音声とユニファイド コミュニケーション : Cisco AS5300 シリーズ ユニバーサル ゲートウェイ

MICA モデムのハードウェア問題のトラブルシューティング

2002 年 4 月 1 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2005 年 9 月 9 日) | フィードバック

目次


概要

AS5200 および AS5300 シリーズ アクセス サーバにおけるモデムのコール障害の原因は、多くの場合、Modem ISDN Channel Aggregation(MICA)ハードウェアの問題に起因されます。この文書は、MICA ハードウェアに関連する一般的な問題の特定とトラブルシューティングについて説明します。また、モデム ハードウェア全体を交換するのではなく、交換を要する不良のモデム コンポーネントを個別に特定する方法も記載しています。

:MICA ポートウェアまたはファームウェアはバージョン 2.7.3.0 を使用することを推奨します。バージョン 2.7.3.0 を使用していない場合は、「Upgrading the Modem Firmware/Portware in Cisco Routers with Internal Digital Modems」に記載されている手順に従って、モデム ファームウェアをアップグレードしてください。それでも問題が解決しない場合は、この文書の手順に従ってください。

ハードウェア以外の問題に関連したモデムのトラブルシューティングについては、「Troubleshooting Modems」を参照してください。

前提条件

この文書をお読みになる前に、以下の関連文書を理解してください。

ハードウェアとソフトウェアのバージョン

この文書の情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。

  • MICA モデム(Hex Modem Module [HMM; Hex モデム モジュール] または Double Density Modem [DMM; 倍密度モデム])

  • Cisco AS5200 および AS5300 シリーズ アクセス サーバ

  • MICA ファームウェア バージョン 2.7.3.0(推奨)

    ハードウェアの概要

    MICA キャリア カード

    MICA キャリア カードには、6 ポートまたは 12 ポート モデム モジュールを装着可能なスロットが 10 スロットあります。したがって、フル実装されたキャリア カードには、60 のモデム(6 ポート モジュールを使用した場合)または 120 のモデム(12 ポート モジュールを使用した場合)を装備できます。

    :シャーシにはキャリア カード スロットが 2 スロットあるため、フル実装されたシャーシには、シャーシ 1 台あたり 120 のモデム(6 ポート モジュールを使用した場合)または 240 のモデム(12 ポート モジュールを使用した場合)を装備できます。

    次の図は、12 ポート モデムがフル実装された MICA キャリア カードを示します。

    このキャリア カードは、次の図のように、シャーシ上にある 2 スロットのうちの 1 つに取り付けます。

    個々のモデム モジュールは、キャリア カード上の Single In-line Memory Module(SIMM)スロットに差し込みます。キャリア カード上の各モジュールの識別方法については、「MICA Modem Cards」を参照してください。1 つ以上のモデム モジュールで障害が発生しても、同じキャリア カード上の残りのモデム モジュールの動作には影響はおよびません。

    次の表に、MICA キャリア カードの LED の意味を示します。

    LED 状態 説明
    アクティビティ(ACT) 点滅 このモジュール上の 1 つ以上のモデムに送信アクティビティがあります。
    オフ MICA モジュール カードにモデム コール アクティビティはありません。
    ボード OK(OK) 1 回の点滅 キャリア カードに電源が投入されています。
    オン カードの電源投入時診断テストが終了し、カードが正常に動作しています。ファームウェアがモデムにダウンロードされた後、この状態になります。
    オフ カードに障害状態が発生しています。

    これらの LED は、この項の後半にあるトラブルシューティング手順で使用します。

    注:MICA キャリア カードには、CC および CC2 という 2 つのタイプがあります。CC には HMM(6 ポート モデム モジュール)のみを装着できますが、CC2 には HMM と DMM(12 ポート モデム モジュール)をどちらでも装着できます。CC には DMM を装着しないでください。シャーシにインストールされているキャリア カードのタイプの識別方法については、「トラブルシューティング手順」の項を参照してください。

    MICA モデム モジュール

    前述したように、キャリア カードにはそれぞれ最大 10 の MICA モデム モジュールを装着できます。各モデム モジュールは、6 ポート モジュールと 12 ポート モジュールのいずれかです。6 ポート モデム モジュールは Hex Modem Module(HMM; Hex モデム モジュール)、12 ポート モデム モジュールは Double Density Modem Module(DMM; 倍密度モデム モジュール)とも呼ばれます。次の図は、キャリア カードの SIMM スロットに DMM を部分的に装着したところを示しています。

