LAN スイッチング : EtherChannel

Catalyst スイッチでの EtherChannel のロード バランシングと冗長性について

2008 年 11 月 5 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2007 年 7 月 9 日) | フィードバック

目次

概要
前提条件
      要件
      使用するコンポーネント
      表記法
ロード バランシング:トラフィックを送信するリンクの決定方法
      Catalyst 6500/6000 シリーズ
      Catalyst 5500/5000 シリーズ
      Catalyst 4500/4000 シリーズ
      Catalyst 2900XL/3500XL シリーズ
      Catalyst 3750/3560
      Catalyst 2950/2955/3550
      Catalyst 1900/2820
      Catalyst 2948G-L3/4908G-L3 および Catalyst 8500
      ロード バランシング方式のマトリックス
PAgP の説明と使用される場所
EtherChannel での ISL/802.1Q トランキングのサポート
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

Fast EtherChannel では、複数の物理的なファースト イーサネット リンクを 1 つの論理チャネルに統合できます。これにより、チャネル内のリンク間でのトラフィックのロード シェアリングや、チャネル内の 1 つ以上のリンクで障害が発生するイベントでの冗長構成が可能になります。LAN のスイッチ、ルータ、サーバ、およびクライアントを、unshielded twisted-pair(UTP; シールドなしツイストペア線)による配線、あるいはシングルモードおよびマルチモード ファイバを使用して相互接続するためには、Fast EtherChannel を使用できます。このドキュメントでは、Fast EtherChannel、Gigabit EtherChannel、ポート チャネル、チャネル グループ、ポート グループをすべて EtherChannel という 1 つの用語で呼びます。このドキュメントの情報は、これらすべての EtherChannel に適用されます。

このドキュメントでは、EtherChannel を使用した Cisco Catalyst スイッチでのロード バランシングと冗長性の概念について説明します。また、このドキュメントでは、EtherChannel での Port Aggregation Protocol(PAgP; ポート集約プロトコル)とトランキングのサポートについても説明します。このドキュメントでは、Catalyst スイッチでの EtherChannel の設定方法については説明しません。Catalyst スイッチ上での EtherChannel の設定方法の詳細については、このドキュメントの「関連情報」のセクションを参照してください。

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前提条件

要件

このドキュメントに関する特別な要件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。

表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

ロード バランシング:トラフィックを送信するリンクの決定方法

このセクションでは、各スイッチのプラットフォームに対する、EtherChannel グループ経由でのパケットのロード バランスについて説明します。

Catalyst 6500/6000 シリーズ

EtherChannel では、フレーム内のアドレスが構成するバイナリ パターンの一部を、チャネル内のリンクの 1 つを選択する数値にまで減少させることにより、チャネル内のリンク全体にフレームが分散されます。EtherChannel フレームの分散には、Cisco 独自のハッシュ アルゴリズムが使用されます。このアルゴリズムは決定論的です。同じアドレスとセッション情報を使用すれば、必ずチャネル内の同じポートへハッシュされます。この方式により、不正なパケット配送が防止されます。

Catalyst OS

Catalyst OS(CatOS)が稼働する Catalyst 6500/6000 スイッチでは、EtherChannel により最大 8 つの互換設定されたポートの帯域幅が 1 つの論理リンクに集約されます。ソフトウェア リリース 6.2(1) 以前では、6 スロットおよび 9 スロットの Catalyst 6500 シリーズ スイッチにより最大 128 の EtherChannel がサポートされています。ソフトウェア リリース 6.2(2) 以降では、ポート ID はスパニング ツリー機能により処理されます。そのため、6 または 9 スロット シャーシの場合、サポートされる EtherChannel の最大数は 126 で、13 スロット シャーシの場合には 63 になります。スタンバイのスーパーバイザ エンジンでのものを含む、すべてのモジュール上のすべてのイーサネット ポートで、EtherChannel がサポートされており、これには、ポートが隣接しているか同じモジュール上にあるという要件は不要です。各 EtherChannel にあるポートは、すべて同じ速度であることが必要です。ロード バランスのポリシー(フレーム分散)は、MAC アドレス(レイヤ 2 [L2])、IP アドレス(レイヤ 3 [L3])、またはポート番号(レイヤ 4 [L4])に基づかせることができます。これらのポリシーは、set port channel all distribution {ip | mac| session | ip-vlan-session} [source | destination | both] コマンドを発行して個別に有効にできます。スーパーバイザ エンジン 2 およびスーパーバイザ エンジン 720 では session キーワードがサポートされています。ip-vlan-session キーワードがサポートされているのは、スーパーバイザ エンジン 720 だけです。フレーム分散方式を指定するには、IP アドレス、VLAN、およびレイヤ 4 トラフィックとともに、このキーワードを使用します。

