LAN スイッチング : スパニング ツリー プロトコル

CatOS が稼働する Catalyst シリーズ スイッチでの MST(802.1s)と RSTP(802.1w)の設定

2008 年 4 月 7 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2007 年 11 月 16 日) | フィードバック

目次

概要
はじめに
      表記法
      前提条件
      使用するコンポーネント
MST の設定
      基本設定
      MST のチューニング
      MST の動作確認
      MST のトラブルシューティング
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

このドキュメントでは、CatOS が稼働する Catalyst 4000、6000、および 6500 シリーズ スイッチでの Multiple Spanning-Tree(MST)(802.1s)の設定方法について説明しています。 CatOS ソフトウェア リリース 7.1 で導入されたこの機能によって、システム管理者は、Multiple Spanning Tree Instance(MSTI)を使用して、スイッチ上で VLAN(仮想 LAN)をグループ化できるようになりました。

統合 IOS が稼働している場合、設定の参考として次のドキュメントを参照してください。

この MST コンフィギュレーションを使用すると、各インスタンスが、MST 領域内の他のインスタンスと関係なく、独立して実行されます。 インスタンス 0 は、Internal Spanning Tree(IST; 内部スパニングツリー)で、他の Spanning-Tree Protocol(STP; スパニングツリー プロトコル)および他の MST 領域との通信用に予約されています。 ループフリーのトポロジを保持するために、すべての境界ポート(MST 領域のエッジにあるポート)で、フォワーディングおよびブロッキングなどのスパニングツリー ステートを、IST からのスパニングツリー ステートと一致させます。

Catalyst 4000、6000、および 6500 シリーズ スイッチでは、CatOS ソフトウェア リリース 7.5 以降で、Rapid Per-VLAN Spanning-Tree +(RPVST+)がサポートされています。 MST(802.1s)では、RSTP(802.1w)の修正バージョンが使用されています。 この修正バージョンが MST 内部に統合されており、ネットワークの障害時に高速コンバージェンスが提供されます。

はじめに

表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

前提条件

このドキュメントに適用される特定の前提条件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。

  • Cisco Catalyst 4000、6000、および 6500 シリーズ スイッチ

  • CatOS ソフトウェア リリース 7.1

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのような作業についても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。

MST の設定

このセクションでは、Catalyst 4000、6000、または 6500 シリーズ スイッチでの MST の基本設定を行うために必要なコマンドについて説明しています。 「MST のチューニング」の説明とコマンドの詳細については、「基本設定」セクションに従ってください。

基本設定

次の手順に従ってください。

  1. スイッチで MST をイネーブルにします。

    set spantree mode mst コマンドを使用して、スイッチのスパニング ツリー モードを MST に設定します。

    注:MST をディセーブルにするには、Per-VLAN Spanning-Tree +(PVST+)などの他の STP を設定する必要があります。

  2. VLAN からインスタンスへのマッピングを定義します。

    set spantree MST instance vlan vlans コマンドを使用して、複数の VLAN を 1 つのインスタンスへマッピングします。 たとえば、VLAN 1 〜 10 および 20 をインスタンス 10 にマッピングする場合は、set spantree MST 10 vlan 1-10,20 というコマンドを入力します。デフォルトでは、すべての VLAN がインスタンス 0 にマッピングされています。

    注:VLAN からインスタンスへのマッピングは、設定がコミットされるまで有効になりません。

  3. MST コンフィギュレーション名とリビジョンを定義します。

    set spantree MST configuration name nameset spantree MST configuration revision revision number コマンドを使用して、コンフィギュレーションとリビジョンを設定します。

    注:インスタンス 1 〜 15 は、MST 領域内だけで動作します。 MST 領域の境界で、MST は IST からのポート ステートをコピーします。IST は、PVST+、Common Spanning-Tree(CST)などの他の STP、および他の MST 領域と通信し、ループフリー トポロジを形成します。 MST がイネーブルにされているスイッチでは、VLAN から IST へのマッピング、MST コンフィギュレーション名、および MST リビジョンが一致した場合にのみ、MST 領域が形成されます。 これら 3 つのうちのいずれかが一致しない場合、そのポートは境界ポートとしてフラグ付けされます。

  4. MST コンフィギュレーションをコミットし、スイッチに適用します。

    set spantree MST config commit コマンドを使用して、MST コンフィギュレーションをコミットします。

    注:最終コミット後に行った変更をすべて廃棄する場合には、set spantree MST rollback コマンドを使用して、すべての変更を元に戻すことができます。 他のユーザが別のセッションを使用して MST コンフィギュレーションを変更している場合、これらの変更をクリアするには、set spantree MST rollback force コマンドを使用します。

