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OSPFエリアおよび仮想リンクとは何か?

2005 年 8 月 31 日 - ライター翻訳版
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エリア、スタブ エリア、NSSAとは何か?

OSPFネットワークは、エリアと呼ばれるサブドメインに分割できます。エリアとは、OSPFルータおよびリンクの論理集合です。エリア内のルータは、所属するエリアに関するトポロジー データベースを維持しなければなりません。ルータはエリア外のネットワークに関する詳細情報を持たないので、データベースの大きさを抑えることができます。

エリアは、エリアIDによって識別されます。Cisco IOS®では、エリアIDの表記法として、IPアドレス フォーマットまたは10進フォーマットをサポートします。たとえば、エリア0.0.0.0はエリア0と同じです。ネットワーク上に複数のエリアがある場合、バックボーン エリアを「エリア0」にする必要があります。このバックボーンはネットワーク上の各エリアに接続するので、連続的なエリアでなければなりません。バックボーンが分割されていると、Autonomous System(AS;自律システム)の分割された各部分の間で到達不可能になるため、分割された状態を解消するために仮想リンクを設定しなければなりません。

Autonomous System Boundary Router(ASBR;自律システム境界ルータ)は、OSPF自律システム全体に外部の宛先をアドバタイズします。多くの場合、あらゆるルータのデータベース内で、外部リンク ステートがリンク ステートの大半を占めます。スタブ エリアは、データベースの容量をさらに抑えるために、外部ルートのアドバタイズを認めないエリアです。これらの外部ルートに到達できるようにするため、スタブ エリアには代わりにデフォルトのサマリー ルート (0.0.0.0) が挿入されます。ネットワーク上に外部ルートがない場合には、スタブ エリアを定義する必要はありません。

Not-So-Stubby Area(NSSA)は、OSPFスタブ エリアの拡張機能です。NSSAエリアは、スタブ エリアと同様に、AS外部のLink-State Advertisement(LSA;リンク ステート アドバタイズ)のNSSAへのフラッディングを防止し、その代わりに外部の宛先に対するデフォルト ルーティングを行います。したがって、NSSAは(スタブ エリアと同様に)OSPFルーティング ドメインのエッジに配置する必要があります。NSSAは、OSPFルーティング ドメインに外部ルートをインポートすることができ、それによってOSPFルーティング ドメインに属さない小規模なルーティング ドメインへの中継サービスを提供できるので、スタブ エリアよりもフレキシブルです。

スタブ エリアの定義

エリアをスタブ エリアとして定義するには、エリア内のすべてのルータでarea xx stubコマンドを使用します。次に示すトポロジーの場合、エリア7に属するルータは、外部のすべての宛先を知っている必要はありません。エリア7のルータがASBRに到達するには、外部の宛先が何であっても、ABRにパケットを送信しなければなりません。エリア7は、スタブ エリアとして定義することができます。エリア7をスタブ エリアとして定義するには、このエリア内のすべてのルータにarea 7 stubコマンドを設定します。

Network Diagram

完全スタブ エリアの定義

完全スタブ エリアを定義するには、OSPFルータ コンフィギュレーション コマンドarea xx stub no-summaryを使用します。上のネットワーク図で、エリア7に属するルータは、外部のすべての宛先、または他のエリアのバックボーンからのサマリーLSAを知る必要がありません。エリア7のルータは、エリア7の外部にある宛先に到達するには、ABRにパケットを送信しなければなりません。エリア7は、完全スタブ エリアとして定義することができます。エリア7を完全スタブ エリアとして定義するには、ABRにarea 7 stub no-summaryコマンドを設定します。

NSSAの定義

NSSAを定義するには、OSPFルータ コンフィギュレーション コマンドarea xx nssaを使用します。たとえば次のトポロジーの場合、エリア2のすべてのルータにarea 2 nssaコマンドを入力することにより、このエリアをNSSAとして設定しています。その結果、エリア2内部のルータはOSPF ASBRによってインポートされるすべてのAS外部LSAから保護されていますが、それでも非OSPFルータとの接続は可能です。外部ルーティング情報は、タイプ7 LSAとしてNSSAにインポートされます。タイプ7 LSAは、NSSAにしかフラッディングできない点を除いて、タイプ5 AS外部LSAと同様です。NSSA外部の情報をさらに伝播するには、NSSA ABRによって、タイプ7 LSAをタイプ5 AS外部LSAに変換しなければなりません。NSSAは、Cisco IOS 11.2以降でサポートされます。

Network Diagram

NSSA完全スタブ エリアの定義

NSSA完全スタブ エリアを定義するには、OSPFルータ コンフィギュレーション コマンドarea xx nssa no-summaryを使用します。上のネットワーク図の場合、NSSA ABRにarea 2 nssa no-summaryコマンドを入力することにより、エリア2をNSSA完全スタブ エリアとして設定しています。この結果、タイプ5 AS外部ルートまたはタイプ3サマリー ルートは、エリア2ではリークされません。

標準エリア、スタブ エリア、完全スタブ エリア、およびNSSAの相違点

この資料で説明した各エリア タイプの相違点を、次の表に示します。

エリア 制約事項
標準 なし
スタブ エリア タイプ5 AS外部LSAが認められません。
完全スタブ エリア デフォルトのサマリー ルートを例外として、タイプ3、4、5のLSAが認められません。
NSSA タイプ5 AS外部LSAは認められませんが、NSSA ABRでタイプ5に変換されるタイプ7 LSAは通過できます。
NSSA完全スタプ エリア デフォルトのサマリー ルートを除くタイプ3、4、5のLSAは認められませんが、NSSA ABRでタイプ5に変換されるタイプ7 LSAは認められます。

仮想リンクとは何か?

OSPF自律システム内のすべてのエリアは、バックボーン エリア(エリア0)に物理接続されている必要があります。これが不可能な場合には、仮想リンクを使用して、非バックボーン エリア経由でバックボーンに接続できます。前述したように、分割されたバックボーンの2箇所を非バックボーン エリア経由で接続するために、仮想リンクを使用することもできます。仮想リンクを設定するエリア(中継エリア)には、完全なルーティング情報が必要です。中継エリアをスタブ エリアにすることはできません。

仮想リンクを設定するコマンドは、次のとおりです。

area <area-id> virtual-link <router-id>

中継エリアに割り当てられたエリアID(このIDとしては、有効なIPアドレスまたは10進値を使用できます)、および仮想リンク ネイバに対応づけられたルータIDを入力します。次のトポロジーでは、エリア7を仮想リンクによってエリア5経由でバックボーンに接続しています。

Network Diagram

この場合、ルータID 1.1.1.1とルータID 2.2.2.2の間に仮想リンクを作成しています。仮想リンクを作成するには、ルータ1.1.1.1にarea 5 virtual-link 2.2.2.2サブコマンド、ルータ2.2.2.2にarea 5 virtual-link 1.1.1.1サブコマンドをそれぞれ設定します。


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Updated:Dec 1, 2003Document ID:13703
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