パケットが選択されたカテゴリに属していない場合は、その次に低いレベルのカテゴリが対象として考慮されます。選択されたフレームの分散方式がハードウェアでサポートされていない場合は、「Feature not supported」というエラー メッセージが表示されます。

Cisco 独自のハッシュ アルゴリズムにより、範囲 0 から 7 の値が計算されます。この値を基にして、EtherChannel の特定のポートが選択されます。ポートの設定には、伝送用にポートが受け入れる値を示すマスクが含まれます。1 つの EtherChannel の最大ポート数である 8 ポートでは、各ポートで受け入れられる値は 1 つだけです。EtherChannel に 4 つのポートがある場合、各ポートでは値が 2 つ受け入れられ、以下同様です。次の表に、EtherChannel のポート数に依存する、各ポートが受け入れる値の比率の一覧を示します。

EtherChannel 内のポートの数 ロード バランシング
8 1:1:1:1:1:1:1:1
7 2:1:1:1:1:1:1
6 2:2:1:1:1:1
5 2:2:2:1:1
4 2:2:2:2
3 3:3:2
2 4:4

注:この表には、ハッシュ アルゴリズムが計算し、特定のポートが受け入れる値の数の一覧のみが表示されています。特定のフローが使用するポートを制御することはできません。ロード バランスに影響を与えるには、最も幅広い多様性を結果として生む、フレーム分散方式のみが使用できます。

注:ハッシュ アルゴリズムの設定や変更を行うことにより、EtherChannel 内のトラフィックをポート間でロード バランシングさせることはできません。

注:この Cisco 独自のハッシュ アルゴリズムは、Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Cisco Catalyst 6500/6000 シリーズ スイッチにも実装されています。

そのため、つまりポート チャネルに 2、4、または 8 ポートが存在する場合、ランダム アドレスを使用しても、完全なロード バランシングの実現は可能です。

フレーム分散ポリシーを確認するには、show port channel mod/port info コマンドを発行します。バージョン 6.1(x) 以降では、フレーム分散ポリシーを基にして、トラフィックの転送のためにポート チャネルで使用されるポートを決定できます。この決定を行うためのコマンドは、show channel hash channel-id {src_ip_addr | dest_ip_addr | src_mac_addr | dest_mac_addr | src_port | dest_port} [dest_ip_addr | dest_mac_addr | dest_port] です。

次にいくつかの例を示します。

  1.  Console> (enable) show channel hash 865 10.10.10.1 10.10.10.2
      Selected channel port: 1/1
    
  2.  Console> (enable) show channel hash 865 00-02-fc-26-24-94 
     00-d0-c0-d7-2d-d4
    
    !--- このコマンドは 1 行に収める必要があります。
    
      Selected channel port: 1/2
    

Cisco IOS

Cisco IOS(R) システム ソフトウェアが稼働する Catalyst 6500/6000 スイッチでは、最大 64 の EtherChannel がサポートされています。EtherChannel は、Catalyst 6500/6000 シリーズ スイッチのあらゆるモジュール上で、互換設定された LAN ポートを最大 8 つ使用して構成できます。各 EtherChannel にある LAN ポートは、すべて同一のスピードである必要があります。また、すべてのポートをレイヤ 2 またはレイヤ 3 LAN ポートのいずれかとして設定する必要があります。

Cisco IOS システム ソフトウェアが稼働する Catalyst 6500/6000 スイッチでは、Cisco 独自のハッシュ アルゴリズムが使用されています。このアルゴリズムについては、「Catalyst OS」セクションで説明しています。

