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OSPF Not-So-Stubby Area(NSSA)

2002 年 5 月 16 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

OSPF Not-So-Stubby Area(NSSA)機能は RFC 1587 exit で規定されており、Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 11.2 で初めて導入されました。NSSA は既存のスタブ エリア機能のCisco独自ではない拡張であり、これによって外部経路を特殊な方法でスタブ エリアに注入できます。このドキュメントは NSSA 機能の動作の仕組みについて説明しています。

NSSA エリアへの再配送では、タイプ 7 と呼ばれる特殊なタイプの Link-State Advertisement(LSA; リンクステート アドバタイズメント)が作成されます。この LSA が存在できるのは NSSA エリア内だけです。この LSA は NSSA Autonomous System Boundary Router(ASBR; 自律システム境界ルータ)によって生成され、NSSA Area Border Router(ABR; エリア境界ルータ)によってタイプ 5 LSA に変換された後、OSPF ドメインに伝搬されます。この原則を図示すると、次のネットワーク ダイアグラムのようになります。

ネットワーク ダイアグラム

上記のネットワーク ダイアグラムでは、エリア 1 がスタブ エリアとして定義されています。スタブ エリアでは再配送が許可されていないため、IGRP 経路は OSPF ドメインに伝搬できません。しかし、エリア 1 を NSSA として定義すれば、タイプ 7 LSA を生成することで OSPF NSSA ドメインに IGRP 経路を注入できます。NSSA はスタブ エリアを拡張したものであるため、再配送された RIP 経路はエリア 1 では受け入れられません。タイプ 5 LSA が受け入れられない点など、スタブ エリアの特性はそのまま残っています。

タイプ 7 LSA とは

NSSA ASBR によって生成されたタイプ 7 LSA を以下に示します。NSSA エリアではタイプ 5 LSA が受け入れられないため、NSSA ASBR はその代わりに NSSA 内でも存在できるタイプ 7 LSA を生成します。このタイプ 7 LSA は NSSA ABR によってタイプ 5 に変換されます。

LS age: 36

   Options: (No TOS-capability, No Type 7/5 translation, DC)

   LS Type: AS External Link

   Link State ID: 10.10.10.0 (External Network Number)

   Advertising Router: 141.108.1.21

   LS Seq Number: 80000001

   Checksum: 0x4309

   Length: 36

   Network Mask: /24

         Metric Type: 2 (Larger than any link state path)

         TOS: 0

         Metric: 20

         Forward Address: 9.9.9.9

         External Route Tag: 0

 

この出力は外部 LSA とよく似ています。次に、この出力に関する重要な特性を示します。

  • ビット P - このビットは、タイプ 7 からタイプ 5 に変換すべきかどうかを NSSA ABR に伝えるために使用されます。

  • タイプ 7/5 変換が不要な場合は、ビット P = 0 になります。

  • タイプ 7/5 変換が必要な場合は、ビット P = 1 になります。

  • ビット P = 0 の場合、NSSA ABR はこの LSA をタイプ 5 に変換する必要はありません。これは NSSA ASBR が NSSA ABR を兼務している場合に起こります。

  • ビット P = 1 の場合、NSSA ABR(NSSA ABR が複数存在する場合はルータ ID が最も大きい ABR)はこのタイプ 7 LSA をタイプ 5 LSA に変換する必要があります。

設定作業

スタブ エリアと同様、NSSA にも 2 つの種類があります。タイプ 5 LSA をブロックし、タイプ 3 および 4 LSA を受け入れる NSSA と、NSSA 完全スタブ エリアの 2 種類です。NSSA 完全スタブ エリアはサマリー デフォルト ルートだけを受け入れ、それ以外をすべて遮断します。

Not-So-Stubby Area の定義

スタブ エリアを NSSA にするには、OSPF コンフィギュレーションのもとで次のコマンドを使用します。

router ospf 1

  area 1 nssa

 