    MICA モデムには、2 ポートごとに 1 個の Digital Signal Processor(DSP; デジタル信号プロセッサ)と、6 ポートごとに 1 個の Control Processor(CP; 制御プロセッサ)が実装されています。1 個の CP によって制御される 6 つの MICA モデムのセットのことを「hex」と呼びます。HMM は 1 つの hex、DMM は 2 つの hex から構成されます(このため、「倍」密度という名前が付いています)。ときどき、DSP または CP が故障することがあります。これが起こると、その DSP または CP に入ってくる後続のモデム コールの処理がすべて失敗します。

    モデム モジュール上の DSP または CP は、同じモジュール上にある他のモデムと区別して取りはずすことができないため、DSP または CP でハードウェア障害が発生した場合は、HMM または DMM 全体を交換する必要があります。

    トラブルシューティング手順

    MICA でハードウェア障害が発生した場合は、モデム モジュール(DMM または HMM)、MICA キャリア カード、またはルータ シャーシのレベルに問題を切り分ける必要があります。

    MICA モデムが正常に起動しているかどうかを確認するには、次のステップを実行します。

    1. アクセス サーバをリロードします。コンソールに、キャリア カードが認識されていることを示す、次のようなメッセージが表示されます。
      *Dec 31 19:02:27.073: %MICA-5-BOARDWARE_RUNNING: Slot 1 is running boardware version 2.0.2.0
      *Dec 31 19:02:27.077: %MICA-5-BOARDWARE_RUNNING: Slot 2 is running boardware version 2.0.2.0

      ブート プロセスが完了した後、ファームウェアが個々のモデムにダウンロードされます。

    2. アクセス サーバのブートアップが完了したら、キャリア カードの OK LED がオン(点灯)であるかを確認します。

    3. show running-config を実行します。出力の最後の方に、すべての非同期回線が表示されます。たとえば、48 のモデムを装着したキャリア カードを 2 枚インストールしている場合は、出力に 96 回線(2 x 48)と表示されます。
       line 1 96
          

      回線の数が、キャリア カードに装着されているモデムの数と一致しているかどうかを確認します。たとえば、上記の例で、ルータによって認識されている回線の数が line 1 90 の場合は、6 つのモデムが認識されていないことがわかります。

    4. show version コマンドを実行し、出力に 96 terminal line(s) という行が含まれていることを確認します。端末回線の数は、シャーシにインストールされているモデムの数と一致している必要があります。

    5. show modem コマンドと show modem version コマンドを実行します。show modem の出力には、個々のポートがすべて表示されます(合計 96)。show modem version の出力では、モデム ファームウェアのバージョンが正しいことを確認します。また、すべてのモデム モジュールが 6(HMM の場合)または 12(DMM の場合)のモデムを持っていることも確認します。

    上記の情報を収集した後、次のいずれかのハードウェアの症状に進んでください。

    モデムが認識されない

    モデムが認識されない問題に対処する際には、最初に症状が次のいずれであるかを確認します。

    • シャーシ全体のモデムがすべて認識されない。これは、アクセス サーバが MICA キャリア カードの存在を認識していないことを示します。

    • 1 枚の MICA キャリア カード上にあるモデムがすべて認識されない。アクセス サーバはキャリア カードの存在を認識していますが、そのキャリア カード内部のモデムがまったく認識されていません。

    • キャリア カード内部の DMM または HMM 上にあるモデムがすべて認識されない。アクセス サーバは、キャリア カード上の一部のモデムのみを認識しています。認識されていないモデムはすべて、ある特定の DMM または HMM モデム モジュール上にあります。

    シャーシ全体のモデムがすべて認識されない

    上記のステップで表示された回線数が、シャーシで使用可能な回線数と一致しない場合は、次の手順に従います。

    1. ルータの電源を落とします。

    2. MICA キャリア カードをいったん取りはずして、再び装着します。2 個の非脱落型ネジをしっかりと締めます。

    3. ルータの電源を入れます。キャリア カードが両方とも認識されない場合(OK LED がオフの場合)、問題の原因は、シャーシ、キャリア カード、またはすべてのモデム モジュールにある可能性があります。キャリア カードを別のシャーシに装着してみます。

    4. AS5200 または AS5300 シャーシのトラブルシューティングを行います。詳細については、「AS5200 および AS5300 シリーズ ルータのハードウェア トラブルシューティング」を参照してください。

    1 枚の MICA キャリア カード上にあるモデムがすべて認識されない

    show modem mapping コマンドを使用して、両方のキャリア カードが認識されているかを確認します。次に例を示します。

    maui-nas-02#show modem mapping
    Slot 1 has Mica Carrier card.
    ...
    ...
    Slot 2 has Mica Carrier card.
    ...
    ...