MST のチューニング

Catalyst スイッチで MST のチューニングを行うには、次のコマンドを使用します。

MST インスタンスごとのプライオリティの設定

MST の各インスタンスは、スイッチ上の他のインスタンスとは個別に実行されるので、各インスタンスにスイッチ上で異なるプライオリティを設定したり、MST 領域内で異なるルートを設定できます。

インスタンスにスパニングツリーのプライオリティを設定するには、set spantree priority priority MST instance コマンドを使用します。

特定のポートでのパス コストの設定

各ポートについて、MST はそのポートの標準コストを使用するか、または set spantree portinstancecost mod/port cost cost MST instance コマンドを使用して異なるコストを設定できます。 このコマンドを使用して、使用中のリンクの代替パス コストを指定し、この代替パス コストを使用するインスタンスを指定できます。

特定のポートでのポート プライオリティの設定

各ポートについて、MST はそのポートの標準プライオリティを使用するか、または set spantree portinstancepriority mod/port priority MST instance コマンドを使用して異なるプライオリティを設定できます。 このコマンドを使用して、ポートの代替プライオリティを指定し、この代替パスプライオリティを使用するインスタンスを指定できます。

ポートのリンク タイプの設定

set spantree MST link-type mod/port link-type コマンドを使用して、次の 3 つのいずれかの方法でリンク タイプを設定できます。

  • Auto:スイッチは MST のリンク タイプを自動検出します。

  • Point-to-point:リンクは、他のデバイスへのポイントツーポイント リンクとして設定されます。 たとえば、他の Catalyst スイッチへの 10 ギガビット リンクを設定できます。

  • Shared:リンクは共有セグメントとして設定され、複数のデバイスを含むことが可能です。 たとえば、10 Mb ハブによるリンクなどです。

MST の動作確認

このセクションでは、設定が正常に動作しているかどうかを確認する際に役立つコマンドについて説明しています。 これらのコマンドによる出力例は、「トラブルシューティング」セクションで説明されています。

特定の show コマンドは、アウトプットインタープリタ登録ユーザ専用)でサポートされています。このツールを使用すると、show コマンド出力を分析できます。
一部ツールについては、ゲスト登録のお客様にはアクセスできない場合がありますことを、ご了承ください。

  • show spantree MST instance active:このコマンドを使用して、インスタンスの MST 情報を確認できます。 キーワードの「active」を追加すると、選択したインスタンスのアクティブ ポートだけが表示されます。

  • Show spantree MST mod/port:このコマンドでは、MST を実行する際に指定されたポートのスパニングツリー ステートの情報を確認できます。

  • show spantree MST configuration:このコマンドを使用して、スイッチの MST コンフィギュレーションに関する情報を確認できます。

  • Show spantree summary MST:このコマンドでは、MST の動作の概要を確認できます。

  • Show spantree statistics MST mod/port instance:このコマンドを使用して、選択したポートの MST 動作に関する統計およびその他の情報を確認できます。

MST のトラブルシューティング

MST の動作確認」セクションにリストされているコマンドを使用すると、スイッチでの MST のステータスに関する重要な情報を確認できます。 このトラブルシューティングのセクションでは、これらのコマンドからの出力における重要な情報に焦点をあて、その意味について調べます。

  • Show spantree MST instance active

    Tank> (enable) show spantree MST 0 active 
    Spanning tree mode          MST 
    Instance                            0 
    VLANs Mapped:              2-4094
    
    !--- これらは、このインスタンスにマップされている VLAN です。
    
    
    Designated Root          00-03-6c-aa-14-01 
    
    !--- これは、インスタンスのルートです。
    
    Designated Root Priority    32768  (root priority: 32768, sys ID ext: 0) 
    Designated Root Cost        2000000 
    Designated Root Port        4/1
    
    !--- ルート ポートを示します。   
    
    Root Max Age   20 sec   Hello Time 2  sec   Forward Delay 15 sec 
    
    IST Master ID MAC ADDR      00-05-00-a9-f4-00
    
    !--- IST 専用。 これは、マスター スイッチを示しています。 
    
    IST Master ID Priority      32768 
    IST Master Path Cost        0          Remaining Hops 20 
    
    Bridge ID MAC ADDR          00-05-00-a9-f4-00 
    Bridge ID Priority          32768  (bridge priority: 32768, sys ID ext: 0) 
    Bridge Max Age 20 sec   Hello Time 2  sec   Forward Delay 15 sec  Max Hops 20
    
