterfaces

 

しかし、VC は、vbr-nrtvbr-rtcbr、または abr コマンドによって、ネイティブ ATM レイヤのシェーピングをサポートするので、同じポリシーが ATM VC では適用されます。

7200-16(config)#int atm 5/0.20
7200-16(config-subif)#pvc 1/50
7200-16(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 100 100 94
7200-16(config-if-atm-vc)#service-policy output queuenoshape
7200-16(config-if-atm-vc)#end
7200-16#show policy-map int atm 5/0.20
 ATM5/0.20: VC 1/50 -

  Service-policy output: queuenoshape

    Class-map: leslie (match-all)
      0 packets, 0 bytes
      5 minute offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
      Match: any
      Queueing
        Strict Priority
        Output Queue: Conversation 24
        Bandwidth 50 (kbps) Burst 1250 (Bytes)
        (pkts matched/bytes matched) 0/0
        (total drops/bytes drops) 0/0

    Class-map: class-default (match-any)
      0 packets, 0 bytes
      5 minute offered rate 0 bps, drop rate 0 bps
      Match: any

次のセクションを参照して、shape コマンドをサポートするルータ プラットフォームに関する制限を確認してください。

PA-A3 ポート アダプタおよび ATM ネットワーク モジュールなどの 2600 および 3600 シリーズ用の新しい ATM インターフェイス ハードウェアでは、Virtual Circuit(VC; 仮想回線)ごとに個別のパケット キューが作成されます。VC 単位のキューの目的は、輻輳している 1 つの VC が全メモリ リソースを消費した結果、他の VC がリソース不足に陥らないようにすることです。したがって、必然的にサービス ポリシーを適用する場所は、VC 設定モードの PVC レベルになります。VC 単位のキューイングの詳細は、「PA-A3 および NM-1A の ATM インターフェイスにおける VC 単位の送信キューイングに関する理解」を参照してください。

一方、set コマンドでパケット マーキングを適用したり、police コマンドでトラフィック ポリシングを適用するサービス ポリシーの場合は、ATM サブインターフェイスにポリシーを適用することを選択できます。

旧型の ATM ハードウェアは、VC 単位のキューをサポートしません。たとえば、PA-A1 は、キャンパス LAN Emulation(LANE; LAN エミュレーション)環境で使用するように設計されており、インターフェイスレベルのキューだけをサポートします。したがって、PA-A1 メイン インターフェイスを 1 本の「太いパイプ」として扱い、キューイング機能によってサービス ポリシーをメイン インターフェイスに適用するように選択する場合があります。詳細は、「IP to ATM CoS に対する ATM ハードウェア サポートの理解」を参照してください。

Cisco 2600、3600、7200 シリーズ ルータでのポリシー

Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(4)T および 12.2(2) の場合、ATM インターフェイスおよびフレームリレー インターフェイスは、1 つのポリシー、または特定の組み合せられた複数のポリシーをサポートします。

入力ポリシー

Cisco 7500 シリーズ以外のプラットフォームにある ATM インターフェイスは、1 つの論理インターフェイスでだけ入力サービス ポリシーをサポートします。サービス ポリシーを、メイン インターフェイスとそのメイン インターフェイスのサブインターフェイスの両方に適用することは、サポートされません。推奨どおりに、PVC レベルでのサービス ポリシーの適用を選択すると、PVC ごとに固有の入力サービス ポリシーをサポートできます。

出力ポリシー

Cisco 7500 シリーズ以外のプラットフォームの ATM インターフェイスは、同時に 2 つまでの論理インターフェイスで出力サービス ポリシーをサポートします。次の表では、有効な組み合わせを示します。

