音声 : 音声品質

VoIP および VoFR 用のフレームリレー トラフィック シェーピング

2006 年 2 月 2 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2006 年 2 月 2 日) | フィードバック

目次

概要
はじめに
      表記法
      前提条件
      使用するコンポーネント
フレームリレー トラフィック シェーピングの概要
ネットワーク ダイアグラム
シナリオ例: データ専用のフレームリレー トラフィック シェーピング
      データ PVC 用の FRTS
      関連する FRTS コマンド
音声用のフレームリレー トラフィック シェーピング
シナリオ例: 音声用のフレームリレー トラフィック シェーピング
      Voice over IP(VoIP)over Frame Relay 用のトラフィック シェーピングの設定
      Voice over Frame Relay(VoFR)用のトラフィック シェーピングの設定
      関連する FRTS コマンド
確認とトラブルシューティング
      IOS 設定の確認
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

このドキュメントでは、音声アプリケーション用に Frame Relay Traffic Shaping(FRTS; フレームリレー トラフィック シェーピング)を設定するためのガイドラインについて説明します。

音声トラフィック用の FRTS とデータ専用のトラフィック シェーピングでは(一定の音声品質を確保する必要がある場合は特に)、設定が異なります。 音声品質を確保するように FRTS を設定する場合は、データ トラフィックに関してある程度の妥協が必要になります。たとえば、トラフィック シェーピングの帯域幅制限によるスループットの低下などを考慮しておく必要があります。 最終的には、ユーザがデータ スループットと音声品質のどちらを優先するかを決定する必要があります。

はじめに

表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

前提条件

このドキュメントに適用される特定の前提条件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。

フレームリレー トラフィック シェーピングの概要

FRTS は、フレームリレー ネットワークのネットワーク トラフィック輻輳を管理するための便利なパラメータを提供します。 FRTS は、中央サイトへの高速接続とブランチ サイトへの低速接続を使用したフレームリレー ネットワーク内のボトルネックを解消します。 レート強制値を設定すると、中央サイトの Virtual Circuit(VC; 仮想回線)から送信されるデータの転送速度を制限できます。

ここでは、FRTS に関連する重要な用語について説明します。

用語 定義

Committed Information Rate(CIR; 認定情報レート)

フレームリレー プロバイダーが保証するデータ転送レート(ビット/秒)。 CIR 値はフレームリレー サービス プロバイダーによって設定され、ユーザがルータ上で設定します。

注:ポートまたはインターフェイスのアクセス レートは CIR より高く設定することもできます。このレートは、Tc の時間間隔にわたって平均化されます。

Committed Burst(Bc; 認定バースト)

フレームリレー ネットワークが Committed Rate Measurement Interval(Tc; 認定レート測定間隔)の間に転送する最大の認定ビット数。 Tc は、Tc = Bc / CIR の計算式で求められます。

Excess Burst(Be; 超過バースト)

フレームリレー スイッチが認定レート測定間隔(Tc)の間に CIR を超えて転送を試みる最大の非認定ビット数。

Committed Rate Measurement Interval(Tc; 認定レート測定間隔)

Bc または(Bc+ Be)ビットが転送される時間間隔。 Tc は、Tc = Bc / CIR の計算式で求められます。Tc 値は Cisco ルータ上で直接設定するものではありません。 この値は、Bc 値と CIR 値を設定すると自動的に計算されます。 Tc の最大値は 125 ミリ秒です。

Backwards Explicit Congestion Notification(BECN; 逆方向明示的輻輳通知)

ネットワークの輻輳を示す、フレームリレー ヘッダー内のビット。 フレームリレー スイッチは輻輳を検出すると、送信元ルータ向けのフレームに BECN ビットを設定して、転送レートを下げるようにルータに指示します。


ネットワーク ダイアグラム

このドキュメントのシナリオ例では、次のダイアグラムで示すネットワーク トポロジを使用しています。

fr_traffic.gif

ネットワーク トポロジ
※ 画像をクリックすると、大きく表示されます。

シナリオ例: データ専用のフレームリレー トラフィック シェーピング

想定シナリオ: 128 Kbps のフレームリレー回線と、CIR が 64 Kbps の PVC を使用します。 ユーザは、バースト転送の最大値をポート速度(128 Kbps)に設定し、BECN を受信した場合はデータ損失を防ぐために転送速度を CIR レート(64 kbps)まで下げたいと考えています。

データ PVC 用の FRTS

これはデータ PVC 用の一般的な FRTS の設定例です。

  
  
  !--- 出力を省略。 
  
  
  interface Serial1
   no ip address
   no ip directed-broadcast
   encapsulation frame-relay
   no fair-queue
   frame-relay traffic-shaping
  !
  interface Serial1.100 point-to-point
   ip address 1.1.1.1 255.255.255.0
   no ip directed-broadcast
   frame-relay interface-dlci 100   
    class my_net
  !
  