EtherChannel のロード バランシングでは、Policy Feature Card 2(PFC2)で MAC アドレス、IP アドレス、またはレイヤ 4 のポート番号のいずれかが使用でき、さらに発信元モードまたは宛先モード(またはその両方)で使用できます。選択したモードは、スイッチ上に設定したすべての EtherChannel に適用されます。使用している構成に対して最も幅広い多様性を提供するオプションを使用します。たとえば、チャネル上のトラフィックが 1 つの MAC アドレスだけに送られる場合、この宛先 MAC アドレスの使用により毎回チャネル内の同じリンクが選択されます。発信元アドレスまたは IP アドレスを使用すれば、よりよいロード バランスが行えます。ロード バランシングの設定には、port-channel load-balance {src-mac | dst-mac | src-dst-mac | src-ip | dst-ip | src-dst-ip | src-port | dst-port | src-dst-port | mpls} グローバル コンフィギュレーション コマンドを発行します。

フレーム分散ポリシーを確認するには、show etherchannel load-balance コマンドを発行します。フレーム分散ポリシーを基にすると、EtherChannel のどのインターフェイスがトラフィックを転送しているかを判別できます。このような判別を行うには、remote login switch コマンドを発行して、Switch Processor(SP; スイッチ プロセッサ)コンソールにリモートでログインします。続いて、test etherchannel load-balance interface port-channel number {ip | l4port | mac} [source_ip_add | source_mac_add | source_l4_port] [dest_ip_add | dest_mac_add | dest_l4_port] コマンドを発行します。

次にいくつかの例を示します。

  1. 6509#remote login switch
        Trying Switch ...
        Entering CONSOLE for Switch
        Type "^C^C^C" to end this session
    
        6509-sp#test etherchannel load-balance interface port-channel 1 
        ip 10.10.10.2 10.10.10.1 
    
    !--- このコマンドは 1 行に収める必要があります。
    
        Would select Gi6/1 of Po1
          
         6509-sp#
    
  2. 6509#remote login switch
        Trying Switch ...
        Entering CONSOLE for Switch
        Type "^C^C^C" to end this session
    
        6509-sp#test etherchannel load-balance interface port-channel 1 mac 
        00d0.c0d7.2dd4 0002.fc26.2494 
    
    !--- このコマンドは 1 行に収める必要があります。
    
        Would select Gi6/1 of Po1
          
         6509-sp#
    

制約事項

このセクションでは、EtherChannel に適用される使用上のガイドライン、制約事項、およびトラブルシューティング情報を説明します。

  1. WS-X6548-GE-TX、WS-X6548V-GE-TX、WS-X6148-GE-TX、および WS-X6148V-GE-TX モジュールには、EtherChannel に関して制限があります。すべての設定(10、100、および 1000 Mbps の各速度)で EtherChannel がサポートされていますが、これらのモジュールを設定する際には加入過多のケースに注意してください。

    1. これらのモジュール上には、8 つのポートをサポートするポート ASIC からの 1 つの 1 ギガビット イーサネット アップリンクがあります。EtherChannel では、1 つのバンドル内のすべてのリンクからのデータは、データの宛先が別のリンクであったとしても、ポート ASIC に向かいます。このデータにより 1 ギガビット イーサネット リンクの帯域幅が消費されます。これらのモジュールでは、EtherChannel 上のすべてのデータの総合計は 1 ギガビットを超えることはできません。

      このモジュールのポートを EtherChannel に追加すると、最大のスループットでメッセージを受信することになります。

      C6500> (enable) set port channel 3/5,4/5 mode on
      Adding a WS-X6148-GE-TX port to a channel limits the channel's
      bandwidth to a maximum of 1Gig throughput
      Port(s) 3/5,4/5 channel mode set to on.
      C6500> (enable)
      
    2. 100 Mbps で動作する WS-X6148-GE-TX または WS-X6148V-GE-TX モジュールを 4 つ、48 の EtherChannel で使用していて、各チャネルに 4 つのポートがある(1 モジュールにつき 1 ポート)場合も、加入過多の問題が発生する可能性があります。

    3. WS-X6548-GE-TX または WS-X6548V-GE-TX モジュールを搭載したスイッチ ファブリック モジュールを使用する場合、設定により加入過多の問題を回避できます。スイッチ ファブリック モジュールのインターフェイスでは、EtherChannel バンドル ハッシュでの、正しいモジュールに対するパケットのフィルタリングと分散が行われます。ただし、バンドル内のモジュール 1 つにつき 1 つのポートを使用する必要があります。EtherChannel バンドル内の WS-X6548-GE-TX または WS-X6548V-GE-TX モジュールの複数のポートを使用すると、加入過多が始まります。

