IP : IP ルーティング

OSPF の show コマンドの応答が遅い

2002 年 11 月 5 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

ルータ上で、Open Shortest Path First(OSPF)の show コマンド(show ip ospf neighbor および show ip ospf database など)の出力が完了するまでに長い時間がかかるという問題が報告されることがあります。出力は 1 行ずつ表示され、ある行が表示された後、次の行が表示されるまでに 15 秒から 20 秒かかるというものです。この文書では、この現象の原因のいくつかと、考えられる解決方法について説明します。

問題

この問題の特性として、この文書では例を示すことができず、この問題について説明することしかできません。この問題について説明すると、次に示す出力が完全に表示されるまで、16 秒を要しています。

citrus#show ip ospf database

 

             OSPF Router with ID (10.48.77.45) (Process ID 1)

 

                 Router Link States (Area 0)

 

 Link ID         ADV Router      Age         Seq#       Checksum Link count

 

 10.48.77.45     10.48.77.45     72          0x80000001 0x5A6F   1

 

 citrus#

この現象が起きるコマンドは、ほとんどが次のいずれかに該当します。

  • show ip ospf border-routers
  • show ip ospf database(このコマンドのより詳細なものも含む。たとえば show ip ospf database router など)
  • show ip ospf interface
  • show ip ospf neighbor

現象の説明

この現象が起きる原因を知るためには、次に示す例のように、ルータ上で show ip ospf database コマンドを実行する前に、debug ip packet detail コマンドを有効にしておきます。

citrus#debug ip packet detail

 

 IP packet debugging is on (detailed)

 

 citrus#show ip ospf database

 

             OSPF Router with ID (10.48.77.45) (Process ID 1)

 

                 Router Link States (Area 0)

 

 Link ID         ADV Router      Age         Seq#       Checksum Link count

 

 10.48.77.45

 

 Oct 23 11:26:16: IP: s=10.48.77.45 (local), d=255.255.255.255 (Dialer1), len 70, sending broad/multicast

 

 Oct 23 11:26:16:     UDP src=57969, dst=53

 

 Oct 23 11:26:16: IP: s=126.106.177.81 (local), d=255.255.255.255 (Dialer2), len 70, sending broad/multicast

 

 Oct 23 11:26:16:     UDP src=57969, dst=53

 

 Oct 23 11:26:16: IP: s=10.48.77.45 (local), d=255.255.255.255 (Ethernet0), len 70, sending broad/multicast

 

 Oct 23 11:26:16:     UDP src=57969, dst=53

 

 ...

 

 Oct 23 11:26:31: IP: s=10.48.77.45 (local), d=255.255.255.255 (Ethernet0), len 70, sending broad/multicast

 

 Oct 23 11:26:31:     UDP src=57969, dst=5310.48.77.45     160         0x80000001 0x3AFD   1

 

 citrus#

 

上記の出力では、show ip ospf database コマンドが発行された直後、ルータが全インターフェイスに対して宛先ポートを 53 として User Datagram Protocol(UDP)パケットをブロードキャストしていることが示されています。UDP 53 は Domain Name Service(DNS; ドメイン ネーム サービス)です。このルータの設定を詳しく調べると、なぜこのルータが DNS ルックアップを実行しようとしているかが分かります。

解決方法

この問題を解決するには、ルータが DNS クエリーを送信する理由を明らかにする必要があります。show run および include コマンドを使ってルータの設定を調べると、次のことが分かります。

citrus#show run | include name

 

 hostname citrus

 

 ip ospf name-lookup

 

 citrus#

 

このルータの設定には ip ospf name-lookup コマンドがあります。このコマンドは、OSPF を設定し、show EXEC で表示されるすべての OSPF で使用される DNS 名を調査します。この機能によって、ルータがルータ ID や Neighbor ID ではなくルータ名で表示されるようになるため、ルータの識別が簡単になります。したがって、このコマンドが設定されていると、ルータでは、各種の show コマンドで使用される OSPF ルータ ID に対して DNS ルックアップを実行するようになります。ルータ ID が名前に変換されると、show コマンドには IP アドレスに代わって名前が表示されます。

ただし、このコマンドがシスコのルータに設定されていると、次のような問題が発生する可能性があります。

  • ルータの設定に DNS サーバが指定されていない。この場合、上記のデバッグ出力で示したように、DNS クエリーをブロードキャストすることになります。この状況になると、DNS クエリーがタイムアウトになるのを待つために遅延が発生します。

    これが問題である場合は、 ip name-server コマンドを実行してルータに DNS サーバを設定することができます。詳細は、「シスコ ルータでの DNS の設定」を参照してください。
  • ルータに DNS サーバが設定されているが、そこに到達できない。これは、ip name-server コマンドによってルータに DNS サーバが設定されているものの、何らかの理由でその DNS サーバに到達できないことを示しています。DNS サーバに ping を送って、到達可能かどうかを調べることができます。この ping が失敗した場合、DNS サーバには到達不可能で、DNS ルックアップが行われていないことになります。

    この問題を解決するには、なぜ DNS サーバへの到達が不可能なのかを調査します(サーバがダウンしているか、ネットワークにルーティングの問題が発生しているなど)。この問題の回避策としては、no ip ospf name-lookup グローバル コマンドを実行して、OSPF ネーム ルックアップ機能を無効にすることができます。


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