  
  !--- 出力を省略。 
  
  
  !
  map-class frame-relay my_net
   frame-relay adaptive-shaping becn
   frame-relay cir 128000
   frame-relay bc 8000
   frame-relay be 8000
   frame-relay mincir 64000
  

関連する FRTS コマンド

  • frame-relay traffic-shaping — インターフェイスに対する FRTS を有効にします。 ユーザ定義またはデフォルトのトラフィック シェーピング パラメータに基づいて、そのインターフェイスの下にあるすべての DLCI にトラフィック シェーピングが適用されます。 ユーザ定義パラメータは次の 2 つの方法で指定できます。

    • frame-relay interface-dlci 設定の下で class class_name コマンドを使用する。

    • シリアル インターフェイスの下で frame-relay class コマンドを使用する。

    上記の例では、DLCI 設定の下で class my_net を使用しています。

  • class class_name — 特定の DLCI に対する FRTS パラメータを設定します。 上記の例では、「my_net」というクラスが定義されています。 クラス パラメータは map-class frame-relay class_name コマンドの下で設定されています。

  • map-class frame-relay class_name — 特定のクラスに対して FRTS パラメータを設定します。 1 つの設定に複数のクラス マップが存在していても問題ありません。 DLCI ごとに異なるクラスを持つことも、複数の DLCI で 1 つのマップ クラスを共有することも可能です。

  • frame-relay adaptive-shaping becn — BECN ビットが設定されたフレームリレー フレームに応答するようにルータを設定します。 BECN ビットが設定されたフレームを PVC で受信すると、ルータはその PVC のトラフィック速度を MINCIR 値まで下げます。 通常、CIR はポート速度と同じ値に設定されているか、PVC の実際の CIR よりも高く設定されています。 また、MINCIR 値は PVC の実際の CIR と同じ値に設定されています。

  • frame-relay cir bps — フレームリレー仮想回線に対して着信 CIR または発信 CIR を指定します。

  • frame-relay bc bits — フレームリレー仮想回線に対して着信 Bc サイズまたは発信 Bc サイズを指定します。

  • frame-relay be bits — フレームリレー仮想回線に対して着信 Be サイズまたは発信 Be サイズを指定します。

  • frame-relay mincir bps - フレームリレー仮想回線に対して最小許容着信 CIR または最小許容発信 CIR を指定します。 アダプティブ シェーピングを使用する場合、トラフィック速度はこのレートまで下げられます。

音声用のフレームリレー トラフィック シェーピング

音声用に FRTS を設定する場合は、音声品質が確保される代わりにデータ パフォーマンスが低下する可能性があります。 ここでは、音声用に FRTS を設定する際の音声品質を高めるためのガイドラインについて説明します。

  • PVC の CIR を超えないようにする

    ほとんどの場合、この推奨事項に従うことは困難です。これに従うと、ルータがポート速度でバースト転送を行えなくなるからです。 音声品質を確保する上では大幅な遅延は許されないため、フレームリレー クラウド内のキューで待機する音声パケットの数をできる限り少なくする必要があります。 プロバイダーのサービスやフレームリレー ネットワークの混み具合によっては、CIR(ルータで設定した CIR ではなく PVC の CIR)を超えるとフレームリレー ネットワーク内のキューにパケットが溜まり始めます。 フレームリレー スイッチのキューに一定量のパケットが溜まって BECN が生成されたときには、すでに音声品質が低下しています。 フレームリレー プロバイダーのサービスやサイト間の回線の込み具合はさまざまに異なるため、設定の効果を予測することは困難ですが、 音声を転送する PVC の CIR 以下に値を維持すると、安定的に運用できることが実証されています。

    一部のプロバイダーでは CIR が 0 に設定されたフレームリレー サービスを提供しています。 この場合、CIR を超えなければフレーム リンク経由で音声を送信できないことは明らかです。 CIR が 0 のサービスを音声用に使用することは可能ですが、その場合は CIR が 0 の PVC を経由する特定の帯域幅の遅延とジッタを最小限に抑えることを保証した Service Level Agreement(SLA; サービス レベル契約)をプロバイダーと結ぶ必要があります。