      注:Catalyst OS ソフトウェア リリース 8.2(1) では、ファームウェアの改良により、WS-X6548-GE-TX および WS-X6548V-GE-TX モジュールでのこのような加入過多の問題は発生しなくなりました。

    その他の 10/100/1000 イーサネット スイッチング モジュールおよびギガビット イーサネット スイッチング モジュールのリストについては、『イーサネットおよびギガビット イーサネット スイッチング モジュール - Catalyst 6500 シリーズ スイッチ モジュール ガイド』を参照してください。

  2. UplinkFast を有効にした場合、4 ポート 10/100 EtherChannel に対して set channel cost コマンドを使用して設定される EtherChannel ポート パス コストは、パラレル ギガビット イーサネット リンクのポート パス コストよりも小さくなります。このような状況が起こると、4 ポート EtherChannel の転送が遅くなり、ギガビット イーサネット リンクのブロックが生じます。回避策としては、UplinkFast を有効にしてから、チャネルのコストをより高く明示的に設定する方法があります。Cisco Bug ID CSCds22895登録ユーザ専用)でこの問題がトラッキングされています。
    一部ツールについては、ゲスト登録のお客様にはアクセスできない場合がありますことを、ご了承ください。

  3. WS-X6148A-GE-TX スイッチング モジュールには、48 のオーバーサブスクライブ ポートがあり、次のようにそれぞれ 8 つのポートから成る 6 グループに分かれています。

    • ポート 1、2、3、4、5、6、7、8

    • ポート 9、10、11、12、13、14、15、16

    • ポート 17、18、19、20、21、22、23、24

    • ポート 25、26、27、28、29、30、31、32

    • ポート 33、34、35、36、37、38、39、40

    • ポート 41、42、43、44、45、46、47、48

    各グループ内の 8 つのポートでは共通回路が使用され、グループは内部スイッチ ファブリックへの単一のノンブロッキング全二重方式ギガビット イーサネット接続として効率的に多重化されます。8 ポートのグループごとに、受信フレームがバッファに保管され、共通のギガビット イーサネット リンクを通じて内部ファブリックに送信されます。ポートの受信データ量がバッファ容量を超え始めると、フロー制御によってリモート ポートにポーズ フレームが送信され、一時的にトラフィックを中断して、フレーム損失が生じないようにされます。

    グループの受信フレームが 1 Gbps の帯域幅を超えると、フレームが廃棄され始めます。このような廃棄は実際のインターフェイスではなく内部 ASIC で発生するので、わかりにくくなっています。これが、デバイスを経由するパケットのスループット低下の原因となる可能性があります。

    スループットを増やす必要がある場合は、加入過多ではないライン モジュールのポートを使用するか、加入過多のライン モジュール上の別のポートグループのポートを使用します。たとえば、ライン モジュールに 48 のポートがあり、8 つのグループに分かれている場合は、ポート 1、9、17、25、33、および 41 を同じポート チャネルで選択できます。

    アクセス レイヤには 61xx、63xx、および 64xx モジュールを使用することを推奨します。これらは通常加入過多であり、常にバックプレーン スイッチング バスとのバス接続しかないためです。バックボーン接続には、65xx または 67xx モジュールを使用することを推奨します。これらのモジュールには、スイッチ ファブリックへの 8 または 20 GB の専用接続があるからです。

Catalyst 5500/5000 シリーズ

Catalyst 5500/5000 シリーズでは、Fast EtherChannel ごとに 2 つから 4 つのリンクを設定できます。Fast EtherChannel での接続は、発信元と宛先のアドレスのペアで決定されます。発信元 MAC アドレスと宛先 MAC アドレスの最後の 2 ビットに対して排他的論理和(XOR)演算処理を行います。この演算の結果は(0 0)、(0 1)、(1 0)、(1 1)のいずれかです。これらの値のそれぞれが、Fast EtherChannel を構成しているリンクを指しています。2 ポートの Fast EtherChannel の場合は、XOR 演算には 1 ビットのみが使用されます。この場合は 2 通りの結果が得られ、それぞれが構成されているリンクを指します。発信元と宛先のペアのうち、片方のアドレスが不変である場合があります。たとえば、宛先がサーバであったり、さらによくある例としてルータである場合があります。この場合、発信元のアドレスが常に異なるため、依然として統計的なロード バランシングが見られます。Cisco IOS ソフトウェア リリース 3.1.1 以降では、スパニング ツリーがサポートされています。スパニング ツリーでは、Fast EtherChannel は 1 つのブリッジ ポートのように見え、bridge protocol data unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)はこれらのリンクの 1 つに対してのみ送られます。ブロッキング モードにある Fast EtherChannel は、EtherChannel 接続されている全ポートをブロックします。