このコマンドは、エリア 1 内にある個々のルータすべてに設定する必要があります。エリア 1 を NSSA として定義すると、エリア 1 は次の特性を持ちます。

  • エリア 1 では、タイプ 5 LSA は受け入れられません。これは、RIP 経路がエリア 1 で受け入れられないことを意味します。

  • IGRP 経路はすべて、タイプ 7 として再配送されます。このタイプ 7 は NSSA 内にのみ存在できます。

  • タイプ 7 LSA はすべて、NSSA ABR によってタイプ 5 LSA に変換され、OSPF ドメインにタイプ 5 LSA として漏入します。

NSSA 完全スタブ エリアの定義

NSSA 完全スタブ エリアを設定するには、OSPF コンフィギュレーションのもとで次のコマンドを使用します。

router ospf 1

  area 1 nssa no-summary

 

このコマンドを設定するのは NSSA ABR のみです。NSSA 完全スタブ エリアを定義すると、エリア 1 は(前述の NSSA の特性に加えて)次の特性を持ちます。

  • エリア 1 では、タイプ 3 または 4 の要約 LSA は受け入れられません。これは、エリア間経路がエリア 1 で受け入れられないことを意味します。

  • デフォルト ルートはタイプ 3 要約 LSA として NSSA 完全スタブ エリアに注入されます。

NSSA でのフィルタリング

状況によっては、外部経路をタイプ 7 として NSSA に注入する必要がないことがあります。この状況は通常、ASBR が NSSA ABR を兼務している場合に起こります。このシナリオで再配送が起こると、このルータはタイプ 7 とともにタイプ 5 LSA を生成します。ルータが NSSA 用のタイプ 7 LSA を生成しないようにするには、次のコマンドを使用します。

router ospf 1

  area 1 nssa no-redistribution

 

上記のネットワーク ダイアグラムでは、エリア 1 は no-redistribution オプションを使用して設定されています。これは、IGRP 経路はすべてエリア 0 に再配送されても、エリア 1 用のタイプ 7 LSA は生成されないことを意味します。このコマンドは、ABR を兼務している NSSA ASBR でのみ設定します。

ネットワーク ダイアグラム

フィルタリングのもう 1 つのケースは、タイプ 7 LSA が変換されて NSSA の外部に伝搬することを防ぐ場合です。つまり、どのタイプ 7 LSA がタイプ 5 に変換されるのかを制御する必要がある場合ともいえます。たとえば、RIP 学習経路 141.108.10.0/24 が OSPF NSSA エリア 1 に注入されているとします。この経路を残りの OSPF エリアに漏入しない必要があるとします。これを実現するには、NSSA ASBR または NSSA ABR で次のように設定します。

router ospf 1

  summary-address 141.108.10.0 255.255.255.0 not-advertise

 

上記のように設定すると、NSSA ABR によってタイプ 5 に変換されないタイプ 7 LSA が生成されます。

NSSA でのデフォルト ルート

NSSA でデフォルト ルートを設定するには、2 通りの方法があります。エリアを NSSA として設定している場合、デフォルトでは NSSA ABR はデフォルト サマリー ルートを生成しません。スタブ エリアまたは NSSA 完全スタブ エリアの場合には、NSSA ABR はデフォルト サマリー ルートを生成します。

デフォルト サマリー ルート

エリアを NSSA 完全スタブ エリアとして定義すると、NSSA ABR はデフォルト サマリー ルートを生成します。前述したように、NSSA エリアが完全スタブ エリアとして定義されていなければ、デフォルト サマリー ルートは NSSA ABR によって生成されません。次のように設定すると、NSSA 完全スタブ エリア用のデフォルト サマリー ルートが生成されます。

router ospf 1

  area 1 nssa no-summary

 

デフォルト タイプ 7

次のように設定すると、タイプ 7 のデフォルト ルートが生成されます。このコマンドはどの NSSA ASBR または NSSA ABR にも設定できますが、次の規則があります。

  • NSSA ASBR は、自身のルーティング テーブルにデフォルト ルートを持っている場合のみ、デフォルト ルートを生成できる。

  • NSSA ABR は、自身のルーティング テーブルにデフォルト ルートを持っているかどうかにかかわらず、デフォルト ルートを生成できる。

NSSA デフォルト ルートを生成するには、次のコマンドを使用します。

router ospf 1

  area 1 nssa default-information originate

 

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