  • フレームリレー アダプティブ シェーピングを使用しない

    フレームリレー マップ クラス内で設定した CIR が、PVC の実際の CIR と同じである場合は、BECN のためにトラフィック速度を下げる必要がありません。 CIR を超えない限り、BECN は生成されません。

  • Tc(シェーピング間隔)が小さくなるように Bc を低く設定する(Tc = Bc/CIR)

    最小の Tc 値は 10 ミリ秒です。これは音声転送に最適な値です。 Tc 値が小さくなると、大きなパケットがすべてのシェーピング クレジットを使ってしまう可能性がなくなります。 トラフィック シェイパは Tc 期間が完全に過ぎるまで次のフレームを送信するための新しいクレジットを作成しないため、Tc 値が大きくなるとパケットの送信間隔が長くなります。 通常、Bc 値を 1000 ビットにすれば、ルータは最小の Tc 値(10 ミリ秒)を使用するようになります。 この設定であればデータのスループットに影響はありません。

  • Be を 0 に設定する

    CIR 値を超えないようにするために、Be を 0 に設定して、最初のシェーピング間隔で超過バーストが発生しないようにします。

注:一部のお客様は、データ用と音声用に別々の PVC を使用するという適切なソリューションを採用しています。 このソリューションを採用すると、データ専用 PVC ではポート速度での転送が可能になり、音声用 PVC では負荷を CIR 以下に維持することができます。 ただし、フレーム スイッチとキューイングの構成によっては、このソリューションが適切であるとは考えないフレーム プロバイダーも存在します。 可能な場合は、データ パケットのキューイングによる遅延が発生しないようにするために、データ PVC より音声 PVC を優先するようにフレームリレー プロバイダーに依頼してください。

シナリオ例: 音声用のフレームリレー トラフィック シェーピング

想定シナリオ: 128 Kbps のフレームリレー回線と、CIR が 64 Kbps の PVC を使用します。 フレームリレー PVC は音声トラフィックとデータ トラフィックの転送に使用されます。

Voice over IP(VoIP)over Frame Relay 用のトラフィック シェーピングの設定

これは VoIP over Frame Relay 用のトラフィック シェーピングの一般的な設定です。

  
  !--- 出力を省略。 
  
  
  !
  interface Serial1
   no ip address
   no ip directed-broadcast
   encapsulation frame-relay
   frame-relay traffic-shaping
  
  !
   ip address 1.1.1.1 255.255.255.0
   no ip directed-broadcast
   frame-relay interface-dlci 100   
    class voice
  
  
  !
  
  !--- 出力を省略。 
  
  
  !
  map-class frame-relay voice
   frame-relay fragment 160
   no frame-relay adaptive-shaping
   frame-relay cir 64000
   frame-relay bc 1000
   frame-relay be 0
   frame-relay fair-queue
  !
  

Voice over Frame Relay(VoFR)用のトラフィック シェーピングの設定

これは VoFR 用のトラフィック シェーピングの一般的な設定です。

  
  !--- 出力を省略。 
  
  
  !
  interface Serial1
   no ip address
   no ip directed-broadcast
   encapsulation frame-relay
   frame-relay traffic-shaping
  !
  interface Serial1.100 point-to-point
   ip address 1.1.1.1 255.255.255.0
   no ip directed-broadcast
   frame-relay interface-dlci 100   
    class voice
    vofr cisco
  !
  
  
  !--- 出力を省略。 
  
  
  !
  map-class frame-relay voice
   frame-relay voice bandwidth 32000
   frame-relay fragment 160
   no frame-relay adaptive-shaping
   frame-relay cir 64000
   frame-relay bc 1000
   frame-relay be 0
   frame-relay fair-queue
  !
  

関連する FRTS コマンド

このセクションでは、関連する FRTS コマンド(「データ専用のフレームリレー トラフィック シェーピング」のセクションで説明したもの以外)について説明します。

  • vofr cisco — (VoFR 専用コマンド)PVC に対して VoFR を有効にします。

  • frame-relay voice bandwidth bps — (VoFR 専用コマンド)特定の Data Link Connection Identifier(DLCI; データリンク接続識別子)に対して音声トラフィック用に予約する帯域幅の量を指定します。 このコマンドは音声トラフィックに使用する帯域幅の上限を定めます。

  • frame-relay fragment bytes — フレームリレー マップ クラスに対して、フレームリレー フレームのフラグメンテーションを有効にします。 詳細については、『ボイスに関するフレームリレーのフラグメンテーション』を参照してください。. ルータ間の最低リンク速度によっては、音声用 PVC とインターフェイスを共有するすべての PVC でフラグメンテーションが必要になります(データ専用 PVC を含む)。 音声用 PVC は他の PVC と物理インターフェイスを共有する場合があるため、他の PVC で大きなデータグラムが送出されると、音声用 PVC の同じ物理インターフェイスを使って送出される音声パケットに遅延が生じる場合があります。