EtherChannel により、各フレームの発信元および宛先 MAC アドレスの下位ビットに基づいて、チャネル内のリンク全体にフレームが分散されます。フレームの分散方法は設定不可能です。

Catalyst 4500/4000 シリーズ

Catalyst OS

CatOS(スーパバイザ エンジン I および II)が稼働する Catalyst 4500/4000 シリーズ スイッチでは、スイッチ上で互換設定された最大 8 つのファースト イーサネット ポートまたはギガビット イーサネット ポートを使って EtherChannel を構成できます。正確な EtherChannel の構成はハードウェアによって異なります。スパニング ツリー機能がポート ID を処理するため、6 スロット シャーシではチャネルの最大数は 126 です。さらに、CatOS リリース 5.x 以降では、複数のモジュールのポートを使用して EtherChannel を構成できます。各 EtherChannel チャネルにあるポートは、すべて同じ速度である必要があります。

Catalyst 4500/4000 向けの Catalyst OS では、MAC アドレス ベースのロード バランシングが使用されています。EtherChannel により、各フレームの発信元および宛先 MAC アドレスの下位ビットに基づいて、チャネル内のリンク全体にフレームが分散されます。フレームの分散方法は設定不可能です。

Cisco IOS

Cisco IOS ソフトウェア(スーパーバイザ エンジン II+ 以降)が稼働する Catalyst 4500/4000 シリーズスイッチでは、最大 64 の EtherChannel がサポートされます。任意のモジュール上で、さらに複数のモジュール上にまたがって、最大 8 個の互換構成のイーサネット インターフェイスで EtherChannel を構成できます。各 EtherChannel にあるインターフェイスは、すべて同一のスピードである必要があります。また、すべてのインターフェイスをレイヤ 2 またはレイヤ 3 インターフェイスのいずれかとして設定する必要があります。

EtherChannel では、フレーム内のアドレスで構成されるバイナリ パターンの一部を、チャネル内のリンクの 1 つを選択する数値にまで減少させることにより、チャネル内のリンク全体にトラフィックの負荷が分散されます。EtherChannel のロード バランシングでは、MAC アドレス、IP アドレス、またはレイヤ 4 のポート番号が使用でき、さらに発信元モードまたは宛先モード(またはその両方)で使用できます。使用している構成に対して最も幅広い多様性を提供するオプションを使用します。たとえば、チャネル上のトラフィックが 1 つの MAC アドレスだけに送られる場合、この宛先 MAC アドレスの使用により毎回チャネル内の同じリンクが選択されます。送信元アドレスか IP アドレスを使用すれば、よりよいロード バランスが行えます。ロード バランシングの設定には、port-channel load-balance {src-mac | dst-mac | src-dst-mac | src-ip | dst-ip | src-dst-ip | src-port | dst-port | src-dst-port} グローバル設定コマンドを発行します。

注:4 つのリンクのバンドリングにより EtherChannel が構成されている場合であっても、スイッチでデータ トラフィックの伝送に使用されるのは、その中の 2 つだけです。残りの 2 つのリンクはバックアップ用に保持されます。スイッチでは、発信元 MAC アドレスと宛先 MAC アドレスの下位ビットを使用して、データの伝送にどのリンクを使用する必要があるかが決定されます。そのため、同じ発信元からデータが受信された場合、データの転送には EtherChannel の同じリンクが使用されます。

