マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS) : MPLS

MPLS に関するビギナー向け FAQ

2008 年 4 月 7 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2008 年 9 月 18 日) | フィードバック

質問

概要

このドキュメントでは、Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)に関してビギナー レベルの方から寄せられる FAQ に回答しています。

Q. Multi-Protocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)とは何ですか。

A. MPLS は、ラベルを使用してデータの転送先を決定するパケット転送テクノロジーです。 MPLS を使用すると、レイヤ 3 ヘッダーの分析が一度だけ(パケットが MPLS ドメインに入るときに)行われます。 ラベルの検証により、それに続くパケットの転送が実行されます。 MPLS により、下記の有益なアプリケーションが提供されます。

  • Virtual Private Networking(VPN; バーチャル プライベート ネットワーキング)
  • Traffic Engineering(TE; トラフィック エンジニアリング)
  • Quality of Service(QoS)
  • ATM over MPLS(AToM)

さらに、コア ルータでの転送に要するオーバーヘッドが軽減されます。 MPLS テクノロジーは、任意のネットワーク層プロトコルに適用可能です。

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Q. ラベルとは何ですか。 ラベルの構造はどのようなものですか。

A. ラベルは、Forwarding Equivalence Class(FEC; 転送等価クラス)の識別に使用される、短い固定長(4 バイト)の、ローカルな意味を持つ識別番号です。 特定のパケットに付加されたラベルは、そのパケットが割り当てられている FEC を表します。

mpls-label.jpg

ラベルのフォーマット

  • Label:ラベル値(非構造化)、20 ビット
  • Exp:試験的使用、3 ビット。現在は Class of Service(CoS; サービス クラス)フィールドとして使用
  • S:スタックのボトム、1 ビット
  • TTL:Time to Live(存続可能時間)、8 ビット
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Q. ラベルはパケットのどこに付加されますか。

A. ラベルは、データリンク レイヤ(レイヤ 2)ヘッダーとネットワーク レイヤ(レイヤ 3)ヘッダーの間に付加されます。 ラベル スタックのトップはパケットの先頭にあり、ボトムは最後尾です。 ラベル スタックの最後のラベルの直後には、ネットワーク レイヤ パケットが続きます。

mpls-label-insert.jpg

パケット内のラベルの位置
※ 画像をクリックすると、大きく表示されます。

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Q. Forwarding Equivalence Class(FEC; 転送等価クラス)とは何ですか。

A. FEC は、同じ方法で、同じパスを通って、同じ転送処理を使用して転送される IP パケットのグループです。 FEC は宛先 IP サブネットに対応している場合も、エッジ LSR が有意とみなす任意のトラフィック クラスに対応している場合もあります。 たとえば、特定の IP precedence 値を持つすべてのトラフィックで 1 つの FEC を構成できます。

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Q. アップストリーム ラベル スイッチ ルータ(LSR)とは何ですか。 ダウンストリーム LSR とは何ですか。

A. アップストリームおよびダウンストリームは、MPLS では相対的な用語です。 これらの語は、常にプレフィクス(より適切な言い方では、FEC)を指します。 次に、具体例を示します。

mpls-downstrmA.jpg

ネットワーク構成図

FEC 10.1.1.0/24 に関して、R1 は R2 にとって「ダウンストリーム」LSR になります。

FEC 10.1.1.0/24 に関して、R2 は R1 にとって「アップストリーム」LSR になります。

mpls-downstrmB.jpg

ネットワーク構成図
※ 画像をクリックすると、大きく表示されます。

FEC 10.1.1.0/24 に関して、R1 は R2 にとって「ダウンストリーム」LSR になります。 R2 は R3 にとって「ダウンストリーム」LSR になります。

mpls-downstrmC.jpg

ネットワーク構成図
※ 画像をクリックすると、大きく表示されます。

FEC 10.1.1.0/24 に関して、R1 は R2 にとって「ダウンストリーム」LSR になります。 FEC 10.2.2.0/24 に関して、R2 は R1 にとって「ダウンストリーム」LSR になります。

データはアップストリームからダウンストリームに流れ、そのネットワーク(プレフィクス)に到達します。

mpls-downstrmD.jpg

ネットワーク構成図

R4 のルーティング テーブルでは、R1 および R2 は 10.1.1.0/24 に到達するための「ネクストホップ」になります。

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Q. 10.1.1.0/24 に関して、R3 は R4 にとって「ダウンストリーム」LSR になりますか。