  • no frame-relay adaptive-shaping — アダプティブ シェーピングを無効にします。

  • frame-relay cir 64000 — PVC の CIR と同じ速度で転送を行うようにルータを設定します(上記の例では、ポート速度が 128Kbps でも 64 kbps で転送します)。

  • frame-relay bc 1000 — 小さい Tc(シェーピング間隔)を使用するようにルータを設定します。

  • frame-relay be 0 — PVC の CIR を超えないようにするために、be を 0 に設定して、最初のシェーピング間隔で超過バーストが発生しないようにします。

確認とトラブルシューティング

このセクションでは、FRTS の確認とトラブルシューティングのためのガイドラインについて説明します。

IOS 設定の確認

  • show traffic-shape コマンドを使用して、現在設定されている FRTS パラメータを表示します。 次の出力例は、上記の音声用 FRTS の設定に対するコマンド出力です。

      ms3810-3c#sh traffic-shape
      
                 Access Target    Byte   Sustain   Excess    Interval  Increment Adat
      
      I/F        List   Rate      Limit  bits/int  bits/int  (ms)       (bytes)  ActeSe1.100    
      
      64000     1125   1000      8000      15        125       -
      

    注:上記の例では、Tc 間隔が 15 ミリ秒に設定されています。最小値は 10 ミリ秒です。 Bc 値を低く設定しても Bc 値は 10 ミリ秒未満には設定されないので心配はありません。 上記の例では、PVC の CIR と同じ値(64000 bps)に設定されています。

    次の表で、show traffic-shape コマンド出力の値の意味について説明します。

    Target Rate

    フレームリレー CIR

    Byte Limit

    フレームリレー Bc + フレームリレー Be(バイト単位の値)

    Sustain bits/int

    フレームリレー Bc(ビット単位の設定値)

    Excess bits/int

    フレームリレー Be(ビット単位の設定値)

    interval (ms)

    Tc=Bc/CIR で定義される Tc と同等

    Increment (bytes)

    フレームリレー Bc(バイト単位)


  • 設定の確認には show frame-relay pvc コマンドも使用できます。このコマンドの出力例を示します。

      ms3810-3c#sh frame pvc 100
      
      PVC Statistics for interface Serial1 (Frame Relay DTE)
      
      DLCI = 100, DLCI USAGE = LOCAL, PVC STATUS = DELETED, INTERFACE = Serial1.100
      
        input pkts 0             output pkts 0            in bytes 0         
        out bytes 0              dropped pkts 0           in FECN pkts 0         
        in BECN pkts 0           out FECN pkts 0          out BECN pkts 0         
        in DE pkts 0             out DE pkts 0         
        out bcast pkts 0          out bcast bytes 0         
        pvc create time 05:29:55, last time pvc status changed 05:29:05
        Service type VoFR-cisco
        configured voice bandwidth 32000, used voice bandwidth 0
        fragment type VoFR-cisco         fragment size 160
        
      cir 64000     bc   1000      be 8000      limit 1125   interval 15  
        mincir 64000     byte increment 125   BECN response no 
        fragments 0         bytes 0         fragments delayed 0    bytes delayed 
        shaping inactive    
        traffic shaping drops 0
         Voice Queueing Stats: 0/100/0 (size/max/dropped)
        Current fair queue configuration:
         Discard     Dynamic      Reserved
         threshold   queue count  queue count
         64          16           2    
        Output queue size 0/max total 600/drops 0
      
      ms3810-3c#
      

    注:多くの場合、トラフィック シェーピングは、ユーザがインターフェイスの PVC に音声トラフィックを追加したときに初めて設定されます。 インターフェイス内のユーザ定義 FRTS パラメータが設定されていない PVC では、デフォルト パラメータが使用されます。 次の出力には、デフォルトの FRTS パラメータが表示されています。

      ms3810-3c#show traffic-shape
      
                   Access Target    Byte   Sustain   Excess    Interval Increment Adat
      I/F         List   Rate      Limit  bits/int  bits/int  (ms)      (bytes)  Acte
      
      Se1                56000     875    56000     0         125       875       -
      
      

    注:CIR のデフォルト値は 56 Kbps です。 したがって、デフォルトの FRTS 属性を使用する PVC のスループットは 56 Kbps になります。 これは、音声用 PVC とデータ用 PVC で同じインターフェイスを共有する場合に重要になります。


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