    Port   State        Role   Cost      Prio  Type 
    ------ ----------   ----   --------  ----  -------------------- 
    4/1    forwarding   DESG   2000000   32    P2P, Boundary(STP) 
    4/2    forwarding   ROOT   2000000   32    Shared, Boundary(STP) 
    4/4    forwarding   DESG   2000000   32    Shared 
    4/11   forwarding   DESG   2000000   32    P2P 
    15/1   forwarding   DESG   20000     32    P2P, Edge 
    16/1   forwarding   DESG   20000     32    P2P, Edge 
    
    
    !--- State は、このポートのスパニングツリー ステートを識別します。 
    !--- Role は、このポートのロールを示します。 
    !--- Cost は、このポートのパス コストを表示します。 
    !--- Prio は、このポートのプライオリティを示します。 
    !--- Type は、このポートに接続しているセグメント タイプを表示します。 
    
    
    
  • Show spantree MST mod/port

    show spantree MST mod/port コマンドは、ポートの概要と設定、およびそのポート上でアクティブになっているすべての MST インスタンスを表示します。

    Console> (enable) show spantree MST 4/2 
    Edge Port:        No, (Configured) Default
    
    !--- MST のエッジ ポートをイネーブルまたはディセーブルにするには、 
    !--- set spantree portfast mod/port enable/disable コマンドを使用します。
    
    Link Type:     Shared, (Configured) Auto 
    Port Guard:    Default 
    Boundary:      Yes (STP) 
    
    Inst  State         Role   Cost      Prio  VLANs 
    ----  ------------- ----   --------  ----  ----------
      0   forwarding    ROOT   2000000   32    None 
      1   forwarding    BDRY   2000000   32    1
    

    たとえばネットワーク内でのインスタンスに関する最近の変更などにより、ポートが境界ポートとして誤って表示された場合には、set spantree MST mod/port redetect-protocol コマンドを使用して、このリンク上で他のデバイスが使用しているスパニングツリー プロトコルをスイッチに再検出させることができます。

  • Show spantree MST configuration

    Console> (enable) show spantree MST config 
    Current (NVRAM) MST Region Configuration:
    
    !--- スイッチに MST コンフィギュレーションが現在適用されています。 
    
    Configuration Name: Test                               Revision: 123 
    
    !--- MST 領域を形成するには、すべてのスイッチ上のコンフィギュレーション名と 
    !--- リビジョンが一致している必要があります。
    
    
    Instance  VLANs
    --------  -------------------------------------------------------------- 
    IST       2-4094
    
    !--- IST はインスタンス 0 です。VLAN 1 以外のすべての VLAN が含まれます。  
    
      1       1 
    
    !--- VLAN 1 は、インスタンス 1 にマッピングされます。
     
      2       - 
      3       -
    
    !--- 他の VLAN は、他のどのインスタンスにもマッピングされていません。 
    
      4       - 
      5       - 
      6       - 
      7       - 
      8       - 
      9       - 
     10       - 
     11       - 
     12       - 
     13       - 
     14       - 
     15       - 
    ======================================================================= 
    
    NEW MST Region Configuration (Not committed yet)
    
    !--- MST コンフィギュレーションは、まだ適用されていません。
    
    Configuration Name: Test                               Revision: 123
    
    !--- 変更を行っても、リビジョンは自動的には増加されません。 
    
    
    Instance VLANs 
    -------- -------------------------------------------------------------- 
    IST      3-4094 
      1      1 
      2      - 
      3      - 
      4      - 
      5      - 
      6      - 
      7      - 
      8      - 
      9      - 
     10      - 
     11      - 
     12      - 
     13      - 
     14      - 
     15      2
    
     !--- VLAN 2 はインスタンス 15 に移動しました。
     
    ======================================================================= 
    Edit buffer is locked by: Console (pid 142)
    
    !--- 識別されているコンソールにより、MST コンフィギュレーションが修正されます。
    
    
    
  • Show spantree summary MST

    このコマンドでは、スイッチ上の MST の動作の概要が表示されます。

    Console> (enable) show spantree summary MST 
    MAC address reduction: disabled 
    Root switch for MST instances: 1. 
    Global loopguard is disabled on the switch. 
    Global portfast is disabled on the switch. 
    BPDU skewing detection disabled for the bridge. 
    BPDU skewed for MST instances:  none. 
    Portfast bpdu-guard disabled for bridge. 
    Portfast bpdu-filter disabled for bridge. 
    