メイン インターフェイス サブインターフェイス PVC
可能 - 可能
可能 可能 -

出力サービス ポリシーを VC に適用してから、サブインターフェイスに適用すると、最初に適用したポリシーだけが有効になります。

Cisco 7500 シリーズ ルータでのポリシー

Cisco 7500 シリーズでは分散アーキテクチャが使用されています。これにより、パケット転送の判断が Route Switch Processor(RSP; ルート スイッチ プロセッサ)から VIP へ移されるため、パケットの高スループットが確保されます。また、このアーキテクチャでは、処理の負荷が VIP の個々のプロセッサに分散されるため、QoS などの大規模な拡張 IP サービスを実装できます。

インターフェイスのハードウェアに応じて、Cisco 7500 シリーズは、次の 2 つの形式の QoS をサポートできます。

  有効化の方法 サポートされる場所 処理される場所
RSP ベース レガシー インターフェイス プロセッサで自動的にオンになる。 レガシー インターフェイス プロセッサ。VIP では有効でなくなった。 RSP の CPU
VIP ベース(分散) 次の 2 つのコマンドが設定されると、自動的にオンになる。
  • グローバル コンフィギュレーション モードの ip cef distributed コマンド 
  • グローバル コンフィギュレーション モードの ip route-cache distributed コマンド
VIP VIP の CPU

一般的に、VIP ベースの QoS メカニズムは、bandwidth、priority、shape、および police などのコマンドをはじめとする、モジュラ QoS CLI(MQC)によって適用されます。このメカニズムは、Cisco IOS ソフトウェアの 3 つのリリース群に導入されています。

  • Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(XE)。後に、12.1(E) となる。
  • Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(9)S
  • Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.1(5)T。後に、12.2 メインラインおよび 12.2T となる。

上記のリリースでは、サービス ポリシーを直接 ATM の PVC に適用して、VC 単位の機能を実現します。policesetbandwidthpriority、および shape をはじめとする全 MQC コマンドがサポートされます。また、ATM のサブインターフェイスにポリシーを適用するように選択し、かつそのサブインターフェイスに 1 つの ATM PVC がある場合、ポリシーを PVC に適用したときと同じ動作が得られます。ポリシーは、直接 PVC に適用できるので、一般的には、サブインターフェイスに適用しても意味がありません。シスコでは、下位互換性の目的で、PA-A3 のサブインターフェイスへのサービス ポリシーの適用をサポートします。

次の表に、Cisco 7500 シリーズの PA-A3 の論理インターフェイスでサポートされるサービス ポリシーの変遷を示します。

リリース 拡張機能
12.0(5)T さまざまなインターフェイス タイプにおいて、Class-Based Weighted Fair Queueing(CBWFQ; クラスベース均等化キューイング)を Cisco IOS ソフトウェアに導入する。
12.0(5)XE1 PA-A3 上でサブインターフェイスの CBWFQ を導入。
12.0(5)XE2 PA-A3 のサービス ポリシーの統計情報を表示する、show interface fair-queue コマンドを、show policy-map コマンドに変更。
12.0(7)XE 個々の VC 上の PA-A3 に、CBWFQ および Low Latency Queueing(LLQ; 低遅延キューイング)を導入。Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(7)XE は、"X" または短期間のリリースです。X リリースはすべて、後続の T リリースに吸収されます。Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(7)XE は、12.1(5)T の T 群に吸収されます。したがって、Cisco 7500 シリーズの場合、MQC ベースの VC 単位キューイング機能は、12.1 メインラインおよび 12.1(5)T よりも前のすべての 12.1T リリースでは利用できません。

show interface atm コマンドを実行すると、キューイングベースのサービス ポリシーを適用した後でも、「Queuing strategy: fifo」が表示されます。キューイング戦略が反映するのは、Cisco 7500 シリーズの RSP に関する表示であって、分散サービスの状態ではありません。show policy interface コマンドを使用して、期待される機能を確認します。

   7500#show interface atm 3/0

    ATM3/0 is up, line protocol is up (looped) 