Catalyst 2900XL/3500XL シリーズ

Cisco IOS ソフトウェア リリース 11.2(8)SA3 より前の Cisco IOS ソフトウェア リリースが稼働する Catalyst 2900XL では、宛先の MAC アドレスが最後に認識されたリンクに基づいて、チャネル内のリンクが選択されます。このアドレスについて学習されているリンクが他よりも混雑している場合、このアドレスは IOS ソフトウェアによってチャネル内の他のリンクに動的に再割り当てされます。Cisco IOS ソフトウェア リリース 11.2(8)SA3 以降が稼働する Catalyst 2900XL、および Cisco IOS ソフトウェア リリース 11.2(8)SA6 以降が稼働する Catalyst 3500XL では、Fast EtherChannel を経由して送信されるリンクが選択されるように設定できます。スイッチでは、フレームの宛先または発信元の MAC アドレスに基づいてリンクが選択されます。デフォルトでは、発信元 MAC アドレスが使用されます。このデフォルトは、非 Fast EtherChannel ポートでスイッチが受信したパケットで、同じ発信元 MAC アドレスを持ち、チャネルの反対側にある MAC アドレスを宛先とするものでは、すべてチャネル内の同じリンクが選択されることを意味しています。Catalyst 2900XL/3500XL に接続されている多数のステーションが、Fast EtherChannel の反対側にある少数のステーション(1 台のルータなど)に送信を行っている場合には、発信元ベースのフォワーディングを使用します。このような状況で発信元ベースのフォワーディングを使用すると、チャネル内のすべてのリンクにトラフィックが均等に分散されます。また、Catalyst 2900XL/3500XL スイッチでは、Spanning Tree Protocol(STP; スパンニング ツリー プロトコル)、マルチキャスト、および未知のユニキャストなど、トラフィックを伝送するためのデフォルト ポートという概念があります。

Catalyst 3750/3560

Catalyst 3750/3560 シリーズ スイッチでは、1 つの EtherChannel 内で互換構成のイーサネット インターフェイスを最大 8 つサポートできます。EtherChannel では、あるスイッチと別のスイッチまたはホストとの間で、最大 800 Mbps(Fast EtherChannel)または 8 Gbps(Gigabit EtherChannel)の全二重帯域幅が提供されます。Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(20)SE 以前では、EtherChannel の数の制限は 12 です。Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(25)SE 以降では、EtherChannel の数の制限は 48 です。

EtherChannel では、フレーム内のアドレスで構成されるバイナリ パターンの一部を、チャネル内のリンクの 1 つを選択する数値にまで減少させることにより、チャネル内のリンク全体でのトラフィックの負荷バランスが実現されています。EtherChannel のロード バランシングでは、MAC アドレスや IP アドレス、あるいは発信元アドレスや宛先アドレスの一方または両方を使用できます。このモードは、そのスイッチで設定されているすべての EtherChannel に適用されます。ロード バランシングとフォワーディングの方式を設定するには、port-channel load-balance {dst-ip | dst-mac | src-dst-ip | src-dst-mac | src-ip | src-mac} グローバル設定コマンドを使用します。

ロード バランシング方式に基づいて、トラフィックの転送にどのインターフェイスが EtherChannel で使用されているかを調べることができます。test etherchannel load-balance interface port-channel number {ip | mac} [source_ip_add | source_mac_add] [dest_ip_add | dest_mac_add] が、この判別を行うためのコマンドです。

Catalyst 2950/2955/3550

Catalyst 2950/2955 シリーズ スイッチでは、1 つの EtherChannel で互換構成のイーサネット インターフェイスを最大 8 つサポートできます。EtherChannel では、使用中のスイッチと別のスイッチまたはホストとの間で、最大 800 Mbps(Fast EtherChannel)または 2 Gbps(Gigabit EtherChannel)の全二重帯域幅の提供が可能です。EtherChannel の数には、EtherChannel ごとの 8 つのポートについて 6 つまでという制限があります。

Catalyst 3550 シリーズ スイッチは、互換性があるように設定されたイーサネット インターフェイスを最大 8 つ使用して、レイヤ 2 とレイヤ 3 の両方の EtherChannel をサポートします。EtherChannel では、あるスイッチと別のスイッチまたはホストとの間で、最大 800 Mbps(Fast EtherChannel)または 8 Gbps(Gigabit EtherChannel)の全二重帯域幅が提供されます。EtherChannel の数の制限は、同じタイプのポートの数です。

2950/2955/3550 シリーズ スイッチでは、EtherChannel により、新しく学習された MAC アドレスとチャネル内のいずれかのリンクをランダムに関連付けることにより、チャネル内のリンクでトラフィック負荷がバランシングされます。EtherChannel のロード バランシングでは、発信元 MAC アドレスのフォワーディングまたは宛先 MAC アドレスのフォワーディングのいずれかを使用できます。