    Summary of connected spanning tree ports by MST instances 
    
    Inst  Blocking Listening Learning Forwarding STP Active
    ----- -------- --------- -------- ---------- ---------- 
       0         0         0        0          5          5 
       1         0         0        0          5          5 
       2         0         0        0          0          0 
       3         0         0        0          0          0 
       4         0         0        0          0          0 
       5         0         0        0          0          0 
       6         0         0        0          0          0 
       7         0         0        0          0          0 
       8         0         0        0          0          0 
       9         0         0        0          0          0 
      10         0         0        0          0          0 
      11         0         0        0          0          0 
      12         0         0        0          0          0 
      13         0         0        0          0          0 
      14         0         0        0          0          0 
      15         0         0        0          0          0 
       
           Blocking Listening Learning Forwarding STP Active 
    ----- -------- --------- -------- ---------- ---------- 
    Total        0         0        0         10         10 
    
  • Show spantree statistics mod/port MST

    このコマンドでは、指定したポート上のスパニング ツリーの動作を確認できます。 一部の情報を強調表示にして次に示します。

    Console> (enable) show spantree statistics 4/2 MST 0 
    Port  4/2   Instance 0 
    
    SpanningTree enabled for instance = 0 
    
                    BPDU-related parameters 
    port spanning tree                   enabled 
    state                                forwarding 
    port_id                              0x80c2 
    port number                          0xc2 
    path cost                            2000000 
    message age (port/VLAN)              4(20) 
    designated_root                      00-50-0f-43-cc-00 
    designated_cost                      150 
    designated_bridge                    00-30-71-4e-20-07 
    designated_port                      0x8046 
    top_change_ack                       FALSE 
    config_pending                       FALSE 
    port_inconsistency                   none 
    
                    PORT based information & statistics 
    config bpdu's xmitted (port/inst)    2(26851)
    
    !--- このポートに送信された Bridge Protocol Data Units
    !--- (BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)と  
    !--- インスタンス内のすべてのポートに送信された BPDU の合計。 
    
    config bpdu's received (port/inst)   1429(5190) 
    
    !--- このポートが受信した BPDU と 
    !--- インスタンス内のすべてのポートが受信した BPDU の合計。
    
    tcn bpdu's xmitted (port/inst)       1(193)
    
    !--- トポロジ変更通知: このポートに送信された BPDU と 
    !--- インスタンス内のすべてのポートに送信された BPDU。 
    
    tcn bpdu's received (port/inst)      0(61)
    
    !--- トポロジ変更通知: このポートが受信した BPDU と 
    !--- インスタンス内のすべてのポートが受信した BPDU。 
    
    forward trans count                  0 
    scp failure count                    0 
    root inc trans count (port/inst)     0(0) 
    inhibit loopguard                    FALSE 
    loop inc trans count (port/inst)     0(0) 
    
                    Status of Port Timers 
    forward delay timer                  INACTIVE 
    forward delay timer value            0 
    message age timer                    ACTIVE 
    message age timer value              4 
    topology change timer                INACTIVE 
    topology change timer value          0 
    hold timer                          INACTIVE 
    hold timer value                     0 
    delay root port timer                INACTIVE 
    delay root port timer value          0 
    delay root port timer restarted is   FALSE 
    
                    VLAN based information & statistics 
    spanningtree type                    ieee 
    spanningtree multicast address       01-80-c2-00-00-00 
    bridge priority                      32768 
    bridge mac address                   00-05-00-a9-f4-00 
    bridge hello time                    2 sec 
    bridge forward delay                 15(15) sec 
    topology change initiator:           1/0 
    
    !--- これは、最後のトポロジ変更を開始した、デバイスの結線先を示します。 
    !--- 1/0 は、このスイッチを意味します。
    
    last topology change occurred:        Fri Nov 16 2001, 04:14:01
    
    !--- これは、トポロジにおける最終の変更を示します。 
    
    topology change                      FALSE 
    topology change time                 35 
    topology change detected             FALSE 
    topology change count                107 
    
    !--- トポロジが変更された回数を示します。
    
    topology change last recvd. from     00-30-71-4e-20-07 
    
                    Other port-specific info 
    dynamic max age transitions          0 
    port bpdu ok count                   0 
    msg age expiry count                 0 
    link loading                         0 
    bpdu in processing                   FALSE 
    num of similar bpdus to process      0 
    received_inferior_bpdu               FALSE 
    next state                           3 
    src Mac count:                       0 
    total src Mac count                  0 
    curr_src_mac                         00-00-00-00-00-00 
    next_src_mac                         00-00-00-00-00-00 
    channel_src_mac                      00-00-00-00-00-00 
    channel src count                    0 
    channel OK count                     0 
    
    

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