A. いいえ、データはアップストリームからダウンストリームに流れます。

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Q. 着信、発信、ローカル、およびリモートという用語をラベル関連で使用するときの意味はどのようなものですか。

A. 次のトポロジにおける R2 および R3 について考察してみましょう。 R2 は、FEC F のラベル L を R3 に配布します。 R3 は、FEC-F にデータを転送する際に、ラベル L を使用します(R2 は、FEC-F に関する R3 のダウンストリーム LSR であるためです)。 シナリオは、次のようになります。

mpls-terms.jpg

ネットワーク構成図
※ 画像をクリックすると、大きく表示されます。

  • L は、F に関する R2 の入ラベルです。
  • L は、FEC-F に関する R3 の出ラベルです。
  • L は、FEC F に関する R2 のローカル バインディングです。
  • L は、FEC-F に関する R3 のリモート バインディングです。
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Q. LSR は MPLS インターフェイス上で(MPLS 以外の)ネイティブ IP パケットを送受信できますか。

A. はい。ただし、インターフェイス上で IP がイネーブルにされている場合に限ります。 ネイティブ パケットは通常どおり送受信されます。 IP は 1 つのプロトコルに過ぎません。 MPLS パケットでは、別のレイヤ 2 エンコーディングが使用されます。 受信側 LSR では、レイヤ 2 エンコーディングに基づいて MPLS パケットが認識されます。

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Q. LSR は非 MPLS インターフェイス上でラベル付きパケットを送受信できますか。

A. いいえ。そのプロトコルに対してイネーブルにされていないインターフェイス上でパケットが伝送されることはありません。 MPLS には、特定のイーサタイプ コードが対応づけられています(IP、IPX、および Appletalk に固有のイーサタイプがあるのと同様です)。 Cisco ルータでは、インターフェイス上でイネーブルにされていないイーサタイプのパケットが受信されると、そのパケットは廃棄されます。 たとえば、Appletalk がイネーブルにされていないインターフェイス上でルータが Appletalk パケットを受信した場合には、そのパケットは廃棄されます。 同様に、MPLS がイネーブルにされていないインターフェイス上で MPLS パケットを受信した場合には、そのパケットは廃棄されます。

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Q. どのプラットフォームおよび Cisco IOS が MPLS をサポートしていますか。

A. Cisco シリーズ 2691、3640、3660、3725、3745、6400-NRP-1、6400-NRP-2SV、6400-NSP、Route Switch Module(RSM; ルート スイッチ モジュール)搭載の Catalyst 5000、7200、7301、7400、7500、WS-SUP720-3B および WS-SUP720-3BXL 搭載の Catalyst 6500/Cisco 7600 シリーズ、Gigabit Switch Router(GSR; ギガビット スイッチ ルータ)、Route Processor Module(RPM; ルート プロセッサ モジュール)、Universal Broadband Router(UBR; ユニバーサル ブロードバンド ルータ)7200、AS5350、および IGX8400-URM はすべて MPLS をサポートしています。

これらのプラットフォームは、ラベル配布プロトコルとして Cisco Tag Distribution Protocol(TDP; タグ配布プロトコル)をサポートしています。

Label Distribution Protocol(LDP; ラベル配布プロトコル)、Resource Reservation Protocol(RSVP; リソース予約プロトコル)、および Border Gateway Protocol(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル)に関する情報は、Software Advisor登録ユーザ専用)ツールを使用して入手できます。 Software Advisor を使用すると、さまざまな Cisco IOS バージョンおよびプラットフォームでサポートされるフィーチャ セットの一覧を見ることができます。
一部ツールについては、ゲスト登録のお客様にはアクセスできない場合がありますことを、ご了承ください。

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Q. Generic Routing Encapsulation(GRE; 総称ルーティング カプセル化)トンネルには 24 バイトのオーバーヘッドがあります。 MPLS LSP トンネルにはどの程度のオーバーヘッドがありますか。

A. MPLS LSP トンネルには、1 つのラベル(4 バイト)または(たとえば、Link Protection Fast Reroute を使用する場合)2 つのラベルのオーバーヘッドがあります。 MPLS は GRE トンネルとは異なり、IP ヘッダーを書き換えません。 その代わりに、トンネル パスを使用するパケットにラベル スタックが付加されます。