発信元 MAC アドレス フォワーディングを使用すると、パケットが EtherChannel へフォワーディングされる際に、着信パケットの発信元 MAC アドレスに基づいて、チャネル内のポート全体に分散されます。したがって、ロード バランシングを行うには、異なるホストから送られたパケットはチャネル内の異なるポートを使用し、同じホストから送られたパケットはチャネル内の同じポートを使用します。宛先 MAC アドレス フォワーディングを使用すると、パケットが EtherChannel へフォワーディングされる際に、着信パケットの宛先ホストの MAC アドレスに基づいて、チャネル内のポート全体に分散されます。したがって、同じ宛先へ送られるパケットは同じポートを経由してフォワードされ、異なる宛先へ送られるパケットはチャネル内の異なるポートを経由して送られます。

3550 シリーズ スイッチでは、発信元 MAC アドレスのフォワーディングが使用されている場合、発信元および宛先の IP アドレス ベースの負荷分散も、ルーティングされた IP トラフィックに対して有効になります。ルーティングされたすべての IP トラフィックでは、発信元および宛先 IP アドレスに基づいてポートが選択されます。2 つの IP ホスト間のパケットには常にチャネル内の同じポートが使用され、またホストのその他任意のペアの間のトラフィックにはチャネル内の別のポートの使用が可能です。

ロード バランスと転送の方式を設定するには、port-channel load-balance {dst-mac | src-mac} グローバル設定コマンドを発行します。

注: Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)、マルチキャスト、および未知のユニキャストなど、トラフィックを伝送するには、デフォルト ポートが使用されます。デフォルト ポートは、show etherchannel summary コマンドの出力の、d と表示された部分で識別できます。

Catalyst 1900/2820

PAgP が有効である場合、使用可能なリンクの決定方法は、Fast EtherChannel のリンク間での順序の保存とロード バランシングの最大利用の 2 つです。PAgP の説明については、このドキュメントの「PAgP の説明と使用される場所」のセクションを参照してください。デフォルトの方法はロード バランシングの最大利用です。PAgP は、チャネルのもう一方の側にあるデバイスと設定方法を交渉するために使用されます。順序の保存が設定されている場合、もう一方の側にあるデバイスは、発信元ベースの転送を使用するよう指示されます。このため、Catalyst 1900/2820 では同じ発信元 MAC アドレスを持つパケットが常にチャネル内の同じリンクで受信されます。これは Catalyst 1900/2820 で、この MAC アドレスへのトラフィックを送信する場合に常に使用されるリンクになります。ロード バランシングの最大利用が設定されている場合、PAgP からもう一方の側に対してトラフィックを任意の方法で分配することが指示されます。また、ユニキャスト トラフィックは、宛元アドレスが最後に認識されたリンク上にある Catalyst 1900/2820 によって伝送されます。これにより、設定可能な最大限のロード バランシングの構成が実現します。PAgP が無効の状態で Fast EtherChannel が設定されている場合、スイッチではその学習機能についてパートナーとのネゴシエーションが行えません。スイッチがフレームの順序を保存しているかどうかは、Fast EtherChannel のパートナーが発信元ベースの分散を実行しているかどうかに依存します。Catalyst 1900/2820 もアクティブ ポートを選択します。アクティブ ポートは、未知のユニキャスト、未登録のマルチキャスト、およびブロードキャスト パケットなどの、フラッディングされたトラフィックにも使用されます。ポートチャネル モードが on の場合(PAgP が無効)、最高のプライオリティ値を持つリンクがアクティブ ポートになります。ポートチャネル モードが desirable または auto の場合(PAgP が有効)、アクティブ ポートは上位のイーサネット アドレスを持つスイッチにある、リンクのプライオリティに基づいて選択されます。上位のイーサネット アドレスを持つスイッチの 2 つのポートのプライオリティが同じ場合、低い方の「ifIndex」を持つポートが選択されます。

Catalyst 2948G-L3/4908G-L3 および Catalyst 8500

1 つのリンクに障害が発生すると、そのリンクを使用していた全トラフィックが次のリンクを使用するようになります。たとえば、バンドルの中の Link 1 に障害が発生した場合、その障害の前に Link 1 を使用していたトラフィックは Link 2 を使用するようになります。