    両方のキャリア カードが正常に識別されているかを確認します。どちらかのカードが識別されていない場合は、次の手順に従います。

    1. ルータの電源を落とします。

    2. キャリア カードを 2 枚とも取りはずし、同じシャーシ上のスロットの間でキャリア カードを入れ替えます。つまり、スロット 1 のキャリア カードをスロット 2 に、スロット 2 のキャリア カードをスロット 1 に装着します。ルータの電源を入れます。カードの取りはずし方法と装着方法については、「MICA Modem Cards」を参照してください。

    3. それでも症状がなくならない場合、問題の原因は、キャリア カードまたはキャリア カード上のモデム モジュールすべてにある可能性があります。特定のスロットに問題がある場合は、シャーシまたはスロットが故障しているため、シャーシを交換します。

    キャリア カード内部の DMM または HMM 上にあるモデムがすべて認識されない

    上記のステップで一部の回線が認識されていない場合は、それらのモデムの HMM または DMM が機能していないと判断できます。

    同じキャリア カード内部で、問題の HMM または DMM を入れ替えます。入れ替え先でも同様に問題が発生する場合は、その HMM または DMM を交換します。しかし、モジュールの入れ替え先で問題が発生せず、入れ替え前と同じスロットで問題が発生する場合は、キャリア カード上の特定のスロットが故障していると判断できます。この場合は、キャリア カードを交換します。

    ヒント:show modem version コマンドを使用すると、各モデム ポートの属するモデム モジュールが示されます。そのため、特定の範囲のモデムが認識されない場合は、show modem version コマンドを使用して該当するモデム モジュールを特定し、そのモジュールを交換できます。次の例では、モデム モジュール番号 5 が認識されていないため、モジュール番号 5 のモジュールを装着し直すか、交換します。

              Modem module      Firmware   Boot          DSP
    Mdm Number Rev Rev Rev

    ... ...
    1/57 4 2.7.3.0
    1/58 4 2.7.3.0
    1/59 4 2.7.3.0
    1/60 6 2.7.3.0
    1/61 6 2.7.3.0
    1/62 6 2.7.3.0
    1/63 6 2.7.3.0 ... ...

    注:MICA キャリア カードのタイプが CC の場合は、キャリア カードに HMM のみが装着されていることを確認してください。CC キャリア カードには、DMM は装着できません。ただし、この制限は CC2 には適用されません。キャリア カードのタイプが CC と CC2 のいずれであるかを判断するには、show modem version コマンドを使用します。出力中に、Board ID が 0x47 と表示されていれば、キャリア カードは CC です。Board ID が 0x4C であれば CC2 です。次に例を示します。

    CC2 の場合の show modem version の出力:

    ...
        ...
        Slot 1:
    Carrier card:

    number_of_ports= 60, max_modules= 10
    Manufacture Cookie Info:
    EEPROM Type 0x0001, EEPROM Version 0x01, Board ID 0x4C, ! -- Board ID 0x4C は、キャリア カードが CC2 であることを示します。
    ! -- このキャリア カードには、HMM と DMM をどちらでも装着できます。

    Board Hardware Version 1.0, Item Number 800-3680-1,
    Board Revision A0, Serial Number 20234639,
    PLD/ISP Version 2.2, Manufacture Date 10-May-2000. ... ...

    CC の場合の show modem version の出力:

    ...
    ... Carrier card:

    number_of_ports= 48, max_modules= 10
    Manufacture Cookie Info:
    EEPROM Type 0x0001, EEPROM Version 0x01, Board ID 0x47, ! -- Board ID 0x47 は、キャリア カードが CC であることを示します。 ! -- このキャリア カードには HMM のみを装着できます。
    Board Hardware Version 1.0, Item Number 73-2393-3,
    Board Revision A0, Serial Number 06466432,
    PLD/ISP Version 5.9, Manufacture Date 3-Nov-1997.
    ...
    ...

    ハードウェアは認識されているが、モデムによってコールが処理されない

    1. 前のステップで取得した show modem コマンドの出力中に、b(busy)、B(Bad)、または p(pending download)状態のモデムがないかどうかを確認します。次の例は、一部のモデムが B 状態にあることを示しています。
      maui-nas-02#show modem
              ...
              ...
                  AvgHold Inc calls Out calls Busied Failed  No   Succ
              Mdm     Time   Succ Fail Succ Fail   Out   Dial Answer  Pct