      Hardware is ENHANCED ATM PA 

      Internet address is 10.10.1.2/24 

      MTU 4470 bytes, sub MTU 4470, BW 44209 Kbit, DLY 190 usec, 

         reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255    

      Encapsulation ATM, loopback set

      Keepalive not supported 

      Encapsulation(s): AAL5 

      4096 maximum active VCs, 5 current VCCs

      VC idle disconnect time: 300 seconds

      Signalling vc = 1, vpi = 0, vci = 5

      UNI Version = 4.0, Link Side = user

      0 carrier transitions 

      Last input 00:00:17, output 00:00:17, output hang never

      Last clearing of "show interface" counters 2d12h

      Input queue: 0/75/0/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops: 0

      Queueing strategy: fifo

      5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec

      5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec

      [output omitted]

クラスベース シェーピングによる IP レイヤ フローの制御

ATM インターフェイスでは、vbr-nrtabr のコマンドによって、ネイティブ ATM レイヤのシェーピングをサポートします。さらに、ATM インターフェイス経由で転送される特定の IP レイヤのフローやサブネットをシェーピングすることを選択する場合もあります。Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(8)T の時点では、分散 QoS サービスを実行する Cisco 7500 シリーズだけが、Cisco IOS 12.2 メインライン、12.1E および 12.0S リリース群でそのような設定をサポートします。

この設定では、通常、親レイヤでのシェーピング、および子レイヤでのキューイングによって階層型ポリシーが使用されます。 次に、設定例を示します。

shape コマンドによる階層型ポリシーの設定例
policy-map child

  class prec2

   bandwidth percent 60

  class prec4

   bandwidth percent 20

  class class-default

   fair-queue

 !

 policy-map parent

  class prec24

   shape average 10240000 40960 40960

   service-policy child

 !

 interface ATM5/0/0.1 point-to-point

  pvc 1/101

   vbr-nrt 50000 50000 94

   service-policy output parent

 

Cisco 7200、3600、2600 シリーズ、および分散型でないプラットフォームでは、ATM ルータ インターフェイスで shape コマンドによるクラスベースのシェーピングがサポートされません。これに関して、機能を追加する要求が出されています。回避策としては、police コマンドを適用するサービス ポリシーを使用して、VC 単位のクラスベース ポリシングを設定します。この設定の場合、子キューイング ポリシーを作成しません。ポリシング機能がパケットをドロップするか転送するだけで、バースト パラメータを超過したものはキューイングされないからです。

サービス ポリシーおよび MPLS

Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(2)T の場合、バック プレッシャの新しい形式が PA-A3 に導入されており、Tag VC(TVC)などの Unspecified Bit Rate(UBR; 未指定ビット レート)セットを経由するタグスイッチング インターフェイスでのキューイングがサポートされます。輻輳をフィードバックする、この設定で唯一のしくみは、TVC のセット全体に対しては動作しますが、VC 単位には動作しません。

QDM および QPM によるサービス ポリシーの適用

シスコでは、Cisco ルータ内の IP ベース QoS の拡張機能の設定および監視用として、2 つのグラフィカル ユーザ インターフェイス ツールを用意しています。これらのツールを使用すると、QoS の設定と監視を簡単に実行できます。

QoS Device Manager 2.1 は、サブインターフェイスとメイン インターフェイスだけに対してサービス ポリシーを適用できます。VC レベルでは適用できません。詳細は、「リリース ノート」を参照してください。2002 年 8 月の時点では、VC レイヤのサービス ポリシーを QDM 内から設定する計画はありません。

QoS Policy Manager 2.1 には、1 つの VC がある ATM ポイントツーポイントのサブインターフェイスに対してサービス ポリシーを設定するためのサポートが導入されています。詳細は、「CiscoWorks2000 QoS Policy Manager 2.1 用のリリース ノートとインストレーション ガイド」を参照してください。QPM 3.0 では、VC レイヤでのサービス ポリシーの設定がサポートされます。


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