ロード バランシング方式のマトリックス

次のマトリックスに、このドキュメントで説明したロード バランシング方式をまとめます。

プラットフォーム XOR で使用されるアドレス 発信元ベースかどうか 宛先ベースかどうか 発信元/宛先ベースかどうか ロード バランシング方式 - 設定可能/固定のどちらか
6500/6000 レイヤ 2、レイヤ 3 アドレス、レイヤ 4 情報、または MPLS 情報 2 はい はい はい 設定可能
5500/5000 レイヤ 2 アドレスのみ はい 方式を変更できない
4500/4000 レイヤ 2、レイヤ 3 アドレス、またはレイヤ 4 情報 はい はい はい 設定可能
2900XL/3500XL レイヤ 2 アドレスのみ はい はい 設定可能
3750/3560 レイヤ 2 またはレイヤ 3 アドレスのみ はい はい はい 設定可能
2950/2955/3550 レイヤ 2 アドレスのみ 1 はい はい 1 設定可能
1900/2820 これらのプラットフォームでは特別なロード バランシング方式が使用されます。詳細は「Catalyst 1900/2820」のセクションを参照してください。
8500 レイヤ 3 アドレスのみ はい 方式を変更できない

1 3550 シリーズ スイッチでは、発信元 MAC アドレスのフォワーディングが使用されている場合、発信元および宛先の IP アドレス ベースの負荷分散も、ルーティングされた IP トラフィックに対して有効になります。ルーティングされたすべての IP トラフィックでは、発信元および宛先 IP アドレスに基づいてポートが選択されます。

2Cisco IOS ソフトウェアが稼働する 6500 シリーズ スイッチでは、MPLS レイヤ 2 情報も MPLS パケットのロード バランシングに使用できます。

PAgP の説明と使用される場所

PAgP は EtherChannel リンクの自動作成を支援します。チャネルの構成をネゴシエートするために、EtherChannel 対応のポート間で PAgP パケットが送信されます。PAgP には意図的に制限が設けられています。その制限を次に示します。

  • ダイナミック VLAN 用に設定されたポートに、PAgP がバンドルを構成することはありません。PAgP では、チャネルのすべてのポートが同じ VLAN に属すか、トランク ポートとして設定されている必要があります。バンドルがすでに存在し、ポートの VLAN が変更された場合、バンドル内のすべてのポートはその VLAN に対応するよう変更されます。

  • PAgP は、異なる速度またはポート デュプレックスで動作するポートをグループ化しません。バンドルされた状態で速度およびデュプレックスが変更されると、PAgP によりバンドル内のすべてのポートのポート速度およびデュプレックスが変更されます。

  • PAgP のモードは、off、auto、desirable、および on です。チャネルを構成できるのは、auto-desirable、desirable-desirable、および on-on の組み合せのみです。ルータなど、チャネルの一方のデバイスで PAgP がサポートされていない場合、もう一方のデバイスでは PAgP が on に設定されている必要があります。

現在、PAgP は次のスイッチでサポートされています。

  • Catalyst 4500/4000

  • Catalyst 5500/5000

  • Catalyst 6500/6000

  • Catalyst 2940/2950/2955/3550/3560/3750

  • Catalyst 1900/2820

次のスイッチでは PAgP はサポートされていません。

  • Catalyst 2900XL/3500XL

  • Catalyst 2948G-L3/4908G-L3

  • Catalyst 8500

EtherChannel での ISL/802.1Q トランキングのサポート

Inter-Switch Link(ISL; スイッチ間リンク)/802.1Q トランキングがあってもなくても、EtherChannel 接続を設定することができます。チャネルが構成された後、チャネル内のポートをトランクとする設定により、チャネル内の全ポートにこの設定が適用されます。まったく同一に設定された複数のトランク ポートは、1 つの EtherChannel として設定が可能です。すべてを ISL とするか、またはすべてを 802.1Q とする必要があり、この 2 つを混在させることはできません。ISL/802.1Q のカプセル化が有効になっている場合、このカプセル化は Fast EtherChannel の発信元および宛先のロード バランシング メカニズムに対して別々に行われます。VLAN ID は、パケットが通るリンクには影響しません。ISL/802.1Q では、トランクが複数の VLAN に属することができるようにされるだけです。トランキングが有効にされていない場合、Fast EtherChannel に関連する全ポートは同じ VLAN に属している必要があります。


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