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Q. LSR はラベル スタックのトップ ラベル、ボトム ラベル、およびミドル ラベルをどのように区別するのですか。

A. レイヤ 2 ヘッダーの直後にあるラベルがトップ ラベルであり、S ビットが 1 に設定されたラベルがボトム ラベルです。 LSR でのミドル ラベルの読み取りや識別を必要とするアプリケーションはありません。 ただし、スタックのトップにはなく、なおかつ S ビットが 0 に設定されているラベルは、ミドル ラベルになります。

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Q. ラベル値の範囲はどうなっていますか。 どのラベル値が予約されていますか。 予約されている値の意味はどのようなものですか。

A. 次に示す値は、RFC3032 - MPLS Label Stack Encoding leavingcisco.com にも記載されています。

理論上、範囲は 0 〜 (220-1) です。 ラベル値 0 〜 15 は予約済みであり、このうち 4 〜 15 は今後使用するために予約されています。 値 0 〜 3 は次のように定義されています。

  • 値 0 は「IPv4 明示的 NULL ラベル」を表します。 このラベルは、ラベル スタックをポップする必要があり、IPv4 ヘッダーに基づいてパケットを転送する必要があることを示します。 これは、出力側ルータまで Exp ビットを安全に保つために役立ちます。 この値は MPLS ベースの QoS に使用されます。
  • 値 1 は「ルータ アラート ラベル」を表します。 受信したパケットのラベル スタックのトップにこのラベル値が入っている場合、パケットはローカル ソフトウェア モジュールに送信されて処理されます。 パケットの実際の転送先は、スタック内でこのラベルの下にあるラベルによって決まります。 ただし、パケットをさらに転送する場合は、ルータ アラート ラベルをスタックに戻してから転送する必要があります。 このラベルの使用法は、IP パケットにおける「ルータ アラート オプション」の使用法と類似しています(たとえば、record route オプションを指定した PING など)。
  • 値 2 は「IPv6 明示的 NULL ラベル」を表します。 このラベルは、ラベル スタックをポップする必要があり、IPv6 ヘッダーに基づいてパケットを転送する必要があることを示します。
  • 値 3 は「暗黙的 NULL ラベル」を表します。 これは LSR が割り当てて配布できるラベルです。 ただし、このラベルが実際にカプセル化の上で表示されることはありません。 このラベルは、LSR がスタックからトップ ラベルをポップし、パケットの残りの部分(ラベル付き、またはラベルなし)を、(Lfib のエントリの指示に従って)発信インターフェイス経由で転送することを意味します。 このラベル値は、カプセル化では表示されませんが、ラベル配布プロトコルで指定する必要があるので、予約済みになっています。
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Q. LDP と TDP は、どのプロトコルとポート番号を使用して LDP/TDP ピアにラベルを配布するのですか。

A. LDP は TCP ポート 646 を、TDP は TCP ポート 711 を使用します。これらのポートは、インターフェイス上で mpls ip が設定されている場合に限り、ルータ インターフェイス上で開かれています。 トランスポート プロトコルとして TCP を使用すると、堅牢なフロー制御および輻輳処理メカニズムによって、LDP/TDP 情報の配布の信頼性が高まります。

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Q. Catalyst 6500 および 7600 Optical Services Router(OSR; オプティカル サービス ルータ)上での MPLS サポートに関してどのような制約事項がありますか。

A. MPLS ドメインに接続されたインターフェイスは、Parallel Express Forwarding(PXF; パラレル エクスプレス転送)複合体を利用する任意のモジュールなどの Optical Services Module(OSM; オプティカル サービス モジュール)のいずれか、または FlexWAN モジュール内のインターフェイスを使用する必要があります。 MPLS レイヤ 3 VPN に関しても同じ制約事項があります。 つまり、IP フレームは、FlexWAN モジュール内の OSM またはインターフェイスである WAN インターフェイス上に入る必要があります。 Supervisor 720 に関してはこれらの制約事項はありません。

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Q. MPLS 設定のサンプルをどこで入手できますか。

A. MPLS の設定に関する多数のドキュメントを『実装と設定:MPLS』から入手できます。

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