      * 1/0 01:35:55 82 5 0 0 1 0 0 94% * 1/1 01:06:10 100 8 0 0 1 0 0 93% * 1/2 01:05:39 103 11 0 0 1 0 0 90% 1/3 01:03:16 111 6 0 0 1 0 0 95% * 1/4 01:07:21 100 7 0 0 1 0 0 93% 1/5 00:50:12 121 8 0 0 1 0 0 94% 1/6 01:00:56 117 6 0 0 0 0 0 95% 1/7 00:56:55 108 10 0 0 0 0 0 92% B 1/8 01:10:17 93 15 0 0 0 0 0 86% B 1/9 01:06:25 96 15 0 0 0 0 0 86% 1/10 01:07:02 103 2 0 0 0 0 0 98% 1/11 01:10:02 101 6 0 0 0 0 0 94% * 1/12 01:04:02 109 8 0 0 1 0 0 93% * 1/13 01:09:50 101 7 0 0 1 0 0 94% ... ...
    2. モデム ポートウェアを再フラッシュします。これを行うには、ファームウェアをアップグレードした場合と同様に、モデム ファームウェアをモデムに手動でリロードする必要があります。

      Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(5) 以前のリリースを使用している場合は、copy flash modem コマンドを使用します。これにより、フラッシュ内に格納されているモデム ファームウェアがモデムに転送されます。copy modem コマンドの詳細については、「Command Reference」を参照してください。

      Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(5) 以降のリリースを使用している場合は、spe コマンドと firmware location コマンドを使用します。次に例を示します。

      router# configure terminal
      router(config)# spe 1/1 2/7 ! -- このコマンドによって SPE 設定モードにアクセスし、ファームウェアをダウンロード
      ! -- するモデムの範囲を指定します。

      router(config-spe)# firmware location flash:mica-modem-pw.2.7.3.0.bin

      コマンド構文の説明:

      firmware location {system | flash}: filename

      system Cisco IOS ソフトウェア イメージ内部の組み込みファイルからファームウェアをロードします。
      flash ルータ内部にあるフラッシュ NVRAM からファームウェアをロードします。
      filename ロードするファームウェアのファイル名(例:mica-modem-pw.2.7.3.0.bin)。system を指定した場合は、ダウンロードするファイル名へのパスを入力します。

      詳細については、「Upgrading the Modem Firmware/Portware in Cisco Routers with Internal Digital Modems」に記載されている例を参照してください。

      モデムが頻繁に Bad 状態や pending download 状態になる場合は、モデム復旧の設定を検討してください。詳細については、「Configuring MICA Modem Recovery」を参照してください。

    3. show modem version コマンドを実行します。Firmware Rev 列に「unknown」のモデムがないかどうかを確認します。次に例を示します。
        ...
            ...
          
                      Modem module    Firmware Boot         DSP
      Mdm Number Rev Rev Rev
      2/0 0 Unknown
      2/1 0 Unknown
      2/2 0 Unknown
      2/3 0 Unknown
      2/4 0 Unknown
      2/5 0 Unknown
      2/6 1 Unknown
      2/7 1 Unknown ... ...
    4. モデム ポートウェアを再フラッシュします。上記のステップ 2 の手順に従ってください。

    5. show modem version コマンドを使用して、モデム ファームウェアがダウンロードされており、正しいバージョンのファームウェアが使用されているかを確認します。

    6. ときどき、モデム ファームウェアのダウンロードが失敗したことを示す、次のようなメッセージが表示されることがあります。
      %MODEM-1-DL_FAIL Modem (1/1) failed firmware download (0) Download timed out
      %MODEM-1-BADMODEM Modem (1/0) failed Download Failed
    7. このようなケースでは、ほとんどの場合、原因はハードウェアの問題にあるため、該当するモジュールを交換します。

    電源をオフ/オンした後もモデム エラーがスクロールする

    非常にまれなケースですが、モデム エラーがコンソール上でスクロールし続け、これが原因でルータがリブートすることがあります。

    この症状は、通常、HMM または DMM が故障しているときに起こります。メッセージのスクロールは非常に早いため、エラー メッセージを生成している不良のモデム モジュールを確認するのは困難です。問題のモデム モジュールを特定するには、次のステップに従います。

    1. キャリア カードからモデム モジュール(HMM または DMM)をすべて取りはずし、シャーシにキャリア カードをインストールして電源を入れます。この状態でエラーが発生するかどうかを確認します。ルータの電源を落とします。

    2. キャリア カードにモデム モジュールを 1 つ装着して電源を入れます。この状態でエラーが発生するかどうかを確認します。メッセージが再び表示されるまで、このステップを繰り返します。エラーが再び表示されれば、最後に装着した MM がエラーを生成していると判断できます。その特定のモデム モジュールを交換します。


    関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション

    シスコ サポート コミュニティは、どなたでも投稿や回答ができる情報交換スペースです。


    関連情報

    関連トピック

    その他の文書


    Document ID: 17882